
30歳でも血液検査をすると40歳の人もいれば20歳の人もいる。その指標となるマーカーのようなものが見つかっており、生物としての老化が病気に近いと考える研究者が増えてきています。そこに大きく影響するのが腸内細菌ではないかという研究が2022年に発表され、注目されています。
例えば、年老いたネズミに若いネズミのウンチ、つまり腸内細菌を投与すると、この年老いたおばあちゃんネズミが若返えることが確認されています。このような世界の研究で分かってきたのが、老化を防ぐ菌、特に日本人の老化を防ぐ2つの菌があり、そして老化を防ぐ食べ物が分かって来ています。
老化を防ぐ菌
糞便移植の研究では、どの菌が長生きに関係するかが分かっています。ヨーロッパの研究で老化を防ぐ菌として使われたのがアッカーマンシア菌です。これを使った動物実験では、年置いたネズミが元気になり、筋肉も維持できることが分かり、そして人への臨床試験も行われています。太っている中年男性に、この菌を投与するとメタボ気味の人たちが痩せることが確認されています。さらにアッカーマンシア菌を使って寿命まで伸びると考えられています。
しかし、このアッカーマンシア菌が多い人達には、日本人は含まれていないことが分かっています。ただし、この菌を持っている日本人は、病気の人に多く、例えば神経系の難病の人など、特定の集団にアッカーマンシア菌が多いと言われています。その理由は明らかになっていません。
一方で、日本人は類似の効果があるビフィズス菌とブラウティア菌が酢酸をつくるため、それよって健康や寿命が伸びているのではないかと考えられています。この酢酸の中には、酢酸、プロピオン酸、酪酸などがあり、例えば酢酸は家庭菜園で薄い酢を散布するとトマト元気になったり、また既に認知症関連の研究で認知症が進む人たちは、このようなお酢を作る菌が少ないことも報告されています。そして、この酢酸をつくる菌が多いのが日本人の特徴です。
酢酸をつくる食物繊維
短鎖脂肪酸、酢酸をつくるために食事の影響は大きく、そこに食物繊維と言うキーワードが出てきます。しかし一般の方は、この食物繊維を摂るためにはサラダ食べないといけないと思われていることが多いですが、それでもレタスやキャベツ 1日4個も5 個も食べる人はいません。そのためサラダ食べても食物繊維は全然足りていません。そして腸内に居る菌は既に決まっているので、その餌になる食物繊維が大切で、その人の腸内細菌はひたすら人が何食べるかを待っているだけなのです。
一方で、何を食べたくなるのかが腸内細菌にコントロールされているのではないかと言う研究も始まっています。例えばコロッケ食べたら、コロッケの油の好きな腸内細菌がいて、それをまたその本人にコロッケ食えと命令しているのではないかと言うことです。
また、腸内細菌を決定する因子としてお母さんのお腹に中にいる10ヶ月と生まれて2年で大体1000日の環境で、ほぼ種類は決まると言われています。また環境も大事で、東京のマンションなどの綺麗な場所で育った人と北海道の牧場で育った人は違いがあります。さらに食べているものも大事で、6ヶ月過ぎて、ここで何を食べたかの影響が大きいと考えられています。そのため2 歳までの間に甘いもの、油っぽいものを食べていたのかなど、いろんなことが決まってしまっています。その後には、それぞれの餌の種類によって育っていく菌もあれば、無くなっていく菌もあるわけです。
いずれにせよ、腸内細菌の餌で重要なのは食物繊維であり、日頃の食生活でかなり意識して食物繊維を摂る必要があります。
日本人の老化を防ぐ2つの腸内細菌
2017年から、京都府の北部の京丹後中心にした地域の人たちが長寿が多いと言うことで、京丹後多目的コホート研究が開始されました。例えば住民票を調べると100歳以上の人の割合が、当時で10万人中150人おり、全国平均の60から70ぐらいを大きく上まっていました。
そのため65歳以上の人全員に住民検診をし、2000項目の人間ドッグよりか遥かに細かいデータを集めて、なぜ長寿なのかを明かにする研究が始まりました。 また、もう1つ日本では最も寿命の短い、青森県コホート研究が先行して開始されていたので、これらを比較した研究が進んでいます。
そのような中で、日本人の老化を防ぐ菌が2つあり、その中で大事なのがロゼブリアという菌です。ロゼブリアは、短鎖脂肪酸の中でも酪酸を作る菌と言われています。そもそも酪酸は、免疫や感染症に重要な役割をしています。研究でも、京丹後の人たちと京都市内の人たち 65 歳以上で比較しても、明らかにロゼブリアが京丹後で多かったことが分かっています。
この菌も腸内細菌の腸に中にしかおらず、食物繊維が餌になります。そして10年ほど世界で研究された結果によると、明らかに酪酸産生菌(ロゼブリア)が多い人は、肺炎などの感染症で入院したり、亡くなる率は極めて少ないことが分かっています。
また、日本人の肥満していない人に多い菌で玄米や大麦を食べていると増えやすいブラウティア菌があります。青森県の日本で 1 番寿命の短い地域と、そこで肥満の度合とそのブラウティア菌の割合を見ると正しいのではないかと考えられています。
当然、これらの菌は大事ですが、これらの菌がいるおかげで腸内環境が良くなり、その結果として多様な腸内細金が住むことができるようになり、悪い菌の増殖が抑制できていることが1番大事です。
植物ベースの食事(プラントベースドダイエット)
プラントベースドダイエットは、単にベジタリアンではなく、日本人にとって大切なタンパク源である魚を足すベジタリアンのことです。肉を避ける理由は、アメリカで50歳ぐらいの人たちを10万人集めて30年間追いかけた研究が発表されているからです。この研究では、70歳の時点で 11個の病気がなく、認知症ではなく、運動もちゃんとでき、社会的にも普通に生活できている人たちが9%しかいないことが分かっています。その人たちが30年前に何を食べていたのかを徹底分析すると肉食べない、ソーセージ食べない、ジュース飲まないことが挙げられ、特に植物ベースのそれも素材から作ることが大事なことが分かっています。
ただし、植物ベースの食事(hPDI)は、ヘルシープラントベーストダイエットの意味があり、全粒穀物、果物、野菜、ナッツ、豆類、植物油、コーヒー、お茶、プラス運動のことを表しています。 一方で植物ベースだけどもアンヘルシーなのが、果汁飲料、砂糖甘味飲料、精製穀物、ジャガイモ、お菓子、デザートなどのです。
そして植物ベースの食事(hPDI)の中で全粒穀物と豆は必ず摂ることが大事です。なぜなら筋肉は 20種類のアミノ酸でできており、そのうちの11種類は自分で合成することができます。しかしどうしても筋肉のために必要なのが分岐鎖アミノ酸(BCAA)のロイシン、バリン、イソロイシンという3つのアミノ酸です。これを摂っていないと必ず筋肉は痩せていきます。この3つは豆と全粒穀物に含まれています。
食物繊維が多く含まれる豆のランキングは、金時豆(19.3g)、大豆(17.9g)、あずき(17.8g)、えんどう豆(17.4g)、レンズ豆(16.7g)、ひよこ豆(16.3g)、そら豆(9.3g)です。どれも調理が難しいので、おすすめは全粒穀物のキヌアです。キヌアは南米アンデス地方を原産とする穀物の一種で、必須アミノ酸を含む植物性たんぱく質が豊富です。もっと簡単に摂る方法が、セブンイレブンで販売されている「食物繊維がとれる香るジャスミンティー」はおすすめです。これには、グアー豆食物繊維が配合されており、食物繊維7.5g、銀毫茶葉45%ブレンドされています。
また、タンパク質源は赤い肉は避け、魚、穀物からタンパク質を摂りましょう。例えば京丹後の人たちは魚介類がメインで、穀類からもタンパク質を摂り、肉類を摂っていても鶏肉です。牛や豚は、ほぼ食べていません。
【本コラムの監修】

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。
















