シワが多い人と少ない人の違い

    シワが多い人と少ない人の違い

    顔の老化が進む人の共通点には、大きく分けて 3つあると言われています。その3つが糖化、酸化、炎症です。人は20 歳をピークに老化が進みますが、その老化のスピードは個人差が大きく、年齢がそれほど変わらない人、すごく若く見える人、残念ながら老けて見える人がいます。

    その差には遺伝的要因は少なく、多くは生活習慣と関わっていることが分かっています。老化の進んでいる人は、そうでない人に比べて約3倍のスピードで老化しているとも言われています。老化現象のサインとしては、肌のたるみ、シミ、シワ、筋力低下、基礎代謝の低下で太りやすいなどが挙げられます。

    老化と酸化

    老化の原因である酸化は細胞が錆びることを指しています。私たち人間は呼吸をして、酸素を取り込んで生命を維持していますが、取り込んだ酸素の一部は様々な刺激を受けて他の分子と結びつくことで体内で活性酸素に変化します。この活性酸素は有害物質を除去する免疫機能として働く一方、活性酸素が過剰 に増えると細胞を傷つけて老化を引き起こしてします。また増えすぎた活性酸素が体内に蓄積されることで病気など体に悪影響を及ぼす恐れもあります。

    私たちの体には本来、活性酸素から生体を防御する抗酸化という働きが備わっていますが、この機能は20代をピークに加齢によってその働きは低下すると言われています。特に40代から急激に低下すると言われています。

    一方で酸化の原因は他にもあり、ストレス、紫外線、食品添加物などが挙げられます。老化原因の酸化の対策はいかに抗酸化機能を向上させるかが大事なポイントになり、抗酸化作用のある食べ物を積極的に摂取したり、生活習慣を見直すことが大切です。

    老化と糖化

    老化の原因の糖化は体が焦げることです。焦げることは、お肉や魚を焼いた時にできる焦が体内で起こっているようなイメージです。糖化は、体内でタンパク質と余分な糖が結合して、タンパク質が変化、劣化することでAGEsという老化物質になります。この老化物質は1度できてしまうと分解されにくいのが特徴で、このAGEsが増えると肌など全身の老化を進行させます。さらに体調不良や様々な疾患を引き起こす可能性も指摘されています。糖分や脂肪の多いファストフードを好んで食べたり、運動不足や睡眠不足は要注意です。

    糖化によって実年齢よりも体中の老化が早く進行することになります。ただし私たちの細胞はタンパク質と脂肪で作られており、糖は生命を維持するためのエネルギー源でもあります。糖分を過度に摂取しなければ何の問題もありませんが、過度に摂取した糖分からAGEsが生成されて肌のコラーゲンに蓄積すると肌の弾力が失われたるみ、シワ、くすみに繋がってしまいます。

    またAGEsが血管に溜まると動脈効果、骨なら骨粗しょう症と細胞や臓器に悪影響を与えます。何れにせよ糖化予防のために過度な糖分摂取は控えましょう。

    老化と慢性炎症

    老化の原因の炎症は、体内で内臓などに長時間くすぶり続ける慢性炎症のことです。慢性炎症の厄介なところは、炎症が起きていることを自覚しづらいことがほとんどであり、別名サイレントキラーとも呼ばれています。サイトカインと呼ばれる炎症性の分子が血流に放出されて細胞の老化を早めると考えられています。慢性炎症は免疫システムにも影響が大きく、加齢で自然低下する機能が、さらに悪化する可能性があります。また老化だけでなく、糖尿病、癌、認知症などの原因の可能性が高いともも言われています。

    慢性炎症は肥満、内臓脂肪、睡眠不足、ストレスなどが原因で引き起こされます。慢性炎症の予防として有効とされているのは、オメガ3を積極的に摂取することです。オメガ3とはEPA、DHA 、αリノレン酸を多く含む不飽和脂肪酸で、主に青魚に含まれています。

    老化と紫外線

    老化の3大原因と言われる酸化、糖化、炎症は、どれもシミやシワ、たるみにつながりますが、残念ながら老化を早める原因は他にもあります。それが紫外線です。紫外線を浴び続けると肌のコラーゲンやエラスチンが変化し、肌を支える皮下組織にも影響が及び、シワやたるみを引き起こしてしまいます。さらに紫外線のダメージによって肌が乾燥ことで肌のターンオーバーが乱れる原因にもなります。

    ターンオーバーとは、新しい皮膚が生まれて古い皮膚が剥がれ落ちる肌の生まれ変わるサイクルのことで、皮膚は大きく分けて3つの層があります。ターンオーバーに関係するのは1番上にある表皮の部分で、古くなった角質が皮膚の奥から徐々に表皮へと移動し、そして押し出された角質は表皮で垢として剥がれ落ちます。ターンオーバーが乱れるとは、本来のサイクルで古い皮膚が剥がれ落ちて新しい皮膚が生まれなくことで、ターンオーバーが乱れると色素沈着が起こり、シミやニキビ跡の原因になります。剥がれ落ちるべき皮膚が角質層に蓄積することでくすみの原因にもなって肌の透明感が失われていきます。

    大きな差を生む肌の奥のシワ

    シワにも種類があり、代表的なものは「乾燥小ジワ」「癖ジワ」そして「肌の奥のシワ」の3つです。乾燥小ジワは、肌の潤い不足が原因でできるシワです。肌の水分量が足りなくなって乾燥している状態になると、肌の肌理が乱れることで細かいシワが目立つようになります。一方で目の下に小さなシワが目立ってきている場合は、乾燥小ジワの1つのちりめんジワです。乾燥小ジワは比較的浅いシワですが、肌の乾燥を守るバリア機能が低下して起こるシワです。

    肌の表面は、通常角質層が潤いを蓄えることで乾燥や外部刺激から肌を守ってくれていますが、乾燥しやすい季節や長時間のエアコン、それにスキンケアを怠ったりすることで乾燥した状態が長く続くと、バリア機能の低下と角質層内の潤いの減少によって乾燥小ジワができてしまいます。そして癖ジワの代表的なものが、眉間のシワです。その名の通り、癖ジワは長い間何度も同じ表情を繰り返すことで肌に定着して出来上がるシワです。

    最後の肌の奥のシワは、同じ年齢でもシワがある人とない人に大きな差を生むシワです。そもそも肌と一言で言っても、人の皮膚は表皮と真皮、それに非組織の三層でできており、この3つの中で肌の奥つまり表皮の内側にある真皮は肌のハリや弾力を保ち維持する役割があります。その役割を担っている重要な 成分2つコラーゲンとエラスチンです。肌の奥のシワは、俗に肌の機能が衰えるシワと言われることもあり、肌の機能が衰えるというのはまさにこのコラーゲンとエラスチンが減少することです。特にコラーゲンは、真皮の約70%を構成し、肌のハリや弾力を保つ役割があります。

    これらが減る理由には、加齢が挙げられますが、年は誰でも同じように取るのに、同じ年齢でもシワがない人がいます。つまり年齢や加齢のせいにしていれば、シワの本質的な改善にはなりません。もちろん加齢と共にエストロゲンというホルモンが減っていくと肌の美肌成分が減少してしまいますが、それに対する正しい対策が大事になります。スキンケアや紫外線対策も重要ですが、それらはあくまで肌の外側の話です。年を取っても見た目が若い人は、なぜシワができるのかを知り、逆に老化を促進する食べ物を避けています。

    シワに効果的な「ボーンブロス」

    美肌になる食べ物と言えばコラーゲンを多く含む食材をイメージしますが、それらを食べたからと言ってそのまま肌のコラーゲンになるわけではありません。

    コラーゲンは、タンパク質の一種で人間の体重の約30%はタンパク質でできており、そのうちの3 割を占めるのがコラーゲンと言われています。そのコラーゲンの内 4割は、皮膚に存在しており、残りの6割は、2割ほどが骨や軟骨に存在し、残りは血管壁とか内臓など幅広く存在しています。

    タンパク質は球状で水に解ける性質があり、それに対してコラーゲンは繊維状で水に溶けにくい性質があります。つまりコラーゲンと言うと多くの人がコラーゲンを摂ればそのまま肌に吸収されると思っていますが、そうではないと言うことです。コラーゲンはアミノ酸が集まったタンパク質で分子量の大きな成分です。大きなサイズのコラーゲンを口から摂取して消化されると小さなアミノ酸やペプチドと言うアミノ酸がくっ付いたような細かいものに分解されます。そしてそれが小腸から吸収されてアミノ酸やペプチドとして血液中に流れ込んで目的地に辿り着き、また合成されます。つまりコラーゲンを含む食べ物をそのまま食べてもコラーゲンがコラーゲンのまま肌に運ばれて、真皮を構成するコラーゲンにはならないと言われています(最近ではある程度の効果も認められるようになっていますが、、。)

    しかし、シワを防ぐおすすめの食べ物として「ボーンブロス」が注目されています。ボーンブロスは簡単に言うと動物の骨をじっくり煮込んで作るスープのことです。以前から世界でも天然の美容食品や飲む美容液と呼ばれ、注目されており、欧米のセレブや健康に敏感なナチュラリストたちにも支持されている食べ物です。

    実は、コラーゲンを含む食べ物をそのまま食べても効率的ではない理由として、コラーゲンは消化しにくいタンパク質であることが挙げられます。しかし超時間煮込むことで、固かった部分がゼラチン状になってトロけるように変化します。それがゼラチンであり、それこそが肌のコラーゲンを効率的に増やすものです。ゼラチンは動物の骨や皮に多く含まれるコラーゲンから作られたものであり、コラーゲンの構造を見ると螺旋状の細長い分子が3本合わさって三十螺旋のような形になっています。それに水を加えて長時間加熱することで、その3本の分子が外れバラバラの状態になり、これをゼラチンと呼びます。

    ボーンブロスにはコラーゲン他にも、美容液の有効成分として使用され、皮膚や細胞の肌理を整えるヒアルロン酸、肌の炎症を抑えシミの発生を抑えるコンドロイチン、それに様々なビタミンを多く含んでおり、アンチエイジングにはおすすめの食べ物になります。

    作り方は簡単で、基本の作り方は骨付き肉を野菜と一緒に長時間煮込み、骨から栄養成分や旨味をしっかり煮出すことができたらOKです。使用するお肉には、鶏のスペアリブや手羽先に手羽元、それに豚のスペアリブや牛テールが挙げられます。香味野菜としてネギ、生姜、ニンニク、セロリやパセリ、ハーブのローレルを入れると良いでしょう。

    シワになる食べ物

    見た目が若い人は炭水化物の摂取量が少ないということが挙げられます。炭水化物は、私たちの体にとって大切なエネルギー源であることに間違いはありません。しかし炭水化物は体にダメージを与えて老化を促進させ、肌にもダメージを与えることが分かっています。それは炭水化物を摂取することによって血糖値が高くなり過ぎて、肌に悪影響を与えるからです。

    実際、女性を対象にした研究では炭水化物の量が多いとシワができたり、頬がたるむリスクが高まる結果になりました。具体的には炭水化物の量が50g増えるだけでシワのリスクが約1.3倍になっています。これは高血糖によって肌を支えるコラーゲンが損傷することが原因だと考えられています。

    高血糖によってコラーゲンが損傷するのは、血糖値が上昇して高血糖な状態になると活性酸素の増加や体内の糖化など様々な老化現象を引き起こすからです。コラーゲンの損傷は、特に目立つ顔の部分への影響がすぐに現れるため、炭水化物を毎日たくさん食べて、長年高血糖な状態に晒された人と炭水化物をできるだけ減らしてきた人とでは、長期的に見ると圧倒的な見た目の差になります。

    老化と野菜

    肌の老化対策でおすすめが野菜を食べることです。野菜には、老化対策に必要なビタミンA、ビタミンC、ビタミンE などがたっぷり含まれています。特に体の酸化に対抗する力である抗酸化作用を持つビタミンなどが含まれています。野菜の中でも老化対策でおすすめが緑黄色野菜です。濃い色の野菜には、沢山のカロテノイドが含まれており、カロテノイドは、体内に過剰に発生した活性酸素を除去する働きがあります。

    特に赤いパプリカにはカロテノイドの中でも、抗酸化力が強い成分が豊富に含まれています。そしてビタミンAは、主要な成分のレチノールが真皮の働きを活性化する効果があります。肌が活性化され肌のターンオーバーが促進されることでメラミン色素の蓄積を防ぐことが可能と言われています。

    一方で、ビタミンC はメラミンの生成抑制の他、ビタミンAと同様にコラーゲンの産生やシミなどの改善が期待できます。特に紫外線が関与する老化の予防 及び改善効果を示すことが報告されています。ビタミンCは肌のコラーゲンを合成し、肌のダメージを与える活性酸素を抑えてくれる優れたビタミンです。

    老化とタンパク質

    一説によるとベジタリアンの人は動物性タンパク質を取らないために肌が栄養不足となり、肌が乾燥してしまうためにシワが目立つ人が多いと言われています。もちろんベジタリアンに限ったことではなく、肌が栄養不足になる食生活をしていたら同じことです。お肉にはタンパク質を始めとする美肌の栄養素がたっぷり含まれています。

    タンパク質は、皮膚や筋肉、骨、髪の毛などを作るのに欠かせない栄養素であり、またタンパク質の一種であるコラーゲンは、肌にハリと弾力を与える役割があります。コラーゲンの合成には、タンパク質の他に鉄分、ビタミンCも必要です。タンパク質が不足すると体内の細胞の機能が低下、肌荒れや筋肉の衰えを引き起こす原因になります。

    特に豚肉には牛肉の10倍とも言われている豊富なビタミンB群が含まれています。ビタミンB群は肌の潤いを保つ効果、肌の代謝を促進させる効果があり、また肌トラブルの予防やニキビの改善も期待できます。豚肉の中でも脂質が多いバラ肉ではなく、脂質が少なくビタミンや鉄分が豊富なヒレ肉がおすすめです。そして鶏肉は、高タンパク、低脂質な肉で美容に嬉しい成分も多く含まれています。鶏肉に含まれているビタミンAは、肌のシミやたるみ改善などが期待できます。

    勇心酒造「ライスパワーNo.11+」

    シワ改善の有効成分として認可されている「ライスパワーNo.11」は、最初に発売されたのがKOSEのセラムシールドです。一方で「ライスパワーNo.11+」は、勇心酒造が開発した成分です。勇心酒造からは、ライスリンクルクロスを発売しており、いずれも医薬部外品になっています。

    ライスパワーNo.11+は、表皮や真皮、そして基底膜に効く成分です。元々ライスパワーNo.11は、基底膜に働きかけて新しい細胞を生み出して、皮膚のターンオーバーを促すというものになっており、ターンオーバーを促した時には細胞間脂質やヒアルロン酸を増やすため、乾燥肌対策としての有効成分として知られています。ライスパワーNo.11+も同じように基底膜に働きかけて、基底膜の健全化、つまり基底膜を修復してくれる機能があります。

    紫外線やエイジングで基底膜が弱くなると、そこから生まれる細胞も少なくなるだけでなく、表皮のダメージが真皮にも伝わり、真皮のコラーゲンとかエラスチンが減ってしまうことが分かっています。そのため医療分野でも基底膜をどうすれば、しっかりと再構築できるかを考え、医療用レーザーなど開発されています。

    このライスパワーNo.11+は、基底膜の修復しつつ、表皮では細胞のターンオーバーを促すことによって肌の水分量をアップしてくれます。また真皮ではコラーゲンやエラスチンの産生を増やしてくれるため、表皮、真皮、基底膜をケアできるものになっています。よりエイジングケアがしたい方にとっても、基底膜は細胞が生まれる場所であるため、この基底膜の接着や健全化されることで エイジングに纏わる様々な悩みが改善できると言われています。

    その他にも、シワ改善の有効成分は全部で4つあります。ポーラのニールワン、資生堂のピュアレチノール、KOSEのナイアシンアミド、メナードのVEP-Mです。

    コラムの監修】

    恵比寿院長

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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