二重整形は、簡単にできる時代なのは間違いありませんが、大事なのは整形した後の長期的な変化やリスクを知って初めて決心すべきです。長期的な変化とリスクを知らないで整形すると10年後に後悔することになるかも知れません。
二重整形の方法
二重整形には大きく分けて切開法と埋没法の 2種類の施術方法があります。切開法は、その名の通りまぶたをメスで切開して脂肪や皮膚を取り除き、残した皮膚をくっつけて二重を作る方法です。切開法は、反永久的に二重を作ることは可能ですが、その反面1度作った二重の状態を修正することは非常に難しくなります。切開技術にもよりますが、幅の広い二重を作ってしまうと年数を重ねた時に不自然な目元になっていくこともあります。
一方の埋没法は、所謂プチ整形というもので、切らない整形として流行っている施術方法です。埋没法は、医療用の糸を使って瞼の皮下を数か所縫い止めて二重のラインを作ります。埋没法はメスを入れず切らないため、切開法よりも手術の跡が目立ちにくい施術方法です。
まぶたの皮膚の薄さは、体の中でも特に薄く0.5から0.6mmほどしかないと言われています。年齢を重ねると脂肪が減少するため、さらに薄くなります。所謂まぶたが痩せることですが、さらに筋力も低下して皮膚のハリもなくなり、まぶた自体が下に下がってたるんできます。
こうなってくると埋没法で整形したまぶたは、糸で支えきれなくなって二重幅が狭くなったり、二重のラインがなくなったりします。そもそも埋没法の維持期間は3から10年程度と言われており、また両目ともバランスよく二重幅が変わってくれれば良いですが、左右差が出たりして、両目のバランスが合わずに不自然な感じになったりします。また将来的な糸のトラブルがどうしても多く、片方だけ糸が外れることもあります。
さらに糸の力だけで二重を作っているため、糸が取れたり緩んだりすると元の瞼に戻ることがあります。目の形や特徴、それに二重技術によっては何度も糸が取れ、その度にお金がかかるっていうことも稀なケースではありません。そして埋没法はやり直しが効くことが最大のメリットになります。
一方の切開法の方は、半永久的に2重のラインが維持されることになりますが、まぶたに脂肪がつきすぎてたるむと奥二重になることがあります。幅の広い二重まぶたのデザインで手術した場合、老後に不自然な老け方をしてしまう可能性があります。加齢によってまぶたのハリが失われると支持した二重の部分だけが浮いて見えることもあります。
例えば、整形をした二重であっても年を取るにつれて変形することには違いありません。なぜなら老化によって瞼も落ちて形も変わるからです。切開法で二重整形した場合、老化して瞼の垂れ下がりに合わせて二重の形が変わってしまうと、1度切った二重のラインを修正することが不可能になります。一方で埋没法の場合は糸を取り替えすれば、もう1度その時の状態に合わせて二重の形や幅を変えることもできます。ただし埋没法は自由度の高い方法ですが、何度も糸を付け替えることによって皮膚に及ぼすリスクもあり、そもそも埋没法に向いてない人もいらっしゃいます。
末広二重と平行二重
埋没法でできる二重には、主に2種類の二重があります。それは末広二重と平行二重の2種類です。末広二重は目尻に行くに従って二重の幅が広がっていく形の二重です。もう1つの平行二重は、目頭から目尻に向かって目の形と平行にラインがある二重のことです。
元々瞼が厚い人や眼瞼下垂という目の開きが悪い人は、特に埋没法には向いてないと言われています。それは瞼が分厚かったり、目の開きが悪いと糸を通しても二重のラインができにくくなるからです。例えば1枚の紙を折り畳むのと10枚の厚みのある紙を折り畳むでは、シワの強さに違いがあり、確かに二重の線をキープするのは難しくなります。
さらに、埋没法で二重整形ができるタイプだったとしても安心することはできません。それが二重整形の長期的な変化とリスクです。埋没法の二重整形をした人が、どんな老後を迎えているのかを知ることも大事です。例えば加齢とともに、二重の幅が狭くなったり、溝が浅くなって目立たなくなったり、奥二重になってしまったりします。もちろん変化の度合や出方については人それぞれで個人差が大きい部分で、ほとんど変わらず20年以上キープできてる人もいます。
加齢による二重の変化
年を取ると瞼の状態にも様々な変化が出てきます。例えば瞼が下垂したりすると二重の形が変わってしまいます。なぜなら加齢とともに瞼板や眼瞼挙筋という瞼を支える筋膜の伸びが原因だからです。特に眼瞼挙筋は目に負担をかける時間が長い人ほど現れやすいと言われています。元々二重だった人でさえも年齢を重ねると二重のラインが狭くなることがあるため、整形しても同じようなことが起きることが分かると思います。
そして脂肪が原因で二重の形が変わってしまうこともあります。脂肪が及ぼす影響は顕著で、脂肪の重さを筋肉が支えられなくなって自然と二重が狭くなったり、二重ラインが薄くなったり、奥二重になってしまったりします。一般的に多くの人は40代前後から代謝が落ちて脂肪がつきやすくなります。それに加えてむくみも発生しやすくなり、こうした体質的な変化も整形で作った二重を消してしまう原因になります。逆に瞼が痩せてしまっても二重のラインは変わってしまいます。
瞼が痩せるということは厚みがなくなるということなので、薄くなって二重がより目立つようになると思われるかも知れません。二重のラインがくっきりして幅が広くなるとかって不自然に見える可能性もあり、痩せ過ぎたことによって余った皮膚が垂れ下がり、せっかく整った二重のラインを隠してしまうこともあります。
このように、太っても痩せても二重のラインは変わってしまうことがあり、綺麗な二重をキープするためには定期的な整形管理が必要不可欠になります。整形管理は、変化していく顔や瞼に合わせて二重を、その都度調整していくことです。さらに老化による二重の変化だけならまだしも、そもそも埋没法の仕組みそのものが原因で整形した二重が消えることもあります。
また埋没法は、糸で二重を作る方法ですが、瞼板や眼瞼挙筋と皮膚を糸で止めるため、二重のラインが皮膚に定着する前に糸が解けて取れてしまうリスクがあります。もちろんある程度取れにくいように糸を通してはくれますが、100%取れないという保証はありません。よく3点留めや4点留めといった糸の通し方をお聞きになっているかも知れません。何点止めがベストというのはなく、多く止めれば良いということではありません。逆に4点留め以上になってくるとデメリットがあります。
埋没法の糸を増やせば強度が保たれると思うかも知れませんが、強度という点ではそれほど変わりません。むやみに糸を増やしてしまうと逆に目の表面がボコボコしてきたりするなど余計なリスクになることもあります。クリニックによっては、4点留め以上を勧めてくるケースもあります。例えば通常2点留めの場合1本の糸を入れると2つの針穴ができます。つまり2点留めで合計4つの針穴ができますが、この4つの針穴をカウントして4点留めだと表現しているケースもあります。本来は正しくは糸の本数のことなのに針穴の数にすり替えて4点止めという風に患者に伝えていることもあります。一般的な人は、通常数が多い方がより高度で価値のある技術であると思うため、それを利用して本来正しくは2点留めを4点留めということで高い施術量を請求するケースがあります。
埋没法の注意点
埋没法で気をつけないといけないこと、医者の技術です。埋没法は糸の通し方次第で目の表面に糸がポコっと出てしまうことがあり、それを避けるために裏留めという方法があります。この留めにはリスクがあります。そもそも留めは瞼の裏にあるミュラー筋という目の筋肉に糸を通していく方法ですが、このミュラー筋は、体の機能を活性化させる交感神経支配、つまりミュラー筋は上眼瞼挙筋に比べると目を開く機能として、補助的な役割ですが眼瞼痙攣という瞼がピクピクしてしまう症状にも関わっている大切な筋肉のため、ここの部分に刺激を与えるとリスクが高いということが、論文でも頻繁に発表されています。
そのため、例えば術後に痙攣や痛みが取れないなどの障害が残ることがあります。どうしても筋肉というと硬くてがっしりしているというイメージを持ちがちですが、特にミュラー筋は湯葉のようにペラペラで、すぐに破ける繊細な筋肉です。そして裏留めは、これを完全に無視した施術法です。そもそも埋没法は、何かあった時に糸を抜けるのがメリットであるのに、裏留めにしてしまうと抜糸できないケースが多いです。
インディバと二重整形術後ケア
埋没法は切開法と比べれば、ダウンタイムの期間は短くなります。しかし針をまぶたにさして糸を通してはいるため、瞼の細胞はある程度傷つきますし、腫れや痛みといった反応が完全にないわけではありません。概ね、当日~翌々日くらいまでの間は強い腫れが出る場合があります。腫れの度合いについては人それぞれの体質などによっても異なります。強い腫れは翌々日くらいまでに治まりますが、目元の腫れについては1週間程度まではむくんだような状態が続きます。ただし、1週間の時点では完全に腫れが引くのではなく、若干目が腫れているような状態です。
一方で埋没法は、場合によっては瞼にある血管に麻酔などの針が刺さってしまい、血管から出血し、それが内部に溜まって内出血が現れることがあります。内出血によるあざは大体術後1週間~2週間程度で消失します。また針を刺した箇所に、小さな傷跡が出来るため、この部分には赤みが出たり、茶色い色素沈着として一定期間残ってしまう事があります。もちろん傷跡は肌のターンオーバーによって数か月間で徐々に目立たなくなっていきますが、この時期にインディバで代謝(ターンオーバー)を促進させることで目立たなくさせることができます。
また、インディバ施術には、炎症を起こした部位やケガをした部位などを鎮静させる「非熱モード」があります。インディバは、ミトコンドリア内でATPというエネルギー物質を産生し、自力回復を促します。スポーツ分野では、骨折や捻挫を非熱モードを使い、怪我の早期回復を図り、術後ケアでも脂肪吸引手術で内出血している部位には、非熱モードで炎症を回復させます。赤ら顔でお困りの方は、担当鍼灸師にご相談ください。
お顔の赤み(赤ら顔)について
皮膚の赤みは様々なことから起こり、例えばマスクで擦れて炎症を起こして湿疹ができる赤みなどがあります。一方でずっと赤ら顔になる「酒さ(酒さ様皮膚炎)」を聞いたことあるかも知れませんが、ニキビのようなプツプツしたものができたり、血管が透けて見えたり、痒みがあったりなど様々なものがあります。
酒さには、大きく分けると2つのタイプに分かれ、血管が浮いているタイプとニキビみたいな皮疹と言うプツプツができているタイプがあります。そもそも、この赤ら顔が起こるのかと言うと、皮膚の免疫が関与していると言われています。
例えば様々な刺激が起こることによって炎症が起き、肌の自然免疫が活発になって、それに対処する指令によって炎症性サイトカインと言う炎症を促すような物質が出ます。そこに炎症細胞が集まってくることによって血管が拡張したり、それが起点となって皮脂の分泌が活発になることで、ニキビのような出来物ができてしまうことがあります。何れにせよスタートは、この免疫機能のスイッチを押してしまうような刺激が日常的に起こってしまうことが原因になります。
このスイッチを押す刺激には、例えば紫外線が挙げられます。紫外線が当たることによって自然免疫を狂わせてしまったり、ステロイドによって赤みが誘発されることもあります。ステロイドは、肌に炎症がある時にしっかり塗ればいい薬ですが、そういったものがないのに間違って使ってしまうと自然免疫を狂わせてしまうということもあります。
また、私たちの顔には、ニキビダニというものがいます。そのニキビダニが増殖してしまうと、その刺激によって起こることもありますが、紫外線やニキビダニの量に関わらず体質的になりやすい人もいます。基本的には、乾燥肌の人に多く見られ、炎症スイッチが押されることによって、その部分だけ皮脂分泌が多くなったり、そこに皮脂が詰まってニキビのようになりますが、その多くが乾燥肌の場合です。
このタイプの方は、まずは炎症を止める事が必要で、刺激を与えないように、皮脂を取り過ぎないこと、優しく摩擦がないように顔を洗うこと、スキンケアはシンプルに済ませることが大切になります。例えば泡洗顔、その後に化粧水、乳液で終わるプロセスが良いと思います。なるべく洗顔料は優しく洗い、保湿にもお水を与えるようなものを入れましょう。ただしヘパリンは、血管を拡張する作用があるため、セラミドやヒアルロン酸の方が安心できます。
また、ニキビがあると乳液やクリームを使うのは怖いと思いますが、炎症が起こっている部分だけ皮脂が活発になり、皮脂が固まりやすいことが報告されており、一方で赤みがないところは乾燥している場合もあるので、ノンコメドジェニック乳液と書いているような乳液や過剰な皮脂を抑えるパルミチン酸レチノールなどが入っている乳液を選ぶと良いでしょう。
そして、必ず日焼け止めを塗りましょう。赤ら顔やポツポツがあると日焼け止めを塗ると悪化すると思う方が一定数いますが、その免疫を狂わせる一つが紫外線でもあるため、紫外線を防御することが酒さや赤ら顔を軽減することになります。
これらのようなケアをしても、それでも赤みが続いたり、出来物ができてしまう場合は、酒さと言う病気の可能性はあるため、免疫機能を調整するような薬を処方してもらいましょう。まずは保険適用できるロジェクスと言う酒さのためのお薬が出ているので、それで免疫を調整することをしましょう。また自費治療では、アゼライン酸のクリーム、約15%のアゼライン酸のゲルや外用剤を塗ることによって免疫が暴走して炎症反応が過剰になっているものを抑えてくれます。酒さに悩んでいてずっと同じお薬を塗っていても変わらない方は、主治医の先生に他のお薬を試したいということをお話ししてみて下さい。
【コラムの監修】
・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。