
免疫力を高めることが、健康にとって良いと聞くけど、多くの方がぼんやりと体の感染症に対する抵抗力だと考えています。この免疫力を維持することが、私たちの体を健康に保つためには大切です。
詳しくは、免疫とは体の中で発生したがん細胞や外部から侵入してきた細菌やウイルスなどの異物から体を守るための自己防衛システムのことです。この自己防衛システムが正常に機能している状態が免疫力が高い状態です。反対に何らかの原因に自己防衛システムが悪くなっている状態が免疫力が低い状態です。
免疫力が低いと様々な弊害が起き、風邪などのウイルスに感染しやすくなり、感染すると重症化しやすくなります。またアレルギー症状が出やすくなるなども挙げられます。そのため健康のためにはなるべく免疫力を高めることが大事です。
お腹を温める理由
免疫力を上げる簡単な方法は、体温を上げることです。免疫力システムの主役となる血液内の白血球の働きを高めるには温度が高い方が良く、その温度は38度から38.5度くらいが最適とされています。例えば風邪を引くと38度ぐらいに体温が上がるのは、体温が高い方が白血球の働きを高めることができ、本来の力を発揮できる最高の環境になるからです。熱が上がると侵入してきたウイルスの活動が弱くなり、逆にウイルスを戦う白血球の活動は強くなります。このように体の免疫を活性化させるために、私たちの体は体温を上げているのです。因みに38から38.5度程度であれば、解熱剤を使わず、頭や首を冷やす程度にして、体に備わっている免疫機能に任せた方が症状は治まりやすくなります。
免疫力を上げるためにオススメなのは、普段から体を温める習慣をつけることです。中でも効果なのはお腹を温めることです。なぜなら、人の免疫システムにおいて重要な働きを担う細胞のほとんどは腹部に存在しているからです。
免疫システムの主役は白血球ですが、その白血球にも様々な種類があり、その1つがマクロファージという細胞があります。マクロファージは体内に侵入したウイルスなどの異物を捕食したり、消化したりする役割があります。また敵の侵入したという信号をリンパ球に送る役割があります。その信号を受け取ったリンパ球は、集合してウイルスを攻撃・死滅させるのです。このマクロファージは大多数がお腹の中に存在しています。
もちろん、このマクロファージがお腹に集中しているのも理由があります。なぜなら外敵が体内へ侵入してくる多くが、食べたものに紛れて口から侵入してくるからです。食べたものは胃や十二指腸で消化・分解されますが、ここでウイルスに感染することはありません。大抵の病原菌は胃液などで死滅します。ただ最終的に栄養を吸収するのは小腸のため、胃液で死滅しなかった病原菌が残っていれば感染リスクが高くなります。そこでマクロファージがウイルスを吸収しないように門番の役割を果たしています。つまりマクロファージはウイルスを撃退するというより予防するというイメージになります。
このマクロファージの弱点が「冷え」です。体が1度冷えるだけで、急激にその機能が低下します。そのためお腹を温めることが重要になるのです。

腹巻きが最強説
腹巻きをして過ごすことは、医学的な理論に基づく免疫力アップ術です。安価で入手しやすく、いつでも簡単にできる方法です。腹巻きは免疫力と体温を高める健康法ですが、他にも様々な健康効果が期待できます。
- 免疫力アップ:風邪などのウイルス、アレルギー、がんの予防と疲労感やストレスの軽減、生活習慣病の予防
- 体温アップ:消化吸収アップ、新陳代謝が活性化、便秘や下痢、内臓肥満の解消、腰などの痛み、首肩こりの改善、婦人科系の症状や不調にも有効
さらに、第二の脳と言われる腸を温めることで腸内環境が改善すれば自律神経のバランスが整い、精神的な安定が得られるという研究もあります。実際にも幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の9割が腸管で作られています。お腹を温めると幸せな気分になるのは、セロトニンが分泌されるからです。
免疫力と体温が上がる効果的な腹巻きの着用方法は、寝る前に腹巻きを巻いて寝るだけです。就寝中にお腹を温めるのが良い理由は、体温は寝ているときに下がってしまうからです。人の体温は季節や気温の変化、食事、生理周期、感情の変化などによって日々変動します。また1日の内で最も体温が高くなるのは夕方ごろで、夜になるにつれて少しずつ体温は下がっていきます。そして深夜から早朝の眠っている時間帯に最も体温が低くなります。
このように寝ている間に体温が低くなるのは体を休めるためです。私たちの体は脳や体を休息させるために代謝量を減らします。代謝が減ることでエネルギー消費量が減り、それに伴い体温が低くなります。体温が低くなるとお腹の内側の温度も下がることになります。通常、睡眠中のお腹の内側の温度は1.5から2度も下がると言われています。この体温低下が免疫システムに大きな影響を与えてしまいます。
一般的には、体温が1度下がれば免疫力は30%も低下すると言われ、反対に体温が1度上がれば免疫力は最大で5から6倍になります。このため免疫システムであるマクロファージが弱くなる「冷え」を回避し、その働きを良くするために、就寝中に温度が下がってしまうお腹を温めることが重要になります。睡眠中は最も効果が高くなりますが、より良いのは1日中腹巻きをすることでより免疫機能は高まります。特に体温がもともと低い人や免疫力をより高めたいと考えている人は可能なかぎりずっと腹巻きを身につけましょう。
食べ物では「ヒハツ」が最強
お腹を温める最強の食材は「ヒハツ」です。日本では馴染みのないヒハツは、ロングペッパー、ピパーチ、ヒバーチとも呼ばれるコショウの一種で香辛料として使われています。インドでは紀元前から食生活に欠かせない香辛料で薬としても使われている効能の高い香辛料です。日本では沖縄で生産されており、琉球料理では島コショウと呼ばれています。
実際にも、2週間の間に内臓を温める他の方法を一切せずに、ヒハツを1日1g食べ続ける生活をした60歳女性の内臓温度が0.4度上昇した結果があります。同じ条件で50歳男性の内臓温度が0.9度も上昇した結果が出ています。
また、ヒハツの効能は熱を作り出すだけでなく、血管を強くする作用があると考えられています。内臓の温度は体の中で作られた熱エネルギーが血液と一緒に全身に行き渡ることで一定に保たれています。血液が通る道は、動脈、静脈、毛細血管があり、この中で99%を占めているのが毛細血管と言われています。そのため体中に張り巡らされた毛細血管が健康でないと全ての細胞にしっかりと熱が行き渡りませんが、毛細血管は極細のために劣化しやすく壊れやすい特徴があります。また毛細血管は加齢とともに減少し、健康的な人でも60代には20代と比べて約4割も減少すると言われています。さらにストレスや悪い生活習慣も同じく毛細血管を減少させてしまいます。
ヒハツに含まれる「ピペリン」は、この毛細血管を補強してくれる働きがあります。また私たちの体には、機能不全に陥った毛細血管から枝分かれするように新しい毛細血管が作られて再び栄養を細胞に届けることが可能となる「血管新生」と言う働きがあります。ヒハツはこの血管新生の働きを促進する効果があります。
インディバでお腹を温める
お腹を温めると懐かしく優しい「癒し効果」が得られます。子供の頃にお腹の具合が悪くなると、両親からお腹を撫でてもらった記憶がある人も多いでしょう。優しく撫でてもらうと何かに守られている安心感で気分が落ち着きます。これは撫でることの効果もありますが、温める効果でもあります。お腹を温めることに心地良さを感じるのは、本能的にお腹を温める必要性を知っているからです。
お腹を温めるのに効果的なのがインディバ(特許:容量性電移法)を代表とする高周波温熱機器です。インディバはヨーロッパでは医療用機器としても使われており、容易に深部加温や局所加温が可能です。お風呂やサウナなどの体の表面だけ温めますが、血流によってその熱は運びされるので体の深部は温まり難いですが、インディバは体の深部から温めることができます。その深部の加温によって、実際に気持ちがよく、その結果、自律神経やホルモンバランスの調整が行われて、癒し効果も得られます。

美容面では、肌の血流改善や、細胞活性化を促進し、新陳代謝を上げるため、肌の若返りが起きます。これは将来シワ・たるみ・くすみ(STK)などの肌のトラブルを未然に防いでくれます。インディバによる予防美容によって、美しい肌を保つことができます。
【本コラムの監修】

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。