
幸せホルモンと言われ、人の精神に大きな影響を与え、心の安らぎにも関与する物質がセロトニンです。セロトニンがしっかり分泌されていると、心が安定し、満足感を感じられるようになるためそのような別名が付けられています。
セロトニンは脳内の三大神経伝達物質の一つで、その他にドーパミンとノルアドレナリンがあります。この3つはそれぞれ影響し合いながらバランスを保ち、感情、記憶、運動、睡眠などの重要な役割を担っています。
幸せホルモンのセロトニンは、人生を豊かにして幸せな人生を送るために欠かせないものです。セロトニンはドーパミンやノルアドレナリンに並ぶ3大ホルモンのひとつで、精神の安定や安心感や平常心を保つために重要なホルモンです。また心の安定だけでなく、睡眠の質を上げたり、食欲をコントロールしたり、記憶力の定着まで担うと言われています。セロトニンの分泌量が減れば、少しのことでイライラしたり、落ち込んだり、やる気が出ない、鬱、不眠、食べ過ぎ、食欲不振、偏頭痛、肩こりなど身体、精神両面に影響を及ぼします。
セロトニンを生成する小腸
幸せホルモンであるセロトニンは、腸内に90%、血液中に8%、脳内に2%分布しています。セロトニンは腸の蠕動運動に作用し消化を助け、血液中では、止血作用、血管の収縮作用、脳内では、体内時計を調節し、覚醒状態を保ちます。
つまり腸内環境が良いと、セロトニンが充分に分泌し、心の状態は安定して、幸せを感じやすくなります。しかし腸内環境が乱れれば、セロトニン不足となり、イライラや不安に襲われやすくなります。また腸内の環境が悪化すると脳の働きに影響し、逆に脳がストレスを受けると腸の働きが衰えます。
特に小腸は「第2の脳」と言われ、小腸の状態次第で健康状態も大きく左右されることがわかっています。
当院のお客様のお腹の状態を診ると(腹診)、お臍周囲の硬さ、圧痛、抵抗などの違和感がある方が多くみられます。特に腸が冷えると腸の働きが悪くなり、セロトニンの分泌が阻害されます。
さらに小腸の働きが悪くなるとと免疫力の低下、腸内環境の乱れ、頭痛、腰痛、アレルギー、腹痛などの症状につながります。まずは腸内を整えるため、生活習慣の改善や乳酸菌の摂取などによって良好な状態を維持しましょう。
セロトニンを増やす物質
まずは分泌量を増やすためにトリプトファンが含まれる肉類、卵、魚、炭水化物をしっかり摂ることも大切です。またプロバイトティクスやビタミンDも重要な要素になります。
トリプトファンはアミノ酸に一種で、セロトニンをつくる原料になります。2004年のオランダで発表された論文では、23人の健常者を対象にやく12.3gのトリプトファンを服用したグループは、血中のセロトニン量が43%増加したことが確認されました。またセロトニンの90%は腸内で産生されていると言われているので、腸内環境を整えるプロバイオティクスは、セロトニンの量を増加させる作用があることが分かっています。そしてビダミンDは、骨を強くするために重要な要素ですが、日光を浴びると産生され、セロトニン量を増やす効果があることが分かっています。
簡単にセロトニン分泌させる方法
誰でも出来て、セロトニンを分泌させる方法が日光を浴びること、そして運動することです。ボストン大学の研究では、運動によって海馬や前頭のセロトニン量がアップすることが分かっています。ただし疲れ過ぎる運動はストレスホルモンであるコルチゾールを多く分泌させてしまうため、ほどほどの運動を朝日を浴びながら行うことをしてください。
また、2005年のマイアミ大学の研究論文では、マッサージによってコルチゾールが31%減少しし、セロトニンが28%増え、やる気ホルモンのドーパミンが31%増加したことが示されており、即効性のあるホルモンコントロール方法がマッサージになります。
腸と睡眠
睡眠ホルモンのメラトニンは、セロトニンからつくられます。このメラトニンは朝日を浴びると分泌が止まり、その後、約15時間後に増え始めます。このような体内時計のリズムを調整するために日光を浴びることが大切なのです。しかし、睡眠、覚醒・ホルモン分泌の生体リズムのコントロールを担う重要なホルモンですが、メラトニンの生成には腸内環境が関係しています。
体内に取り込まれたタンパク質は、腸内細菌によって分解・合成されて、トリプトファンという物質を作り出し、メラトニンの生成を促します。つまり整った腸内環境であれば、睡眠ホルモンのメラトニンの生成が活発になり、質の良い眠りにつながります。
インディバで睡眠の質を高める
「腸活」を心がけている方も多くなってきましたが、腸に良い食事をしたり、運動をしたりする事が大切なのは、腸は「第2の脳」と呼ばれ、腸の内臓感覚によって気分が変わるだけでなく、睡眠の質にも大きく関わっているということが分かっているからです。つまり腸を整える事によって睡眠の質を改善し、メンタルを安定させることができます。
そのために食事や運動以外にも「腸活」で大切なことは「腸を動かす」ことです。腸の後ろには「腸腰筋(ちょうようきん)」という筋肉があり、この筋肉を動かすことで腸を刺激することができます。インナーマッスルはマッサージでは届かない筋肉ですが、インディバで深部加温することで血管拡張や血流増加、代謝亢進などを促すことができ、腸や内臓機能の働きが良くなり活性化します。
インディバでお腹を温める
冷えは万病の元と言われるように、体を温めることが大切と分かり、手足を重点的に温める方が多くいます。でも効率よく温めることで、健康によく効くという場所がお腹です。
お腹を温める、つまり腸を温め、腸の温度が上がると、まずは上述したように幸せホルモン「セロトニン」の分泌が良くなります。さらに腸の温度が上がると、腸内細菌が活発化して、消化機能が良くなり、便秘・下痢両方の改善に効果があります。さらに免疫細胞の6割は腸内に存在するため、温めることで病気を寄せ付けない、アレルギー症状の改善が期待できます。
また、腸の血行が改善し、内臓や脳などの重要な臓器を守ろうと留まりがちになっていた血液が末端まで行き渡りやすくなり、自律神経を刺激し中枢機能を活性化してくれるので、冷え性が改善されます。特に女性は体が冷えることにより、体の巡りが滞り不調になっていくことが多いので、血行が良くなって血液がスムーズに流れるとお肌にも必要な栄養が行き渡りやすくなり、美肌効果も表れて、健康で美しくいられることができます。
温めることで、副交感神経と交感神経のバランスが整い、辛い症状を根本から改善していくことができます。さらに鍼灸を組み合わせることによって、お客様一人ひとりの症状の根本原因(経絡の乱れ)から、その原因となる要素にアプローチします。お身体のバランスの乱れによって様々な症状を引き起こす状態から、総合的なアプローチ(ホリスティック美容鍼灸)から、本来の生命力を高めることで、心と身体を美しい状態に戻すことを治療の目的としています。
【本コラムの監修】

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。