
肌トラブルの原因の多くは腸にあり、例えば便秘などのトラブルを抱えた腸であれば、ニキビや吹き出物などの原因になってしまいます。一方で腸の状態や働きがよければ、腸で吸収された栄養が血液にのって全身に運ばれて肌も生き生きとしてきます。美しい肌を手に入れたいのであれば、化粧品や美容鍼と同じくらい、あるいはそれ以上に入念に腸をケアする必要があります。
腸活と腸の働き
腸の働きは大きく分類すると、消化、吸収、排泄、免疫、合成、解毒、浄血の7つの機能があります。特に免疫、合成、解毒、浄血の4つの機能が腸活には欠かせません。
免疫は病気に対する抵抗力を高める働き、合成は食べたものから体に必要なビタミンやホルモンを作り出す働き、解毒は有害物質や老廃物を外に出す働き、浄血は栄養成分を血液に吸収する入り口となる腸の状態や環境が血液の質に大きく関わることを指しています。
腸の機能が正常に働くことで、全身を血液がきれいになり、血中に免疫細胞や栄養成分が行き渡るため病気に強くて健康的な肌や体を作ることが可能になります。つまり腸活とは全身を巡る血液の質を上げることに他ならないのです。
このような腸の7つの機能が正常に働くために大切なのが腸内細菌です。腸内細菌は100兆個、その種類は数千種類いると言われ、約1kgから2kgの腸内細菌が体内に生息しています(腸内フローラとも呼ぶ)。この腸内環境を整えることで肌や体の健康だけでなく、心の不調も改善できるのではないかと考えられています。
腸内環境を整える効果
体内の免疫細胞のおよそ7割が腸に存在していると言われており、腸内環境を整えることは健康や美容に大きく関わることが分かっています。
1つ目に期待される美容効果はダイエット効果です。過剰な脂肪が体内に蓄積するのを防いだり、脂肪燃焼効果を高める働きがあります。
2つ目は美肌効果です。どちらかというと腸内環境が大きく関わっており、腸内環境が乱れているということは悪玉菌が増加しやすい環境です。アンモニアや硫化水素などの有害物質が充満している状態になっており、有害物質は腸から吸収されると血液によって体内を巡って肌に到達します。その結果、肌荒れや吹き出物、ニキビなどが出てきます。
3つ目は精神の安定です。脳や腸ではセロトニンと言う幸せホルモンが分泌されていますが、体内の約90%のセロトニンが腸内に存在していると言われています。
4つ目は、腸内細菌は食べ物を摂取することにより、トリプトファンを生成することです。このトリプトファンは、幸せホルモンのセロトニン生成に大きく関わっており、そしてもう一つ睡眠ホルモンのメラトニンの生成にも関わっています。メラトニンは、眠りを誘う作用があり、腸内環境を整えることで睡眠の質の向上が期待できます。
腸がなぜ肌に影響するのか
その答えはある研究ではビフィズス菌を摂取すると乾燥する冬場に水分量が維持されたという結果が発表されたからです。つまり腸内環境を整えることで肌が潤い、肌荒れを防ぐことができたという因果関係が認められているからです。
肌は外側から表皮、真皮、皮下組織の三層で構成されています。1番外側の表皮 はさらに外側から角層、顆粒層、有棘層、基底層の4層からなっています。基底層の細胞が分裂すると変化しながら表面に押し上げられ、肌の表面に到達して角層に変化し、最後は垢となって剥がれていきます。このサイクルがいわゆる新陳代謝と呼ばれるもので、新陳代謝が正常でない場合、肌荒れやニキビといったトラブルが発生してしまいます。
そして、肌荒れの原因には紫外線や空気の乾燥、皮膚の汚れといった外的要因とストレスや睡眠不足、偏った食生活などの内的要因があります。この内的要因の1つとして腸内環境が挙げられます。例えば便秘になると腸内環境が悪化すると悪玉菌が増殖します。その結果、有毒物質が腸内に発生、同時に善玉菌の減少によってバリア機能も低下していることから、有毒物質が血液に染み出して全身に回ってしまいます。
このような有害物質は、基本的に肝臓や腎臓によって代謝されますが、フェノール類と呼ばれる有毒物質は皮膚に蓄積しやすいことが分かっています。その結果、皮膚はフェノール類を排出しようとフェノール類の代謝を優先してしまいます。その結果、肌自体の新陳代謝が乱れて、肌荒れや吹出物といったトラブルを引き起こしてしまいます。このように私たちがよく耳にするターンオーバーが乱れて肌荒れするという現象の要因の1つに、腸内環境が関係していることがお分かりいただけると思います。逆に腸内環境を改善して、フェノール類の発生を抑えれば、肌荒れは改善することになります。
日本で腸内環境を改善するプロバイオティクスのビフィズス菌と有害物質のフェノール類の関係性を示す実証実験が行われました。秋から冬という皮膚が乾燥する時期に実験されたにも関わらず、ビフィズス菌やオリゴ糖を摂取した人は、肌の水分量が保たれ、血中のフェノール類の濃度が低くなったという結果が示されました。さらに皮膚の代謝酵素の上昇も認められています。つまり肌の表皮の新陳代謝がより正常に行われるようになったということです。
そのため朝にコップ1杯のお水を飲む習慣、毎朝同じ時間にトイレに行く習慣、善玉菌を増やすプロバイオティクスと善玉菌の餌となるプレバイオティクスを摂取する、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく摂取するという腸活習慣で腸内環境を改善すれば、肌の水分量保ち、いつまでも若々しく、さらに正常なターンオーバーを促して肌荒れを改善予防することができます。
発酵食品で腸内環境を整える
腸内細菌には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌があり、理想的な割合は善玉菌2、悪玉菌1、日和見金7と言われており、このバランスが整っていれば腸の運動が活発になり、お腹の不調が改善されます。腸内環境を整えるには、善玉菌を積極的に摂ること以外に、善玉菌の餌も一緒に取ることがポイントになります。
プロバイオティクスと呼ばれるのが善玉菌そのものであり、代表的なのはビフィズス菌や乳酸菌など人の腸に存在しています。それ対してプレバイオティクスは、善玉菌の餌で食物繊維やオリゴ糖が代表的です。プロバイオティクスの代表的な食材はヨーグルト、納豆、味噌、ぬか漬け、キムチ、酒粕などの発酵食品です。餌となるプレバイオティクスは、果物、野菜、キノコ、豆類、海藻類など食材そのもので調理されていないものです。
これら2つを組み合わせたものシンバイオティクスと言います。シンバイオティクスの働きとして考えられる作用に、感染症を引き起こす可能性のある菌が腸内で異常増殖するのを抑えてくれる作用、腸管上皮のバリア機能を改善して腸内細菌の侵入を防ぐ作用、炎症抑制作用が挙げられます。
腸内細菌が住みやすい環境を作る
日常生活で腸内環境を整えるために意識するポイントは、腸内細菌にしっかりと餌をあげること、そして腸内細菌が住みやすい環境を作ってあげることです。このうち腸内細菌、特に善玉菌が住みやすい環境を作ることに発酵食品が関わってきます。発酵食品は生きた微生物、特に善玉菌を含む製品や食品であり、次の5つの理由で腸内環境に善玉菌が住みやすい環境を作ることができるからです。
直接的な善玉菌の供給 | 発酵食品を摂取することで直接的に善玉菌を腸内に追加します。これにより善玉菌の総数が一時的に増え 腸内フローラのバランスが改善されます。 |
競合的阻害 | 善玉菌は有害な細菌と栄養素や生息場所などの資源を競合します。発酵食品によって腸内の善玉菌が増えると有害な細菌が繁殖するスペースや資源が減少します。 |
有害物質の中和 | 一部の発酵食品の善玉菌は、有害な物質を分解または中和する能力を持っています。これにより有害な細菌が生育しにくい腸内環境を作ることができます。 |
酸性環境の作成 | 乳酸菌などの善玉菌は乳酸を産生します。これにより腸内が酸性になり有害な細菌が生育しにくくなります。同時に善玉菌自体は、この酸性環境で生育しやすいです。 |
免疫応答の調節 | 発酵食品の善玉菌は、免疫システムと相互作用し、体内の免疫応答を調節します。これにより有害な細菌に対する防御が強化され、善玉菌の生育が支援されます。 |
こういった理由によって発酵食品によって、まず腸の中で善玉菌が増えやすいような環境にすることができます。ただ発酵食品にも一つ欠点があり、それは口から善玉菌を取り入れたとしても、それが腸に定着することはなく数日経つと便となって流れてしまうことです。そのため発酵食品は長期間飲み続けないと効果が出ないと言われています。
また、発酵食品は整腸剤よりもより多様な善玉菌を含んでおり、それらを食べることによって腸内に働きかけることはできますが、例えば納豆を食べたとしても納豆菌が腸に定着するというわけではなく、あくまで善玉菌が育ちやすいような、繁殖しやすいような環境ができるというだけです。そのために発酵食品を摂り、腸内環境を善玉菌が住みやすい環境に変えていく意識を持ってください。
腸内細菌にしっかりと餌をあげる
一方で、腸内細菌にしっかりと餌をあげるということも大切です。いくら善玉菌が住みやすい環境を腸内に作ってあげたとしても、そこに善玉菌が繁殖するための餌となる物質が送られてこなければ、善玉菌たちは餓死して繁殖することができません。善玉菌の餌となるような物質として有名なのが水溶性食物繊維、オリゴ糖、レジスタントスターチの3つです。
水溶性食物繊維について
私たちが水溶性食物繊維を効率的に摂取しようと思った時に、最も優先して採用したいのが大麦ご飯です。大麦は100gあたり10g近くの食物繊維が含まれている非常に食物繊維量が多い食品であり、さらにその2/3は水溶性食物繊維です。実際6g以上の水溶性食物繊維を大麦100gから摂取することができます。この大麦を白米に混ぜて炊くだけで水溶性食物繊維の摂取量を増やすことができます。
さらに水溶性食物繊維の摂取を考えるならば海藻類もしっかりと摂取していただきたいと思います。その他に水溶性食物繊維が豊富な野菜として、ごぼうや大根、なめこなどがあります。水溶性食物繊維が豊富に含まれている果物というとキウイとミカンがあります。特にミカンの薄皮や白い筋に水溶性食物繊維がたっぷり含まれていますから、薄皮や白い筋を取らずそのまま食べるようにしましょう。
オリゴ糖について
オリゴ糖は、糖分子が数個から十数個連なった低分子の炭水化物です。オリゴ 糖にはいくつかの種類があり、オリゴ糖は野菜、穀物、乳製品などの食品に存在するほか、食品添加物としても使用されます。このオリゴ糖は、小腸で消化されず大腸に到達し、そこで腸内細菌によって発酵されます。大腸までしっかりと届いてくれ、腸内細菌の餌になり健康な腸内フローラの維持に役立ちます。またオリゴ糖は血糖値の管理にも役立つと言われています。
レジスタントスターチについて
レジスタントスターチは、一部の食物に含まれている特殊なタイプのでんぷんで、体内で消化されずに大腸まで到達します。その名前の通り、消火酵素に抵抗する、つまり消化されない性質を持ったデンプンです。レジスタントスターチは水溶性食物繊維と似たような働きがあり、便通を改善したり、食後の血糖値の上昇を抑制したりすることが知られています。レジスタントスターチは4つの主要なタイプがあります。
タイプ1 | 食物の細胞壁に結合し、消化酵素のアクセスを防ぎます。全粒穀物や種子に見られます。 |
タイプ2 | 特定の生の食品、特に生のポテトや緑のバナナに見られます。 |
タイプ3 | 一部の食品が冷却されると形成されます。例えば冷たいポテトサラダやリゾットには、このタイプのレジスタントスターチが含まれます。 |
タイプ4 | これは科学的に変化したもので、食品製造過程で人工的に作られることが多いです。 |
この中で比較的私たちが摂取しやすいのがタイプ3 のレジスタントスターチです。例えば白米を冷やす、これだけでもこの種類のレジスタントスターチを摂取することができます。レジスタントスターチは善玉菌の大好物と言われている栄養分であり、積極的に摂取することにより腸内に住んでいる善玉菌に効率的に餌を与えることができます。
腸内環境を整える食べ物
誰もが歳を重ねるにつれて、記憶力の低下、体力の低下などの老化の悩みに直面しますが、それ以上に大きな悩みがお肌などの見た目の老いです。しかし食べるだけで実年齢より若く見られる食べ物が世の中には存在します。食べるだけで美肌になる食べ物を科学的な根拠に基づいてお伝えします。
昆布やワカメに含まれる「フコイダン」
昆布茶に含まれる「フコイダン」には、美肌効果があることが分かっています。「フコイダン」は、昆布、ワカメ、もずくなどの褐藻類のみに含まれる特有のヌメリ成分で水溶性食物繊維の一種です。水溶性食物繊維は、里芋、大麦、ごぼうなどにたくさん含まれていますが、美肌のためと言っても毎日摂取することは難しい側面があります。水溶性食物繊維は腸内の善玉菌の餌になり、腸内環境を整えて溜まった老廃物を排出することを促す働きがあります。
老廃物などの毒素が腸内で溜まってしまうと、腸内から血中に入りお肌の細胞が老化する原因になります。昆布茶に含まれる水溶性食物繊維は便と一緒に毒素を排出してくれる働きがあります。
この「フコイダン」の、1つ目の美肌効果は、肌のバリア機能の保つことです。肌表面に天然の潤い膜を形成し、外部刺激から肌を守ってくれます。2つ目はフコイダンが持つヌメリ成分が肌の保水力を高めてくれることです。3つ目がヒアルロン酸やコラーゲンの分解を抑制して、お肌をぷるんぷるんに保ち、シワやたるみを抑制する効果が挙げられます。その他にも創傷治癒など肌に関わる無数のメリットがあります。昆布茶であれば、簡単に毎日摂取することができ、このような美肌効果が期待できます。
漬物に含まれる「植物性乳酸菌」
消化吸収を助けてくれる腸内細菌には、善玉菌と悪玉菌がありますが、善玉菌はさらに細分化した分類があります。その1つである乳酸菌は、主に糖を分解してくれる善玉菌で、大きく分けて動物性乳酸菌と植物性乳酸菌があります。動物性乳酸菌は主にヨーグルトなどに入っており、植物性乳酸菌は味噌やキムチに入っています。
近年の研究では、ヨーグルトに含まれる動物性乳酸菌の多くは胃や小腸で消化されて死滅してしまうため、大腸まで届きにくいことが分かってきています。一方で植物性乳酸菌は、胃や小腸で分解されず生きたまま腸に届きます。この植物性乳酸菌の代表が日本の漬物です。漬物の中でも赤じそとなすと塩で作られた「しば漬け」は植物性乳酸菌が多く含まれています。腸内細菌のバランスを整えてあげることが美肌には最も大切なことです。
また、血管内には栄養素や酸素の他に様々な老廃物が含まれて流れています。このような老廃物が全身を巡り、肌に蓄積してしまうと大きなダメージを受けてしまいます。私たちの体には、「細胞分裂」という傷ついた細胞を修復するプロセスが備わっており、常に新しい細胞に生まれ変わることで正常に保たれています。しかし細胞分裂の回数は決まっており、その回数を決めているのがテロメアという遺伝子です。テロメアは命の回数券とも言われて、細胞分裂するごとにテロメアの数は減り、その数が底をつくと細胞は分裂を止めてしまいます。
この細胞分裂を止めた細胞を「老化細胞」と言い、この老化細胞が肌に蓄積することでシワやシミ、たるみの原因になってしまいます。つまり老廃物によって肌の細胞がダメージを受けると、それを修復するために細胞分裂が加速し、やがてテロメアが消費されて細胞分裂が停止します。分裂を停止した細胞が「老化細胞」であり、この細胞老化が、美肌を損なう原因となり、その根本原因が腸内細菌の乱れなのです。
食物繊維+発酵食品=「温酢キャベツ」
腸が喜ぶ食事の基本5原則は、食物繊維、発酵食品、良質な水と油、添加物が入ったものを避ける、夜の糖質は可能な限り控えることです。
食物繊維は野菜や果物などに多く含まれ、腸内細菌の餌になるプレバイオティクスです。発酵食品はヨーグルトや発酵食品などに含まれ、ビフィズス菌や乳酸菌が代表的なプレバイオティクスです。基本的に食物繊維と発酵食品は別物であるとイメージする人が多いと思いますが、同時に満たせる食材が温酢キャベツです。食べやすい大きさにカットしたキャベツを電子レンジで温めて、塩麹、純リンゴ酢、きび糖で味付けしたレシピです。
まず、キャベツには不溶性食物繊維と水溶性食物繊維がバランスよく含まれており、不溶性食物繊維は消化管の中で水分を含んで膨張し、便が柔らかくなることで便秘の改善効果が期待できます。またキャベツのカロリーは100gあたり23kcalと低く、糖質量も100gあたり3.4gと低く、ダイエット食として重宝されています。さらにキャベツの効能は、胃腸ケア、免疫力アップ、美肌効果、高血圧の予防、鎮静作用、疲労回復効果まで万病予防となる食品です。
このキャベツに発酵食品であるお酢を加えるこれによって様々な効果が期待できます。例えばキャベツの有効成分がお酢に溶け出し、体内に吸収されやすくなるため、脂肪の吸収を抑えて内臓脂肪を燃焼し、血中の脂質を下げてくれる働きも期待できます。また便秘改善や血管の浄化を促し、高血圧予防にも効果的です。さらに疲労回復効果が高く、炭水化物の消化スピードを遅らせて糖質の吸収を緩やかにしてくれます。その結果として、インスリンの過剰分泌や活性酸素の発生を防ぐ効果まであります。ちなみに米酢よりも純リンゴ酢を使うことでお酢の酸味が和らぎます。
ギリシャヨーグルトに含まれる「プロバイオティクス」
ギリシャヨーグルトは、製造過程で水切りという特殊な工程を含んでいます。布や濾過器を使ってヨーグルトから水分と乳清を分離、除去しています。この濾過プロセスによって、ギリシャヨーグルトは通常のヨーグルトとは異なり、濃厚でクリーミーな食感になります。このため普通のヨーグルトに比べて栄養素が濃縮され、高タンパク、低カロリーを実現しています。タンパク質は筋肉の維持や成長をサポートし、代謝を向上させる効果があります。またタンパク質は消化に時間がかかり、満腹感が持続し、食欲を抑えてくれる効果があります。
そして高タンパク質のギリシャヨーグルトは脂肪の減少を促進し、ダイエット中でも筋肉の衰えを防いでくれることが分かっています。またギリシャヨーグルトには共役リノール酸も含まれています。大規模な研究によれば、太りすぎや肥満の人の体重減少や脂肪減少を促進してくれることが分かっています。
またギリシャヨーグルトには、健康的な脂肪が含まれています。これらの脂肪は エネルギー源として利用されるだけでなく、満腹感を高める役割も果たしてくれます。さらに善玉菌として知られるプロバイオティクスが含まれています。これらの善玉金は腸内環境を整え、免疫力を向上させる効果があります。腸内環境が整うことによって消化吸収が効率的になり、体重管理に役立つとされています。一方でギリシャヨーグルトには、カルシウムが豊富に含まれています。カルシウムは骨や歯の健康を維持するだけでなく、脂肪細胞の働きを抑える役割もあり、体脂肪の蓄積を防いでくれることに寄与するとされています。
オリゴ糖で腸内環境を改善
一般的な砂糖は、様々な面で私たちの血液をドロドロにしてしまうことが知られています。そもそも砂糖を食べて血糖値が上がってしまうのは、血の中に砂糖が流れ込むことを意味しています。血糖は血液中の糖のことに他ならず、砂糖を食べて血糖が上がるというのは血液が砂糖水のような状態になってしまうことを意味しています。そのため血糖値が高い人の血液は、ドロドロで血管の壁を傷つけやすくなっています。
最近では、甘いものを食べることでエイジスと呼ばれる有害な物質が作り出されてしまうことが分かってきています。エイジスは、食べ物の焦げのことであり、食べ物の焦げは糖質とタンパク質が一緒に加熱されることで生じます。脂肪燃焼という言葉がある通り、私たちの体では様々な物質を燃焼することで科学反応が起きています。
そして甘いものを食べると体内に存在するタンパク質と糖質が反応し、焦げであるエイジスが大量発生してしまうと考えられています。エイジスは別命老化物質とも呼ばれ、私たちの細胞を傷つけ、急速に老化させてしまう原因になります。しかしオリゴ糖は、そもそも体内にほとんど吸収されないため、細胞の中に入り込んでエイジスを発生させてしまう心配もありません。
さらに、オリゴ糖には腸内環境を改善することで間接的に善玉コレステロールを増やしてくれる効果があると言われています。善玉コレステロールは、血液から余分な油を取り除いてくれる、いわば血液のお掃除屋さんです。私たち自身の食生活の乱れによって血液にはどんどん油が溜まっていきます。
血管を水道管に例えると、その中を通る血液が油まみれであれば当然、血管にも油汚れが付着してしまいます。このような油汚れが蓄積することで最悪の場合、水道管である血管が詰まってしまうことがあります。このように血管が詰まるのが心筋梗塞といった疾患になります。
特にオリゴ糖には、悪玉コレステロールの中でも最も危険な小型LDLコレステロールを減らしてくれるという点が挙げられます。悪玉コレステロールと言っても、実は色々な種類があるということが知られており、大まかに言えば悪玉コレステロールはサイズによって様々な分類があり、小さければ小さいほど悪性度が高いと考えられています。
これは小さい悪玉コレステロールが血管の狭い隙間に入り込んで、そこで粥状効果という油汚れの塊りを作ってしまうためです。そのため最近では心筋梗塞のような心血管系の病気のリスクは悪玉コレステロールの中でも特に小型LDLコレステロールにあると考えられるように なってきています。しかし難消化性のオリゴ糖は、このような小型LDLコレステロールを減らしてくれる作用があることが研究によって確認されています。
避けるべき腸に危険な食べ物
添加物と人工甘味料
添加物は健康に悪い、添加物に発がん性があるなどといった情報が広まっているので、添加物に気をつけているという人も結構いらっしゃるのではないでしょうか。とは言え添加物はありとあらゆるものに使われており、普通に生活していると摂らないのは難しいが現実です。
添加物は国が定めた基準に沿ったものでもあり、そこまで神経質にならなくて も良いという意見もあります。一方で添加物は動物実験をもとにして安全性を確認しているため、実際に人に対してどこまでの作用があるか分かっていなかったり、かつては安全だと言われていた添加物が実は危険だということが後々 わかって禁止になった例もあります。また他の物質と一緒に撮った場合どんな影響があるのか分からないという不安点もありますし、長期的に添加物を摂取し続けた場合にどんな影響が現れるのかも現状では分かっていません。基本的に添加物は人工的に作られたもので、なるべく摂らない方が良いと思います。
一方で食品ラベルの原材料表示を見るときにぜひ覚えておいてほしい危険度の高い添加物があります。それはスクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリンNa調味料(アミノ酸等)亜硝酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、カラメル色素、乳化剤、リン酸塩などです。
また、流行りの「カロリー0」とか「糖質オフ」などの糖質やカロリーを抑えた 健康に良さそうなものありますが、これらは砂糖の代わりに人工甘味料を使うことでカロリーや糖質を抑えています。他にもスクラロース、アスパルテームサッカリンナトリウム、アセスルファムカリウムなどが挙げられます。
こういった物質は、体の血糖値を調節する能力を弱め、腸内フローラのバランスを壊し、がんや各種 疾患などとの関連性が高いとされています。一方でステビアやラカント、キシリトールなどは天然の植物由来のものなので、人工甘味料っぽい名前ですが比較的安全です。
グルテン
日本でも徐々にグルテンフリーの食べ物が増えてきています。グルテンの厄介 なところは実は気づいていないだけで、グルテン過敏症やグルテン不耐症であり、そのため体に不調をきたしているという点です。
例えば、グルテン過敏症とはグルテンに対する過敏反応で、グルテンを含む食品を摂取することで消化器系の不快な症状、例えば腹痛、膨満感、下痢、便秘や全身的な症状、例えば頭痛、関節痛、皮膚の発疹、慢性疲労などが現れるものです。グルテンを除去することによって、これらの症状は改善することが多いとされています。またグルテン不耐症はグルテン摂取によって消化器系の症状が現れる状態を指し、これも個人差や体質によるもので、グルテンを避けることによって症状が改善することが一般的です。
普段なかなか疲れが取れない、いつも体がだるい、頭痛や肩こり、関節が痛い、アトピー、喘息、花粉症などのアレルギーがある、肌荒れや乾燥肌に悩んでいる、集中できない、イライラするといった体の不調に悩まされている方はグルテンが原因でこれらの症状が起きている可能性があります。
揚げ物(トランス脂肪酸)
揚げ物は高温で調理する必要があるため、ビタミンや必須アミノ酸などが劣化し、タンパク質と糖が結合することで老化を促進するAGEsという物質が発生 してしまいます。さらに食べ物を揚げることによって発がん物質が発生したり、悪玉コレステロールが増加したり、腸内環境が悪化するなど様々なデメリットをもたらします。
さらに外食の場合は、油の質が悪かったり、酸化していたりする可能性も高くなります。揚げ物が作られる時に使用される油は基本的にサラダ油と呼ばれるものです。このサラダ油にはオメガ6 脂肪酸が大量に含まれています。このオメガ6 脂肪酸は、体に炎症を引き起こすことがよく知られています。またオメガ6脂肪酸だけでなく、一般的に売られている揚げ物にはトランス脂肪酸が含まれています。
実際約11万人を対象に20年間にわたって行われた大規模かつ長期的な研究によると、揚げ物をたくさん食べている参加者はすべての原因による死亡のリスクが高いということが示されました。
合成着色料と合成保存料
着色料には化学合成で作られる合成着色料と動植物から作られる天然着色料の2つがあります。合成着色料は、石油から作るタール色素の危険性をよく耳にする添加物になります。実は天然の着色料にも避けるべきものがあります。
コチニール(カルミン酸)は天然着色料ですが、カイガラムシを潰した体液であるためアレルギー性が指摘されています。例えば食品だけでなく、真っ赤な口紅にも合成着色料とカルミン酸色素が使われています。また合成着色料は発がん性が疑われているものがあるのでできるだけ避けておいた方が無難です。
一部の合成着色料は動物実験において発がん性が確認されていますが、人間における発がん性リスクは低いとされています。一部の国ではこれらの色素の使用が規制されておりますですが、日本では野放しになっているのが現状です。
合成保存料は数種類ありますが、そのうちソルビン酸と安息香酸ナトリウムの2つは避けましょう。合成保存料は、微生物や雑菌の繁殖を抑える化学添加物です。当然、微生物の増殖を抑えるので腸内細菌にも悪影響があるのではないかと懸念されています。ソルビン酸カリウムは、安いスーパーのお弁当によく入っています。
人工甘味料や合成保存料は、腸や腸内細菌に悪影響がもたらされることが懸念されています。これらの添加物によって腸に穴が開いてしまうとリーキーガット症候群と呼ばれる症状になってしまいます。これは農薬や添加物などの化学物質によって小腸に炎症が起きて、穴が開いて損傷し、そこから有害物質や未消化の食べ物の断片が体内に漏れ入って血流によって全身で炎症を起こしてしまう恐ろしい症状です。
腸に炎症をもたらす原因となる添加物には、人工甘味料や合成保存料などが挙げられます。そして腸が荒れてしまった場合、修復する手立てはミネラルです。ミネラルの一種である亜鉛は、腸粘膜のバリア機能を修復したり、腸内細菌のバランスを整えるという報告があります。
その他にも人工甘味料の危険性を指摘する研究はたくさん存在しており、こう いった多くの論文がすでに出ているにも関わらず、国は認可を取り下げることはしません。なぜなら、安全性を証明する論文も負けずにたくさん出ているからです。おそらく人工甘味料を売りたい会社が、人工甘味料の安全性を証明してくれる研究者にお金を出している可能性があります。人工甘味料は安く甘くできるだけでなく、添加物の臭み取りにも使われており、ありとあらゆる食品に使われています。
防カビ剤
外国産のフルーツなどに防カビ剤が使われていることが知られています。例えば、外国産のオレンジやレモンなどの柑橘類は長時間の輸送貯蔵中にカビが発生します。その発生を防止するために収穫後に使用される農薬が防カビ剤です。この防カビ剤のことを別名ポストハーベスト農薬とも言います。
例えば、スーパーなどでよく見かけるのはイマザリル、オルトフェニルフェノール、チアベンダゾールなどといった防カビ剤です。そして防カビ剤の中には発がん性や催奇形性など人体への影響を与える疑いのある成分も含まれていて、その危険性が指摘されています。
この防カビ剤には、必ず表示義務があるので、値段や陳列棚などに使用した物質名を分かりやすい方法で表示するように決められているため、防カビ剤不使用のものを買うようにしてください。
発色剤
食品を色鮮やかに保つ発色剤として使用されている亜硝酸ナトリウムは、発がん性が指摘されています。亜硝酸ナトリウムがよく使用されている食品としては、ハムやソーセージなどの加工肉が挙げられます。
東洋医学で診る「ツヤ肌」
私たちは年齢と共に顔のツヤが悪くなることに悩まされることが多くなります。特に顔色とツヤが悪いと老けて見られたり、元気がない印象を与えたりします。ツヤや顔色の悪さを改善するためには、まずは体の内側からケアすることが大切です。体の内側からケアするには、東洋医学的な観点から見た腎陽虚を解消 することがおすすめです。
腎陽虚とは腎臓の陽気が不足し、体の温熱調節機能が低下した状態を指します。この状態では、体全体に熱を供給する能力が弱まり様々な不調が現れます。腎陽虚になると顔色がくすんだり、むくんだりします。また疲れやすさ、筋肉のこわばりや痛み、下肢の痛み、抜け毛の増加などの症状も見られます。
腎陽虚を解消するには、ツボを刺激することがおすすめです。おすすめのツボは太谿(たいけい)、腎兪(じんゆ)です。これらのツボにお灸や円皮鍼を貼り付けると良いでしょう。腎陽虚を解消することで顔色も良くなり、体調も良くなり、内側からの美にもつながります。


次に血行を良くすることが大切です。血行が悪いと肌に酸素や栄養が届きにくくなり、顔色が悪くなります。また老廃物や水分の排出も滞り、むくみやくみの原因にもなります。血行を良くするには適度な運動やストレッチマッサージなどが効果的です。特に首や肩のコリをほぐすと顔の血流が改善されます。
一方で、水分補給をすることも大切です。水分不足は肌の乾燥やくすみ、シワなどの原因になります。また水分不足は血液の流れを悪くし、顔色にも影響します。水分補給をするには1日に約2Lの水や白湯、ノンカフェインのお茶などを飲むようにしましょう。アルコールやカフェインは利尿作用があるので水分補給には向かないことに気をつけましょう。
そして食事は肌の材料になるため、バランスの良い食事をすることが大事です。特にビタミンやミネラル、タンパク質などの栄養素が肌のツヤや顔色に影響します。ビタミンは抗酸化作用があり、肌の老化を防ぎ、ミネラルは水分や血液のバランスを整えます。タンパク質はコラーゲンやエラスチンなどの肌の弾力を保つ成分の材料になります。
最も大事なことが睡眠をしっかり取ることです。睡眠中は肌のターンオーバーが活発になり、肌の修復や再生が行われます。睡眠不足は肌のターンオーバーを乱し、肌のトラブルや老化を招き、また睡眠不足は自律神経のバランスを崩し、さらに血行やホルモンの分泌にも悪影響を与えます。睡眠をしっかり取るには、毎日同じ時間に寝起き、寝る前にリラックス、眠りの質を高めるなどの工夫をしましょう。これらの習慣を守ることで肌の健康を保ち明るく美しい顔色を手に入れることができます。
インディバで腸を刺激する
「腸ケア」で大切なことは「腸を動かす」ことです。働きの弱まった腸に外から刺激を与えることで、腸を活性化させることができます。
腸の後ろには「腸腰筋(ちょうようきん)」という筋肉があり、通常のマッサージでは届かないインナーマッスルです。インディバはこういった深い筋肉にもアプローチすることができ、深部加温によって血管拡張や血流増加、代謝亢進などを促すことができ、腸や内臓機能の働きが良くなり活性化します。またその温熱刺激が腸管の運動を亢進させることで便秘症状を緩和する効果があります。
インディバでリンパ・血液の流れを改善
腸の状態を維持する上で大切なのが老廃物を運ぶリンパの流れです。リンパの流れが滞っていると、腸と肌とのやりとりが妨げられてしまいます。
リンパ液が流れるリンパ管は、血管と同じように全身に巡らされており、このリンパ菅がたくさん集まる中継地点をリンパ節と言います。このリンパ節は、わきの下、首、鎖骨、脚のつけ根、ひざ裏などに存在しています。これらの中で重要なのが、脚のつけ根にある「鼠径リンパ節」です。
現代人は座りっぱなしで、この部分が常に圧迫を受けている状態で、さらに運動不足も重なり、ますます悪循環となっています。リンパの流れはどこか一部分でも詰まると、その詰まりが全身に影響してしまいます。老廃物が滞りなく運ばれて、排出を促すことが肌の美しさに大きく影響します。
また、血流と密接な関係にあるのが冷え性です。体温が下がると毛細血管が縮み、毛細血管に送られる血の量が少なくなり手足が冷えます。血は酸素や栄養素を体の隅々まで運ぶと同時に「熱」も運んでいます。つまり血流が滞ると、熱が体中に届かなくなり冷えの悪循環となってしまいます。「熱」をしっかり運ぶためにも血流の循環が必要不可欠になります。特にお腹の冷えは、便秘、生理痛、内蔵機能の低下などを引き起こします。下腹部には腸や子宮・卵巣・膀胱があるので、月経前症候群(PMS)などの生理前の症状には下腹部を温めることが大切です。
インディバでセルライトを燃やす
セルライトとは、皮下脂肪に体内の老廃物や余分な水分によって固まったものですが、その原因には血行不良やリンパの流れが悪いことが挙げられます。加齢や生活習慣の乱れなどで脂肪に老廃物が溜まりやすくなります。
インディバの高周波によって、深部から温めることで、血行が良くなり、脂肪細胞が消費されやすい状態になります。またリンパも老廃物の排出を促しやすい状態になります。この状態で深部に働きかけるリンパマッサージを行うことで、体内に溜まった老廃物や水分を体外に排出することができます。
インディバで自律神経のバランスを整える
腸で吸収された栄養を全身に運ぶ血液循環も美肌と健康には大切です。この血の巡りをコントロールしているのが自律神経です。自律神経には、日中の活動を支える「交感神経」と、夜に心身をリラックスさせる「副交感神経」があります。
この両者のバランスがとれていることが大切ですが、現代人はどうしても交感神経優位のままになり、夜眠れなくなったり、首肩こり、頭痛など様々な症状を引き起こしてしまいます。また自律神経と腸内環境はお互い影響し合っており、自律神経のバランスが乱れると、腸内環境も乱れ、腸内環境が乱れると自律神経のバランスも乱れます。
例えば、緊張やストレスなどで交感神経が高まり、自律神経のバランスが乱れると、腸の蠕動運動が停滞するため、便秘などの腸の不調が起こります。一方で腸内環境が良くなると副交感神経の働きが良くなり、自律神経も整っていきます。
インディバの深部加温によって、交感神経と副交感神経のバランスが整い、辛い症状を根本から改善していくことができます。特に首肩周りを温めることで副交感神経の働きを高めることができます。首には交感神経と副交感神経の要所があり、脳から腸まで届いている大切な神経の通り道と言われているからです。
さらに鍼灸を組み合わせることによって、お客様一人ひとりの症状の根本原因(経絡の乱れ)から、その原因となる要素にアプローチします。お身体のバランスの乱れによって様々な症状を引き起こす状態から、総合的なアプローチ(統合美容鍼灸)から、本来の生命力を高めることで、心と身体を美しい状態に戻すことを治療の目的としています。
【本コラムの監修】

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。