肌と心と体はつながっている

    肌と心と体はつながっている

    寝不足の時にはいつもより化粧ののりが悪い、肩こりや頭痛がひどい時にネガティブなことばかり想像してしまう、生理前にイライラして感情が抑えられないなどの一方で、朝すっきりと目覚めると明るい気持ちで1日が始まったり、肌や身体の調子がいいと気分もよくなったり、人に会いたくなったりします。

    実はこれらは、肌と心と身体の密接な関わりがあるからです。私達は小さい頃から心とは別に身体や肌があり、それらは別々に機能していると習ってきました。西洋医学では肌と心と身体を扱う医師はそれぞれ違っています。

    しかし、東洋医学では、私たちの心は独立してある訳ではなく、肌と心と身体は繋がっていて、身体が不調になれば心は沈み、健康であれば心も健やかになると考えます。

    近年では、西洋医学でも様々な研究が進み、病気やストレスで炎症(サイトカイン)が身体に起きると、心も不調になることが分かってきています。不眠、ストレス、自律神経の乱れなどによって身体が炎症(サイトカイン)を起こして免疫が弱まると、コルチゾールというホルモンが増えて免疫を高めようとする結果、さらに炎症が広がり、結果として心が乱れます。

    心が健康に影響する

    一方で、心が乱れると体の健康にも影響します。この心と体の相互作用によって、心拍数、血圧、睡眠、肌荒れ、便通などが心の影響を受けます。例えばストレスによって頭痛、高血圧、糖尿病など、様々な病気を引き起こす原因となっています。このように心が体に与える影響の研究はまだ始まったばかりです。体がストレスに生理的現象として反応し、心拍数、血圧が上昇、そのほかにも筋肉のコリ、首や背中の痛み、頭痛などを引き起こします。

    いずれにせよ、西洋医学、東洋医学でも肌と心と身体を分けて考えるのではなく、むしろ肌や身体の一部が心である、あるいは身体の一つの部分が心であると考えることができます。

    肌と心と身体は分けることができないと考えれば、身体に無理をさせることは心に無理をさせることにもなり、身体を大事にすることで心が健康になり、心を健やかに保つことできれば万病さえ起こさせない可能性があることが研究でも分かってきています。

    心と体のつながり

    アメリカハーバード大学医学大学院では、鍼灸が心を司る脳に及ぼす効果やメカニズムの研究がされています。例えば鍼治療が脳の痛みの調整システムにどのように作用するのか研究されています。そして腰痛などの慢性痛を改善する鍼治療のメカニズムが明らかになっています。

    実は痛みは脳で感じており、例えば腰の骨や筋肉に問題が起きた時、その信号が脳に伝わることで痛みとして感じます。しかし慢性痛になると脳に異変が起き、痛みを過剰に感じることが分かっています。そのため慢性痛の多くの原因がこうした脳の働き、つまり心の問題に関係していることが明らかになっています。

    ハーバード大学医学部大学院コーン博士は、鍼治療が慢性腰痛を持つ患者の脳にどのような効果があるかを調べるため、4週間の鍼治療を実施しました。その結果、患者の脳には痛みを抑える役割の持つ中枢(PAG)部位を中心とする痛みを調整する機能が大きく改善されていることが確認されています。つまり鍼の刺激は脳の機能を大きく改善させ慢性的な腰痛を緩和することが明らかになっています。

    このことから、アメリカでは慢性腰痛への鍼治療が公的な医療保険の対象になっています。つまり鍼治療はアメリカの医療システムの一翼を担っています。一方ではイギリスでは、脳の機能を改善することからうつ病の治療にも用いられています。

    そして、様々な研究から手のツボである「合谷(ごうこく)」「内関(ないかん)」、頭のツボである「百会(ひゃくえ)」などを刺激することで、低下した脳の働きが改善されることが分かってきています。

    合谷(ごうこく)
    内関(ないかん)
    百会(ひゃくえ)

    例えば、約750人のうつ病の患者への鍼治療の効果を検証した研究では、薬などの通常のグループに比べ、通常治療に鍼治療を加えたグループでは、改善効果が高くなることが分かっています。

    このように鍼灸の刺激は、全身の神経に伝わり、私たちの体に備わっていた心身の働きを回復させる未知なる仕組みに作用していることが分かります。そのため世界中で西洋医学を補う役割として期待されています。例えばアメリカ米軍では耳への鍼治療が導入され、慢性痛などの改善に使われています。

    一方で、日本でも西洋医学では改善が難しい慢性の病気を中心に東洋医学の導入が進んでいます。その一つに肺や気管支に持続的に炎症が起こる慢性閉塞性肺疾患(COPD)に、鍼治療は症状の改善が期待できると診療ガイドラインに掲載されています。

    何れにせよ西洋医学と東洋医学それぞれの利点を生かして、患者を早く治して健康の増進に役立てることが期待されています。

    自律神経が美容やアンチエイジングの鍵

    多くの人が不安やなんとなくの不調を抱えており、病気というほどではなく、なんとなく調子が悪い、体を動かすこと、人と話すことが減っている、生活環境の変化や息苦しさを感じるという人が増えています。

    おしゃれをして街に出かけたり、美容や服が好きだった人も今では気分が乗らない、綺麗になるなんて体調悪くてそれどころではないという人もいるかもしれません。

    ですが私たちの見た目は、私たちの気分に非常に大きな影響を与えています。例えば肌や髪などの目につきやすい部分が良くない状態だと、気持ちが沈んで自分に自信が持てなくなってしまいます。そうするとメンタルが落ち込みがちになったり、行動力がなくなってしまったり、何かにチャレンジする精神が失われてしまったりしてしまいます。

    一方で毎日、忙しい日々が続き、自分の身なりも十分に構えないことが続いてしまうと、さらにそれが不定愁訴につながり、何らかの病気の原因になってしまう心配もあります。

    自分らしく生きることであなた本来の美しさを引き出して表現してほしい、自律神経に意識を向けて体の内側を整えることができれば、健康的になれるだけでなく自ずと美容にも良い影響がもたらされます。美容に良い影響がもたらされ、髪や肌のコンディションが整ったり、見た目が若々しくなると、今度はそれがメンタルや精神状態心の状態にも良い影響を与え健康へとつながります。

    自律神経は健康だけでなく美容やアンチエイジングの鍵となる大切なものです。自律神経に意識を向けて体の内側を整えることができれば、若かった時とはまた違った内面からの美しさが出てきますし、自信も出てきます。

    なぜ自律神経を整えて体の内側を整えれば美しさが出てくるのか、それは自律神経を整えることができれば血流が一気にアップし、さらに腸内環境も大きく改善するからです。血流や腸内環境は、美容や外見の若々しさに非常に大きな 影響をもたらしています。自律神経を意識した血流と腸内環境の改善こそが綺麗になるために欠かせないことです。

    また血流と腸内環境がよくなれば自律神経が整い、心が前向きになります。イライラや気分の落ち込み頭痛や肩こりなども楽になっていくことでしょう。つまり体調が良くなって、魅力もアップするというまさに一石二鳥です。

    世の中には様々な美容法や若返り法が溢れていますが、最も重要なのは自分の体の内側をしっかりと整えて綺麗にしてあげることです。体の内側がキレイになれば、自然に体の外側、つまり外見だって綺麗になります。逆にいくら高価な美容治療をしたり、高価な化粧品を使って外見だけを良くしようとしても、体の内側がガタガタの状態になら意味がありません。

    笑う門には福来る

    笑うことはストレス解消にも有効だけでなく、自律神経を整える効果があります。東京農工大学で54歳から77歳の男女11人を対象に、笑うことが体にどう作用するのかを調べた研究では、笑ったグループは笑わなかったグループと比べて心拍数や血圧が低下し、抹消血管が増大するなど副交感神経の働きに影響を及ぼすことが示唆されています。

    また日本医科大学の研究では、平均年齢57.7歳の中度から重度の女性リウマチ患者26人を対象に、1時間落語を聞いた後に痛みがどうなるか血液データを取った結果、26人中22人に炎症の程度を示す物質インターロイキン6とリウマチを悪化させるγインターフェロンの顕著な減少が見られました。これは大量のステロイドを投薬したのと同じくらいの数値の変化で、その後患者は3 週間鎮痛剤なしで過ごすことができています。

    笑いには強力に副交感神経の働きを活発にして、炎症作用抑制の働きがあることが分かります。また東京農工大学の研究では指示に従った作り笑いや意識的に作った笑顔や笑い声でも副交感神経が活発になる働きが見られました。これは短い時間でも笑いに関する行動を起こすことにより脳に笑っていると知覚させて、楽しいリラックスするという効果を生み出すことができると考えられています。

    さらに笑いによって、一瞬交感神経が促進しますが、その後すぐに副交感神経に切り替わるように、頻繁に自立神経が切り替わることにより 、そのバランスが整うことと笑うことで脳内からエンドルフィンという天然の快楽ホルモンが分泌されて幸福感がもたらされるとも言われています。つまり作り笑いでも愛想笑いでも、情報は脳の中枢を刺激して楽しいという感情が湧くため、口角をぐっと引き上げる笑顔を作ることで楽しいという感情が湧いて、本物の笑いになっていくのです。

    西洋医学と東洋医学の違い

    西洋医学は「解剖の医学」、東洋医学は「人間観察の医学」と言われています。西洋医学は、歴史的には300〜400年程度で、外傷や感染症を治すための医療が進歩していきました。そのベースには解剖による研究によって発展してきた歴史があり、今日では遺伝子医療まで発展しています。

    西洋医学は外傷・外科手術に強く、体の悪い部分に直接アプローチし、投薬や手術といった方法で原因を取り除いて治療します。そして緊急性の高い治療、例えば交通事故での致命的な損傷、細菌感染による病気など、医学が進歩しているからこそ助かる命があります。

    また体の状態を科学的、理論的に分析し、症状の原因となっている病因を排除すること目的とし、身体診察や問診はもちろんですが、血液検査やレントゲンなどの客観的なデータも駆使して診断を行います。そこで得られた診断を基に治療するため、原因のはっきりした病態を得意とするのが西洋医学とも言えます。

    一方で、東洋医学の歴史は古く、2000~3000年前より人類の健康のために発展してきました。当時は科学が発展しておらず、病気の原因を解剖して特定することができなかったため、人を診ることでその病気の原因を特定することを重視して発展してきたのが東洋医学です。

    ツボは診る結果の賜物であり、漢方薬は様々な症状に試され、効果のあるものだけが残り、今も使われて効果を出していることが特徴的です。また西洋で対応できない症状にも、うまく対応できる症状が多数あります。例えば西洋医学では「冷え」の概念はなく、その治療方法もありません。東洋医学では、「未病」という概念があり、病気にはなっていない状態であるけれども、何らかの継続した自覚症状がある状態に対しての治療ができます。

    どのような治療措置をとればより効果的かを、その事象に応じて考える学問である東洋医学は、総合的・人間的な医療・学問であると言えます。まとめると、東洋医学の考え方の特徴には、「身体の不調を内側から根本的に治す」「患部だけではなく全身を診る」「病気を未然に防ぐ」ことが挙げられます。

    東洋医学の特徴

    東洋医学の根本には、自然哲学の思想があります。古くは人の体を「小宇宙」とし、「大宇宙」の自然現象によって支配されるものとして考え、自然に抗するのではなく、むしろ順応することが大切だとしています。西洋医学では、病気になれば医師が手術し、投薬をします。しかし手術や薬が病気そのものを治してくれるのではなく、私たちの身体に授けられた「自然治癒力」で病気が治るのであって、手術や薬は自然治癒力を引き出すよう手助けしているにすぎません。

    さらに病気そのものを見るのではなく、病気になった患者を診る、つまり「病を診る」だけでなく「人を診る」両方を診る医療という姿勢が東洋医学にはあります。また、東洋医学の大きな特徴として、心と体を一体としてとらえることにあります。これらの特徴を西洋医学と比較してみましょう。

    心身一如(心と体は一つであると考えること)

    西洋医学の精神・身体二元論、つまり心と体は別々に考えることに対して、心と体は相互に密接に関連しているものとして捉えて、体だけでなく心も一緒に治していくことが東洋医学の特徴です。病気は外因性のものばかりではなく、内因性(精神的)のものがたくさんあります。例えば不安や動揺が心のストレスとなり、そのストレスが身体の変調を来たし、そして様々な疾患を引き起こすようなことはよく知られています。このように病気の原因に人の心が大きく関与しており、感情のバランスが崩れると臓器の働きに悪影響を及ぼします。

    心を良くすることによって体がよくなり、体を良くすることによって心もよくなる。このような心身全体の調和・向上こそが治療の目標になります。つまり東洋医学は「体」の調整だけでなく、「心」を調整することを重要視します。このような「心身一如(しんしんいちにょ)」という考え方が軸となっているのが東洋医学です。

    自覚症状を重視すること

    西洋医学では、検査などで科学的な根拠の上でどの病気か断定して手術や薬を投与し、身体の中の悪いものを取り除く医療が基本になっています。そのためデータや成績を重視するあまりに、患者さんの訴えをそれほど重視しない傾向があります。また「なんとなく身体がだるい」「イライラして何もやる気が起きない」「手足の冷え」などのなんとなくの症状、断定できない病気、いわゆる不定愁訴の対応を苦手としています。

    東洋医学では、病気の一歩手前の状態を「未病(みびょう)」と定義し、未病の状態を改善していくことで、病気を予防することを重視します。この未病の状態で多くの方が「なんとなく調子が悪い」という状態を自覚しています。この自覚症状を重視し、患者さんの訴えをよく聞いたうえ(問診)で、その症状合った治療を考えていきます。

    個体差の重視

    世の中には病名の付けられない病気や、診断はついても、治療法はありませんというような疾患がいくつもあります。たとえそのような疾患であっても、個々の患者を「診る」という視点に立つ東洋医学では何らかの治療法を模索することができます。

    また、西洋医学では、病名が決まればそれに対応する治療薬も決まりますが、東洋医学の鍼灸治療では病名が決まっても治療法を一つに決めることはありません。東洋医学では全身の不調和を整えるための治療法の判定(東洋医学的体質診断)に重きをおき、患者さんのそれぞれの個体性を重視して治療を行います。

    五行学(五行と身体の関係)

    東洋医学の概念として、「五行」(ごぎょう)があります。これは大自然の成り立ちから内臓の機能までを5つに分け、その中心となるのが「肝・心・脾・肺・腎」の「五臓」です。

    鍼灸や漢方など、すべてこれに基づいて診断及び治療方針を決定します。この五行の考え方がわかると、肌心体のそれぞれを相互に関連づけることができ、全体でひとつのものと捉える東洋医学を理解する大きな助けとなります。

    健康を維持する3つの要素

    東洋医学では、人体を構成する主要な物質を「気・血・水」とし、これらが体内を循環し、バランスが保たれている状態が「健康な状態」と考えます。どれか一つでも量や働きが乱れると体調悪化に繋がると考えられています。

    • 「気」は、五臓六腑を働かせて体を温め、気力を呼び覚まし、血や水をめぐらし、余分な流出を防ぎます。
    • 「血」は、各器官に栄養を届ける働きをしており、「気」の作用により、「血」の働きが守られています。
    • 「水」は、臓腑や器官をめぐり、関節をなめらかに動かし、皮膚にうるおいを与えます。また、「水」が欠けていると「血」も作られません。

    このように、お互いにバランスをとりながら、健康を維持しているため、3つがどれか1つでも乱れると、全体のバランスが崩れて肌トラブルや冷え、むくみ、さらには頭痛や生理不順など様々な不調を引き起こすようになります。

    東洋医学では健康の先に美がある

    さらに一歩進んで、東洋医学では健康の先に美があるという考え方があります。身体と心が健やかであってこそ、外見の美が成り立ちます。私たち美容鍼ハリニーでは、肌、心、身体の総和の美しさ、つまり総合的に調和のとれた美を引き出すための方法を『統合美容鍼灸』と定義しています。

    経絡・経穴(ツボ)を刺激し、肌と身体を良くすることによって心もよくなる。このような肌心身全体の調和・向上こそが治療の目標になります。

    ハリニーが提供したい価値はお客様自身が持っている本来の美しさを引き出すこと。東洋医学の理論に基づき、肌と心と身体の結びつきから、全体を捉え、忙しい現代人に合わせた経絡やツボを使い、身体が本来持っている力を高め、内側から輝く自分らしい美しさを引き出します。

    統合美容鍼灸とは

    統合美容鍼灸のベースとなる「ホリスティック」という言葉は、ギリシャ語で「全体性」を意味する「ホロス(holos)」を語源とし、”全体的な調和、共生、循環”といったことを表しています。そこには東洋医学の根本である自然哲学の思想があります。それは、すべては繋がっていて絶え間なく巡っている、それが命の営みである、という考え方です。

    一方で中国医学の有名な概念として、「五行」(ごぎょう)があります。自然界のあらゆるものが「陰」と「陽」から成り立つと考えて、自然の変化や関係性を「木・火・土・金・水」の5つの要素に分類します。これを「陰陽五行説」と呼びます。この五行の考え方により、人のからだを相互に関連づけ、全体でひとつのものと捉えることができます。

    さらに東洋医学では、人体を構成する主要な物質を「気・血・水」とし、これらが体内を循環し、バランスが保たれている状態が「健康な状態」と考えます。どれか一つでも量や働きが乱れると体調悪化に繋がると考えられています。

    人体を構成する「気・血・水」は、お互いにバランスをとりながら、健康を維持しているため、3つがどれか1つでも乱れると、全体のバランスが崩れて肌トラブルや冷え、むくみ、さらには頭痛や生理不順など様々な不調を引き起こすようになります。現代人に多いめまい、肩こり、不眠、便秘、頭痛などの内因性の慢性病のほとんどは、「気・血・水」のアンバランスから起こります。これらに対してすぐれた効果を発揮するのが鍼です。

    また、東洋医学の大きな特徴として、心と身体は相互に密接に関連しているものとして捉えて、「身体」だけでなく「心」、つまり「心」と「身体」は一つであると考えます。このような「心身一如(しんしんいちにょ)」という考え方が軸となっています。経絡・経穴(ツボ)を刺激し、肌と身体を良くすることによって心もよくなる。このような肌心身全体の調和・向上こそが治療の目標になります。

    東洋医学と西洋医学の融合(統合美容鍼灸)

    このように東洋医学と西洋医学は全く別のものであり、得意分野も大きく異なります。 しかし東洋医学と西洋医学は相容れないわけではなく、融合させてぞれぞれの強みを活かすことができます。東洋医学と西洋医学を融合させ、それぞれの長所を活かしたのが、当院の「統合美容鍼灸」です。

    例えば、当院が導入している美容高周波温熱治療器は、高周波エネルギーを使用して体表から体内全域に温度(深部加温)を上げ、体内の熱を通常の3~5℃、部位によっては7℃まで上昇させることができ、自分の体を芯から温めることができます。冷えをはじめとする様々な体のトラブルの改善し、自律神経・ホルモンバランスを整え、体質を改善することができます。

    このような温熱療法は、体温を上げることで免疫機能を高め、がんを死滅させようとする免疫療法として発展してきました。 その仕組みは、特定の部位だけを深部加温(高加温効果)することによって、局所的に42度以上の体温にし、がんを縮小させる効果によるものです。42度以上になるとタンパク質が凝固しますが、正常組織の場合、毛細血管が拡張し、増えた血流が熱を除去するため、局所は高温にならないと言われています。

    がん細胞は血管が未熟なため、高温になっても拡張することができず、熱が逃げずに42度に達し縮小すると言われています。また施術後には、免疫細胞の増加やNK細胞の活性化などが見られることが確認されているようです。また当院で導入しているエレクトロポレーション(電気穿孔法)も同じく、がん細胞への抗がん剤の導入に利用されている技術で、同様の手法が美容法にも応用されています。

    このような医学の発展とともに、美容技術が進歩した現代では、様々な美容のお悩みを多角的にアプローチすることができるようになっています。

    一方で、東洋医学では、例えばストレスから生じる症状、いわゆる不定愁訴(なんとなく体調が悪い)などのはっきりしない症状にも対応できることが利点です。東洋医学では細胞や臓器は全体(心)としてつながっていると考え、特定の症状の緩和のみならず体の不調を根本的に改善することを目指します。生活習慣や体質を根本的に変えていかなければ、再発する可能性がありますし、何より大切なのは「予防」することです。

    もちろん、現代美容技術の即効性や効果は注目すべき点ですが、症状の根本原因を改善する東洋医学のベースがあってこそ、双方の長所と短所が明確になり、その中で統合美容が果たすべき役割があると考えています。

    世の中、様々な情報があり、その中には根拠のない美容・健康情報が溢れ、拡散されています。保湿を頑張っているのに、いつも肌荒れを繰り返してしまうなど、間違ったスキンケアによって肌に負担をかけ、続けるうちにシミやシワ、たるみなどを引き起こす原因となっていることなどは代表的なケースでしょう(正しいスキンケアは、単純で「擦らない洗顔、正しい保湿、そして正しい日焼け対策を徹底するのが基本中の基本」)。

    当院の「統合美容鍼灸」では、外側からのアプローチはもちろん、経絡の通りを良くすること、正しい美容知識を身に付け、質の良い睡眠や規則正しい生活習慣、楽観的な心理状態を保つなど、内側からのアプローチにも注目し、お客様それぞれの目的の実現に向けて、根本的なお悩みの改善をサポートします。体質から改善することで、得られた効果は長く継続することができ、本来の美しさを追求できます。お身体の不調、美容のお悩みをお客様と一緒に解決してまいります。どうぞご相談くださいませ。

    【本コラムの監修】

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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