東洋医学と美肌

    東洋医学と美肌

    肌は健康状態や生活習慣を映し出す鏡です。シワや乾燥肌に悩む方も多いですが、日常生活の中で少し工夫をすることで肌の健康や若々しさを大きく改善することができます。

    東洋医学は何千年も前から続く伝統的治療法で、現代のスキンケアにも応用されています。最近では東洋医学に基づくスキンケア製品が注目を集めており、自然の成分と伝統的な知識を組み合わせることで美肌を目指す方法が増えています。東洋医学では肌の健康は全身のバランスと密接に関連していると考えられています。これにより内側からの健康が外見にも反映されます。

    若々しさと東洋医学の関係

    東洋医学は数千年に渡って人々の健康と美容を支えてきました。その中心には体内のバランスとエネルギーの流れを整えるという概念があります。若々しさを保つためには内側からの健康が不可欠です。東洋医学では特に気と血の重要性が強調されています。

    東洋医学における気は、体内を流れるエネルギーのことを指し、健康と美肌において重要な役割を果たします。この気は生命エネルギーとも呼ばれ、体内を巡るエネルギーのことです。気の流れがスムーズであれば血液循環やリンパの流れも良くなり、肌の代謝が促進されます。その結果、肌のハリやツヤが良くなり、若々しさを保つことができます。

    一方で、気の不足や停滞は顔色が悪くなったり、疲れやすくなったりする原因となります。気を補うためには、適度な運動、ヨガなど穏やかな動きの運動は、気の流れを改善しますし、また複式呼吸を行うことで気を体内に取り込むことができます。また気の流れを整えるための鍼灸は、肌の代謝を高める効果があります。これにより老廃物が効率よく排出され、肌が美しく保たれます。

    そして血は、栄養と酸素を運ぶ重要な要素であり、血が十分でかつスムーズに流れている状態、つまり血の巡りが良いと肌には十分な栄養素と酸素が供給され、肌の潤いと弾力を保つことができます。この血の不足は肌の乾燥やシワの原因となるため、美容にとっては大敵です。血を補うためには、バランスの取れた食事が大事であり、特に鉄分やビタミンCを多く含む食品を摂取することが重要です。

    また東洋医学では血行を促進するための食事や漢方薬、鍼灸などが推奨されています。例えば漢方薬やハーブは血行を改善し、肌の健康をサポートします。また定期的なマッサージや美容鍼灸も血行を促進し、肌に潤いを与えます。

    さらに東洋医学では、腎が生命力の源とされています。腎は体内の水分バランスを保つだけでなく、成長、発達、生殖、老化などにも深く関与しています。腎の機能が低下すると髪が薄くなったり、肌が乾燥したり、老化が進むと考えられています。

    腎の健康を保つためには、冷たい食べ物や飲み物は人に負担をかけるため、温かいスープや煮物を摂ることが良いです。また適度な休息、過労やストレスは腎を弱らせるため、十分な睡眠とリラックスが必要です。また鍼灸が腎を補うために用いられることが多いです。

    若々しさを保つためには外見だけでなく内側からのケアが重要であり、東洋医学の視点からは気血のバランスを整え、腎の健康を維持することが鍵となります。

    健康とミトコンドリア

    ミトコンドリアは細胞のエネルギー工場として知られており、細胞内でエネルギーを生産する役割を担っています。このミトコンドリアの健康は、体全体の健康状態と直結しており、エネルギー生産の効率性が重要な要素となります。そのミトコンドリア内でエネルギー(ATP)を生産するための一連の化学反応回路がグレブス回路です。

    クレブス回路は、食物をエネルギーに変換する過程で重要な役割を果たし、複数のステップから成り立っているため、各ステップで異なる科学物質が関与しています。クレブス回路が正常に機能するためには、特定の栄養素(補因子)が必要となり、これらの栄養素が不足すると回路内でボトルネックが発生しエネルギー生産が滞ることが知られています。

    例えば、NADはエネルギー生産に不可欠です。NADは食物からエネルギーを抽出する過程に深く関与しており、そのエネルギーはATPと呼ばれます。実は年齢を重ねると体内のNADが減少します。研究ではNADを消費する主要な要因としてCD38と呼ばれる酵素を発見されています。このCD38がない状態で生まれた場合には、長寿で健康問題が少ないことが研究で明らかになっています。このNADを高く保つためには、以下の5つの化合物がNADレベルをサポートするために有効なことが分かっています。

    エピゲニンパセリ、タイム、オレガノ、バジル、セロリなどの植物に多く含まれます。これらのハーブやスパイスを日常的に摂取することでNADをサポートできます。
    アントシアニンブルーベリー、エルダーベリー、コンコードグレープ、紫色のじゃがいもなど青や紫、赤色の食品に豊富に含まれています。これらの食品は免疫システムにも良い影響を与えます。
    クルクミンクルクミンはターメリック(ウコン)に含まれる主要な色素成分であり、強力な抗酸化と抗炎症作用があり、体内でのNADレベルを保つことによりアンチエイジングに貢献します。
    メチレンブルーメチレンブルーは合成染料でありながら驚くべき健康効果を持っていることが近年の研究で明らかになっています。特に CB38という酵素の阻害剤としての働きがあります。メチレンブルーはその他にも神経保護作用など多岐に渡る健康効果が研究されており、アンチエイジング分野での注目成分です。

    美肌効果の高いツボ

    東洋医学では特定のツボを刺激することで健康を増進し、美肌効果を得ることができます。

    築賓(ちくひん):内くるぶしの一番高いところから指幅7本分上

    築賓(ちくひん)

    ふくろはぎの内側に位置し、血行を促進して肌の透明感を高めます。

    四瀆(しとく):前腕の外側の真ん中

    四瀆(しとく)

    手の背側にあり、リンパの流れを良くしてむくみを解消します。

    肩髃(けんぐう):肩峰のやや前下方にあるツボ

    肩髃(けんぐう)

    肩の上部にあり、首や肩の血行を改善し、顔色をよくします。

    これらのツボを日常的に刺激することで体全体のバランスが整い、肌の健康が向上します。

    美しさと若々しさを保つツボ

    東洋医学は体内のバランスを整え、内側からの健康を促進することで美しさと若々しさを保ちます。特に経絡とツボの刺激が重要になります。

    足三里(あしさんり):膝の外側、お皿の下から指4本分下がった、一番くぼんでいるところ

    足三里(あしさんり)

    足三里は全身の健康を改善し、体全体のエネルギーレベルを高めるツボとして知られています。特に消化器系の機能を改善し、栄養の吸収を助けることで肌の健康を保ちます。また免疫力を高め、疲労回復にも効果があります。

    照海(しょうかい):内くるぶしの骨の真下、ぽこっとへこんでいるところ

    照海(しょうかい)

    照海は腎経の重要なツボで、人のエネルギーを高める効果があります。腎は東洋医学において生命力や成長、発育、老化に深く関わっています。照海を刺激することで体内の水分バランスを整え、肌の乾燥を防ぎ、若々しい見た目を維持する助けになります。

    兪府(ゆふ):鎖骨と胸骨の間のくぼみ

    兪府(ゆふ)

    兪府は呼吸器系の健康を促進し、気の流れを改善するツボです。深い呼吸を助けることで血行が良くなり、肌に新鮮な酸素と栄養を届けることができます。またストレスを軽減し、精神的な安定をもたらす効果もあります。

    【本コラムの監修】

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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