マスク生活が続くと目から下の「顔の下半身」に変化が起きている方が多くいらっしゃいます。特にマスク装着で表情が乏しくなり、顔筋の運動量が著しく低下したことが原因で、肌の代謝と血流が低下し、たるみやしぼみを招いてしまっています。
また、リモートワークで高さの合わない机や椅子で長時間下を向いていることも原因のひとつです。さらに多くの方が、知らず知らずのうちに歯をくいしばり、顎の動きが悪くなり、頰骨まで引っ張られて、頰の頂点の位置が下がる方もいらっしゃいます。
このように様々な要因が重なり首、肩がこり、血流やリンパの流れが滞っているのが現状です。そんな時はツボ押しでこわばった筋肉をほぐし、血行と代謝を改善すれば、肌は素直に応えてリフトアップ&ボリュームアップするはずです。
美容鍼の効果を持続させるための「お顔のセルフケア」をお伝えします。1日1分のツボ押しで、より輝くための肌づくりを!
ほうれい線は、年齢を感じさせるお顔のサインとして、多くの女性が気になる部分です。年齢と共に気になるのがたるみ。顔のどこか一箇所がたるむのではなく、顔、目の周り、頬、口まわり、フィイスラインなどお肌に弾力がなくなることが原因です。
頬のたるみに効果的なツボ ⬇️
頬の肉全体が下がってしまってハリがない時に効果的なツボをご紹介します。
- 迎香(げいこう)/小鼻の脇のくぼんだところ
- 巨髎(こりょう)/瞳孔から真下の頬骨の下
- 四白(しはく)/瞳の中央から指1本分下がったところ
「迎香」はシミ、シワ、むくみの解消に役立つ美肌のツボ。「巨髎」は、ほうれい線、「四白」は小顔等に効果的なツボ。
口のまわりのたるみに効果的なツボ ⬇️
口角が下がると疲れた顔にならないように効果的なツボをご紹介します。
- 承漿(しょうしょう)/顎の真ん中で唇の真下
- 地倉(ちそう)/口角の外側
「承漿」は唇のゆがみを正し、「地倉」は下がった唇をリフトアップするツボ。
口角を上げるツボ ⬇️
鼻の脇から口角にかけての刻み込まれたシワ(ほうれい線)に効果的なツボをご紹介します。
- 地倉(ちそう)/口角の外側
- 巨髎(こりょう)/瞳孔から真下の頬骨の下
口角を上げる「地倉」、口元のトラブルに効く「巨髎」は、ほうれい線に効果的なツボ。
フェイスラインの崩れに効果的なツボ ⬇️
顔の輪郭を変えて老け顔にしてしまうフェイスラインの崩れに効果的なツボをご紹介します。
- 夾承漿(きょうしょうしょう)/顎の真ん中から1cm外側
- 大迎(たいげい)/顎の骨の角から顎先に向けて2cm内側
「夾承漿」は頬、「大迎」は顔のむくみに効果的なツボ。
首とフェイスラインの境がわかりづらいに効果的なツボ ⬇️
頬のたるみでフェイスラインが崩れることに効果的なツボをご紹介します。
- 強音(きょうおん)/喉仏の位置から首の外側にむかって指をずらしていき、太い筋肉の筋にぶつかる手前のくぼみ
- 天容(てんよう)/耳の下で下顎の骨の角の後ろ
- 完骨(かんこつ)/耳の後ろで骨のでっぱったところ
「強音」「天容」はフェイスラインのリフトアップに効果的なツボ。「完骨」は顔のむくみに効果的なツボ。
スッキリ鼻筋に効果的なツボ ⬇️
頬の筋肉のたるみで凹凸のないお顔に効果的なツボをご紹介します。
- 狭鼻(きょうび)/鼻筋部分の骨の横
- 迎香(げいこう)/小鼻の枠のくぼんだところ
「迎香」はたるみやシワに効果的なツボ。「狭鼻」は鼻づまりを解消してくれるツボ。
お顔のツボ押しは、イタ気持ちいい程度、毎日1分、不調の時は控えましょう!それでは、お忙しいかと思いますが、くれぐれもお身体には気をつけ下さい。
ほうれい線への美容鍼の効果
お肌の老化の予防には、血流をよくすることが最も大切です。美容鍼によってお肌が微細なキズを受けると、その部分を直そうと再生力が高まり、血行が促進されます。これは私たちの身体が本来持っている自己治癒能力を活かした治療法です。結果として、線維芽細胞が増え、または活性化することで、真皮のコラーゲンが増え、たるみの改善やハリやツヤのアップが期待できます。
皮膚は表皮、真皮、皮下組織という三層が重っており、美容鍼がたるみにも有効的なのは、肌表面からのアプローチではなく、真皮層や筋肉に直接刺激を与えていくことができるからです。また美容鍼で表情筋を刺激することにより、固くなった筋肉を解し、やわらかくする効果があります。表情筋がやわらなくなることで、血行がよくなりたるみが解消してリフトアップ効果が得られます。
さらに、顔にあるほうれい線に効くツボを美容鍼で刺激することによって血行を改善し、新陳代謝を促進します。これによりお顔の筋肉やコラーゲン繊維を活性化させ、皮膚の再生機能を高められるので、ほうれい線が目立たない美肌へとつながります。
ただし、美容鍼の効果の持続時間に関しては個人差があります。治療の頻度は、1週~10日に1回程度がオススメです。
ハリニーでは、施術直後にお肌にセラミドを直接塗布し、効果的に浸透させることで、肌にハリとツヤとうるおいを与えキメを整えるため、セラミドの不足によって齎される乾燥からくる小じわやたるみといった肌トラブルも改善されていきます。何をしても乾燥が改善しない方はぜひ鍼を試してみてください。
また、美容鍼によって顔の血流が良くなり、凝り固まった筋肉がほぐれると本来の位置に戻るため、結果的にリフトアップすることができます。さらに低周波電流で鍛えることでスムーズな動きを取り戻し、立体的な頬が復活します。
このように硬直した表情筋をほぐして、鍛えることでたるみやほうれい線も薄くなります。垂れ下がってきた頬を改善したいなら、こうした筋肉をほぐして筋肉の弾力を取り戻し、本来あるべきの位置に戻すことで肌の内側からふっくらリフトアップします。ポイントは、美容鍼と低周波電流(パルス)で〝ほぐす・鍛える〟です。乾燥肌やたるみ改善に効果抜群です。ぜひ美容鍼をお試しください。
美容鍼のリフトアップメカニズム
東洋医学の観点からリフトアップを考えると、外見の若返りや美容だけでなく体全体の健康とバランスの改善に焦点を当てます。東洋医学では、体の内側からの健康が外見に反映されると考えられており、従ってリフトアップは単に顔のたるみを解消することだけではなく、体の内側の調和と健康を取り戻すプロセスとみなされます。
気血の流れを整える東洋医学では、体内の気血の流れがスムーズであることが健康の鍵とされています。顔や体のたるみは、この気血の流れが滞っているサインと捉えられます。また体液の不均衡もたるみの原因とされており、特にリンパ液や血液の循環不良は、顔や体のむくみやたるみを引き起こします
美容鍼は東洋医学の技術を応用した美容法の1つで、顔のリフトアップ、シワやたるみの軽減、肌質の向上を目的とし、美容鍼は細い鍼を肌に挿入することで血行を促進し、コラーゲンの生成を刺激して、リンパの流れをアップすることで自然な美しさと健康を取り戻すことを目指しています。
美容鍼の主な働きは、肌のたるみを引き締め、顔の輪郭をシャープに見せ、シや表情ジワの軽減、コラーゲンの生成を促進することでシワや表情ジワを目立たなくします。また血行促進によりくすみや肌のトーンの不均一を軽減、肌の新陳代謝を促進し、ニキビや肌荒れの解消もサポートします。
具体的には、美容鍼による刺激は、血流を良くし、酸素や栄養素が肌細胞に豊富に供給されるようになります。これにより肌の新陳代謝が活性化され、若々しい肌へと導かれます。またの鍼刺激が肌の内部に微細な損傷を与えることで、その回復過程においてコラーゲンやエラスチンの生成が促進されます。これにより肌の弾力性が高まり、シワやたるみが軽減されます。一方でリフトアップにおいては、リンパの流れも重要です。美容鍼は、リンパの流れを促進し、体内の老廃物や余分な水分を排出することで顔のむくみを解消し、引き締まった印象を与えます。
「ほうれい線」に効く、体のツボ
年齢を重ねるごとに気になる悩みの中で、特に気になるのがほうれい線と言われています。このほうれい線ができる主な原因は、加齢による肌の弾力やハリの低下が挙げられます。特にコラーゲンとエラスチンは、肌の弾力を支える重要な成分ですが年齢と共に減少し、保湿が不足すると肌が乾燥してシワが深くなります。また表情筋の衰えもあり、筋肉が弱まると肌がたるみやすくなります。さらに紫外線は肌の老化を促進し、シワやたるみの原因となります。ただしほうれい線は、お顔だけのアプローチでは解消しないことが多く、全身を整えることが鍵となります。
東洋医学では、ほうれい線は体内の「気」エネルギーのバランスが乱れているサインと捉えます。特に気の不足により肌が栄養不足となるとシワができやすくなると考えます。またこのような方は、疲れやすく顔色が悪いことも特徴です。
一方で、腎のエネルギーが不足すると老化が進みやすくなります。腎は体の成長、発育、老化を司るため腎虚になると肌の弾力が低下します。また気滞は、気の流れが滞ることで血行が悪くなり、肌に栄養が届きにくくなります。またストレスや緊張もこの状態を引き起こします。
ほうれい線対策には、照海(しょうかい)のツボを刺激することがおすすめです。照海は、腎の働きを助け、腎虚の改善に役立ち、全身のエネルギーバランスを整えます。また気海(きかい)は、全身の気を補う重要なツボで、気虚の改善に効果があります。そして列缺(れっけつ)は、気の流れを促進し、気滞の改善に役立ち、ストレスを和らげる働きもあります。
照海(しょうかい):内くるぶしの真下
気海(きかい):へそから指2本分下にあるツボ
列缺(れっけつ):両手の親指と人差し指を交差させたときに人差し指の先端が当たる部分
【本コラムの監修】
・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。