理想の鼻の形は、10 年後も同じなのか、流行りの鼻の形は時代と共に変わります。しかも整形したからと言って人の老化は少なからず絶対訪れます。どんな整形をしても、加齢と共に骨は少なくなり、肌もたるむため、いつまでも理想を追いかけると永遠に整形を繰り返すことになります。
鼻筋を整える方法
ヒアルロン酸注入
鼻筋を整えるためにシリコン製のプロテーゼを入れる方法が有名です。また最近では切らない鼻整形のヒアルロン酸を注入する鼻のプチ整形も人気です。ヒアルロン酸注入はお手軽な分、半永久的な手術ではなく数年経つと吸収され、大体その期間は半年から2年ほどと言われています。
実際は徐々に馴染んでいくため、整形を受けた本人としては鼻が低くなる実感はもっと早くなるため、何回も整形を繰り返してしまうことがあります。回数制限は ないとは言え、実際は5年間ぐらいヒアルロン酸が残っているため、前の分が残っているのに次を足して注入すると、鼻が横に広がっていくリスクもあります。
ヒアルロン酸注入のデメリット
代表的なの鼻整形は、ヒアルロン酸の注入とプロテーゼです。ヒアルロン酸の注入の方が費用も安く、メスを使用しないため術後のダウンタイムが比較的短く済むなどメリットが多いように思えます。しかし、それ以上に重大なリスクがあり、実際事故もたくさん起こっています。
例えば、鼻の壊死や失明です。鼻へのヒアルロン酸の注入は、特に血流障害のリスクが高くなります。ヒアルロン酸注入は主に鼻の付け根に近い部分に注射し、そこからヒアルロン酸を注入します。この付け根部分には、目の奥の眼球につながる眼動脈から枝別れした大切な血管が通っています。実はどんなに手術が上手な医師でもどこに血管が通っているのかは皮膚の上からは分かりません。間違って大切な血管を刺して、そのままヒアルロン酸を注入してしまうことがあります。ヒアルロン酸は元々血液より粘度の高い物質でできているため、血管に注入されたヒアルロン酸は眼動脈の根元まで流れ、血管を詰まらせてしまい、血液や酸素が眼球まで届かなくなり壊死したり、最悪の場合失明してしまうこともあります。
他にもデメリットは、時間が経つにつれて吸収されたり分散して、結局注入されたヒアルロン酸は無くなってしまいます。効果の持続を保つためには、最低でも1年に1回の注入が必要になります。よく美容クリニックに行って相談すると鼻の整形が初めてなら、まずはヒアルロン酸で様子を見ると良いと言われますが、これが何年も続くことを考えると結果的に大きな維持費が掛かります。
他にもヒアルロン酸の症例として顎が挙げられます。顎に入れたヒアルロン酸が顎を圧迫することで骨吸収と呼ばれる骨が薄くなる症例が報告されています。これは諸説あり、顎に入れたヒアルロン酸自体が常に顎を圧迫するため、それによって骨吸収が活発になり薄くなってしまうパターン、ヒアルロ酸を入れること自体が骨の代謝に何か影響与えているという諸説があります。また顎が小さい人は、顎にある筋肉自体も小さく、筋肉の緊張が常に起こってることによって骨吸収しやすいタイプであるとの諸説があります。
以上がヒアルロン酸注入の鼻整形は、多くの専門家がリスクに見合ってないと言っている理由になります。
プロテーゼ
もう1つのプロテーゼは半永久的に効果が続くと言われており、プロテーゼは材料自体、心臓の手術にも使われて体内での変質や変形もない安全なものだと言われています。一昔前のプロテーゼではL型のものが主流で鼻筋から鼻中隔にかかるように装着して、鼻先を強調しやすくなる一方で、鼻先に負担がかかることが懸念されていました。そのため現在では I型プロテーゼが主流となっています。
そして老後は3つの症状が出る可能性をクリニック側は提示しています。1つ目はプロテーゼの形状がはっきりとしてくることです。装着したプロテーゼの厚みにも よりますが年齢を重ねると肌が痩せ、ハリがなくなって皮膚も薄くなってきます。老後は徐々にプロテーゼの形が浮き出てきやすくなります。2つ目はプロテーゼ周りの石灰化です。プロテーゼは術後しばらくすると鼻の組織と癒着しないようにカプセルに包まれますが、装着から長い時間が経過すると稀に石灰化し、鼻筋が歪んだり、鼻筋にゴツゴツとした違和感が出ることがあります。装着から2,30年経過すると大なり小なり石灰化が起こると言われています。3つ目は鼻の骨の変形吸収です。これも無理な厚みのプロテーゼの装着などが原因ですが、長年骨が圧迫され、その部分の皮膚は一層薄くなってプロテーゼの形がより浮き出やすくなります。
何れにせよ、鼻に人工物が入るため鼻の動きに多少の制限がかかることになります。実際プロテーゼを入れた人の話を聞くとスポーツ全般で多少の不安を感じるようになったり、鼻整形に自分の耳の軟骨を使っている場合は、耳の一部が柔らかくなり、イヤホンが耳に装着しにくくなって困るって声もあります。花粉症の人はかなり不便になることもあり、整形は老後の変化の不安、日常の少しの違和感とも付き合わないといけません。
プロテーゼのデメリット
鼻プロテーゼは、シリコンでできた人工物を鼻に入れて鼻を高くする手術方法です。プロテーゼの最大のメリットはヒアルロン酸注入と違い、なんと言っても溶けないことがメリットです。基本的には形が保たれて半永久的な手術方法だとお勧めされます。
一般的に鼻のプロテーゼは、I型とL型の2つに分けられます。L型はその名の通りアルファベットのL字状になったシリコンを鼻の付け根から鼻先まで全体をカバーするものです。術後10年から20年経つとトラブルが結構頻発したため、最近はL型を使用するクリニックはほぼありません。特に良く見られたのが鼻先の皮膚が破れてプロテーゼが剥き出しになる症状が出ました。
一方で、人間の皮膚は場所によって厚みや強度が異なり、一番大切なのは血流です。鼻にも当然血液が流れていますが、鼻先には鼻腔があるため、横からの血流しかこないため、構造上血液が元々流れにくい場所です。L型のプロテーゼを入れて塞いでしまうと余計に血流が悪くなり、皮膚は血流が悪くなると皮膚は薄くなり、さらにL型プロテーゼが皮膚に当たって最終的に皮膚は破れ、鼻先からプロテーゼが剥き出しになってしまいます。
そして代表的なリスクの1つ目が、鼻の石灰化です。術後5年や10年経つと、プロテーゼにカルシウムが沈着してしまい、プロテーゼの周りがコーティングされている状態になります。20年から30年経った人では、ジャリジャリと音がするくらい石灰化が進行している人もいます。
プロテーゼは、元々体の中にないものを異物として扱い、体はなんとか排除するか、隔離しようとします。隔離の場合は、体はプロテーゼの周りに被膜を作り、自分の体を守ろうとします。そして年数が立っていくとその被膜にカルシウムがだんだん沈着し、石灰化してしまいます。実際、切開化したプロテーゼを抜くだけで石灰が取れるわけではなく、ある程度皮膚の中にも残ってしまい、完全に取り出すのは困難になります。因みに、プロテーゼを鼻に挿入すると体が反応して被膜やその上にカルシウム、特にコラーゲンがプロテーゼにくっつきます。コラーゲンが強力な接着剤のような働きをすることで1度入れたプロテーゼを剥がすことが難しくなります。
他にもデメリットがあり、その1つが拘縮です。鼻がぐっと縮んで短鼻になったり、ぐっと鼻先が引っ張られてアップノーズになります。人間の体は傷があるとキュっと縮む性質があり、メスで鼻を切ると状態によってはキュっと縮んで引っ張られることで鼻が上向きになる場合があります。
もう1つに感染症のリスクもあります。通常であれば感染率はそれほど高くありませんが、破格の値段のクリニックでは中国製のシリコンを使っている場合が多いため、素材の生産国を確認した方が良いでしょう。また感染以外にも、シリコン製剤によっては拘縮を引き起こす被膜拘縮という膜を作ってしまう場合も多いため、品質の悪いプロテーゼを使われてしまうとその分リスクも格段に上がります。
鼻整形とインディバ術後ケア
インディバの448kHz
インディバは高周波温熱機器に分類され、高周波は局所的な部位の温度を上昇させるために使われてきました。インディバが他の高周波と異なるのが、固定周波数が448kHzであることです。この周波数は、幹細胞の増殖を刺激する、脂肪沈着の抑制、軟骨細胞の刺激により軟骨の増殖を増加させるなど、様々な効能が研究で示されています。また組織再生、セルライトの改善、術後のケア、創傷治癒、コラーゲンとエラスチンの合成を促進など、体全体の治癒の速度と質を向上させるなど、様々な効果が確認されています。
術後ケアに用いる利点には、術後の内出血の出血を抑え、組織の状態を最適化して治癒を早め、線維症と痛みや炎症を軽減させることで回復・治癒の両方を促進させることができます。また術後の痛みを軽減して、瘢痕の出現を抑えることが可能です。その結果、ダウンタイムを軽くすることができます。
【コラムの監修】
・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。