肝臓は沈黙の臓器とも言われ、2016年のデータではお酒が原因でない非アルコール性脂肪肝を抱える方は2,266万に達しています。脂肪肝は肝細胞の中に脂肪が貯まり、1から2割が5年から10年のうちに肝硬変へと進行しています。
肝臓が弱ってしまうと、以下の4つの働きに影響が出ます。
- 食事から摂った栄養を体の各部位で働きやすいかたちに変える
- 肝臓でつくった栄養を貯蔵し、必要な時に必要な分を適切なかたちで提供する
- アルコールをはじめとする体に害のある物質を解読する
- 筋肉や骨などの体を作るタンパク質を合成する
肝臓の状態を外見から知る
沈黙の臓器と言われる肝臓ですが、外見からその状態をある程度判断することができます。まずは爪に縦線が入っていないかどうかで見分けることができます。爪はタンパク質でできており、そのタンパク質を合成するのが肝臓です。そのため肝臓が弱っていると爪を作る材料が枯渇するため、爪に縦線が入ります。老化によっても見られる症状ですが、体のむくみやひどい疲れが併発していると肝臓が弱っている可能性が高いです。
2つ目は、眉間のシワです。肝臓が弱るとコルチゾールなどの炎症物質が体内で増え、その結果イライラや不安などによって眉間にシワをつくります。また肝臓が疲れていることが原因の動脈硬化も眉間のシワが深くなると言われています。また欧州心臓病学会が2018年に3200人を対象とした研究発表によると眉間にシワがある人は心臓病で亡くなるリスクが高いということが示されています。
最後は足のむくみが酷い人です。肝硬変になるなど肝臓の状態が悪くなると、栄養を運ぶ門脈という部分からの血流が入りづらくなります。そうなると行き場を失った栄養素が血管の外へ滲み出て、むくみの原因になります。また肝臓でつくられるアルブミンは、血管の外から水分を引き込むという役割がありますが、その役割が鈍れば、同じように滲み出てむくみの原因になります。
足のむくみのサイン
足のむくみで注意しなければならないのが、肝臓の状態です。肝臓の調子が悪いと、栄養を運んでくる門脈という部分からの血流が入りづらくなり、行き場を失った栄養が血管の外にしみ出てしまう事でむくみの原因になります。
また、アルブミンが肝臓でつくられると血液の中に送られ血管の外から血管の中に水分を引き込んでくるという重要な役割をしています。つまりアルブミンが少なくなれば血管の壁にある小さな穴から血管内の水分が外に流れてしまい血液は体を巡ることができなくなりむくみとして表れます。
かかとのひび割れ
皮膚の乾燥や異常の多くは、ビタミンの中でも特にビタミンB3、そしてオメガ3脂肪酸が不足していることに原因があります。特にこれらの栄養素の不足は、単純な栄養不足でなく、肝臓の不調から起きていることがあります。
通常、ビタミンや脂肪酸は胆汁がその吸収を助けてくれるのですが、肝臓が弱って胆汁の生成がうまくいかなければ、せっかく摂った栄養も体の中で吸収されずに上手で働くことができません。その結果「かかとのひび割れ」というサインとして現れていることがあります。
足にかゆみ
まず一つ目の症状は、足のかゆみです。かゆみが起きる仕組みには、大きく2種類あると言われています。その両方に肝臓が作り出している胆汁に関係しています。その一つが胆汁が血液中に漏れ出すことです。
肝臓が弱って、胆汁の分泌がうまくいかなくなると胆汁が血液に入ってしまうことがあります。それが血液に乗って全身を巡ることで痒みを引き起こしていると考えられています。現時点では、血液中の胆汁から痒みが引き起こされるはっきりとした仕組みは分かっていませんが、肝炎など肝臓に何らかの不具合を抱えて いる人の多くが痒みを訴えているというデータがあります。
もう一つが胆汁の流れの滞りや逆流です。肝臓が弱ったり、胆石ができると胆汁の流れが滞ってしまいます。その結果、胆管の中の圧力が高まり、この状態になると腸内細菌などが胆管に逆流し、細菌感染を引き起こすことがあります。細菌感染が起きれば、それが刺激となり、アレルギー症状を起こすヒスタミンが発生し、かゆみが生じることになります。またこれらの痒みは、足だけではなく、ひどい場合には全身に現れることもあります。
足に赤や茶色のポツポツ
肝臓の機能が低下していると足の下の方、特に脛から下のあたりに赤や茶色の小さなポツポツが現れる場合があります。これは肝臓が正常に働かなくり、血流が悪くなったことに原因があります。そして足だけではなく、手にも現れることがあります。
このポツポツは血行不良を原因とするむくみと一緒に出やすく、足のポツポツとむくみが同時期に起こったら、肝臓が弱っている疑いが強くなります。
皮膚に雲のような形の赤み
まるで足を広げた雲を上から見ているような形で、足のほかには首や胸腕に出やすい症状です。医学用語では雲上血管腫というもので、エストロゲンという女性ホルモンが関係しています。女性は卵巣、男性は精巣で作られているエストロゲンは血管を広げる働きがあります。
このエストロゲンも肝臓が分解してくれており、出過ぎたホルモンを分解して バランスを取ってくれているのが肝臓です。肝臓の機能が落ちれば、当然余分なエストロゲンが体に溜まり、それが細い血管を広げ、その広がった血管が皮膚の上に雲のような形で現れます。
肝臓が原因で雲上血管腫が出ているのであれば、肝臓の機能がかなり落ちているということになり、雲状血管種が見られた場合は迷わず病院も受診しましょう。
足の匂いがきつい
肝臓は、体の中の毒素を無毒化したり、アンモニアを尿素に変える働きをしてくれています。しかし肝臓が弱っていれば、無毒化しきれなかった毒素やアンモニアの一部が汗として外に出されてしまいます。もちろん足だけではなく、体臭、口臭にまで現れてきます。この匂いは、通常の汗などの匂いとは全く違い、足をきれいに洗っても匂いが消えることもありません。
痩せない理由は脂肪肝!?
ぽっこりとお腹が出ている人、そのぽっこりお腹を引っ込めてあげる必要があります。太っていたり、肥満の状態というのは様々な病気を引き起こしてしまうということが 医学的に明らかになっており、特に肥満との関係が深いものとして、糖尿病、高血圧、 脂質異常症などの生活習慣病が挙げられます。
肥満の状態が続くことで、生活習慣病がどんどん悪化し、血管を傷つけたり、血管を脆くしたりして、やがて動脈硬化を引き起こします。そして動脈硬化は、脳梗塞や心筋梗塞といった命を脅かす重篤な病気につながる恐れがあります。また「人は血管から老いる」という言葉があるように全身の血管が傷つくことで、老化スピードが加速します。
世の中には、過剰な食事制限や、無茶なやり方のダイエットを提案しているものが多くあります。こういったものは、結局長続きはせずに大抵リバウンドしてしまいます。ダイエットを無理やりしてしまうと、体重は落ちたものの体調が悪くなったり、理想的な体型にならなかったり、痩せたものの顔色が悪く不健康に痩せてしまって老けて見えてしまったり、肌や髪がパサパサになってしまったという最悪の状態に陥りかねません。
ダイエットの基本は、もちろん糖質は太ってしまう大きな原因になるため、糖質を減らすのは大切ですが、糖質を減らした分、積極的にタンパク質を摂らなければいけません。厳しく食事を制限すると、どうしても肌や髪の毛をつくるタンパク質が不足してしまいます。そして美しく健康的に痩せる方法の鍵は、肝臓にあります。
健康診断でよく聞く「脂肪肝」は、肝臓に脂肪が溜まり、フォアグラのようになってしまった状態のことです。あまり太っていないから脂肪肝のことを気にしていないという方が結構いらっしゃると思いますが、実際は日本人の約3人に1人の推定で、約4000万人もの人が脂肪肝であると言われています。この脂肪肝こそが、多くの人が痩せられない原因になっていると指摘されています。
この脂肪肝になる原因は、お酒の飲み過ぎ、糖質の摂り過ぎがあり、特に日本人は糖質の摂り過ぎによって脂肪肝になってしまうケースが圧倒的に多いとされています。
脂肪肝でダイエットに失敗する
多くの人は無自覚に糖質を取り続けてしまい、肝臓の機能が上手に働かず脂肪を燃やす効果を十分に得ることができていません。正常な肝臓には3から5%の中性脂肪が蓄えられており、不摂生な生活が続くと内臓脂肪が増加し、20%を超えてしまうと脂肪肝になります。一度脂肪肝になってしまうと肝臓の細胞の6割以上を占める幹細胞が 炎症を起こしてダメージを受けます。その肝細胞内の中性脂肪が血液中に溢れ出し、体のあちこちに移動し、お腹や足や腕などに脂肪として蓄積して肥満へと繋がっていきます。さらに酷くなると、血液がドロドロになって動脈硬化を引き起こしてしまうなどの命を脅かす病気のリスクも高まってしまいます。
このように余分な中性脂肪を減らして、脂肪肝を改善することがとても健康には重要です。また脂肪肝によって肝臓の機能が低下して、アルコールの分解や糖を処理する働きが悪くなり、血糖値を安定させる働きも低下するため、余計に脂肪が蓄積しやすい体になってしまいます。
自分が脂肪肝なのかどうかは、健康診断などで肝機能検査を受けることですが、肝機能の数値を調べる以外にも脂肪肝の目安となるものとしてBMIがあります。BMI25以上の肥満の人で、特に男性ならばほぼ100%が脂肪肝だと言って良いでしょう。
食べるべき食材
高カカオチョコレート
高カカオチョコレートの脂肪に含まれるステアリン酸は体内で吸収されにくい性質があり、そのため肥満になりにくいとされています。またカカオに含まれるカカオポリフェノールは、体に様々なダメージを与える活性酸素を除去してくれる効果もあり、病気や老化を防ぐことができます。例えば肝臓に貯まった脂肪と活性酸素が結びつくと肝機能を低下させてしまいますが、活性酸素を除去することによって脂肪肝の予防や改善につながります。
一方で、インスリンの働きを良くする効果もあり、血糖値の急激な上昇を抑えることにも役立ってくれます。さらにカカオには食物繊維が豊富に含まれているため、糖が吸収される速度を緩やかにし、食後の血糖値上昇を抑えてくれます。
そして効果を得るためには、食べ方にもコツがあり、一気に沢山食べるのではなく、小分けにして食べるというのが最も効果的です。なぜならカカオポリフェノールの効果は食後の約2時間がピークになり、約4時間でその効果はなくなってしまうからです。
基本は朝食前 昼食前、夕食前の1日3回食前1回につき5gが適量で、血糖値の上昇を抑えるため必ず食前に食べるようすることがポイントです。
アスパラガス
アスパラガスは、低カロリーでありながら優れた栄養素を持つ野菜です。アスパラガスは、94%が水分でできており、葉酸、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンKの優れた供給源であり、かつ低カロリーでダイエットの強い味方となります。このような低カロリーかつ水分の多い食品を摂取することが体重の減少につながるというのは様々な研究によっても明らかになっています。またアスパラガスには食物繊維も豊富に 含まれており、食物繊維が血糖値の上昇を抑えてくれることによって、ダイエット効果も期待できます。
さらに、アスパラガスにはルチンと言うポリフェノールが含まれており、毛細血管を強く丈夫にして血流を改善してくれる効果があり、高血圧、動脈硬化、脳卒中、心臓疾患などの生活習慣病の予防に効果があるとされています。またビタミンCの吸収を促進し、抗酸化作用も期待できるためアンチエイジングや認知症予防にも有効です。一方でアスパラガスにはカリウムが多く含まれており、血圧を下げてくれる効果も 期待できます。
コーヒー
オランダエラスムス大学メディカルセンターの研究グループは、2,424人の健康な人のデータを集め、緑茶、ハーブティ、紅茶、コーヒーを飲むことと肝硬変の関係を調べました。この調査では、毎日コーヒーを飲んでいるグループは肝硬変のリスクが抑えられたことが分かっています。同じく国内でも、国立がん研究センターが40から69歳の9万人を10年間調査した結果でも、毎日5杯以上で肝臓がんの発症リスクが76%減少しています。
実はコーヒーに含まれているどの成分が有効に働いたかは判明しておらず、コーヒーに含まれる様々な抗酸化物質が影響しているのではないかと考えられています。またミラノ大学の研究では1日1杯のコーヒーを飲むと、肝臓がんのリスクが40%減少、1日3杯で50%減少することが示されています。
一方でコーヒーには、クロロゲン酸というポリフェノールが豊富に含まれており、脂肪燃焼を促進してくれるということが研究によって明らかになっています。またコーヒーを食前に飲むことによって食べる量が減る可能性が指摘されています。
例えば、太りすぎまたは標準体重の人を対象とした研究において、コーヒーを飲むと太りすぎ の人のカロリーの摂取量が減少するということが分かっています。またコーヒーを飲むことによって新陳代謝が高まる可能性も指摘されています。
濃い緑茶
緑茶には、ポリフェノールの一種であるカテキンという成分が含まれており、代表的な効果の一つが痩せる効果です。最近の研究では高濃度のカテキンを継続的に摂取すると肝臓や筋肉における脂肪の代謝が活発になり、その結果脂肪燃焼が促進されるということが分かっています。
一方で緑茶が肝臓に良いとされる理由の1つが抗酸化作用です。特にエピガロカテキンガレートの強力な抗酸化作用が、肝臓の細胞を酸化ストレスから保護し、ダメージを防ぐことができます。また緑茶のカテキンは、肝臓における炎症反応を抑えてくれるということが研究で示されています。このカテキンは、肝臓での脂肪の蓄積を抑制し、肝機能を維持する効果が報告されています。さらに緑茶の摂取が肝臓がんのリスクを軽減してくれるということもいくつかの研究で示されています。
また糖の吸収を穏やかにしてくれる効果もあり、食後の血糖値の急激な上昇を抑えてくれます。さらには余分な脂肪が合成されるのを防ぎ 、脂肪燃焼効果と合わせて肥満予防に役立つこと分かっています。
アボガド
2015年、アルコールを飲まないのに脂肪肝の問題を抱える人に対してアボガドの効果に関する調査が行われています。この調査ではバランスの良い食事をするとともにアボガドを食べてもらうと、肝臓の機能を示す各数値が改善していることが分かっています。また肝臓機能の改善以外にも、コレステロール値の改善や活性酸素の除去効果などが確認されています。
ニンニク
遥か昔からその栄養価の高さによって多くの人々に重宝されてきた食材です。ニンニクには強い匂いの原因であるアリシンという化合物が含まれ、そのアリシンが血液の流れをスムーズにする(動脈の拡大、血圧ダウン、血中コレステロールを下げる)などの様々な健康効果があるからです。
さらに、ニンニクに含まれるビタミンB1が豊富なため、疲労回復や滋養強壮にもなります。ビタミンB1は、糖質の代謝に必要不可欠な酵素の働きを促し、エネルギーを生み出すことから疲労回復のビタミンとも言われています。
本来、ビタミンB1を含んだ水溶性ビタミンは体に貯め込むことができませんが、アリシンがビタミンB1と結合して脂溶性のアリチアミンという物質に変化するため、長く血液中に留まることができるため疲労回復のために利用することができます。
さらに、ニンニクには若返りに重要なビタミンEが含まれています。ビタミンEは、抹消血管を拡張する働きを期待することができ、血液をスムーズに流し、抹消血行障害によって起きる様々な症状を緩和させることができます。さらには抗酸化作用によって過酸化脂質を減らす働きをしてくれます。ただし、ビタミンEはサプリで摂取するとむしろ体に害になる可能性が指摘されているため、ニンニクのような天然の食材から摂取することが大切です。
2020年に行われた研究では、ニンニクには肝臓の脂質代謝を調節する効果があり、それによって脂肪肝を軽減できることが示されています。1日あたり800mgのガーリックパウダーを15週間摂取した脂肪肝の患者は脂肪肝の改善と酵素レベルの改善が見られました。このように既に脂肪肝になっている方にもニンニクの効果があることが示唆されています。
また2020年サドウィ医科大学が、ニンニクが肝臓のダメージを大幅に軽減すると発表しています。これは1万5514件の研究の中から、特に質が高いとされる6件の研究を再分析するもので、ニンニクの摂取量と肝臓の数値であるASTとの関連を調べたところ、ニンニクを食べるとASTの数値が下がることが分かっています。ちなみにASTは肝臓の中に含まれている酵素のことで、肝臓に何らかのダメージがあると細胞が破壊されて、血液中にASTが流れ出て、血中濃度が上がり検査などで発見されることになります。さらにニンニクに含まれるビタミンB6はタンパク質の分解も助けくれ、それ以外にも高血圧やコレステロールにも効果がある健康食材です。
またアメリカのがん国立研究所が発表した「がんにならないために効果的な食品」をピラミッド状に並べた「デザイナー・フーズ・ピラミッド」があります。ここにはがんの予防効果が高い野菜や果物を中心に全40種類選ばれていますが、その中でもピラミッドの頂点に位置するのが「ニンニク」です。
ニンニくの匂いの元である硫酸アリルは、老化の原因となる活性酸素を抑制してくれる強力な抗酸化作用を持っています。またにんにくに含まれているセレンというミネラルは、がんの原因である過酸化脂質を分解してくれます。
ガーリックパウダー
ニンニクパウダーのサプリメントは、脂肪肝疾患のある人の体重と脂肪を減らすのに役立つ可能性があるということを示唆しています。つまり脂肪肝の人の体重と脂肪を減らして、脂肪肝の改善を促す効果が明らかになっています。
2020年に行われた研究では、ニンニクには肝臓の脂質代謝を調節する役割があり、それによって脂肪肝を軽減できることが示されています。その研究では、1日あたり800mgのガーリックパウダーを、約15週間摂取した脂肪肝の患者は、脂肪肝の改善が見られました。
魚介類(青魚)
肝臓を健康にしてくれる食材は魚介類、主に青魚です。青魚に含まれるオメガ3脂肪酸の研究が盛んに行われており、様々な健康上のメリットがあるということが分かっています。
例えば、オメガ3脂肪酸のメリットには、肝臓から余分な脂肪を取り除くのに役立ち、脂肪肝を改善する、うつ病や不安といったメンタルの不調を軽減してくれる、炎症や体の痛みを減らしてくれる、アルツハイマー病と認知症のリスクが低下、血中中性脂肪を大幅に低下させる可能性があるなど、他にも様々なメリットがあります。さらに近年注目されているオートファジーを促進する効果も持っていると言われています。
マメ科の植物
日本人に馴染深いマメ科の食物は大豆です。2019年の研究では、レンズ豆、ひよこ豆、大豆、えんどう豆などのマメ科植物豊富な食事が、肝臓の病気リスクを下げるのに役立つと発表されました。
また大豆には、中性脂肪のレベルを下げるのを助けてくれ、内臓脂肪が蓄積するのを防いでくれるタンパク質であるβ-コングリシニンが含まれています。研究によれば大豆のβ-コングリシニンを1日5g摂取すると血清中の中性脂肪の値が改善され内臓脂肪が低減すると報告されています。
その他にマメ科の植物は豊富な栄養素に加えて難消化性デンプンを多く含み、腸の健康を改善するのに役立ちます。
豆腐
豆腐は肝臓脂肪を減らす効果があるとされています。豆腐にはタンパク質が豊富に含まれており、肝臓の機能や修復をサポートし、筋肉の維持や増強に役立ちます。筋肉量が増えることで基礎代謝が上がり、脂肪の蓄積が抑制されます。
さらに大豆イソフラボンが含まれており、この成分の抗酸化作用によって炎症やストレスを軽減することで肝臓への負担を減らす効果が期待されます。またサポニンという物質も含まれており、コレステロールの吸収を抑制し、血中コレステロール値を下げる効果があります。これによって肝臓への脂肪蓄積を抑える可能性があります。
老化スピードを決める腎臓
沈黙の臓器と言われ内臓には肝臓の他に「腎臓」があります。腎臓の役割は、老廃物を尿として取り除く、塩分などの電解質量を一定に調整する、血圧を調整する、血液をつくるホルモンを出すなどがあります。特に血液をろ過して老廃物や有害物質を尿として排出し体内をきれいな状態に保つという重要な機能があります。健康的な体づくりには必要なものを体外から摂り入れて、不要なものを排出することが大事ですが、不要なものが溜まれば臓器の機能低下、代謝低下、不調の原因になってしまいます。また最近では老化と寿命の鍵を握っているという研究も発表されており、ますますその重要性が認識されるようになってきています。
その中でも排出すべき物質として注目されているのが「リン」です。血中リン濃度が正常範囲内の人およそ4,000人を対象とした疫学調査研究では、血中リン濃度が高いグループは、死亡率が7割も高くなることが報告されています。ここから腎臓のリンを排出する機能の重要性が分かると思います。
私たちの細胞1つ1つが健康でいるためには、塩分濃度や酸素など、様々な栄養素が絶妙なバランスに調整されていなければなりません。その細胞内の塩分バランスの維持や老廃物の処理を担うのが腎臓です。腎臓は血液の濾過装置であり、1分間におよそ1リットルもの血液を浄化しています。この腎臓をケアするために大切なのが水分です。日本人を対象に行われた研究では、水を多く摂取した人はそうでない人に比べ、血圧が有意に低下し、肝臓の血流量が維持され、血液中の老廃物の濃度が下がることが報告されています。
絶対食べてはいけないもの
ブドウ糖と果糖は糖質の純度が高ければ高いほど肝臓に負担がかかります。純度が高いとは、つまり精製されている状態のものです。特にジュースや加工食品に使われるブドウ糖果糖液糖は避けるべき果糖でしょう。
またサプリの中でもウコンは肝障害の原因になることが知られています。日本肝臓学会の調査では、二日酔いの予防や肝機能の改善に効果がないことが明らかになっています。
そしてアルコールは、肝細胞の中に脂肪が貯まる肝脂肪の原因になります。アルコールを飲むことで、脂肪をエネルギーに使う状態から脂肪を溜め込む状態に切り替わります。特に缶チューハイは濃度が高いだけでなく、甘味料などの大量の添加物追加されています。
その他、避けるべき食べ物として以下が挙げられます。
- 菓子パン
- ケーキなどの洋菓子
- カップラーメンなどのインスタント食品
- ハンバーガーなどのファーストフード(加工食品)
- ハムやソーセージなどの食肉加工品
- 肉の脂身
- ラーメンや揚げ物
- 甘いジュースや缶コーヒー
これらはカロリー、塩分、糖質、脂質が高くハイリスクな食品の代表格です。特にNGなのは加工食品やインスタント食品です。これらの食品にはリンが多く含まれています。リンは私たちの体に必要なミネラルですが、こうした食品添加物に使われているリンは天然の食材に含まれているリンよりも吸収されやすく過剰になってしまいます。またこれらの食品には塩分が多く、塩分摂りすぎになってしまう可能性があります。
インディバで肝臓ケア
肝臓マッサージによって細胞のイオンチャネルが開き、肝臓に新鮮な血液が流れ込むことが分かっています。このイオンチャネルは、細胞一つ一つにある、新しい血液を取り込み、老廃物を血液に載せて排出する出入り口のことです。イオンチャネルは細胞の状態によって開いたり閉じたりし、元気な状態であれば開き常に新鮮な血液から栄養を受け取り、老廃物を排出することができます。しかし細胞が弱っていると閉じていたり、狭くなっていたりします。この場合は必要な栄養が受け取れず、老廃物が溜まっていまいます。
これが肝臓で起こることを「肝疲労」と言い、体に必要な栄養を抱えた血液が十分に作り出されない状態になります。このように肝臓が弱ると血液に栄養が入らなくなり、血液に栄養が入らないと細胞に栄養が届かなくなり、結果として老化などを引き起こす原因になります。また肝臓の重要な働きの一つが「ヘパリン」物質を作り出すことです。このヘパリンには血流を良くする働きがあります。
インディバでお腹周りを刺激(圧電効果)し、肝臓に血液を集めます。次に肝臓を深部加温(ローリング)で温めながら血液の温度も上げていきます。その温まった血液をそれぞれの器官・臓器に押し出していきます。この循環を促進してあげることで、全身の細胞が活力を取り戻し、若々しく健康的な体へと導いていくことができます。
【本コラムの監修】
・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。