日本人の多くが睡眠の量と質の両方に問題を抱えていると言われています。日本人の睡眠時間は世界の中でも最下レベルで、睡眠の時間が短すぎると言われています。さらに日本人は睡眠の質が低いことでも有名です。日本人は深く眠れていない、深く眠っている時間自体が少ない民族だと言われています。
国民生活時間調査によれば調査がスタートした1960年は、日本人の平均睡眠時間は8時間13分でしたが、50年後には7時間14分になっています。さらに諸外国を含めた別の調査では、日本人の睡眠時間は下から2番目になっています。そして2019年の国民健康栄養調査によると1 日の平均睡眠時間が6時間未満の日本人の割合は男性で37.5%、女性で40%です。
夜に何回も目が覚めてしまったり、しっかり寝たはずなのに全く疲れが取れていなかったり、このように睡眠の質が低下すると、常に睡眠不足、睡眠負債が貯まる状態です。睡眠不足は、私たちの体に致命的なダメージを与え、認知症になりやすかったり、老化進んでしまったりすることが様々な研究によって明らかになっています。
睡眠が大切な理由
眠っている間、人間の体では疲れを取ることを含めて様々なメンテナンスをしています。例えば体や脳の機能を回復、再生するために成長ホルモンが分泌されており、成長ホルモンは身長や筋肉の成長、体組織の修復に関わる大事なホルモンです。また記憶の定着や情報処理も睡眠中に行われており、脳が昼間に見たことや学んだこと、体験したことを整理して脳に定着させます。さらに睡眠はメンタルヘルスにも影響し、不安やストレスを軽減して心の健康を保つのにも睡眠は重要になります。
そして睡眠の重要なポイントがレム睡眠とノンレム睡眠です。人間の睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠という2種類の眠りのサイクルを繰り返しており、夜中に数回ノンレムとレム睡眠が交互になるのが理想的です。レム睡眠では成長ホルモンを分泌して体の修復をし、免疫機能もアップします。また脳が情報の整理や記憶の定着させるのがレム睡眠の間です。このように体力を回復したり、体を修復したり、思考力を高めるためにもしっかり寝て、2種類の睡眠のサイクルを十分に繰り返すのが大事になります。
睡眠の質を低くする食べ物
国立精神・神経医療研究センターの論文では、食習慣と睡眠の関連性についての疫学研究レビューが行われ、食事の内容と睡眠には深い関連があることが大規模調査と研究によって明らかになっています。
まずカフェインが入っているコーヒー、紅茶、お茶は眠りを妨げ、カフェインは中枢神経を刺激する働きがあるため眠りに入るのを妨げます。実はカフェインの他にも睡眠の質を下げる栄養素があります。それが糖質です。
糖質は、眠ることを妨害するだけではなく、血糖値が上げ、そのまま下がらなくなると肥満や高血糖につながり、最悪の場合は糖尿病になるリスクもあります。また夕食や夜遅い食事で、ハンバーガー、ラーメン、ピザなどの重い食事を取ると睡眠を妨げます。なぜなら脂肪やタンパク質を多く含む夕食を摂ると食後に消化が進み、胃が活発に動いてしまうため眠りに入りづらくなります。また胃の不快感や胃酸の逆流も起きやすくなります。
一方で、ブロッコリーやカリフラワーなどの健康に良い野菜ですが、これらのアブラナ科の野菜は消化に時間がかかるため、夕食や寝る直前に食べると眠りを妨げる可能性があります。同じく赤身肉も栄養素でタンパク質が豊富ですが、消化に時間がかかるため、夕食や夜食で食べすぎると睡眠の妨げになります。
他には加工肉のハム、ソーセージ、チーズも眠りを乱すことがあります。これらにはアミノ酸の一種であるチラミンが含まれており、このチラミンは覚醒作用があると言われています。
睡眠の質を高くする食べ物
睡眠の質を向上させるアーモンド
アーモンドは、ただ美味しいだけの食べ物ではありません。それ以上に素晴らしい健康効果が備わっています。ラットを使った研究では、アーモンドエキスを与えたラットが、より深く長く眠ったと報告されています。そしてこれが人間にも当てはまる可能性が高いと言われています。
さらにアーモンドには、健康に良い成分自体もたくさん含まれており、例えば小さな1つのアーモンド27gで、成人が1日に必要なリン(P)、リボフラビン(B2)、マンガン(Mn)などの栄養素を手軽に摂取することができます。リンは必要以上に摂りすぎることは注意ですが、適量を摂る分にはむしろ健康に良いです。これらの栄養素は体の調子を整えるだけでなく、疲れた心と体にも癒しを与えてくれます。このリラックス効果によって副交換神経を優位に高める効果もあり、これがまず1つ目の睡眠に役立つ効果と言えます。
また単純な健康効果で言うと心臓病や2型糖尿病のリスクを下げる効果も研究で明らかにされています。これはアーモンドに含まれる健康的な脂肪や食物繊維、そして抗酸化物質が大いに関係しています。抗酸化物質や健康的な脂肪は、体内で起こる炎症を抑制し、それが慢性疾患の発症を防いでくれます。体内で起こる炎症で思い浮かぶのが老化の促進です。つまり体内の炎症を沈める効果は老化を抑制する老化防止効果です。人間は年を取れば取るほど必然睡眠の質が低下していきます。その意味では老化防止効果も睡眠の質向上に役立ってくれます。
さらに注目したいのがアーモンドに睡眠の質を向上させるホルモンが含まれているという点です。アーモンドには、メラトニンという睡眠を誘導するホルモンが含まれており、このメラトニンがしっかり分泌されているかどうかが睡眠の質を大きく左右すると言われています。このメラトニンには抗癌作用や抗炎症作用、さらには老化防止作用や ストレスの緩和神経を守る作用も確認されています。つまりこのメラトニンはよく眠れるだけでなく、全体的な健康状態も向上させてくれるばかりか、アンチエイジング効果まで得られる可能性があります。
研究でも月中のメラトニン濃度が高い人は、高血圧や心不全などのリスクが低下すると報告されています。不眠症に悩む人々が、寝る前にメラトニンを取ることで入眠が早くなり、全体としてより良い質の睡眠が得られたという研究結果もあります。さらには子供から大人まで睡眠障害に対するメラトニンの有用性が報告されています。つまり年齢を問わず多くの人々がメラトニンの恩恵を 受けられます。
またアーモンドにはマグネシウムというミネラルも含まれています。マグネシウムも睡眠の質に大きな影響を与えるミネラルだと言われています。マグネシウムは炎症を抑制しストレスホルモンであるコルチゾールのレベルを下げてくれることが分かっています。ストレスは私たちの睡眠に悪影響を与えてしまいますが、ストレスが減ればその分より深い眠りにつくことができます。
睡眠に大切なタンパク質
タンパク質は体を健康に保つために非常に重要な栄養素であり、睡眠の質にも大きく影響します。実は睡眠ホルモンのメラトニンの生成に必要なのが、このタパ質です。具体的にはアミノ酸、その中でもトリプトファンが必要です。もしタンパク質が足りなければ、どれだけビタミンやミネラルを摂っても良い睡眠は期待できません。タンパク質は、睡眠ホルモンを作るための材料です。
どうしても毎日の食事から十分な量のタンパク質量を摂取できないという方は、プロテインを飲むことを考えても良いでしょう。もちろんプロテインには添加物の問題やタンパク質を直接摂取することの問題など様々な問題点がありますが、それでもタンパク質が不足するよりはましでしょう。タンパク質が足りなければいくら他の栄養素を摂っても睡眠は改善しないことを心に止めておきましょう。
そのタンパク質源としておすすめなのが脂肪分の多いお魚です。サーモン、マグロ、マス、サバなどの脂肪分の多い魚には、ビタミンDがたくさん含まれています。まず骨の健康に直結するビタミンは、骨粗鬆症の予防や治療に大いに役立ちます。カルシウムの吸収を良くして、それを骨にしっかりと運ぶ役割を果たしてくれます。さらにビタミンDは、風邪やインフルエンザからも私たちの体を守ってくれます。ビタミンDが免疫細胞を活発にして体を守ってくれます。
また、花粉症や年間を通じて発症するアレルギーもビタミンDがしっかりと コントロールしてくれます。アレルギー反応が治ることは全身の炎症が治るということです。炎症レベルが高い人は老化が進んでいる人のため、炎症レベルを下げてくれるビタミンDは優秀な老化防止ビタミンと言うこともできます。
さらに、ビタミンDは糖尿病の予防にも関わっています。体の中で炎症が起きやすい状態は糖尿病のリスクを高めると言われています。しかしビタミンDは、その炎症をしっかりと抑え、がんや心臓病、脳卒中のリスクを下げる効果も期待されています。
そして、ビタミンDはセロトニンという脳内物質の生成を促進してくれます。セロトニンは幸福ホルモンと呼ばれ、幸せな気分にしてくれたり、前向きな気持ちにさせてくれる大切なホルモンです。そしてセロトニンは睡眠の質を向上させる効果があります。セロトニンは夜になるとメラトニンに変化するため、体内で十分な量のメラトニンを生成するためには、まずその全段階であるセロトニンが十分でないといけないと言われています。このセロトニンを大量に生成してくれるビタミンDは、睡眠の質も高めてくれるビタミンでもあります。
一方で、脂肪分の多い魚にはオメガ3脂肪酸も豊富です。オメガ3脂肪酸は強力に炎症を抑制する効果があります。さらに心臓の健康や脳機能にも良い影響を与えると言われています。特に脳の炎症を沈める効果が睡眠の質向上に役立っていると言われています。
実際、様々な研究が脂肪分が多い魚と睡眠の質向上についての関連性を解説してくれています。そして全ての研究が好意的な結果を示しています。例えば脂肪分の多い魚を定期的に食べることで寝付きが早くなり、睡眠の質が向上することが分かっています。具体的にはアトランティックサーモンを週に3回、6ヶ月間食べた男性は、鶏肉や牛肉を食べた男性よりも約10分早く寝つけたという研究結果があります。たかが10分と思うかもしれませんが、10分早く寝付けるというのは睡眠の質向上において、すごい成果を出しているということです。
睡眠に効果的なカモミールティー
カモミールティーは、古くから睡眠に効果的だということが知られています。実際にカモミールティーには非常に優れた栄養素がたくさん含まれており、睡眠に良い効果を与えるとされています。特にカモミールティーは、フラボンという成分が豊富です。フラボンは体にいい影響を与え、特に炎症を抑えることで癌や心臓病のリスクを下げる働きがあります。またカモミールティーは免疫力を高たり、心の健康にも良い影響を与え、何より肌の調子も良くなると言われています。特に睡眠の質向上によってお肌がプルプルに若返っていると言われています。
カモミールティーに含まれるアピゲニンという成分は、脳の中で働いてリラックスさせる効果があります。これが眠りを深くし、不眠症の症状を和らげている可能性が高いと考えられています。実際いくつかの研究で、その効果が確認されています。例えば 2011年の研究では、成人34人がカモミールエキスを毎日摂取した結果、その人たちは平均で15分早く眠れるようになったと報告されています。また夜間に目が覚める回数も減ったというデータもあります。
別の研究でもカモミールティーを2週間飲むと睡眠の質が向上したと報告されています。さらにカモミールティーを飲むとうつ病の症状も軽減される可能性があるということも分かってきています。
パッションフラワーティー
パッションフラワーティーも昔から睡眠の質を向上させる効果があると言われています。特にパッションフラワーティーには豊富にフラボノイドが含まれていて、心と体に良い影響を与えてくれる可能性が高いと言われています。フラボノイドは体の免疫力を高めるだけでなく、心の病気のリスクを軽減が期待できます。またフラボノイドによって体内の炎症を減らすということは、睡眠の質の向上につながってくれるため、豊富に含まれているフラボノイド自体が睡眠の質の向上に役立っています。
特に注目すべきは、そのリラックス効果です。パッションフラワーティーにもアピゲニンという成分が含まれており、アピゲニンには脳に良い影響を与え、リラックスさせる働きがあります。またパッションフラワーティーは脳で作られるγアミノ酪酸、通称GABAという物質の量を増やすことも分かっています。GABAは睡眠の質を向上させることで有名ですが、ストレスや緊張を和らげる役割を持っています。こういった様々な栄養素が複合的に組み合わさって私たちの睡眠の質を向上させてくれるのです。
実際、研究では寝る前にパッションフラワーティーを飲むと睡眠の質が向上する結果が出ています。具体的には、41人の成人が寝る前にパッションフラワーティーを1週間飲み続けたところ、その多くが睡眠の質が良くなったと感じられています。
睡眠の質を高めるキウイ
キウイはビタミンCとビタミンE、カリウム、葉酸など健康に良い栄養素の素晴らしい供給源です。そして睡眠に関していくつかの研究がキウイの驚くべき効果を示しています。具体的には寝る前にキウイを2個食べた人たちは、寝付きが良くなり、睡眠時間も長くなるという結果が出ています。
実は、なぜキウイを食べると睡眠の質が良くなるのか、睡眠時間が長くなるのか、寝付きが良くなるのかということは分かっていません。研究者たちはキウイの抗酸化作用や葉酸が体に良い影響をもたらし、さらには気分を安定させる セロトニンという物質も含まれていることから良い睡眠につがる可能性があると考えられています。
手軽に1日1本のバナナ
睡眠に良くて手軽に食べることができる食品がバナナです。バナナには、深い眠りを助ける成分がいくつも詰まっています。まず睡眠において重要な成分のマグネシウムが含まれています。マグネシウムには体内時計を整える働きがあり、夜しっかりと眠れるように助けてくれます。
さらにマグネシウムは、ストレスホルモンのコルチゾールを減らし、眠りを深くするホルモンメラトニンを増やす働きもあります。メラトニンは質の高い睡眠を得るために大切なホルモンです。さらにバナナにはトリプトファンというアミノ酸も含まれています。トリプトファンは体内でストレスを和らげるセロトニンという物質に変わります。セロトニンは、さらに眠りに必要なメラトニンに変わるため、トリプトファンが豊富な食品を摂ると結果的にメラトニンが増えて、より質の高い眠りにつがる可能性が高まります。
また、バナナには炭水化物やカリウムといった成分が含まれています。炭水化物は、トリプトファンが脳に行きやすくする働きがあり、カリウムは余計な塩分を排出し、体をクリーンに保つ働きがあります。
ぐっすり眠れるようになる食べ物と栄養素
睡眠にとても大切な栄養「グリシン」
グリシンは、エビ、イカ、ホタテ、カニ、カジキマグロといった魚介類や、ほうれん草、枝豆、グリーンピース、ブロッコリー、ニンニクなどに含まれているアミノ酸の一種です。グリシンを摂取すると全身の血管が広がり、手足の先端から体温が放出されて深部体温を効率よく下げることができます。寝る時に深部体温が下がると副交感神経が働き、リラックスモードに入ることができます。
実際、グリシンを摂取した人は質の良い睡眠の証拠であるノンレム睡眠、さらに徐波睡眠へとたどり着きやすくなります。睡眠にも2種類あり、体が眠っている状態がレム睡眠、脳が眠っている状態をノンレム睡眠と言います。そして徐波睡眠は、ノンレム睡眠の中でも脳波が特に緩やかで深い眠りに入っている状態のことを指します。
そしてグリシンを摂取すると体の表面の血流量が上昇することで深部体温を下げる効果が確認されており、この作用によって体温を眠りの状態に調整してくれます。人を対象にした研究でもグリシンの効果は分かっており、グリシンを摂取後余波睡眠が増加し、睡眠が安定することも分かっています。
睡眠に良い栄養「GABA」
ギャバは、トマト、ナス、みかん、玄米、チョコレートなどに含まれているアミノ酸の一種で、ギャバを摂取するとリラックスモードに入りやすくし、深睡眠に入りやすくなります。特にアルファ波という脳波が出やすくなり、リラックスモードに入りやすくすることで結果として睡眠の質を良くしてくれます。
実際に更年期や初老期の人にギャバを含む食品を摂取してもらった結果、睡眠が改善されたことが認められています。さらに別の実験では1週間、昼にギャバを摂取した場合と摂取しなかった場合を比べると普段より約5分早く眠れ、深睡眠の出現が25%多くなり、深睡眠の時に多く出されるデルタ波の量が増え てるといったことが確認できています。
実は、このギャバは元々人間の体内で作られている成分であり、加齢とともに作られる量が減少してしまうため、年齢を重ねるごとに食事から摂取して増やす必要があります。特に女性の場合、更年期を迎えると男性と比べて大幅に減少してしまうため意識して摂る必要があります。更年期に出てくる症状についてもギャバが改善に効果的であるというデータがありますが、そのリラックス効果は若い人にも有効で、ギャバは成長ホルモンの分泌を促したり、記憶力を良くする働きもあるので年代を問わず摂取した方が良い栄養素です。またギャバの睡眠以外の効果としては高血圧の改善や中性脂肪体重の減少に効果があることも分かっています。
睡眠に良い栄養「トリプトファン」
トリプトファンは牛乳から発見されたアミノ酸の一種で、トリプトファンを摂取すると脳内でビタミンB6やナイアシン、マグネシウムと共にセロトニンという神経伝達物質が生成されます。セロトニンによって14時間から16時間後に睡眠を促すメラトニンが作られます。そしてメラトニンは夜寝る時に必須のホルモンで、脳で生成されたメラトニンは血流に乗って全身を巡り、細胞に寝る時間が近づいていることを伝えます。
実際にトリプトファンを摂ることで、結果としてメラトニンの分泌を改善でき睡眠への効果が上がります。例えば生活が乱れていた大学生に毎朝トリプトファンを含むヨーグルトを1ヶ月摂取してもらったところ、睡眠障害の改善が見られたという結果が出ています。
トリプトファンは乳製品以外にも大豆、レバー、豚ロース、バナナ、アーモンド、くるみなど様々な食材から摂取できます。ちなみに1日の適正摂取量は、体重×4mg 程度で、体重50kgの人の場合は200g必要になります。ただし睡眠の質を上げるためにトリプトファンを摂取するには2つ注意点があります。
1つ目は午前中にしっかり摂ることで、これはメラトニンに代謝されるまで時間がかかるからです。2つ目に重要なのはなるべく植物由来のトリプトファンを動物性のタンパク質と一緒に摂らないことです。肉にも魚にもトリプトファンが含まれていますが、動物性のタンパク質に含まれるBCAAというアミノ酸は、トリプトファンを脳に摂り込みにくくし、その結果脳で作られるセロトニンの材料が減ってしまい、睡眠への効果が下がってしまいます。
さらにトリプトファンからセロトニンを合成するにはビタミンB6、マグネシウムも大切なため、睡眠の質を上げるためにトリプトファンを摂取する場合、どっちも含む豆腐やトリプトファンを1パックあたり120g含む納豆がおすすめです。
睡眠の質を上げる「たまご」
たまごは動物性のタンパク質ですが、トリプトファンも100g中180mgとたっぷり含んでいます。さらにセロトニンを合成するためのビタミンB6やマグネシウム、亜鉛も全て含まれています。さらに注目したいのが天然の食べ物にあまり含まれていないビタミンDが豊富です。
エモリー大学とアトランタメディカルセンターによる研究では、ビタミンDを摂取させることで睡眠の質が向上したという結果になっています。他にもビタミンDの血清濃度が低いと睡眠の質が悪くなるということも分かっています。ビタミンDが睡眠に関係するのは、ビタミンBやミネラルはトリプトファンからセロトニンを合成する材料だからです。
他の栄養素が補酵素と働くのに対して、ビタミンDは遺伝子レベルでセロトニンを増やす酵素をつくり、脳内のセロトニンの合成が活発になり、睡眠の質も上がります。このようにたまごの栄養には、セロトニンの材料もセロトニンを増やす酵素のどっちも揃っています。
子供の睡眠障害を改善する「サーモン、青魚」
オメガ3脂肪酸は、身体や脳だけでなく睡眠にとっても大切な脂質です。エクアドルで2016年に行った研究では、オメガ3脂肪酸を多く摂取した人は、少ない人に比べて睡眠の質が良かったという結果になっています。さらにイギリスで行った子供の睡眠障害においても、オメガ3脂肪酸を摂取することで一晩に58分睡眠が増えたという結果になっています。
オメガ3脂肪酸もビタミンD同様、セロトニンを増やす作用があることが分かっており、特にビタミンDとの相性が良く、2つを同時に摂ることでより高い効果を発揮してくれます。さらに魚には動物性とはいえトリプトファンもたっぷり含まれており、さらにオメガ3脂肪酸には副交感神経を高め、自律神経の乱れも制御してくれるため、睡眠の質が悪いと感じる時はサーモンや青魚を積極的に摂ることがおすすめです。
その他の睡眠の質を上げる方法
重いかけ布団を使う
睡眠の質を上げる方法は多く研究されていますが、近年注目を集めているのが重い掛け布団を使うことです。重い掛け布団の中でも、特にウェイトブランケットや重量掛け布団と呼ばれるものが効果的です。重さを持った掛け布団は、人体に適切な圧力をかけてくれ、その圧力が心地よく安定した睡眠を促すと言われています。
重い掛け布団の効果の背後には、ディープタッチ圧力という現象が関与しています。ディープタッチ圧力は、体全体に均等に適度な圧力をかけることでリラックス反応を引き起こします。この反応は母親が子供を抱きしめる時やマッサージを受ける時に感じるような安心感と似ており、ディープタッチ圧力が体にかかると体は自然にリラックスするようになっています。
体がリラックス状態になると副交感神経が優位になり、眠気を感じるだけでなく、重い掛け布団を使用すると睡眠中の体の動きも抑制されると言われています。多くの人は無意識のうちに夜中に体を動かしてしまい、その結果浅い睡眠になっています。重さがある掛け布団の下で寝るとその動きが減少し、深い睡眠を保ちやすくなります。
さらに重い掛け布団は、体温の調節も手助けします。人は少し涼しい環境での方が質の高い睡眠を取ることができると言われており、重い掛け布団やウェイトブランケットは密度の高い材料や重さを持っていて、熱の電動が高いため、これにより体の余分な熱を効率的に掛け布団に伝え、外部に放出することができます。その結果、掛け布団の下での体の環境が少し涼しい状態を維持しやすくなります。つまり掛け布団は適切な重さや材質を選ぶことが大切で、重すぎるとかえって体温の調節が難しくなり、暑さを感じることもなります。
重い掛け布団やウェイトブランケットの重さは、使用する人の体重に応じて選んだ方が良く、一般的な推奨として自分の体重の約10%に相当する重さが良いとされています。また重い掛け布団の中には、ガラスビーズやプラスチックペレットなどの異なる充填材が使用されています。充填材の選択は、重さや感触の面での違いを生むだけでなく、呼吸性にも影響します。天然の材料、例えばコットンや竹由来の生地など呼吸性が良く、汗を吸収しやすい材質を選ぶと良いでしょう。
寝室の換気を行う
良質な睡眠を確保するためには心地よい環境の整備が不可欠です。睡眠中は部屋の中の酸素が徐々に減少し、二酸化炭素の量が増加し、長時間同じ空気の中にいると呼吸の質が低下してしまいます。このような環境化では、酸素供給が不十分となり、質の良い睡眠を得ることが難しくなります。寝室の換気は新鮮な酸素を取り入れ、用済みの空気や余分な湿気を排出できます。この換気を行うことで酸素と二酸化炭素のバランスが最適化され、快適な呼吸が可能になり、結果として深い睡眠が得られる可能性が高まります。
さらに湿度の調整も換気の大きなメリットとして挙げられます。適切な湿度は、皮膚や喉の乾燥を防ぎ、快適な睡眠をサポートしてくれます。高湿度はカビやダニの発生を促進する要因にもなり、微生物はアレルギーの原因となることもあります。逆に低湿度も肌や呼吸器系にとっては良くないため、換気によって適切な湿度を維持することが重要です。
さらに新鮮な空気を取り入れることで寝室内の有害な物質や匂いの除去も促します。例えば化学物質やアレルゲン、微細な粒子などは日常的に私たちの生活空間に存在するものがあり、その中には不快な匂いを放つことがあり、呼吸器や皮膚に悪影響を及ぼすことがあります。定期的な換気で、これらの物質の濃度を低減させれば、より健康的な環境を維持することができるでしょう。
換気には様々な方法がありますが、1番効果的なのは窓を開けて寝室全体の空気を入れ替えることです。部屋の換気をしなくても空気洗浄機で空気を綺麗にすればは良いと思っている人もいますが、空気洗浄機は漂うアレルゲン、花粉、ハウスダスト、PM2.5などの微粒子を排除してくれますが、空気洗浄機は空気中の汚れを取り除くものであり、酸素と二酸化炭素のバランスを調整するもののではありません。空気清浄機だけに頼ると室内の酸素不足は解消されないため、小まめに換気しながら空気清浄機を使用すると良いでしょう。
脳を冷やす
私たちの体温は、1日の中で自然に上下するリズムを持っています。夕方や夜になると体温が徐々に下がり、夜中から早朝にかけて最低値を迎えます。一方、朝から昼にかけは再び上昇し始めます。この体温の変動は睡眠と覚醒のリズム、体内時計と深く関わっています。脳の温度も体温と同様に変動しますが、特に重要なのは就寝前と睡眠中の脳の温度です。脳が冷えると睡眠誘導物質の分泌が促され、眠りにつきやすくなると言われています。逆に脳の温度が高いと眠りにつくのが難しく、浅い眠りが続く可能性が高まります。
脳の冷却は、深い眠り特に深いノンレム睡眠を促進し、この深いノンレム睡眠は体や脳の回復、記憶の整理、学習の固定など多くの重要な機能を持っています。脳の温度を適切に下げることで、この質の高い睡眠を得る助けとなります。
脳を冷やす方法としては、例えば就寝前に冷ためのシャワーを浴びる、冷たい布を額や首に当てるなどが挙げられます。冷却用クッションやマットを使用するのも良いでしょう。ただし注意点としては、あまりにも冷たすぎると逆効果になったり、風邪を引いてしまったりすることもあるため、適切な温度と使用時間を選ぶことが重要です。
裸で寝る
裸での睡眠がもたらす明確なメリットは、体温調節にあります。特に足は体温を調節する効果的な部位で、足の裏には多くの毛細血管と汗腺が集まっています。足を覆ってしまうと体温が適切に放出されず、それが不快感や睡眠の中断を引き起こすことがあります。また裸で寝ると体温が自然に調整され、深い睡眠を得やすくなります。
さらに裸での睡眠は、血行の促進にも寄与します。靴下を履いて寝ると足首周辺で微細な圧迫が生じ、血流が妨げられることがあります。この状態が長時間続くと足のむくみや冷えの原因となることもあります。裸で寝ることで足への圧迫が解消され、血行がスムーズになります。また足裏には多くの反射があり、反射とは足裏や手のひらに存在する体の他の部分や内臓と関連しているエリアのことです。いわゆる足ツボのことです。
これらの反射を刺激することは、全身のリラックスや健康維持に有効とされていおり、裸足の状態では布団やシーツとの摩擦によって反射が自然に刺激される可能性が高まります。このような微細な刺激は睡眠の質を高める助けとなると言われています。
人の足は、感覚の集積地であり、裸の状態であると足が自然な形になり、筋肉や関節がリラックスしやすくなります。また足の指を動かすこともできるため、これが全身の筋肉の緊張を緩和する効果をもたらいます。つまり裸で寝ることはストレスや緊張の緩和にも役立ちます。
寝る3時間前に食事を済ませる
食べ物の消化プロセスと睡眠の関係性は深く、食事を摂ると胃腸はその食物を消化し、栄養分を体に吸収させるための活動を開始します。この消化活動はエネルギーを必要とし、心拍数を上昇させる必要があります。心拍数が上昇すると体が覚醒しやすく、これが睡眠の質を低下させる可能性があります。特に消化に伴う胃腸の不快感や胃酸逆流が起こると深い睡眠の妨げになります。
食事を摂取すると消化をサポートするために代謝を活発にし、体温が一時的に上昇しやすい一方、睡眠の準備として体は夜になると体温を自然に下げようとします。この体温の下降は、深い睡眠に入るのを助ける信号として機能しています。寝る直前に食事を摂ると、この自然な体温の下降プロセスを妨げる可能性があります。
さらに食事によってインスリンやホルモンの分泌が刺激されることがあります。ホルモンの変動は睡眠ホルモンであるメラトニンの生成や分泌に影響を及ぼす可能性が高くなります。特に高糖質の食べ物やカフェインを多く含む食品を摂取するとホルモンのバランスが乱れやすくなり、睡眠の質に悪影響を及ぼし、十分な睡眠が取れなくなる可能性があります。
寝る前にスマホをやめる
スマホの画面から放出される光にはブルーライトが多く含まれており、ブルーライトは体内時計をリセットする働きがあります。その結果、メラトニンというホルモンの分泌を抑制してしまい、メラトニンは体内時計と深く関連していて夜間に分泌が増え眠気を感じるようになります。しかし寝る前にブルーライトを浴びるとメラトニンの分泌が抑制され、眠気が来にくくなってしまいます。
また、スマホで見た内容自体が心を刺激する可能性もあり、SNSをチェックしたり、ニュース記事を読んだりすると目にした情報に心が引きつけられ、心に影響を受けることがあります。寝る前にスマホを見ると心に雑念が生まれ、リラックスした状態での睡眠が困難になります。またスマホの使用自体が脳の活動を活発化させ、睡眠の質を低下させる可能性もあります。
多くのデバイスには、ブルーライトを減少させる夜モードが搭載されているので、夜間にスマホを触る場面がある場合は、この機能を活用すると良いでしょう。
いつも同じ時間に眠る
私たちの体は日々の活動を調整するために体内時計として知られる機能を持っています。体内時計は睡眠ホルモンの分泌を調整するなど、私たちの眠りと覚醒のサイクルを制御しています。毎日同じ時間に就寝することで体内時計が正確に同じリズムで動作するようになり、それに伴って体の様々な生理的プロセスも最適化されていきます。
一貫した就寝時間を持つことの利点は、目覚めた時にリフレッシュな気分を得られることでしょう。体が求めている時間帯に眠りにつくことで睡眠の各段階が最適化され、睡眠の質が向上します。特に深い睡眠の段階であるレム睡眠が正常に維持されることで心と体の回復が効果的に行われます。
不規則な睡眠パターンはしっかり熟睡することができず、日中の眠気や疲れを引き起こすことがあります。いつも同じ時間に寝ていれば睡眠の質も高く、このような問題を避けることができるでしょう。また人間は生まれながらに一定 の生活のリズムを好む傾向があり、生活リズムが安定していると精神的にも安らぎや落ち着きを感じやすくなります。
また、週末の睡眠時間が大幅に変わると平日の生活リズムに影響を与え、睡眠の質が低下する恐れがあります。体内時計は外部の光や暗闇といった環境の影響を受け、生活リズムを整えようとするため、寝溜めをすると体内時計が乱れる可能性が高まります。例えば週末に遅くまで寝てしまうと次の日の夜になっても眠れなくなることがあるでしょう。その結果、月曜日になると再び睡眠不足の状態に落ち言ってしまうことが考えられます。睡眠の質や量はもちろん重要ですが、一貫したリズムを保つ重要性も忘れないようにしましょう。
睡眠の鍵「複合糖質」
快眠を促す成分で有名なのがトリプトファンと言う成分で、トリプトファンはアミノ酸の一種で眠気を促進するホルモンのメラトニンを生成します。そのためトリプトファンが多く入っている食べ物を摂取すれば良いと思うかもしれませんが、単純な話ではありません。ある研究によると複合糖質を多く含む食品を摂取するとより深い眠りが得られることが分かっています。
複合糖質は、糖質の一種ですが単純糖質と違い、血糖値が安定すると言われています。ちなみに単純糖質は、パン、ベーグル、ペストリー、パスタなどに含まれている糖質で、この糖質を多く摂ると眠りに入るのが早くなります。しかし研究によると単純糖質は、眠りが浅くて夜中に目覚めてしまいやすくなることが分かっています。
コロンビア大学アービングメディカルセンターの準教授によると、トリプトファンを含む食べ物と複合糖質を組み合わせるとインスリンの分泌が促され、競合するアミノ酸が筋肉に吸収されて、トリプトファンが血液から脳の壁を通過して脳に入りやすくなることが確認されています。
この複合糖質は、食物繊維が含まれた糖質のことで、そしてトリプトファンが多く含まれている食べ物は、大豆製品、たまご、バナナなどです。さらに複合糖質が入った食べ物はご飯、小麦、じゃがいもなどです。そしてビタミンB 6もトリプトファンの吸収を助ける働きがあり、ヒレ肉、ささみ、青魚などが多く含まれています。
そして最新の研究では、夕食に食べると睡眠ホルモンを266%も増加させるという食べ物が判明しています。その睡眠の質を上げる食べ物がパイナップルです。最新の研究によるとパイナップルを寝る前に食べると睡眠ホルモンのメラトニンが大きく増量されたという結果が出ています。研究では他の果物でも調べていますが、パイナップルのメラトニンの代謝物のレベルが高くなったことが分かっています。
またパイナップルには、ビタミンB1、銅、マンガンなども含まれています。さらにパイナップルには糖質だけでなく食物繊維もたっぷり含まれているため、複合糖質の条件を備えている食べ物になります。さらにパイナップルを食べるとタンパク質を分解する酵素によって消化を助けてくれるため、睡眠中に消化器系の内臓が休まることに繋がります。つまり体が眠りだけに専念できる状況を作ってくれます。
最高の枕の条件
枕の高さと形状
2020年に行われた枕に関するレビューでは、309人のデータに基づいて睡眠の質を向上させる枕の条件を調べられています。その条件の1つに枕の高さと形状があります。枕の高さは人の体格によって左右されますが、高めの枕は男性や体格がしっかりした人、日常的に運動をして筋肉が多めの人にお勧めとされており、低めの枕は女性や体格の細い人、子供に向いています。
これらの枕の高さは7cmから11cmまでがベストと言われており、体格の違いだけが理由ではなく、寝方の違いも関わっています。例えば横向きで寝る人は、 仰向けに寝る人よりも枕を高くする必要があり、うつ伏せなら枕が低くなくてはいけません。2016年の研究によれば高すぎる枕を使っていると背骨と頭蓋骨をつぐ箇所に圧力が生じ、首が痛くなったり、頭痛がしたりすることが分かっています。
枕の素材
枕の素材と言えば、一般的にはビーズラテックスなどがありますが、例えば韓国の研究によれば体にフィットする素材の方が首や肩などの痛みが減ったことが分かっています。そのため人間工学に基づいた形の枕が体にフィットすることが多く、具体的にはなるべく平で緩やかなカーブがあるものがおすすめです。
枕の放熱力
枕は、高さや形状、素材も大事ですが、共通して必要とされるのは頭を冷やしてくれる枕です。それは体温が下がると脳の温度も下がり眠気が起きるからです。
広島大学の研究グループが普段寝付くまでの時間が30分以上かかる大学生を対象に実験を行なっています。まず室温と同じ26度の水枕で眠ってもらい、寝つくまでの時間を計測した結果、平均19分24秒かかりました。次に16度に調整した氷入りの水枕で寝てもらったところ、寝つくまでの時間は8分54秒が平均でした。このように脳の温度を効率よく冷やせば早く眠りにつけることが分かっています。
選んではいけない枕
低反発枕
低反発枕は、頭の形に合わせてフィットしてくれるため肩こり対策に効果的ですが、低反発枕の短所は熱がこもりやすいことです。低反発枕の素材である特殊ポリウレタンの密度が高く、通気性が悪いため熱がこもりやすい傾向があります。さらに熱がこもると寝返りの回数が増え、血流が悪くなり疲労も蓄積されやすくなります。
高すぎる、低すぎる枕
枕を選ぶなら7cmから11cmまでの高さの枕が良いですが、高すぎる枕は首の骨の曲がり具合が急になるため、首や肩、筋肉に負担がかかります。
一方で、低すぎると首の骨を支えられず頭が不安定になって寝違いを引き起こす原因になります。さらに頭が心臓よりも低くなると血が頭に集まって鬱血状態になるため眠りも浅くなってしまいます。さらに交感神経が優位になりやすく血管が縮まって頭痛の原因になり、むくみを引き起こすこともあります。
ベストな睡眠時間
18歳から100歳まで平均年齢42歳の10886人を対象にして行われた研究によると頭がもっとも働く睡眠時間は、7時間から8時間までとなっています。ここで重要なのは寝る時刻で、人は同じ時間眠るにしても夜の間に寝た方が睡眠の質が高くなります。これは体内時計がそのように設定されているため、その体内時計を調節するのがメラトニンという物質です。
メラトニンは目を覚ましたり眠ったりのリズムを調設するホルモンのことで、メラトニンは朝日を浴びてから約16時間後から分泌されます。つまり寝る時刻 によって起きる時刻が決まるのではなく、起きた時刻によって寝る時刻が決まります。そのためメラトニンが分泌される時刻を、夜に寝ている時に調節するよう起きる時刻を決めることになります。
睡眠の質を上げるためには、朝日を浴びる、朝食を取る、寝る前のカフェインやアルコールは避ける、寝る前にパソコンやスマホは見ない、適度な運動を習慣化することが挙げられます。
【本コラムの監修】
・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。