肝臓は健康にとって重要な臓器であり、肝心という言葉からもわかるように肝臓は心臓と並んで重要な臓器です。その一方で沈黙の臓器とも呼ばれ、症状に気がついた時には一大事になっている人が多い臓器です。そのため日頃から肝臓をいたわるような生活習慣を身につけておく必要があります。
実は肝臓に大きなダメージを与えてしまうのは、アルコールだけではなく甘いお菓子に含まれている糖質も大きな原因になっています。成人の日本人男性の3人に1人、女性で5人に1人が脂肪肝や脂肪肝炎になっていると言われています。
脂肪肝になってしまうと肝臓の働きが大きく低下します。肝臓の主な働きは、タンパク質、脂質、糖質などの栄養素を体内で使える形に変えて蓄える「代謝」、薬、アルコール、老廃物などの有害な物質を分解して無毒化する「解毒」、脂質の消化吸収を助ける働きのある「胆汁の生成と分泌」といった役割があります。
脂肪肝になって肝臓にどんどん脂肪がついてしまうと、肝臓が思うように仕事できなくなり、この状態がNASH非アルコール性脂肪肝炎と呼ばれています。この前段階である脂肪肝の状態では、動脈効果や心筋梗塞、脳卒中といった危険な病気のリスクが高くなってしまいます。そしてNASHが進行していくと、このような生活習慣病の他に、肝硬変や肝臓癌になるリスクも高まると言われています。さらに肝臓が機能低下によって糖質や脂質の処理を十分にできなくなるため、別の臓器にもどんどん脂肪がついていき、その脂肪が原因で炎症を起こしてしまいます。
実は成人の日本人男性の3人に1人、女性で5人に1人が脂肪肝や脂肪肝炎になっていると言われており、特にNASH予備群になっている人は多く、人口の1%から3%程度、およそ200万人程度が炎症型の脂肪肝を発症していると言われています。そして炎症型脂肪肝を発症してしまった内の2割から3割の人が10年程度の時間をかけて、ほぼ無症状のまま肝硬変や肝臓癌になってしまうと考えられています。
脂肪肝の人が増えてしまう原因の1つに、食の欧米化によって肥満の人が増えてしまったことが挙げられます。特にNASHの原因には、肥満や糖分の過剰摂取、糖尿病、運動不足が挙げられています。また過度なダイエットも脂肪肝の原因 になることが分かっています。
なぜなら無理なダイエットは、体が急激なカロリーの減少で飢餓状態に陥るため、体に入ってくる栄養が急に減ってしまえば、これは危険だと判断して、とにかく貯蔵モードになってしまうからです。一方で、リバウンドしない人でも体内では飢餓状態となっているため、肝臓に脂肪を溜め込む体質になっていて、見かけは痩せているけど脂肪肝である人も増えています。
肝臓を守るブルーベリー
ブルーベリーの特徴の一つとしてカロリーが低く、栄養素が豊富に含まれていることが挙げられます。低カロリーでありながら栄養素がとても多いということは、カロリーの質が良いスーパーフードの特徴です。ブルーベリーには食物繊維、ビタミンC、ビタミンKが豊富に含まれています。また抗酸化物質であるアントシアニンも豊富に含んでいます。
アントシアニンは、ブルーベリーの青さを作っている色素であり、抗酸化作用が強い物質として知られています。このアントシアニンは、体を酸化ストレスから守ってくれるという働きがあり、さらにブルーベリーは体内の抗酸化物質の濃度を直接高めることが研究によって明らかにされています。
この抗酸化物質の濃度を高めるという働きは、様々なメリットもたらし、例えばDNAの損傷を軽減することができることが分かっています。このDNAの損傷は、酸化によって起きるため、ブルーベリーの抗酸化能力によってDNAの損傷を抑えることができます。DNAは細胞の設計図であるため傷がつくということは、細胞にとってダメージとなり、その結果シミやシワができたり、がん細胞ができたりします。それを未然に防いでくれるのがブルーベリーの酸化防止効果です。さらにブルーベリーは血圧を下げる効果もあります。
その他の効果として、血液中のコレステロールが傷つくのを防ぐことが挙げられます。悪玉コレステロールは、悪玉コレステロールそのもの自体が問題というよりも悪玉コレステロールが傷つく、つまり酸化されることが問題だと考えられています。悪玉コレステロールの酸化は、心臓病に直接関係しており、悪玉コレステロールは酸化されると血管の壁にへばりついて動脈硬化の原因となります。その結果として心疾患につながってしまいます。心疾患は日本人の死因の第2位であり、心疾患のリスクを高めるということはすなわち寿命が短くなることにつながってしまいます。悪玉コレステロールの酸化を防ぐという ことは、心臓病のリスクを低下させることにつながります。
実際、毎日ブルーベリーを食べる人を対象に行われた研究によると、ブルーベリーを食べるだけで悪玉コレステロールの酸化を27%低下させることができています。
一方で、老化を防ぐ効果があり、特に脳の老化を強力に防いでくれるのではないかと考えられています。実際に様々な実験が行われており、酸化ストレスは脳の老化も加速させて、脳の機能に悪影響を及ぼすということが分かっています。物覚えが悪くなる、ボケるなど酸化ストレスが主な原因ですが、ブルーベリーの抗酸化作用は、脳でも有効に働くことが分かっています。実験によると、ブルーベリーに含まれている抗酸化物質が脳の老化を防いで、脳自体を守ってくれることが分かっています。さらに老化した脳の細胞に働きかけて若返らせる効果もあると言われています。
ブルーベリーと脂肪肝
ブルーベリーに含まれている抗酸化物質アントシアニンには、抗酸化作用だけではなく、インスリン感受性を向上させる効果もあることが分かっています。インスリン感受性が低下するとメタボリックシンドロームや 2型糖尿病、つまり肥満のリスクが大幅に高まることが分かっています。インスリン感受性を向上させることは非常に有効な肥満対策の一つです。
さらにブルーベリーは炭水化物が含まれた食事の後に食べることによって、特定の消化酵素をブロックし、血糖値の急上昇を低下させる効果があることも分かっています。つまり糖質の消化吸収をブロックし、血糖値を下げる効果があります。
肝臓に脂肪が貯まる主な原因は、糖質の過剰摂取にあるため、糖質の消化吸収をコントロールして血糖値を下げるという効果は、直接肝臓に脂肪が貯まりにくくなる効果と言えます。さらに血糖値が下がれば、肝臓に貯まっていた脂肪はどんどん使われ、結果として元々貯まっていた肝臓の脂肪も落ちていくことになります。
目の健康にはベリー類
ベリーは栄養素やビタミン、ミネラルの宝庫であり、老化を予防して加齢に伴う様々な症状から体を守るのに役立つと言われています。ベリー類にはカリウム、マグネシウム、ビタミン CやビタミンK、そして食物繊維、ブレバイオティクスを豊富に含んでいる食材です。またブルーベリーを食べると2型糖尿病のリスクが低下し、ブルーベリーやイチゴのようにアントシアニンを多く含む食品を食べると体重維持に役立ち、さらに心臓発作のリスクが低下し、学習記憶力が改善されるという研究結果が報告されています。
一方でイチゴ、ラズベリー、ブルーベリーなどのベリー類には、抗酸化物質とビタミンCがたくさん含まれており、目をリラックスさせてくれ、乾燥や視力障害などを予防することが知られています。またブルーベリーの色素の部分を作っている成分のアントシアニンは、視力を向上させるのに役立つと言われています。またアントシアニンの目に対する効果は、汚染やホコリによる目の損傷を防ぐ可能性もあるとする研究があります。
さらにカリフォルニア大学の研究によると、ドライゴジベリーが高齢者の視力低下の主な原因である加齢黄斑変性症に対する予防効果があることが分かっています。この研究では45歳から65歳の13人の被験者に28gのゴジベリーを週5回90日間与え続けました。その結果、被験者の目の保護色素の密度が増加したということが分かっています。これは加齢黄斑変性症に対する予防効果があることを示しています。
一方、同じ期間に目の健康のために市販されているサプリメントを摂取した他の14人の参加者では、保護色素の増加は見られませんでした。つまり全然視力も低下していない方であっても、ゴジベリーを定期的に摂取することによって目の老化を防ぐことができることが明らかになっています。
果物の組み合わせに注意
果物は空腹の時に食べることが大事と言われていますが、果物の組み合わせ次第で、酵素や栄養素の吸収効率が大きく変わってくることも分かっています。そこで果物の健康効果を高めるためにも、果物を大きく3つのグループに分けて考えます。
グループ1 | 酸味が強い果物 | オレンジ、レモンなどの柑橘類、パイナップル、イチゴ、キウイ、ブルーベリー |
グループ2 | 酸味も甘みもそれほど強くない果物 | リンゴ、なし、桃、さくらんぼ、メロン、スイカ、パパイヤ |
グループ3 | 甘味が強い果物 | バナナ、柿、イチジク |
一度の食事で果物を複数食べる場合には一つのグループの中で統一するのが理想です。ただグループ1とグループ2の組み合わせや、グループ2とグループ3など、酸味と甘味の中間にある果物のグループはいずれの組み合わせて食べることは問題ありません。
避けるべきなのは、酸味の強いグループ1の果物と甘味の強いグループ3の果物を組み合わせです。その理由は、酸味の強い果物のクエン酸と甘味の強い果物に含まれている果糖の相性が良くないとされているからです。また果物に含まれているアミノ酸が複雑に絡んで栄養吸収の効率を阻害してしまうため、酸味が強い果物と甘味が強い果物を同時に食べることは避けましょう。
爪で健康状態が分かる
病気のサインが爪に出てしまうことがあり、爪の状態は健康のバロメーターになります。そのため爪がどのようにできるかの仕組みを知ることで、病気のサインの仕組みも分かるようになります。
この爪は皮膚の一部であり、実は毛などと同じケラチンでできています。爪は皮膚の一番上にある角質層が厚く硬くなったものです。そして爪は伸びてくるのは、角質層の下にある毛細血管から栄養が供給され、新しい細胞が作られるからです。つまり新しい細胞が角質層に押し上げられ爪が伸びていきます。
このように爪は皮膚の一部でもあり、血液から栄養を受けて成長するため、血液の状態の影響を受けやすくなります。つまり血液の健康状態が爪に表れやすくなります。
爪に出る危険なサイン
爪の色
健康な爪は毛細血管が透けて見えるため、全体的にピンク色です。一方で爪の表面が青白く見える場合がありますが、これは毛細血管の血の色が見えない状態です。このように血色が悪い爪の場合は貧血の可能性があり、黒っぽい紫色になることもあります。この状態になるとチアノーゼ状態と言われ、病気としては悪性の貧血、心臓病などが考えられます。
また、ピンク色が濃くなる感じで真っ赤になることもあります。これは多血症のサインとなり、脳血栓や心筋梗塞の危険信号です。一方で爪に黒い点や黒い縦線が出る時ありますが、これはほとんど病気でないケースが多く、爪の付け根にある他の原因で起こる場合もあります。
そして爪が黄色っぽかったり、濁った感じで白くなる場合は、肝臓の病気が疑われます。また肝臓に問題があると爪が暗く変色する場合や縦線が出る場合もあります。なぜなら肝機能が低下すると爪の原料であるタンパク質が足りなくなって爪に縦線が出てしまうことがあるからです。肝臓の病気で縦線が出る場合は、爪の色が白くなったりもします。さらに爪が剥がれやすかったり、爪の周囲に腫れも出たりします。
このように肝臓の病気と爪の剥がれやすさや腫れが関係しているのは、タンパク質の代謝異常が起こって爪の強度が下がり、爪が剥がれやすくなるからです。肝臓に問題がある場合は、爪の他にも体の不調が同時に表れます。例えば食欲低下、だるさ、むくみ、吐き気、腹部が膨張するなどや、皮膚や目が黄色くなる黄疸など、これらが爪のサインと同時に出ればすぐ医者に相談しましょう。ただし内臓の病気や悪性黒色腫の可能性もあります。
爪の形
爪の色のない縦線は加齢によるものなので、縦線が出てきても健康の状態に全く影響ありません。爪の縦線は、指の中にある爪の生産工場に、そもそも凸凹があるからです。実はその凸凹の溝の形が爪に刻まれており、若い時はその縦線の溝が浅く目立ちません。しかし年を取ると溝が深くなって目立つようになります。
また溝のような横線もあまり心配することはないでしょう。これはストレスの影響で指の中の爪の工場への血流が鈍くなって爪の原料不足が起こってしまう状態です。ストレスには、体調を崩したことや大きな病気なども含まれます。
一方で、スプーンのように反り返ったり、中央が明らかに異常に盛り上がった場合は、鉄欠乏性貧血の可能性が高くなります。鉄分不足で爪が柔らかくなって強度がなくなり、爪の成長が乱れて反ってしまいます。特に女性に多く、食生活や生活習慣の見直しが必須です。
一方で中央が明らかに異常に盛り上がって指の先を包み込む形で伸びている爪は、ヒポクラテス爪と言い、絶対に見過ごしてはいけない爪です。これは肺気腫、慢性気管支炎、肺がんのサインの可能性があるため、すぐに医者に診断を受けた方が良いでしょう。
ケールについて
脂肪肝は、肝臓の細胞に過剰な脂肪が溜まった状態を指しています。これが深刻化すると肝臓の機能が低下したり、肝硬変や肝炎といった慢性疾患を引き起こす可能性があります。そのため脂肪肝を改善することは肝臓の健康を保つためにはもちろんのこと、全身の健康を保つ上で重要です。
現状、脂肪肝を改善する薬はなく、最も効果的なのが食生活を変えることだと言われています。その中でもケールは、脂肪肝を改善する上で効果的な食材とされています。
ケールが脂肪肝を改善するのに最適なのは、それはブルーベリーと同様に抗酸化物質や食物繊維がたっぷり含まれていることが主な理由です。抗酸化物質は、体内で活性酸素を除去する働きがあり、肝臓を保護する効果があるとされています。食物繊維は肝臓の排出能力を高めることで脂肪を排出しやすくする働きがあります。またケールは低カロリーで肝臓に負担をかけないのが特徴です。このため脂肪肝を改善するだけでなく、健康的なダイエットをすることができる食材です。
このケールはあらゆる植物性食品の中でも最も健康的かつ栄養価が高い食品です。そもそもケールはキャベツやブロッコリーなどのアブラナ科の野菜の一つです。その中でもケールはひときわ栄養価が高いと言われており、豊富なビタミン、ミネラル、食物繊維に加えてαリノレン酸と呼ばれるオメガ3脂肪酸まで含まれています。つまり脂質という観点からも良質な脂質を体に取り入れることができます
またケールには抗酸化物質であるケルセチンやケンプフェロールなどが含まれています。これらの抗酸化作用によって心疾患の予防に役立ち、血圧低下、抗炎症作用、抗ウイルス効果、抗うつ効果、抗がん効果など様々な効果が期待できます。
またケールは、ビタミンCの優れた供給源であるということも分かっています。ビタミンCは肌荒れを抑えてくれるなど、若々しい見た目を保つのに必須の栄養素です。一方でケールは、がんの予防効果が高いということが分かっています。ブロッコリーに含まれていると紹介されることが多いスルフォラファンは、分子レベルでがんの形成と戦う効果があることが分かっています。
またケールに含まれるスルフォラファン以外にも、インドール3カルビノール(I3C)という物質が含まれており、同じくがんの予防に役立つと言われています。さらにケールに含まれるルテインとゼアキサンチンという成分は、白内障のリスクを大幅に下げることができると考えられています。
老化を食い止めるクランベリー
2021年の中国東南大学で行われたメタアナリシスによれば、クランベリーを摂取することで尿路感染症の発症リスクが大幅に減少することが分かりました。そもそもクランベリーは尿路感染に対する民間療法として古くから知られておりました。クランベリーには豊富で多種多様なポリフェノールが含まれており、特にその一部であるプロアントシンアニジンが膀胱粘膜に細菌が付着してしまうのを防ぐ効果があるとされています。
尿路感染は腎盂腎炎などの腎不全の原因となり得る恐ろしい病気の他、膀胱炎によって頻尿をきたしてしまうなど絶対にかかりたくない感染症の 1つです。
私たちは加齢によって免疫機能がどうしても低下するため、細菌が尿路に侵入しやすくなり、中高年以降で尿路感染のリスクが高まります。特に尿路感染は肛門と尿道の入り口が近い女性の場合でリスクが高くなります。
尿路感染とは、尿道から侵入した細菌が尿の通り道である尿路を遮って炎症をきたす感染症のため、尿路のどこにでも起こる可能性があります。細菌が尿道に感染すれば尿道炎に、膀胱に感染すれば膀胱炎に、腎臓に感染すれば腎盂腎炎となり、最悪の場合は血液に菌が回って死亡することさえあります。特に免疫機能が低下した中高年以上では、その死亡率は最大20%にも及ぶと考えられています。
尿路感染症によって多くの方が悩まされるのが膀胱炎ではないでしょうか。年を取ると誰もが頻尿になり、夜間頻尿や尿漏れに悩まされるようになります。加齢による尿漏れの原因には骨盤底筋(群)が緩むことや、膀胱に分布する神経の異常など様々な原因がありますが、尿路感染症による膀胱炎もその原因の1つです。最近では夜間にトイレに起きる回数が一晩に2回以上の高齢者は、1回以下の人に比べて死亡率が1.98倍となり、夜間頻尿が転倒や心臓発作、睡眠不足などの原因となり健康を損ねてしまうためであると考えられています。
クランベリーには、ポリフェノールの一種であるプロアントシンアニジンという非常に珍しい栄養素が豊富に含まれています。キナ酸はコーヒーの種など一部の植物にしか含まれていない非常に珍しい物質で、クランベリーは数ある食品の中でもトップクラスのキナ酸含有量を誇ることが知られています。クランベリーを食べてキナ酸を豊富に摂取すると、それが体の中で馬尿酸という物質に代謝されます。この馬尿酸は高い抗菌作用を持つことが知られていながら、体には不要な物質のため尿として排泄されます。
こうして尿路に馬尿酸が流れることで尿道や膀胱に付着した雑菌を消毒してくれます。このような効果から6ヶ月間、1日に2回クランベリージュースを飲むことで尿路感染予防効果が認められたという研究結果もあります。ただし健康について総合的に考えた場合クランベリーをジュースとして飲むのはあまりお勧めできません。クランベリーは果物ですから糖が豊富に含まれています。クランベリーをそのまま丸ごと食べる際には、含まれる豊富な食物繊維を同時に摂取することになって急な血糖上昇を抑えることができますが、クランベリージュースでは食物繊維が取り除かれてしまっています。また果物には加糖という血糖に反映されない糖分も含まれており、ジュースとして飲むとそのような加糖が過剰になってしまい肝臓への負担や肥満など様々な弊害が起きてしまう可能性があります。
冷凍に関する知識
冷凍した食べ物は腐らない、消費期限なんてないよ、いつでも食べれるよと思ってはいませんでしょうか。冷凍さえしておけば1年後でも2年後でも安全に 美味しく新鮮に食べることができる、そんな風に考えて冷凍庫の中をパンパンにしている方も多いかもしれません。
実際には冷凍した食べ物というのも品質が低下していくことが分かっています。 もちろん冷凍している状態だと微生物が増えないため腐ることはありません。ですが科学的な反応によって品質が低下してしまうことがあります。その代表が酸化です。
食材が酸化すると品質が悪くなるというのは、冷凍食品でも同じです。空気と触れている以上、酸化はどうしても起きてしまい、冷凍保存していても食材というのは酸化します。特に食材内に含まれている脂質が酸素と反応することによって、より酸化して過酸化脂質になるという反応は、食材の質を大きく低下させる原因になります。
一方で、塩分や砂糖がたっぷり含まれている食品の場合、冷凍保存による品質の低下はあまり気にする必要はありません。これはこれらの成分が防腐効果を持ち、酸化を抑制してくれるからです。ただし経過時間とともに味が変わる可能性があるため無制限に保存できるわけではありません。
また、冷凍食品の品質を維持するためには、適切な冷凍方法と解凍方法が重要なポイントです。例えば急速冷凍を行うと食品内部の水分が大きな氷の結晶となるのを防ぎ、質感や風味をより良く保つことができます。同様に解凍時には可能な限りゆっくりと温度を戻すことで水分の損失を防ぐことができます。
ただし一般的な家についている冷凍庫では、この急速冷凍というものを行うことができません。家で余った食材を冷凍しなければならないという場合は、買ってきた冷凍の食材以上、早めに使うことを意識しましょう。
【本コラムの監修】
・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。