酸性体質とアルカリ性体質

酸性体質とアルカリ性体質

『体は酸性とアルカリ性、どっちがいいの?』、健康や食事の話題でよく耳にする『酸性体質・アルカリ性体質』という言葉。その考え方の由来と、現代の栄養学ではどう捉えられているのかを整理したうえで、食生活で体調を整えるためのヒントを、美容鍼サロンの視点でわかりやすくお伝えします。

酸性体質 vs アルカリ性体質の比較

<先に結論>

健康な人の血液は、腎臓と肺の働きによって常に弱アルカリ性(pH7.35〜7.45)の 狭い範囲に保たれています。そのため、食べ物によって血液そのものが酸性・アルカリ性へ 大きく傾くことはない、というのが現代の栄養学・医学での考え方です。

「酸性体質・アルカリ性体質」は、こうした厳密な血液pHの話とは別に、 食習慣やミネラルバランスの偏りによる体調の傾向を表す“昔ながらの 考え方(食養生)”として使われてきた言葉です。本記事も、特定の食品で病気を予防・ 改善できるという趣旨ではなく、バランスのよい食生活のヒントとして お読みください。気になる症状がある場合は自己判断せず、医療機関にご相談ください。

酸性に傾きやすいとされる生活アルカリ性(バランスの良い状態)
体調の傾向疲れやだるさを感じやすいと言われるコンディションを保ちやすいとされる
主な食習慣肉・砂糖・加工食品への偏り、運動不足野菜・海藻・大豆をバランスよく
食事の考え方アルカリ性食品を「プラス1」する酸性:アルカリ性=2:8の比率を意識

※体調傾向の一般的な目安であり、医学的な診断や効果を示すものではありません。

そもそも体は酸性・アルカリ性に傾くのか?

「酸性体質」「アルカリ性体質」という言葉を聞くと、血液そのものが酸性やアルカリ性に大きく変化するようなイメージを持つ方が多いのですが、実際には人間の血液は常にpH7.35〜7.45という非常に狭い範囲の弱アルカリ性に保たれています。これは腎臓と肺が休みなく働き、余分な酸性物質を尿や呼気として排出することで維持されている仕組みで、健康な人であれば食事内容だけで血液のpHが大きく傾くことはありません。

では「酸性体質」とは何を指すのでしょうか。実際には、血液pHそのものというより、体内の酸性老廃物の蓄積具合や、ミネラルバランスの偏りによって、疲労感・免疫低下・肌トラブルなどの不調が出やすい状態を指して使われることが多い言葉です。この体内pHの数値は、日々の食習慣で決まり、酸性食品ばかり食べていると、酸性体質になりやすくなり、アルカリ性食品を意識して食べている人はアルカリ性体質になりやすい傾向があります。

体調やミネラルバランスの乱れが続くと、疲れやすさを感じる方もいるとされます。ただし『体が酸性になると免疫力が下がる』といった因果は、現在の栄養学で確立されたものではありません。また酸性体質では、慢性的疲労感などを感じていることが多くなります。筋肉を動かすことで糖分が分解され、疲労物質である乳酸が生成されています。

この際に体が正常なpHを保っていれば、乳酸を含む多くの酸は、体内のミネラルによって自然に中和されます。しかし体が酸性に傾いていれば、普段からミネラルが消費され不足します。結果として乳酸が中和されずに蓄積していき、慢性的な疲労を感じるようになります。

このような酸性体質によるミネラル不足は、慢性的な疲労以外にも、特にミネラルの内、ビタミンB群が足りなくなると、皮膚や粘膜の機能が低下して、口内炎、口角炎、舌炎、脂漏性皮膚炎、目の角膜炎などを発症することが知られています。カルシウムやマグネシウムなどのミネラルは骨の健康に関わる栄養素とされ、不足しない食生活が大切と言われています(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット)。

酸性体質が招く悪循環フロー

また梅干しやレモン、お酢は味が酸っぱいため「酸性食品」と思われがちですが、栄養学ではこれらはアルカリ性食品に分類されます。

これは、食品を燃やして残る「灰」に含まれるミネラル成分によって酸性・アルカリ性が決まるためです。カリウム・カルシウム・マグネシウム・ナトリウムなどのミネラルを多く含む食品はアルカリ性食品、リン・硫黄・塩素を多く含む肉・魚・穀類・砂糖などは酸性食品に分類されます。

つまり「酸っぱいから酸性」という判断は誤りで、味覚と食品の酸性・アルカリ性は直接関係しません。梅干しが体にやさしいとされる理由も、このミネラル分類の仕組みを知ることでより納得できるはずです。

肌のpHと体液のpHは違う

pHの話をするとき、見落とされがちなのが「肌のpH」と「体液のpH」はまったく別物だという点です。肌の表面は皮脂膜によって弱酸性(pH4.5〜5.5程度)に保たれており、これが雑菌の繁殖を防ぐバリア機能を果たしています。一方、血液や体液は前述の通り弱アルカリ性(pH7.35〜7.45)に保たれており、この2つは正反対の性質を持っています。

美容鍼の施術では、肌のバリア機能と体内の巡り(血流・リンパ)の両方を整えることが美肌への近道と考えられています。食事でミネラルバランスを整えて体内環境を良くすることは、間接的に肌のターンオーバーやくすみ改善にもつながっていきます。

アルカリ性体質になる食事

栄養バランスを意識した食生活は、日々のコンディションづくりの基本です。ここではアルカリ性食品とされる食材の選び方を紹介します。そのために必要なアルカリ性食品を選択する必要がありますが、難しいのが食品自体のpHと体に入った後の食品のpHは異なることです。例えば梅干しは食べる前は酸性ですが、食べた後にはアルカリ性に変化します。

このように体内でアルカリ性となる食品があり、生の植物性食物や果物が代表的で、一方で体内で酸性となる食品には動物性食品や加工食品があります。

体内pHと食品分類マップ

この一覧を見ると中には、食べた方が良い健康食も多く含まれていることが分かります。ヨーロッパの医療界では、酸性食品の割合を20%、アルカリ性食品の割合を80%の比率で摂取することが理想とされています。

食生活と体臭の関係

体が臭くなってしまう原因にはストレスや暴飲暴食など様々な原因がありますが、体が酸性に傾いてしまうのもその原因の1つです。現代人は、ストレスや飲酒、睡眠不足などによって酸性体質になりがちです。体臭の原因は発汗・食事・生活習慣・ストレスなど複数あるとされ、食生活もその一因という考え方があります。バランスのよい食事は生活習慣を見直すきっかけのひとつになります。

そこで役立つのがお酢や梅干といった酸っぱい食べ物です。お酢や梅干は、食べる前は酸性食品になりますが、それらを食べて消化吸収されるとクエン酸によって体内の乳酸という酸性物質が分解されて体がアルカリ性に変わります。そのためお酢や梅干は、酸っぱいにも関わらずアルカリ性食品と呼ばれています。アルカリ性食品は他には、生姜やネギ、そばなどがあります。いずれも様々な健康効果がある食品ばかりです。

またアルカリ性食品には体臭を改善する他にも様々な効能があることが知られています。例えばアルカリ性食品の健康効果としては、腎臓の機能を健康に維持してくれる効果、体内の老廃物を排泄するデトックス効果、ミネラルによる美肌など様々なものが知られています、腎臓は体内の水分やミネラルのバランス調整に関わる臓器です。バランスのよい食生活は体全体のコンディション維持につながると言われています。

腎臓は尿によって老廃物を体の外に出す働きの他、活性型ビタミンDを作って骨を丈夫にする作用や血を作って貧血を予防する作用など、私たちが 健康に生きていくために欠かせない様々な働きを担っています。そして中でも腎臓による3塩基バランス調節作用です。

3塩基バランス調節作用は、体の酸性とアルカリ性のバランスという意味です。腎臓は体がアルカリ性に傾くとアルカリ性物質を吸収し、逆に酸性に傾くとアルカリ性物質を吸収するといった風に3塩基バランス調節作用を常にコントロールしています。しかし長年の生活習慣の乱れによって酸性に体が傾き続けると腎臓に大きな負担がかかり続け、腎臓の機能が低下してしまう恐れがあります。

腎臓の機能が低下するとさらに体が酸性に傾き、腎臓が衰えるという悪循環に陥ってしまいます。また体が酸性に傾くと尿が酸性化して尿路結石ができやすくなるというリスクもあります。尿路結石は1度できると再発しやすくて激痛や血尿など様々な恐ろしい症状に悩まされることになります。

バランスのよい食生活は、規則正しい生活リズムづくりの一助になると言われています。さらに梅干を始めとするアルカリ性食品の多くは、ミネラルが豊富で美肌効果をもたすとも言われています。

重曹(炭酸水素ナトリウム)ドリンク!?

重曹(炭酸水素ナトリウム)を飲むと健康に良いと言われていますが、炭酸水素ナトリウムはアルカリ性に分類されます。人体はpH7.3〜7.4くらいで弱アルカリ性の状態が健康的とされ、体が酸性に傾くと病気になりやすいと言われています。そのため炭酸水素ナトリウムである重曹を摂取することで、アルカリ性に体を傾けると体が良くなるという話があります。

しかし、健康体の人が酸性のものを沢山食べた、飲んだからといって、体は直ぐに酸性に傾きません。なぜなら腎臓や肺が体内のpHを綿密に調整しているからです。私たちは呼吸を通じて二酸化炭素を排出し、腎臓から老廃物を排出することで、体のpHを7.2〜7.3くらいに保っています。そのため腎臓や肺の機能が悪いといった方でなければ、体のpHがアルカリ性から酸性に大きく傾くことはありません。

もちろん、体を酸性にしないためにアルカリ性の食べ物を摂ると言う考え自体は悪くはありません。そして重曹を飲むと体が楽になる方もいます。例えば重曹を飲むと、体内では胃を通過しますが、胃の中には胃酸があります。胃酸は酸性のため、胃酸が多く分泌される方や逆流性食道炎の方は重曹(炭酸水素ナトリウム)を飲むことで中和されます。その結果、胃のムカムカ感がすっきりすることがあります。

重曹を使う注意点として、重層は炭酸水素ナトリウムであるため塩分を多く含んでいます。重曹1gあたり、塩分が0.7g含まれていると言われています。そのため自分は塩分を摂っているつもりがなくても、少しずつ飲んでいるうちに塩分過多になる可能性があります。塩分は、多く摂ると疾患になりやすい栄養成分の1つです。塩分を過剰に摂取すると高血圧などの疾患の原因になると言われています。

一方で、皮膚は弱酸性に保たれているため、アルカリ性の重曹をお肌に使用するとピーリング効果のようなものが得られます。例えばお風呂に重曹を入れるとお肌がツルツルになる効果もあります。実は重曹にクエン酸を加えると、混ぜることで発泡が起こり、レモンソーダのような味になります。さらに蜂蜜を加えると、ラムネのような味になり、少し美味しくなります。

※重曹(炭酸水素ナトリウム)は塩分(ナトリウム)を多く含みます。飲用は体質改善や病気の予防・治療を目的とするものではありません。高血圧・腎臓病のある方、妊娠中の方、減塩が必要な方は飲用を避け、続ける前に医師・薬剤師にご相談ください。

ミネラル不足の現代人

体のサビであり、老化の原因となる酸化を防ぐためには、適切な抗酸化物質やビタミン、ミネラルが必須であり、糖質が多い食品や異性化糖を避けることが大切です。この中でミネラルは、体にとって重要な栄養素にもなんとなくしか理解していない方が多い印象です。

ミネラルは人の臓器や組織の反応を円滑に働かせるために絶対的に必要な栄養素です。さらにミネラルは体の中でつくることはできず、食物として外から摂取する必要があります。ミネラルはしっかりと摂取できているかどうかが健康を左右するといっても過言ではありません。

体を構成する要素は、酸素、水素、炭素、窒素で約96%を占め、残りの4%をミネラル(無機質)と言います。この僅かなミネラルが体の構成成分や生理機能を調整するなどの重要な役割を担っています。またミネラルの中でも健康を維持するのに欠かせない16種類を必須ミネラルといい、主要ミネラルが7種類、微量ミネラルが9種類あります。

ここで問題になるのが、ミネラルを食物から摂ることが難しくなっていることです。環境汚染などによりミネラル不足の土壌からはミネラル不足の野菜しか取れません。野菜の栄養価は激減しており、例えばほうれん草に含む鉄分は1950年では100mg中13mg、2015年では100mg中2mgになっています。その他人参や大根などの野菜でも80%以上も減少しています。

このように現代人の栄養解析をすると鉄、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルが不足している人が珍しくない状態になっています。さらに農作物のミネラル不足だけでなく、加工食品の蔓延する事態を悪化させる原因になっています。

天然塩・マグネシウムの重要性

天然塩のマルチミネラル

私たち人間が生きていくために必須の要素の一つであるミネラルは、塩をはじめとした無機塩類の総称で、私たちが普通塩と呼んでいるナトリウム以外にもカリウムやマグネシウム、カルシウムなど様々な種類があります。

中でも絶対に摂らないといけないものがナトリウムとカリウムです。ナトリウムとカリウムは、健康にとって必須のミネラルですが、ナトリウムとカリウムのバランスが悪くなってしまうと様々な不調をきたします。そしてミネラルバランスの悪化によって、特に影響を受けやすいのがメンタルです。

例えば、暑い夏の日に汗をかいた時にミネラルの入っていない水を飲むと、血液中のナトリウム濃度が低下し、低ナトリウム血症となります。低ナトリウム血症は、血液濃度が下がることで脳が水によってむくみ、脳機能が障害され頭がボーッとしてきます。さらに低ナトリウム状態が悪化すると動作や反応が鈍くなり、疲労感や頭痛、そして憂鬱など様々なメンタルの悪影響が起こります。

この低ナトリウム血症を予防するために、普段の生活でナトリウムを沢山摂ることが良いと思うかも知れませんが、過剰なナトリウム摂取による血圧の上昇し、血圧が慢性的に高止まりし続けると様々な不調が起こります。このようにナトリウム濃度は高すぎても低すぎても良くなく、丁度良いバランスを維持するのが重要になります。そのため、おすすめしたいのがカリウムの摂取です。

ナトリウムと同じくミネラルに分類されるカリウムは、ナトリウムとは真逆の効果があり、血圧を下げてくれることが分かっています。つまりナトリウムとカリウムを同時に摂取することで体内のナトリウム濃度が丁度良いバランスに保たれます。

またカリウムは血圧を下げてくれるだけではなく、体中の筋肉の状態を良好に保つ働きもします。カリウムは脳と筋肉をつないでいる非常に重要なメッセンジャーの役割をしています。例えば何か動作をしようとした時に神経が興奮することで、その信号が筋肉に伝わって筋収縮が起こります。このような筋収縮のメカニズムに不可欠なミネラルがカリウムです。

このナトリウムとカリウムを同時に摂れるのが「天然の塩」です。天然の海水から作られた塩には、海からの恵みである素晴らしいミネラルの数々が含まれています。また天然塩にはマグネシウムやマンガン、硫黄など、なかなか他の食材からを摂ることが難しい栄養素も豊富に含まれています。このことから天然塩はまさに自然の「マルチミネラル」といっても過言ではありません。

アンチエイジングに重要なマグネシウム

天然塩 vs 精製塩+4大ミネラル

私たちの周りで馴染みのあるミネラルは塩です。塩は生命の起源でもあり、海のミネラルを細胞に行き届かせることが大切です。塩は生活習慣病の元凶とも言われ、血圧が高くしないためにも減塩を指導されることが多くあります。そもそも高血圧の予防や改善のために塩分を控えるように言われるのは、ナトリウム過剰をさせるためです。

しかし、減塩も行き過ぎるとナトリウム不足が欠乏し、低血圧や無気力につながります。大切なのは減塩ではなく、塩分コントロールであり、塩の選び方です。食塩と書かれた塩は、ほぼナトリウムであり、海水からつくられた塩はにがりが含まれており、マグネシウムやカリウムなどが豊富です。

海水から作られた塩は、カリウムが多く含まれているため、体内の余分なナトリウムを排出し、ナトリウムだけの精製塩とは全く違う塩です。その他にも亜鉛、鉄、銅、マンガン、ホウ素、クロムなど全21種類のミネラルが含まれているため、体内のミネラルバランスを整え、ホルモンバランスの乱れを修復してくれます。

一方で、生物がエネルギー代謝を始めた時に、最初に使われたミネラルが鉄です。その後の進化の過程で、マグネシウムやビタミンBやCを利用してエネルギー代謝ができるようになりました。つまり鉄はすべての生物のエネルギー代謝において根幹になるミネラルです。そのため鉄が不足すると、いくら他のミネラルを摂っても効果があまり得られないため、まずは鉄とタンパク質を補うことが大切です。

また、健康や美容にとって重要なミネラルは、鉄、マグネシウム、亜鉛、セレンの4種類です。特にマグネシウムは、体の中の細胞や骨に存在し、代謝をはじめとするあらゆる生命活動に関与しています。マグネシウムは、神経系や筋肉の収縮、健康な骨や歯の形成など、体内の酵素反応に欠かせません。また人の活動エネルギーであるATPをつくるためにミトコンドリアで必要な最重要ミネラルです。鉄はこのマグネシウムが不足している状態ではエネルギーを生み出すことができません。

マグネシウムは体内の多くの反応に関わるミネラルで、加齢とともに吸収量が変化するという研究報告もあります。理由は、70歳では30歳と比べて、マグネシウムの吸収量が2/3に低下するからです。

梅干しのアルカリ性

梅干し・梅肉エキスの健康効果

古くから風邪などで梅干しを食べると良いことを民間療法として伝えられてきました。その梅干しの効能について、科学的な裏付けが得られてきています。特に梅干しの高いアルカリ性が注目されています。

酸性とアルカリ性のバランスのことを酸塩基平衡と言いますが、このバランスを表す数値としてpHが用いられます。PH7.0 が中性であり、一般に体は正常な値でPH7.4程度の弱アルカリに傾いています。しかし細胞に慢性炎症が起きたり、体に長期間ストレスがかかったりなどで、私たちの体は酸性に傾いていくことが分かっています。この体の酸塩基平衡が酸性に傾くことを「アシドーシス」と言います。

アシドーシスになると、だるさや疲労感、免疫力の低下など様々な不調をきたすようになります。さらに消化管でのビタミンB群の吸収が悪くなるため、肌に悪影響が表れてしまい、老化する原因の一つです。

このアシドーシスになってしまった体液を、正常なアルカリ性に戻すためにはアルカリ性の食べ物を摂取するというのが簡単です。梅干しの酸っぱさの原因には、クエン酸という酸があり、食べた後に体の中でアルカリ性の物質に変換されてアシドーシスを補正する方向に 働くことが分かっています。

梅干しの他にもレモン、ぬか漬けなど酸味のある食品の多くは、口から摂取することによって消化吸収されて体内でアルカリの性質を発揮します。このことから疲れが貯まったりなどで自然治癒力が低下している時に、酸っぱい食べ物を食べたくなると言われているのは、このような科学的に背景があるからです。一方で体を酸性に傾かせてしまう食品としては、動物性の肉類やお米、パン、アルコール類などが挙げられます。

梅干しの塩分

塩は健康に悪いと言われがちですが、実際は塩分が不足すると体調が悪くなることもあります。つまり塩というのは多すぎても少なすぎても良くありません。特に過剰に体内の塩化ナトリウムの濃度を高めてしまうのが精製塩です。精製塩は、塩化ナトリウムの濃度が99%以上のもので、塩化ナトリウムだけを大量に摂取することになるため体内のミネラルバランスを崩してしまいます。

一方で、塩化ナトリウム以外のミネラルも豊富に含まれている天然塩の場合は、塩化ナトリウムだけを過剰に摂取することにはなりません。特に副腎疲労がある人は、塩分が不足しがちであるため、適切な塩分の補給が大切です。

梅干しは、ナトリウムだけでなくミネラルも豊富でアルカリ性の食品です。ただし塩分濃度が15%以上のものを選ぶことが大切です。減塩の代わりに保存料や人工甘味料などの本来不要な添加物が入っている減塩梅干しが多くなっています。また天然塩と表示されているものを選ぶようにしましょう。

この塩分濃度15%以上の梅干しは、非常にしょっぱいと感じる方もいらっしゃると思います。そういった場合は少しかじってみて、しょっぱすぎると思えば 途中でやめるようにしてください。塩分はその人の体調に応じて摂るのが基本 で、おいしいと感じれば食べて良いと判断してください。

梅干しの健康効果

梅干しと血圧に関する研究

梅干しに含まれる成分と血圧の関係について研究報告があります。そもそも血圧が高くなる原因は、体内のホルモンが大きく関わっています。そのホルモンはアンギオテンシン2というホルモンですが、このホルモンが過剰になると血圧が高くなってしまいます。つまり高血圧は、ホルモンによって引き起こされています。高血圧を引き起こしてしまうホルモンの働きを梅干しが抑えてくれることが分かっています。実験では、このホルモンの働きを梅干を摂取することによって8割から9割抑えることが示されています。ただし梅干しは一般食品であり、高血圧の予防・改善を保証するものではありません。血圧が気になる方は医療機関にご相談ください。

さらに梅干は血液をサラサラにする効果もあります。これは梅干に含まれているクエン酸の効果ですが、クエン酸は体内に入ると酢酸に変化し、血液をサラサラにしてくれたり、血圧を上昇させるホルモンの働きを抑制することも示されています。

梅干しの脂肪燃焼効果

梅干には他にも様々な健康効果があり、その一つが脂肪燃焼効果です。実際、科学的にも認められている健康効果で、梅干しの中に含まれているバニリンという成分が脂肪の燃焼を促進してくれることが分かっています。このバニリンは、梅干の香りの成分で、加熱することによってバニリン量が増えるということも分かっています。

またその他にも、含まれているクエン酸が腸の動きを活発にしてくれる効果もあります。これによって便通改善、腸内環境が整うなど様々な効果をもたらし、ダイエット効果が得られます。さらにクエンさんには、糖や脂肪をエネルギーに変換するのを助けてくれる力があります。

つまり代謝が上がり、その結果脂肪が燃えやすい体になります。実際、梅干しを週に3個以上食べる人は食べていない人に比べてBMI値が低いという結果も出ています。ただし梅干し由来の量で同様の働きが得られるかは明らかではなく、梅干しがダイエットの効果を保証するものではありません。

梅干しと食後の血糖に関する研究

さらに梅干しの健康効果には、血糖値を抑制する効果が示された研究があります。血糖値の乱高下が肥満や老化の原因になっていため、これを梅干しが緩和することが示されています。特に血糖値の乱高下を引き起こすのは、過剰な糖質の摂取が原因のため、白いご飯のお供として梅干を食べるのは非常に理にかった方法です。

なぜ血糖値の上昇を抑制する効果が梅干しにあるのかは、実はそこまではっきりと分かっているわけではありませんが、主に2 つの理由があると考えられています。その1つが水溶性食物繊維を含んでいる点です。水溶性食物繊維は、血糖値の上昇を抑制してくれます。また梅干しに含まれているオレアノール酸という成分が血糖を抑制しているとも考えられています。ただし梅干しは一般食品であり、血糖値を下げる効果を保証するものではありません。血糖が気になる方は医師にご相談ください。

梅干しの老化防止効果

老化防止効果がある食材は様々ありますが、その中でも日本人の体に合うのは梅干しと言われています。老化防止に役立つ理由は、主に含まれている抗酸化成分のウメリグナンにあります。このウメリグナンは強力な抗酸化成分で、老化の原因となる体内の活性酸素を除去してくれる働きがあります。

この活性酸素は全くゼロにすれば良いと言う訳ではありませんが、過剰に体内に存在すると老化を引き起こしてしまうことが分かっています。さらに活性酸素は動脈効果や心筋梗塞の引き金になってしまうなど、見た目の老化だけではなく体内の老化とも深く関係しています。

一方で梅干を見ると口の中に唾液がジワーっと広がりますが、この唾液の中に含まれているパロチンというホルモンは、若返りに必須のホルモンだと言われています。つまり唾液の分泌量を促進することがイコール老化防止に繋がります。ただし抗酸化作用と『老化防止』を直接結びつける効果は確立されていません。

梅肉エキスの健康効果

梅肉エキスは青梅から抽出される自然な成分で、健康に良い効果で注目されています。熟す前の硬い青梅の果汁を絞り、加熱し、煮詰めることで黒いドロドロのエキスになります。果汁は青梅1000gにつき僅か20gから40gしか取れず、とても酸っぱいのが特徴です。

高血圧の改善

梅肉エキスの健康効果には、高血圧の改善が挙げられます。なぜなら血圧を上げるホルモン「アジオテンシンⅡ」の影響を抑える力があるからです。このホルモンは、血圧を上昇させたり、動脈効果を引き起こしたりするのですが、梅肉エキスがこれを抑制することで血圧の上昇を防ぐことができます。

テンプル大学などが行った研究によるとマウスにアジオテンシンⅡを投与し、一部のマウスに梅肉エキスが含まれた水を与えた結果、梅肉エキスを飲んだマウスでは高血圧が軽減されることが分かっています。もちろん、梅干にも一定の効果が期待できると述べており、梅肉エキスや梅干を日常生活の中にいかに取り入れるかが重要であると指摘しています。

また別の動物の実験では、梅肉エキスを摂取したが血管の障害や炎症を防ぐ効果があったことが報告されています。これにより高血圧による血管のダメージを軽減し、長期的に血圧を管理するお手伝いができると考えられています。

そして梅肉エキスに含まれるクエン酸やムメフラールという成分が血流を改善する効果があるとされています。血流がスムーズになることで循環器系全体の健康を支え、血圧を安定させる助けにもなります。たさしこれらは動物を対象とした研究であり、人での効果や疾病の改善を示すものではありません。

免疫力の向上

梅肉エキスには、ムメフラールというフェノール化合物が含まれており、この成分が抗菌・抗ウイルス作用を持っているとされています。特にインフルエンザウイルスやヘルペスウイルスに対して効果があると報告されています。ただし特定のウイルスや免疫機能への効果を保証するものではありません。

さらにバニエキスに含まれるビタミンCやその他の抗酸化物質が免疫細胞の1つである白血球を活性化して、体内の感染源に対する防御機能を高める可能性があります。またクエン酸も豊富に含まれているため、これが体内の有害物質の排出を助け、新陳代謝を促進し、その結果全体的な体の健康が保たれ免疫系の正常な機能がサポートされます。

血栓の予防

血栓は、血管の中で血液が固まってできる塊りのことで、血栓が形成されるとその部分で血流が妨げられ、場合によっては血栓が血管を詰まらせることで深刻な健康問題を引き起こすことがあります。例えば心臓の血管で血栓が詰まると心筋梗塞、脳の血管で詰まると脳梗塞が起こります。

韓国で行われた動物実験によると梅肉エキスに含まれるムメフラールが血流を改善し、血管が詰まるのを抑え、血栓の重さも減らす効果があることが分かっています。ただし人での効果や、疾病の予防・改善を示すものではありません。

血糖値の抑制

ムメフラールには、α-グルコシダーゼの阻害という作用があり、この消化酵素を抑えることで炭水化物が単糖に分解されるのを遅らせ、食後の血糖値の急激な上昇を防ぎます。またムメフラールはインスリン感受性の向上にも寄与しており、インスリンの効果を強化することで血糖が細胞に、より効率的に取り込まれるようになります。

さらに抗炎症作用も持っているため、インスリン抵抗性を引き起こす慢性的な炎症を抑え、血糖管理を間接的に助けてくれます。ちなみにムメフラールは梅肉エキスの成分で、梅干には含まれていません。

梅干し・梅肉エキスの健康効果マップ

一物全体食(いちぶつぜんたいしょく)

一物全体食は、1個の食物を丸ごと余すところなくいただく、という考え方です。一物全体食は、古くから仏教などで取り入れられ、民間伝承として受け継がれてきました。近年は、食材を丸ごと食べることの栄養面のメリットを指摘する声もあります。

食物を丸ごと食べるということは、当然ながらその栄養素が全て含まれています。例えば一物全体食として有名なものに大根があります。大根は、葉っぱや根も食べることができ、普段捨ててしまうようなところに豊富な栄養素が含まれています。大根の葉にはβ-カロテンが含まれていたり、ビタミンC、葉酸、カルシウムなどが含まれます。

一物全体食では、野菜はできるだけ皮をむかず、葉や根も使い、魚は切り身よりもまるごとの小魚を食べること、そして米は白米よりも、精白しない玄米を食べることが一物全体食の食事法です。

今日からできるアルカリ性体質チェック

ここまで紹介してきた内容を、今日から実践できる3つのステップにまとめます。

【ステップ1】まずは食事の8割をアルカリ性食品にシフト
野菜・海藻・きのこ・梅干し・大豆製品を積極的に。酸性食品(肉・白米・砂糖・加工食品)を完全に避ける必要はなく、比率を意識するだけで十分です。

【ステップ2】精製塩を天然塩に置き換える
普段の調味料を、マグネシウムやカリウムを含む天然塩に変えるだけで、ミネラル摂取量が底上げされます。

【ステップ3】1日1粒の梅干しを習慣にする
クエン酸とミネラルを手軽に補給でき、続けやすいのが魅力です。

無理なく続けられる小さな習慣から、バランスのよい食生活を始めてみましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. アルカリ性食品を食べれば血液はアルカリ性になりますか?
A. いいえ。血液のpHは腎臓と肺の働きで常に7.35〜7.45に保たれており、食事だけで大きく変化することはありません。アルカリ性食品の摂取は、ミネラルバランスを整え、体調不良の原因となる酸性老廃物の蓄積を防ぐことを目的としています。

Q. 酸性体質かどうかはどうやってわかりますか?
A. 血液検査で直接わかるものではありませんが、慢性的な疲労感、体臭、肌荒れ、便秘などが続く場合は、ミネラル不足や食生活の偏りや生活習慣の乱れのサインと言われることがあります。気になる症状が続く場合は医療機関にご相談ください。

Q. 天然塩と精製塩、結局どちらを選べばいいですか?
A. 精製塩はナトリウムがほぼ100%である一方、天然塩にはマグネシウム・カリウムなど21種類前後のミネラルが含まれます。日常使いの塩を天然塩に置き換えるだけで、無理なくミネラル補給ができます。

【本コラムの監修】

HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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