ダイエットには玄米

    ダイエットには玄米

    確かに太りやすい人と太りにくい人がおり、それは遺伝的な影響が大きいと考えられていましたが、実は遺伝子が肥満に与える影響は30%に過ぎません。残りの70%は、仮に太りやすい遺伝子を持っていても太りにくい体質に変えることができることになります。同じ遺伝子でも一部を微妙に異なる遺伝子タイプに変えていくこと、そしてそれを引き起こしていくことをエピジェネティクスと言います。

    エピジェネティクスとは

    現代の食事は、高カロリー、高脂肪の食事に晒されており、歴史上これまでになかったにも関わらず、私たち自身の体は昔の日本人と比べて大して変わっていません。これほどの高カロリー、高脂肪の食事に晒されることは、私たちの体にとって大きなストレスです。そのストレスに対して、体はストレス反応を活性化させることで対応してきました。

    エピジェネティクスは、DNAそのものは変化させずに、あるストレスに対してDNA内で発現されるスイッチをオンにしオフにしたりする仕組みのことです。つまり太りにくい体質の人は、太る要因をコントロールするエピジェネティクスが行われてきたということです。このエピジェネティクスを利用して、太らない体になるようなスイッチを入れていけば良いということになります。

    研究で明らかになったダイエットスイッチ

    マウスを使った実験によると妊娠中に食物繊維をたくさん取ったマウスから生まれた子マウスは、他のマウスに比べて成長してから体重が20%も少ないという結果になりました。これは善玉菌が食物繊維を分解してできる短鎖脂肪酸という物質が、妊娠マウスを通して子マウスの体にも入り、様々な臓器に働きかけることでエピジェネティクスが働いたと考えられています。

    また、成人後の生活習慣によって肥満スイッチを切ったり、入れたりできることが実験によって明らかになっています。動物性脂肪依存症になって肥満になったマウスの脳では、エピジェネティクスがオフになっていましたが、そこでその遺伝子スイッチをオンに切り替える物質を使ったところ、取り憑かれたように脂肪を欲しがっていたマウスが、その依存から抜け出すことができたという報告があります。

    このようなスイッチを切り替える物質を私たちにも使えば太りにくい体になる方向へと促すことができるかも知れませんが、現時点では承認されてはいません。そこで同じような効果を期待できるのが玄米です。

    玄米のγ-オリザノール

    玄米には、エピジェネティクス変異を修正して、動物性脂肪への依存症を和らげるという報告があります。玄米を食べることで肥満予防を始め、糖尿病予防、睡眠の改善という3つの効果が期待できます。

    玄米は体に良いとなんとなく言われていましたが、そのメカニズムは詳しく分かっていませんでした。しかし琉球大学の研究チームによって世界で初めて玄米に高い濃度で含まれている「γ-オリザノール」という成分に、肥満や糖尿病を予防する効果があることが解明されています。

    γ-オリザノールには、動物性脂肪への依存症を和らげる効果があることが研究の結果分かっています。私たちは高脂肪食の摂取を続けることによって視床下部にある小胞体で代謝 ストレスが高まり、高脂肪食への依存性が高まってしまいます。そのストレスを抑制する4 -フェニル酪酸という物質があり、それがγ-オリザノールの化学構造式が似ていることが発見されました。

    そのことからγ-オリザノールが小胞体で起きているストレスを低下させ、高脂肪への依存性を軽減することを始め、食欲を抑える効果が解明されています。つまりγ-オリザノールが、エピジェネティクスを切り替える成分なのです。この成分は、胚芽を取り除く前の糠部分に多く含まれているため、残念ながら白米からは摂取できません。

    また、糖尿病も予防効果もγ-オリザノールの働きです。新型糖尿病は、インスリンを分泌する膵臓の細胞が減っていくことでインスリンが少なくなり、血糖値が上がることです。この 視床下部の小胞体でのストレスが積み重なっていくと、膵臓にあるインスリンを製造するβ細胞がどんどん死んでしまいます。そのため小胞体でのストレスを軽減していくことは、β細胞の細胞死を抑制し、インスリン分泌を増やしていくことにもつながります。

    これらは人の研究でも効果が出ており、研究ではメタボの日本人男性を2つのグループに 分け、初めのグループに白米を2合食べてもらい、その後に玄米を2ヶ月食べてもらいました。すると玄米を2ヶ月食べた後に体重と肥満度を示すBMIが減少し、インスリンの利き目が良くなるとともに、コレステロール値も改善したという結果になりました。一方もう 1つのグループは、先に玄米を2ヶ月食べてもらい、それから白米に変えて2ヶ月食べてもらいました。その結果、そのグループは体重が増加しただけでなく、玄米を食べている時の望ましい効果が消えて、実験開始前の状態に戻ってしまっていました。

    さらにアメリカでも白米と玄米を糖尿病予備軍である男女に食べ比べてもらうという実験の結果があり、玄米を始めとする全粒穀物には、糖尿病を予防する効果が見られるという結果が出ています。

    さらにγ-オリザノールという成分には、高脂肪食依存を抑えることによって抗肥満、そしてβ細胞減少を減らすことによる抗糖尿病効果があるという研究結果が英国糖尿病学会Diabetesに、そして米国内分泌会が発行する医学史Endocrinologyも発表されています。一方で糖尿病食には低GI食が勧められており、その値が低いか高いかの目安は60と言われています。白米は88と高GI食に当たりますが、玄米は白米と同じ米でありながら豊富な食物繊維を含んでいて消化吸収が遅いため55と低GI食になっています。さらにGL値についても白米が47 程度に対して、玄米は30程度になっています。そしてGI値は睡眠の質やうつ病にも関わっています。

    7万7860人の閉経後の女性を3年間追跡調査した研究結果では、食後のGI値が高いグループでは、不眠症の発症リスクが16%高く、うつ病の有病率が11%高いことが分かっています。逆に食物繊維摂取量が多いほど不眠症のリスクが低下することが分かっています。そして玄米には白米の6倍の食物繊維が含まれています。腸の中で善玉菌が食物繊維を分解してできる短鎖脂肪酸という物質が大腸でのカルシウム、マグネシウム、鉄といったミネラルの吸収を促すとともに、肝臓でコレステロールが作られるのを抑え、内臓脂肪を集中的に減少させてくれることが分かっています。

    玄米の毒素について

    玄米の毒について良く言われていますが、結論はほぼ気にしなくて良いことが分かっています。2010年に米国環境保護庁が植物調整剤として玄米の毒と言われているアプシジン酸を使用しても幼児や子供を含めた消費者に、健康被害が生じる可能性はほとんどないという発表をしています。さらにミネラルの吸収を阻害すると言われている フェチン酸についてもほぼ心配ないということが分かっています。

    どうしても気になる場合、玄米を20から30度の常温で12時間以上浸水させると発芽準備が整うことによってアプシジン酸が60%から70%減少することが確認されています。さらに18時間から24時間かけて浸水させるとアプシジン酸が無毒化するだけではなく、栄養化が高くなり栄養の吸収もさらに良くなります。

    また農薬やヒ素が入っていることも聞いたことがあるかも知れませんが、ヒ素はそもそも自然界の土壌や水中に広く存在するため完全に避けることは難しいです。それに農林水産省が平成25年に発表した内容によると、今のところ食品を通じたヒ素の摂取については問題にしていません。そもそも米に含まれるヒ素が体に猛毒であれば、米を試食にしている日本人にはもっと前から健康被害があるでしょう。

    一方で農薬の問題については、確かに玄米には残留農薬がついているものがほとんどなのは事実なので、有機JAS認定マークを目安に玄米選びをすることが大事です。また玄米を研ぐ時、米全体を手で拝むようにすり合わせてしっかり洗うと、浸水させている時に多少は農薬が緩和されます。何れにせよ、玄米のヒ素や農薬の問題は、玄米を丁寧に洗ったり、時間をかけて浸水させたりすることである程度解決できるでしょう。

    玄米のデメリット

    玄米で下痢と便秘を繰り返したり、腸があまり強い方ではない方は、不溶性の食物繊維を摂ることで症状が悪化してしまうことがあります。またSIBOと呼ばれる小腸内細菌増殖症の方も食物繊維が小腸内での細菌を増殖させてしまうからお勧めできません。また腎臓病の方もリンとカリウムを多く含む玄米を食べるのは注意が必要です。

    一方で玄米を食べるとお腹が緩くなる人は、いつも以上によく噛んで食べることで解決されることが多いです。唾液に含まれる消化酵素が玄米を分解、消化吸収しやすくしてくれるため、よく噛むことで胃腸への負担を和らげることができます。

    太って見える原因「むくみ」

    1日中デスクに向かっていると足がパンパンに感じる人が多いです。むくみは体に蓄えられた水分が必要以上に溜まっている状態であり、足だけでなく顔がむくむ人もいます。そのむくみの原因はナトリウムの過剰摂取や体内の循環が悪いことが原因です。例えば塩分量が多い食事を続けていると体内の浸透圧バランスが崩れて必要以上に水分を蓄えてしまいます。

    対策には、カリウムが有効です。カリウムには体内に溜まった余分な水分を排出する効果があります。もちろん摂り過ぎるのはNGで、カリウムとナトリウム塩は相互に作用して体内の浸透圧を決定する因子であり、酸・塩基平衡を維持する作用があるとされています。浸透圧つまりは体内の水分バランスを保つために吸収と排泄を促す働きをしています。カリウムを多く含む食材は、海藻 キノコ、豆類、緑王食野菜などです。

    太って見える原因「便秘」

    ガスが溜まったり、排泄が滞ったりするとぽっこりお腹の原因になります。便秘の原因は、腸内環境の悪化や大腸によって水分を吸収され過ぎた便が硬くなってしまったり、腸そのものの働きが弱くなっているからとされています。これらが起こる理由は、偏った食事と運動不足、自律神経の乱れなどが挙げられます。

    便秘対策には食物繊維と発酵食品が有効です。食物繊維には2種類あり、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。不溶性には不要な糖や脂肪を絡め、取って排泄を促してくれ、水溶性には便を柔らかくしてくれる働きがあります。特に便が硬いタイプの人には水溶性食物繊維を多めに摂ることをお勧めします。

    一方の発酵食品には腸内環境を整えてくれるものが多く含まれており、腸内細菌には善玉菌、悪玉菌、日和見菌が存在します。調子を崩している時は悪玉菌優位になっている可能性が高いと言えます。具体的な食材で言うと食物繊維は、キノコ類、海藻類、ごぼう、発酵食品はヨーグルト、チーズ、キムチ、納豆、味噌、麹などがあります。

    太って見える原因「姿勢」

    良い姿勢が美人を作ると言っても過言ではなく、実際の体重の数値よりも見た目における印象は姿勢に大きく左右されています。また普段の姿勢が悪いとお腹周りに脂肪がつきやすいと言われています。さらに普段の姿勢の悪さは、体が歪むだけではなく、消化器官を含む内臓働きにも影響して、結果太りやすくなるとされています。

    また、猫背姿勢を直そうとして腰を前に出してしまう人が多くいますが、これは腰痛の原因になってしまいます。対策には反り腰ではなく胸を張ることが重要です。胸を張るには肩の力を抜いて肩甲骨を下げるのがポイントです。鏡を見ながら腰を反らずに胸を開く練習をしてみましょう。

    そして股関節周りの筋肉を意識することも大事です。股関節を動かしていないと可動域が狭くなる上、体幹を支える筋肉が衰えます。その結果体を支えられなくなり、姿勢を崩しがちになります。運動としての対策は、胸を張って姿勢を正し、できるだけ大股で腕を振って歩くのが有効です。

    本コラムの監修】

    恵比寿院長

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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