東洋医学的に診る「口が臭い・おならが臭い」

    東洋医学的に診る「口が臭い・おならが臭い」

    口が臭い人は、肝臓が悪い時に出るサインです。肝心という言葉がある通り、肝臓は心臓や腎臓と並んで、私たちの健康のために非常に重要な臓器です。また肝臓は腎臓と同様に、沈黙の臓器とも言われ、少しぐらい悪くなっても症状が出ることがなく、そのため普段の生活の中で肝臓の重要性を忘れがちになっており、多くの人が肝臓にとって悪い生活習慣を平気な顔をして送ってしまっているというのが現状です。肝臓が長年ダメージを受け続けてしまうと、それまで我慢し続けていた肝臓は、もう無理ですと急に悲鳴を上げて、体に様々な辛い症状が現れます。

    そもそも肝臓とは

    胃や脳といった臓器であればどこにあって何をしているかが明確です。胃腸であればお腹の中にあって消化吸収の働きを担っています。脳は頭の中にあり、思考したり、記憶を蓄積する働きがあります。一方で肝臓は、お腹の右側に存在する非常に大きな臓器で、成人ではおよそ1kgもあり、内臓の中では最も大きな臓器の1つとされています。そして肝臓には主に3つの重要な働きがあります。それが、タンパク質の合成、有害な物質の解毒、胆汁の合成です。

    タンパク質の合成

    タンパク質の合は、私たちが生きていためになくてはならない働きです。タンパク質と言うと筋肉をイメージしますが、もちろん筋肉も健康に生きていくために大切なタンパク質の1つです特に年を取ると筋肉が不足しがちになるため、食事からタンパク質を摂って、筋肉を合成することは重要なことです。

    しかし、私たちの生体内に存在するタンパク質は筋肉だけではなく、むしろ筋肉よりももっと重要なタンパク質が酵素です。酵素は私たちの体の中で化学反応を促進してくれるタンパク質です。私たちの体の中では日々様々な化学反応が起こっており、消化吸収、脂肪分解、エネルギー消費など、私たちの体の中で起こっている99%が化学反応によって成り立っていると言えます。このような化学反応を促進してくれるタンパク質が酵素です。そして酵素の多くは肝臓の中で作られており、肝臓が悪くなってしまうと酵素が適切に作られず、私たちの体で化学反応が円滑に起こらなくなってしまいます。その結果、代謝を始めとして様々なシステムに異常をきたし、健康が害されてしまうことになります。

    有害な物質の解毒

    私たちはどれほど健康に気を使っていても、どうしても食事から有害な物質を 摂取してしまいます。食事から摂取したもののみならず、私たちの体の中では代謝の過程で様々な老廃物が生まれてしまいます。このような老廃物を解毒してくれるのも肝臓の働きの1つです。肝臓が悪くなるとアルコールを始めとする外来物質の解毒ができなくなるのみならず、このような体内で発生した老廃物の分解ができなくなってしまいます。そうなると体内に老廃物がどんどん溜まることで様々な障害が起きてきます。

    胆汁の合成

    胆汁は肝臓から腸に分泌されて、私たちが食べた脂肪やタンパク質を分解しやすくしてくれる液体です。このような胆汁の働きによって、私たちの腸管は脂肪やタンパク質を吸収して、栄養素として取り込むことができます。そのため胆汁がなければ、これらの栄養素を摂り込むことができず、栄養失調に陥ってしまいます。

    肝臓が悪い時に起こる症状

    口が強烈に臭くなってしまう

    口臭は口の中だけではなく、肝臓が原因で起こっているかも知れません。なぜなら肝臓の機能が悪化すると口臭が臭い下水のような匂いになることが知られています。あるいは人によってはカビ臭いような口臭と表現されることもあります。このような口臭は、まさしく肝臓の重要な機能の1つの解毒機能が肝機能の低下によって障害されて起こります。

    健康的な肝臓において分解される毒素の代表例としてアンモニアがあります。アンモニアは私たちの体にとって非常に有害な物質です。私たちの体の中ではタンパク質を合成するために常にアミノ酸が代謝されています。タンパク質が20種類のアミノ酸の組み合わせによってできており、アミノ酸代謝は生きていくために必須の機能です。しかし、その過程でどうしても毒素であるアンモニアが生じてしまいます。

    正常な健康的な肝臓においては、このような非常に有毒なアンモニアを分解してくれる機能が備わっています。それをオルニチン回路と言います。オルニチン回路では、肝臓の中で有害なアンモニアがオルニチンと反応して、体にとって無害な尿素という物質に変換されます。こうして変換された尿素がおしっこと一緒に出ていくことによって有害な物質が体の外に排泄されます。

    しかし、オルニチン回路が正常に働くことができないと、体の中にアンモニアが溜まっていってしまい、そして溜まったアンモニアが血液中に漏れ出すと、ついには肺に届き、呼吸と共に私たちの口から排出されます。そのアンモニア の匂いこそが口臭の原因です。

    余談ですが、口臭は口腔内の汚れや肝臓の機能の低下のみによって起こるものではありません。体の不調によって口臭が起こってしまうケースは他にもまだあります。口腔内や肝臓以外の原因によって口臭が出てしまケースの1つとして胃が挙げられます。いわゆる胃口臭というものです。胃による口臭ではたまごの腐ったような匂いがするというのが特徴的になります。胃炎になると当然私たちの胃が正常に働かなくなります。そのため胃の中に消化しきれなかった食べ物が滞留するようになります。このように長期間滞留した食べ物の残りカスが腐ることによって、その匂いが口から出てきてしまいます。つまり胃の中がゴミ屋敷状態になっているというわけです

    現代、日本人の胃炎の原因の最たるものはストレスです。ストレスフルな生活を送っている人はどんどん胃が悪くなって、胃に炎症が起きて胃炎になり、胃に腐った食べカスが溜まることで不敗臭のする口臭の原因となってしまいます。

    また、口から魚の腐ったような生臭い匂いがするという人は、副鼻腔炎が原因となっているかもしれません。鼻の中には、副鼻腔というたくさんの空洞が存在します。このような空洞に細菌や膿が溜まってしまうことで副鼻腔炎を発症します。副鼻腔炎が進行すると副鼻腔に溜まった膿が溢れ出てきて、ドロドロの海が喉に流れ込んできます。このような膿の流れ込みを後鼻漏と言います。後鼻漏は臭くて汚い膿が口の中に溢れ出てくることに他ならないため、当然口臭にも影響を与えます。

    さらに副鼻腔炎では、鼻茸によって鼻が詰まることで口呼吸になり、口が乾いてしまうことも口臭の原因となります。鼻炎を患っている人は、慢性のものと急性のものを合わせると日本ではおよそ200万人いると言われています。特に慢性の副鼻腔炎は、これをやれば絶対に治るという根治的な治療法がまだ確立されておらず、様々な耳鼻のクリニックを回っても全然治らないということで長年悩んでいる方も多くいます。

    最近では、副鼻腔炎は鼻や喉が原因ではなく副鼻腔からは遠く離れた腸が原因である可能性も指摘されています。なぜなら副鼻腔炎は、大きな分類で言うところの免疫の異常にあたり、免疫を司っている中枢こそが私たちの腸内環境に他ならないからです。特にアレルギー性の副鼻腔炎は、腸内環境の改善によって良くなるケースが多々あると言われています。

    皮膚の痒み

    肝が悪い時に出る症状は、皮膚が痒くなってしまうという症状です。肝臓の機能が低下することによって皮膚の痒みが出てしまう原因の1つとして胆汁うっ滞が挙げられます。肝機能の大切な機能として胆汁を作ることを挙げました。肝臓で作られた胆汁は一旦、胆嚢という袋の中に蓄えられ、必要に応じて消化の際に腸内に分泌されます。しかし肝機能が悪化してしまうと、このような胆汁が正常に合成されないばかりか、胆汁の流れが悪くなり腸内に分泌されません。腸管に分泌されなかった胆汁は、肝臓の中に溜まり、肝臓の中にうっ滞した胆汁は逃げ場がなくなって、そのうち血液中に漏れ出てしまいます。そして血液中に漏れ出た胆汁が、私たちの皮膚の組織に届いてしまうことによって、非常に強い痒みを引き起こしてしまいます。

    さらに、痒みに並ぶ肝機能の低下による皮膚のトラブルとして、黄疸(おうだん)が挙げられます。黄疸は、お肌が黄色くなってしまうことです。このような黄疸もまた胆汁うっ滞が原因です。胆汁は、非常に強い緑色したドロドロの液体で、それが皮膚にまで漏れ出すことで大切なお肌を黄色く染めてしまいます。さらに肝機能の悪化が進行すると、私たちの白目にまで胆汁が漏れ出して、目玉を黄色く染めてしまいます。

    急激に太る

    肝機能の低下で起こる症状に、何だか分からないけれど急激に太るということ であります。その激太りは、もしかすると肝臓の機能の低下が原因かもしれません。肝臓の機能が低下することで急速に太ってしまう原因は、脂肪の蓄積ではなく、むくみにあります。肝臓は様々なタンパク質を合成する化学工場です。先ほど肝臓で合成されるタンパク質の例として、筋肉と酵素を上げましたが、これら以外にも様々なタンパク質が肝臓で作られています。その代表例がアルブミンです。

    アルブミンは、血液内に存在し、水分を引き寄せるという働きがあります。私たちの血管は、ただの管ではありません。その管には無数の穴が空いていて、水分や酸素、栄養などが自由に行き来できるようになっています。そのため何も対策をしないと私たちの血管からは、どんどん水分が組織に漏れ出してしまいます。このような水の漏れ出しを防ぐために存在しているのがアルブミンです。

    アルブミンは、ある種のスポンジのようなものです。水のある場所にスポンジをポンと置くと水を吸収してくれますが、同じように血管内に存在するアルブミンが水を引き寄せることで血管内から組織に水分が漏れ出してしまうのを防いでいます。また肝臓はアルブミンを合成するという働きがありますが、肝臓の機能が低下するとアルブミンの合成能力も当然低下します。そうなると血液中の水分を止めておくことが出来ず、血管から水分が組織に漏れ出してしまう ことになります。このように水分が組織に漏れ出してしまった結果がむくみです。

    重力の関係でむくみは足に出やすいですが、このような足のむくみのみならず肝機能の低下によって、お腹の中にまで水分が漏れ出して腹水という状態になります。腹水では腹空内に漏れ出した水分によってお腹が膨れ上がります。このような肝機能の低下が原因で太るため、いくらダイエットを頑張ったところで改善はしません。

    肝臓が疲労する野菜

    肝臓に悪い生野菜は、体に悪い残留農薬がついた生野菜のことです。肝臓は、私たちの体の中に存在する有害な毒素を解毒してくれる働きがあります。そのため野菜についた残留農薬も肝臓で分解されていきます。ですが肝臓はどんな 毒素でも分解してくれるというわけではありません。体に悪い食べ物を食べまくって体の中に毒が溢れてしまうと肝臓の解毒機能が追いつかなくなり、肝臓は疲れきってしまいます。そして毒素を処理できなくなってしまいます。このように肝臓が疲弊すると、当然肝機能が下がって様々な症状が現れることになります。

    残留の薬を回避するためには、オーガニック野菜を食べるのが一番でしょう。とはいえオーガニック野菜は、値段が高いというのが気になるところなので、生野菜を食べる時は、しっかりと洗ってから食べるようにしましょう。日本で作られている国産の野菜であれば、多くの野菜が水溶性の農薬によって育てられています。そのためしっかりと水洗いをすれば有害な農薬のほとんどを洗い流すことができると言われています。一方で安く手に入るような外国産の野菜では水では洗い流すことができない脂溶性の農薬が使われているケースもあります。このような農薬は水洗いしても取れません。

    肝機能を低下させるサプリ

    2020年のアメリカの研究で、マルチビタミンサプリメントを飲んでいる人と飲んでいない人では、健康上に明確な差が見られないことが分かっています。それどころかサプリメントを飲むことによって、私たちの肝臓を傷つけてしまう可能性すら指摘されています。サプリメントの多くは、私たちの肝臓の中で代謝されます。本来栄養素は、天然の食材から摂るべきものであり、天然の食材には様々な栄養素がバランスよく含まれているため、単一の栄養素のみが偏ってしまうことはありません。しかしサプリメントは単一の栄養素を人工的に効率よく取れるように作られています。そのためサプリメントを飲むことで、肝臓の単一の代謝回路だけに余計な負担がかかってしまいます。

    もちろん、中には酸化していないDHAやEPAのサプリメントなど天然の食材からはなかなか摂りづらい栄養素を含んだ体に良いサプリメントも存在してい ます。ですが多くの場合サプリメントの健康効果は、天然の食材には劣るため、栄養というのはできる限りサプリメントからではなくて天然の食材からバランスよく摂るように心がけましょう。

    肝機能を悪化させるアルコール

    アルコールは、それを分解する肝臓に大きな負担をかけて脂肪感や肝硬変、さらには肝癌の原因になってしまいます。日本人の肝硬変の原因として最も多いものは肝炎ウイルスによるものと考えられています。肝炎ウイルスは母子感染と言って母親から子供にも感染してしまうものですから、自分自身の生活習慣の改善によって防ぐことができるものではありません。ですが同じく肝硬変の原因として非常に頻度の高いアルコールは、自分自身の努力によって抑えることが可能です。

    口臭の分類

    口臭の分類には大きく分けて真性口臭症、仮性口臭症、口臭恐怖症の3つがあります。

    • 真性口臭症:複数の原因があり、それによって出てしまう口臭。
    • 仮性口臭症:社会的容認限度を超える口臭は認められず、検査結果の説明をすることでほとんどが解決する口臭。
    • 口臭恐怖症:病院で口臭がないと科学的に証明しても、 本人が口臭があると思い込んでしまうこと。この場合は心療内科の受診が進められる。

    臭いがキツイ真性口臭症をさらに大きく分類すると、生理的口臭と病的口臭に分類されます。生理的口臭は誰にでもある口臭で、私たちが生きている上で発する口臭のことです。この口臭の原因は主に4つで、舌苔(ぜったい)による口臭、唾液不足で起こる口臭、乾燥による口臭、ホルモンバランスの変化による口臭、食べ物や飲み物によって起こる口臭があります。

    舌苔による口臭

    この中で一番口臭がきつくなってしまう原因が、舌苔による口臭で、6割が舌苔と言われる汚れと言われています。これが歯を磨いても口臭が予防できない原因の一つです。

    舌苔は、口の中の剥がれた粘膜や食べかす、雑菌や死滅した菌が舌にある舌乳頭と呼ばれる毛のような組織の隙間に入り込んだり、下にこびりついたりして、そして舌苔に色々な菌が付着します。この菌がタンパク質を分解するときに臭いとなって口臭を悪化させてしまいます。つまり歯を磨くだけではなく、舌苔を取らなければ後々口臭が出てしまうことになります。

    そして、このガスの正体は口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物と呼ばれるもので、特徴はたまごが腐ったような匂い(硫化水素)、生臭い、魚や野菜が腐ったような臭い(メチルメルカプタン)、生ゴミのような匂い(ジメルサルファイド)があります。

    次の唾液不足による口の乾燥が原因で起こる口臭は、唾液が少なければ口の中に雑菌が口臭の原因になってしまいます。唾液は、唾液の酵素でデンプンをマルトースに分解する消化作用、味物質を溶解して味覚を促進させる溶解作用、食べ物のカスを洗い流す洗浄作用、抗菌を持つ物質で病原微生物に抵抗する抗菌作用、pHを一定に保ち細菌の繁殖を抑える緩衝作用、表面に皮膜を作り虫歯を防ぐ保護の役割をしています。この唾液の分泌が少ないと食べ物のカスが口の中にたまりやすく、雑菌が大量に発生してしまいます。

    唾液の分泌が少なくなる理由は加齢他、投薬、 ストレス、疲労、喫煙、空腹、糖尿病や腎不全などの疾患、口の筋肉の減少で起こってしまいます。唾液の分泌が減ると虫歯や歯周病の原因にもなるため、唾液を維持するのは口腔ケア全体にとっても大切になっています。

    筋力の低下による口臭

    唾液が出にくくなる理由の一つが口の筋力の低下が大きく関わっているため、まずは咀嚼 をきちんとすることです。咀嚼が多ければ舌苔がつきにくくなることにも繋がるため、これだけで口臭を防ぐことができます。もう一つは指圧によって唾液を強制的に出すやり方があります。

    やり方は簡単で、まず上の奥歯のあたりにある耳下腺と呼ばれる部位を、頬を後ろから前に向かって10回程度軽くマッサージします。次に顎下の内側の骨の柔らかい部分にある顎下腺を5か所程度、下から上に向かって押します。この時点で唾液がジワっと出てくるのが実感できると思います。さらに最後に顎の真下にある舌下線を舌を持ち上げるようにして5回程度押します。もし出てこない場合は、水分が足りていなかったり、成人の4分の1に見られると言われている口腔乾燥症の原因が考えられるため、一度歯科医に見てもらった方が良いでしょう。また、唾液は口の中に異物があると出やすくなるため、ガムなどを口に入れておくのも口臭対策としては有効です。

    ホルモンバランスの変化による口臭

    女性は、体調の変化や加齢で口臭が強くなる人がいると言われています。特に唾液が出にくくなるドライマウスになる人も女性は男性に比べて3倍も多いと言われています。またホルモンバランスの乱れが多いのは女性で、加齢によって女性ホルモンが減少することでも唾液の分泌量は減ってしまいます。さらに女性は、骨密度の低下による歯周病の重症化も口臭がきつくなる原因です。

    食べ物や飲み物による口臭

    実はニンニクなどの強い臭いがするものを食べた場合、口を磨くだけでは完全に臭いを取り除くことはできません。臭いが強いものを食べた時は、臭いの成分が腸で吸収され、それが血液に入って肺から排出されます。よく胃から匂いが上がってくると言う人がいますが、それが本当なら別の病気が隠れている可能性があります。口と胃が繋がる時は、食べ物を飲み込む時だけであり、その他の時は噴門という便によって胃の入り口は閉じられており、疾患がない限り胃の中の匂いが口に上がってくることはありません。そのためニンニクなどを食べた後にブレスケアを飲んでもほとんど意味はありません。口の中で一瞬効果は発揮しますが、根本的なケアにはなりません。

    口臭の10%を占める病的口臭

    病的口臭は、虫歯、歯周病はもちろんのこと、内臓の疾患や不調による口臭もあります。この場合、その根本が解決されないと口臭が無くならず、時にはがんなどの大きな病気も隠れていることに注意が必要です。

    まず歯周病による口臭は、歯周病を引き起こす原因であるプラークや歯石と呼ばれる細菌の塊から発します。歯周病が進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎の隙間が広がり、そこで細菌が増殖し、揮発性硫黄化合物が大量にできてしまいます。またプラークには臭いの強いガスを作る菌がおり、これが口臭の原因となる場合があります。さらに歯周病から出てくる膿も口臭の原因になります。歯周病は口臭だけではなく、体全体の疾患にもつながるから予防しておきたい症状です。

    ちなみに自分が歯周病になっているかどうかは、次の5つのどれかが当てはまっている場合 歯周病になっている可能性があります。

    • 歯茎からよく出血する
    • 歯茎がよく腫れる
    • 口の中がネバネバする
    • グラグラした歯がある
    • 歯と歯の間に食べ物がよく挟まる

    歯周病は、膵臓癌のリスクも2、3倍にも上がってしまうことが分かっているため、早めに治療しておいた方が良いでしょう。

    虫歯による口臭

    虫歯による口臭の軽度の場合だと、虫歯の穴に詰まってしまった食べ物が腐敗して起こることが多いです。この状態が続けば、当然菌は口腔全体に広がっていくため、歯周病同様、虫歯があると口臭がきつくなります。

    内臓の疾患や不調による病的口臭

    よくある便秘が原因の口臭です。確かに腸から臭いが吸収されて肺から出されること考えると腸内環境が悪化すれば口臭もきつくなってしまいます。便が腸内に溜まった状態が長く続くと腸内のタンパク質とアミノ酸が腐敗して悪玉菌が増え、腐敗臭を伴った有害物質が発生してしまいます。この有害物質は、腸から血中に吸収され、血流に乗って体中へ回ってしまいます。その一部が肺に届くことで呼吸と一緒に排泄されて口臭の原因になってしまいます。ちなみに食べ物や飲み物による口臭も同じですが、こうして運ばれた臭いは、肺と共に汗腺を通して汗に混じって分泌され、体臭の原因にもなります。

    口臭に隠れている大きな病気

    疾患によって肺からくる口臭の原因は、糖尿病、肝硬変、大腸がん、肺の疾患、胃がん、腎臓病、乳がんなどです。糖尿病が原因の場合、臭がきつくなってしまうのは、糖尿病になるとインスリンの分泌がうまくいかなくなり、糖質をエネルギーに変えることができなくなってしまうからです。そうなると脂肪を分解してエネルギーにしようとしますが、この時にケトン体が必要になり、ケトン体の主成分にはアセトンという独特の酸っぱい臭いがあります。このアセトンの匂いの成分が血液に取り込まれ、肺から排出されてしまいます。

    ちなみにそれぞれの病気の口臭の特徴をまとめおくので、身近な人にもしこういう臭いの人がいたら教えてあげてください。

    • 胃がん:腐ったたまごのような匂い
    • 大腸がん:玉ねぎが腐った時の臭い
    • 乳がん:たくあんが発酵した時の臭い
    • 呼吸器系:肉の腐敗臭
    • 腎臓、肝臓の疾患:アンモニア臭、カビ臭

    舌苔による口臭を防ぐ

    舌苔磨きを毎日やるかやらないかは、基本口の中が健康な人であれば毎日やらなくても良いでしょう。なぜなら舌苔がついてしまう理由は、口呼吸、唾液分泌不足、下の運動機能低下、胃腸の消化機能低下、抗生物質の使用、うがい薬の乱用、低位舌が原因で、これらのことを改善するだけでも舌苔の付着を防ぐことができるからです。つまり鼻呼吸をし、唾液を多く出し、良く噛んで下や顎の筋肉を鍛え、胃腸の調子を整えることが大切です。

    また舌苔が溜まってしまう原因の一つに低位舌があり、通常私たちの舌は上顎に下が触れていますが、低位舌の場合は舌の表面がどこにも触れてない状態になっています。舌苔が舌の表面に溜まると同時に、舌が乾燥しやすくなり口臭の悪化につながってしまいます。舌磨きを毎日することを考えるよりもまずは口の中の環境をきちんと整えてあげることが優先になります。

    特に咀嚼回数が少なかったり、超加工食品などの比較的柔らかいものばかりを食べていると舌苔は溜まりやすくなります。舌磨きを毎日することを考える前に、まずは口腔内を健康に保つ基本的なことを実践するのが良いでしょう。それでも舌苔が気になる場合は、歯ブラシではなく、専用の舌磨きを使って歯を磨く前にするのがおすすめです。

    次に何を使うかですが、韓国で舌苔が原因の口臭がある患者に舌磨きや舌スクレイバーで舌を磨いた時と舌の表面を綿棒やティッシュで軽く拭き取った場合でどっちの方が口臭が改善されたかを確認する実験がありました。この実験では舌苔が口臭の原因となっている患者ですらも、どれを使っても口臭の改善効果は同じでした。

    舌苔が口臭の大きな原因の一つと言っても、そこまで過剰に気にすることはなく、ゴシゴシ磨くことは絶対にNGです。そもそも舌には絨毛と言っていくつもの凹凸があり、舌をいくら磨いてキレイにしようと思っても完全にキレイにすることはできません。仮に舌苔がついていたとしても、菌自体が少なければ口臭がそこまで酷くなることはないことも実験で分かっています。そのため舌苔を一生懸命磨くことより、最終的には口の中の健康全体をきちんと管理してあげることが大切です。

    ちなみに磨く場合は舌を思いっきり突き出し、舌の奥から手前に向けて5回から10回磨けば十分です。これ以上やると舌を傷つけることになってしまいます。

    自分の口臭をチェックする簡単な方法は、ティッシュに唾液を染み込ませ、3分程度置いて臭いを嗅ぐことです。また何もつけてない歯ブラシで軽く磨き、数分置いて歯ブラシの臭いを嗅いでみることでもチェックできます。

    痩せるためには口臭ケア

    痩せることと歯を磨くことの間には、密接な関係があります。口の中が汚い人は、太りやすくなることが分かっています。例えば、私たちの口の中には様々な菌が存在しており、最近の研究では口の中の悪玉菌が食べ物や唾液と一緒に腸まで運ばれて腸内環境に影響を及ぼしているということが分かっています。

    代表的な口の中の病気である歯周病は、脂肪肝や糖尿病とも深いつながりがあるとされており、歯周病によって炎症が起きるとサイトカインという物質が生まれ、この物質がインスリンの働きを阻害して血糖値を上昇させることが分かっています。さらに糖尿病になれば、歯茎の毛細血管が脆くなって歯周病がさらに酷くなるというな負のスパイラルに陥ってしまいます。

    ポイントは、起きた直後と寝る直前は必ず歯を磨くということが推奨されています。なぜなら太る原因の歯周病菌は寝ている間に増えやすく、朝起きて歯を磨かないまま食事をしてしまうと食べ物などと一緒に歯周病菌が体内に入り込んでしまうからです。

    また、歯を磨くだけでなく、舌を磨くことも大切です。口の中には沢山の細菌が住んでいますが、一番繁殖しやすい場所が舌の上です。舌には食べかすや微生物などが付着して細菌が増殖してしまい、口臭の原因にもなるため専用の舌ブラシを使って舌磨きも行いましょう。

    東洋医学的に診る「おならが臭い」

    おならが臭いのは、腸内環境が悪化している証拠です。肉を食べすぎるなどの食生活の乱れによって善玉菌の数が減り、腸内環境が悪化してしまいます。そして腸内環境の悪化を放置し続ければ、腸の老化スピードが早まり、腸内年齢も上がってしまいます。

    調査では20代の女性の腸が70代という実年齢をはるに超えた腸年齢が判明しています。因みに、超年齢が実年齢より老けている女性の例は特別ではなく、同調査では20代の人の腸の平均的な腸内年齢は45.7歳でした。また30代の平均腸内年齢は 51.3歳が続き、下剤を飲みやっと排便する状態でした。腸内年齢が高い人は トイレの時間が決まっておらず、排便する際も力まないと出ないことが多く、排便力が落ちているので便は固くて出づらく、コロコロ便や黒っぽい便になることもあります。そして出てきた便は水に浮かずに沈んでいき、トイレの後は匂いと言われることが多いです。また便だけでなく、おならも臭いと言われることが多くなります。

    実は、腸の中を見なくても腸年齢を知ることができます。腸年齢を知りたい時に重要な役割を果たすのが腸内のガスです。ガスが出る回数やその匂いは腸内がどれほど悪化しているかを知るバロメーターになります。

    おならのメカニズム

    おなら≒腸のガスだと思われがちですが、おならの成分の約7割は空気です。会話をしている時や食事の際に大量の空気を飲み込むことがあり、おならの元になります。そしておならの成分の残り3割は、食べ物を体内で消化する際に発生するガスです。腸内のガスを排出する行為は自然なことで、誰でも1日5から20回くらいはおならをしています。排出されるガスの量についての見解は多少のばらつきがありますが、3リットル未満といったところでしょう。

    さらに細かく言うとおならの成分のほとんどは酸素や窒素、二酸化炭素などで 体外から吸収したものです。そして残りの1割を体内の微生物たちが生み出しています。ちなみに匂いの元になる成分は有価水素やアンモニア、スカトール、インドールなどです。おならは基本的に無臭で、腸内環境が悪化していなければ匂うことなく、食生活に気を配り、腸内環境を悪化させないことが重要になります。つまり匂いがしないおならが出た日は、お腹の調子が良いと思えば良いでしょ。

    おならと腸内細菌との関係

    おならの成分の約10%は体内の微生物が生み出していますが、大きく関わってくるのが腸内細菌です。腸内には千種類もの常在菌が存在していると言われ、小腸や大腸の中で活動している腸内細菌は善玉菌と悪玉金、そして日和見菌の3 種類で、1番数が多いのは日和見菌です。健康な腸内細菌の全体数を10とした場合7割が日和見菌、2割が善玉菌、1割が悪玉菌です。日和見菌には他の優勢な菌の味方になる修正があり、環境によって立場を変えます。例えば、善玉菌の数が減ると日和見菌は悪玉菌の味方になり、腸内環境は悪化します。

    悪玉菌が増えるとおならにスカトールやインドールなど匂い成分が加わり、悪臭が発生します。そして匂い成分が加わる要因は、悪玉菌が好む栄養素が大量に摂取される点にありあます。悪玉菌が好むのは、タンパク質や脂肪の多い食品で、肉料理やたまご料理、そして揚げ物が挙げられます。ちなみにお菓子もたまごなどのタンパク質を多く使って作られているから悪玉菌の好みで、おならの匂いの元になります。

    一方で野菜、例えばネギやニラ、そしてニンニクなどを大量に食べた翌日などにはおならが臭くなります。また食物繊維が豊富な豆類や芋類も腸内で発酵するためガスが発生しやすくなると言われています。

    おなら改善のための工夫

    バランスの良い食事

    おならの回数を減らし、臭いを消すための生活習慣は、バランスの良い食事を摂ることです。肉料理や脂っこい料理は腸内で分解する際にガスが発生し、悪臭の元になります。これは悪玉菌の働きによるものですが、しかし悪玉菌は悪者ではなく腸内で重要な働きを担っています。

    例えばタンパク質は髪や皮膚、内臓などの細胞を新しく更新していくために必須の栄養素です。タンパク質や脂質などの栄養を吸収するためには悪玉菌がそれらを分解する働きが必要になります。また芋類もおならの回数を増やしがちですが、食物繊維は腸内細菌の餌であり必須の栄養素です。要はタンパク質や脂質、そして食物繊維の量がバランスよく摂取されることで腸内環境は整い、そして善玉菌の数が優位になるように納豆、キムチ、ぬか漬けなどの発酵食品を食べることが大切です。

    また、日本の食文化の変化も影響していると考えられ、農水省の調査によると、日本人の食肉消費量は1960年代には僅か3kg程度でしたが、しかし35年後の 1995年になると消費量が15倍以上に激増したことが分かっています。これに比例するように今や2人に1人が癌になる時代が到来しています。

    何れにせよ、腸内年齢を下げてアンチエイジングためなら、肉類は少なめにして水溶性食物繊維を多く摂ることを心掛けましょう。水溶性食物繊維が豊富な食材でおすすめなのは、人参、ごぼう、切り干し大根、干椎茸、らっきょなどです。

    早食いをやめる

    おならの分の7割が空気であるため、急いで食事をしていると大量の空気を飲み込みやすくなります。またあまり噛まずに飲み込むことを続けると、消化に時間がかかり、胃や腸の働きが衰えてしまいます。よく噛むことで唾液が多く分泌されて免疫力を向上させることができます。

    ストレスを貯めない

    脳がストレスを強く感じると交感神経が有意になり、腸の働きが悪くなります。これは脳と腸が互いに影響を及ぼす関係があるからであり、その相互作用は脳腸相関とも呼ばれています。腸が脳の影響を受けるだけでなく、腸の状態は脳の状態に直結します。そのためストレスケアをすることで腸の働きが整い、逆に腸内環境を整えることでストレスを緩和できます。

    2004年に九州大学が行った研究によるとビフィス菌が脳のストレスを抑える ことが判明しています。研究は腸内最近が存在しないマウスと普通のマウス、ビフィス菌などが存在するマウスに分けて行われました。すると腸内細菌が脳のストレス反応に影響し、中でもビフィスキンは有効であることが分かっています。

    また、他にストレスを緩和させる食材として、バナナが挙げられます。脳はストレス型になると思考力が低下し、カリウム不足になると言われています。そこでバナナには、カリウムが含まれているため脳に酸素を供給し、思考力を復活させる助けになります。またバナナは腸活にも良いと言われる食品で、順天堂大学教授は1日2本を推奨しており、バナナを推奨する理由はバナナにレジスタントスターチが含まれているからです。レジスタントスターチは、別名スーパー食物繊維と呼ばれ、消化されないまま大腸に届いて便通を良くする効果が期待できます。

    排便力を高める

    便秘が続くと腸内にガスが発生しやすくなり、必然的におならも臭くなります。そこで排便力を上げためにもなるべく決まった時間に食事を摂ることが大切です。忙しさで一旦排便を我慢すると便秘につがることもあるので、朝に排便するなど生活リズムを整えることも大切です。

    また運動不足だったり、体が冷えたりすることでもおならは臭くなりやすいことが挙げられます。これは腸の動きが鈍ってしまうことが関係するため、できれば腹筋を習慣にすることも良いでしょう。

    そもそも大腸は体内で小腸を囲むようにぐるりと時計回りに配置されており、1.5mもの長さがあり、正面から見て左側の上行結腸、右側の下降結腸、下側の直腸でピン止めされています。しかしその他の部分は、釣り橋のように不安定で、筋肉で支えられなければ垂れ下がってしまいます。そこで腹筋を習慣にすれば腸の平滑筋が鍛えられ、便を排出するための蠕動運動が正常になります。腹筋 を鍛えれば便秘が解消し、おならの匂いもなくなり、腸も整えることができます。

    医師に相談する

    おならの回数が増えるなどの変化が日常生活に支障をきたす場合は、医師に相談しましょう。例えば過敏性腸症候群は腸に気質的な問題がなくとも数々の症状に悩まされます。具体的な症状は腹部膨満感や下痢、腹痛などで種類や程度には個人差があります。また腸は脳が感じるストレスの影響を受けやすく、過敏性腸症候群は責任感が強く、真面目であるなど日常で緊張を感じやすい人が罹患しやすいとも言われています。

    また機能性便秘の人もおならの回数が増え、腹部膨満感を感じると言われています。男性便秘症診療ガイドライン2017によると、機能性便秘は大腸や肛門の運動や筋の異常が原因です。排便が減る原因は3つあり、まずは体の病気、そして向精神薬など薬の影響、原因不明の特発性が挙げられます。また少ないケースだが大腸癌の疑いがある場合もあります。それは肛門付近にポリープができてしまい、便通の妨げになってしまうパターンです。

    本コラムの監修】

    恵比寿院長

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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