内臓温度の低下による5大兆候

内臓温度の低下による5大兆候

成人女性の半数以上は「冷え症」に悩んでいると言われています。冷えた足先が辛く、靴下の重ね履きしても、手足が冷たさが変わらない方は、体内で作った熱をきちんと運べていない可能性があります。

お腹の上下の温度差で内臓温度はある程度分かります。片方の手のひらでおへその上、もう片方でおへその下を触り、上が下より冷たければ、冷えている証拠になります。どちらかが温かいかわからない場合は、手の上下を変えて何度か試してください。

また、おなか周りを触ってみて脇の下より冷たい気がする方、体温が35℃台しかないという人は、そもそも内臓温度が充分でないのかもしれません。

お腹をしっかり温めることで、熱を伝えるために手足の血管が開き、末端の冷えが根本から改善することができます。

 

1.血の巡りが悪くなる(血管収縮)

日常的な不調は内臓に関係するものが多くあります。例えば、胃の調子が悪ければ消化吸収が悪く胃もたれを起こしますし、肝臓が悪い人は疲労感、腎臓ならむくみ、大腸なら下痢や便秘などが関係しています。

女性の場合は、生理痛などはもちろん、イライラ、不眠、疲労感、肩こり、頭痛便秘、むくみ、シワ、シミ、肌荒れなどを引き起こします。月経時には体の代謝機能が弱まり、一時的に貧血になっていることも原因のひとつと言われています。
これらは、内臓の温度が低下することによって血液の巡りが悪くなり、すべての器官に充分な血液が送られなくなるからです。さらに体が冷えていると、血管が収縮して血の巡りがさらに悪くなることになります。

血液は体に必要な栄養、酸素、水や白血球などの免疫物質を運んでいるため、その流れが滞ると体に様々な悪影響を及ぼします。また内臓器官が働かないと老廃物がうまく排泄されず、顔をくすませたり吹き出物ができたりします。

2.基礎代謝の低下

内臓温度が1度低下すると、約12〜15%の基礎代謝の低下が起こります。基礎代謝の低下はダイエットの天敵です。

人が消費するカロリーのうち約6〜7割は基礎代謝ですが、基礎代謝が低いと「摂取した栄養をエネルギーに変える効率が悪い」ということなので、この基礎代謝が1割以上も落ちると、それだけ太りやすく、なかなか体重が減らない人は、内臓温度が下がっている可能性があります。

また、体の中でエネルギーが作られる際に「熱」が生じますが、基礎代謝が低くなると、冷えを感じやすくなります。さらに代謝の低下は、体温を維持するためのエネルギー産生がスムーズにできなくなり、さらなる冷えを招くことになります。

3.免疫力の低下

免疫力を発揮する場所は主に小腸で、免疫細胞の6〜7割が集まっていると言われています。免疫は細菌やウイルスなど外からの異物に対して抵抗する、私たちの体の中にある防衛力です。この免疫力が下がれば病気にかかりやすくなります。

小腸にはバイエル版というものがあり、ウイルスなど体に有害な物質がやってくると、白血球やリンパ球などの免疫細胞に危険信号を出します。すると免疫細胞が、その有害物質をやっつけてくれます。その免疫細胞を活性化させるためには、細胞内のミトコンドリアを働かせなければならないのですが、それにはエサになる食物繊維と温度が必要です。
花粉症などのアレルギー疾患も、免疫力の低下によって起こりやすくなるので、突然花粉症になってしまったという人は、冷えが原因になっていることも考えられます。

4.心の不安定(自律神経の乱れ)

内臓温度の低下が起こると、自律神経が生命を保つために、血液の循環を弱くしたり、汗をかかないようにして内部の熱を外に流さないように働きます。低体温状態で血流が滞ると、頭がぼんやりし、体の不調によっても気持ちも沈みがちになります。

これは内臓温度が低下しバランスが乱れため、副交感神経が過剰に緊張し、交感神経の働きが悪くなります。するとだるい、面倒くさいと、常にやる気のない状態になり、だんだんとうつ傾向になっていきます。理由もなくちょっとゆううつな気分になっているとしたら、お腹の冷えが関係しているのかもしれません。さらに、この状態が長く続くと、むくみやくすみ、めまいなどの症状が現れてきます。
また、自律神経の乱れが生じると痛み、凝りなどを強く感じるようになり、さらに不眠も招きます。自律神経の乱れからくる不調は明確な痛みを伴うようなものではないので、治療せずに放置してしまうことが多いのも事実です。

5.便秘や生理痛

食物繊維が豊富な野菜やヨーグルトを食べたりして食事にも気を付けているのに、便秘がなかなか改善しない人は、血流不足によって腸の活動が弱っていることが原因のひとつです。腸をきちんと温めると、食べ物を消化し送り出す腸の蠕動(ぜんどう)運動が活発になり、食物繊維や乳酸菌も本来の力を発揮してくれます。

また、生理痛は、子宮を収縮させ経血を押し出す働きをする「プロスタグランジン」という物質が過剰に分泌されることで起こります。しかも体が冷えて血行が悪くなると、この物質が骨盤内で滞り、さらに痛みを強くしてしまうのです。お腹を温めて血液の循環を良くすることで、この痛みを自然に緩和することができます。

冷え性に対する鍼灸治療

東洋医学では「冷え」の状態を、「気(エネルギー)」の巡りが悪い状態であると捉えます。鍼灸治療する際には、まずはこの「気」の巡りを改善するための施術をしていきます。具体的には、以下の3つの機能を回復させることを最優先に考えます。

1)筋肉や血管の状態をしなやかな状態にさせる役割を持つ「肝(かん)」
2)生まれ持ってのエネルギーを貯め、水分代謝機能を司っている「腎(じん)」
3)食物の吸収を促し、水分を循環させる役割を持つ「脾(ひ)」

全身の「気」の流れを活性化し、肝(かん)、腎(じん)、脾(ひ)の3つの機能を高めるため、脈の状態(脈診)、お腹を触ったときの感触(腹診)、全身のツボの状態をチェックした上で、背面(うつ伏せ)からお身体の表面(仰向け)の順番で施術を行っていきます。

【本コラムの監修】

恵比寿院長

HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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