東洋医学で診る、病は気から

東洋医学で診る、病は気から

東洋医学には「気・血・水(き・けつ・すい)」という言葉があり、体を構成する基本的な要素とされています。この「気・血・水」が常に体の中を巡ることで、心と体の健康バランスを支えられていると考えます。

この中で「気」とは、生命活動に必要なエネルギー源のことで、体を正常に働かせるため、臓器の働きを保ったり、体の表面を守ったりする役割があります。この「気」が乱れると様々な不調につながります。

「気」が乱れることで起こる体の不調

「気」が乱れた状態には、「気虚(ききょ)」「気滞(きたい)」「気逆(きぎゃく)」の3つがあります。これらから抜け出すために気の巡りを改善するツボもご紹介します。

気虚(ききょ)

誰もが疲労した時、大抵は一晩眠れば、スッキリと翌朝には疲れが取れています。それは「気」が回復しているということです。しかし体が弱っていたり、思い悩みで眠りが浅くなれば「気」は回復せず、慢性的な疲労感につながります。その状態が「気虚(ききょ)」です。この状態では、体の抵抗力が弱まり、免疫が下がり、病気に罹りやすく、また疲労感や倦怠感を覚えやすく、息切れなどの症状が出ることがあります。

足三里(あしさんり):ひざのお皿の下から指4本分下

効果:気の流れを促し、病気の予防・足の疲れや浮腫・胃腸症状・膝の痛みなどにも使われるツボです。

足三里(あしさんり)

気滞(きたい)

文字通り、気がうまく循環できず、停滞してしまう状態です。現代人にとっては、ストレスやプレッシャーといった精神的な要因が「気滞」の大きな原因になっています。些細なことでイライラしたり、なんとなく気分が落ち込んだり、不安に陥ったりします。またやる気が減退し、ため息が多いのも特徴のひとつです。この状態では、ストレスをさらに感じやすく、その結果、自律神経が乱れ、のぼせや動悸(どうき)、頭痛、めまい、冷え性など、上半身に不快な症状や、便秘と下痢を繰り返すこともあります。

太衝(たいしょう):足の親指と人差し指の骨が合わさったところの少し手前のところ

効果:気の停滞を改善し、気を巡らす臓腑「肝」の調子を整えるのに効果的なツボです。イライラや頭痛、めまい、目の疲れにもおすすめです。

太衝(たいしょう)

気逆(きぎゃく

気逆(きぎゃく)は、頭から手足の先、上半身から下半身に向けて下降する気の循環が上昇してしまう、つまり「気」が逆流している状態です。エネルギーが上半身に向かうため、突発性頭痛やめまいや動悸、冷や汗などの症状、また激しい咳や、呼吸の乱れ、吐気や嘔吐、ゲップが出るなどの症状が起こる方がいます。気滞(きたい)と同じく、手足の冷えを感じると同時に顔は火照るという、更年期障害とよく似た症状の場合が多いです。

血海(けっかい):膝のお皿の内上角(内側上の角)から指3本上

効果:上に上った気を下ろすためのツボで、自律神経が整って気逆による息苦しさや不安感、抑うつや肩こり、めまいなどの症状が緩和されます。

血海(けっかい)

病は気からのツボ

このように「気」は、単に「気合い」や「気持ち」ではなく、生命の基となるエネルギー源です。東洋医学では、「気」が正しく巡っている状態を「正気」(せいき)」と言い、健康な状態とします。身体を巡る「気」が乱れると、「気虚」「気滞」「気逆」に陥ります。心身の不調の大部分はストレスからくる気の異常と考えられているので、ツボを刺激することで気の流れを改善しましょう。

【本コラムの監修】

恵比寿院長

HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

関連記事

  1. 東洋医学で診る、体内時計を知る

  2. 東洋医学「水滞」→水の巡りが悪い

  3. 東洋医学で診る、敏感肌

  4. 東洋医学「気虚」→気が不足している

  5. 東洋医学で診る「シミ」「シワ」「たるみ」がでやすい人

  6. 正常な老化と病的な老化のスイッチ

  7. 東洋医学で診る〝汚デブ菌〟

  8. 美容と東洋医学の五臓の関係

  9. 東洋医学で診る、美しいツヤ髪の要素

  10. 東洋医学的体質診断(カウセリング)とは

  11. 東洋医学で診る、甘いものを食べたくなる

  12. 体質チェック→『血瘀』血の巡りが悪い

  13. 東洋医学で診る、舌の位置で美しい横顔を作る

  14. 東洋医学の瞑眩(めんげん)好転反応について

  15. 東洋医学「気滞」→気の巡りが悪い