秋の美肌対策

    秋の美肌対策

    秋冬は、肌トラブルが出始める反面、同時に日照時間も短く、紫外線も少なくなって肌ケアを始めやすい時期です。実は、多くの人が美白ケアに本腰を入れるのは日差しが強くなる春や夏だと思っています。シミの抑制やくすみを肌に残さずにいられるかどうかは秋の美白ケアにかかっています。その理由を簡単に説明すると、それは夏特有の3大ダメージがあるからです。

    夏の3大ダメージ

    まず1つ目は夏の強烈な紫外線による影響です。肌を老化させる原因の約8割が紫外線の影響と言われており、夏の強烈な紫外線を浴びたダメージのせいで、この時期になってシミやくすみ、それにシワやたるみが加速していきます。そうならないために秋冬の肌の状態に適した美白ケアが欠かせなくなります。

    ダメージの原因の2つ目は、肌の乾燥です。肌が乾燥しやすいのは、確かに冬もそうですが、実は秋にも肌が乾燥している人が多く、その理由は猛暑の夏で会社でも自宅でもエアコンの聞いた部屋に籠りっぱなしになっていたことです。エアコンが効いた部屋にいると体が冷えて血流が悪化することで代謝が悪くなり、エアコンで湿度も下がるから肌も乾燥してしまいます。また外気と冷房の 効いた室内の急激な温度さによって自律神経もダメージを受け続けているため、ちょうど秋頃には心身だけではなく、肌もお疲れ状態になっています。

    この自律神経は、肌の状態に大きく関係するホルモンバランスに影響しており、この時期の肌トラブルの原因の1つになります。一方でシミの直接的な原因になる物質はメラニンを作り出すメラノサイトですが、乾燥によって悪化因子が増加することでメラノサイトが活性化し、メラニンを過剰に作り出すことでシミができやすくなります。

    秋におすすめの化粧成分

    角質が分厚くなり肌表面がゴワゴワする、この時期におすすめの成分はAHAとBHAです。肌表面がゴワゴワする状態は不要なものが表面に溜まっている状態なので、こんな状態の上から何をしても美容成分の浸透が悪くなります。

    AHAとBHAは、古くなった角質の除去に効果的な化粧品成分です。AHAは肌表面の古い角質を取り除き、肌のターンオーバーを促進して、均一なトーンの肌細胞の生まれ変わりを助けてくれます。BHAは、毛穴が詰まる原因となる余分な皮や古い皮膚細胞を柔らかくして、肌表面から取り除いてくれるため、日焼けのダメージを受けた時期に最適の成分です。またAHAとBHAは角質ケアとともに真皮ケアまでできる優れた成分です。そのため肌がつるんと剥けて、美容成分が浸透する肌に変えてくれます。

    次のおすすめの成分は、VCエチル(3-O-エチルアスコピン酸)です。VCエチルに美肌効果が期待できる理由は、現在多くのメーカーが活用しているほど沢山あります。例えば即効性、持続性、浸透性、皮膚の黒化防止などが特徴です。ちなみにVCエチルは2004年に、医学部外品の美白有効成分として厚生労働省に承認されている成分です。

    多くの人がビタミンCは、肌に良いことはなんとなく知っているとは思いますが、VCエチルは、そのビタミンCの皮膚への吸収率を高めるなど、ビタミンC 本来の効果を活かせるように改良された水溶性ビタミンC誘導体の一種です。しかもVCエチルは、他のビタミンC誘導体と比べても圧倒的にビタミンC含有量が豊富で、速効性や持続性も兼ね備えています。本来ビタミンCやビタミンC誘導体は熱に弱く、安定性が低い特徴がありますが、VCエチルは従来のビタミンC 誘導体と比べても安定性が高いことが特徴です。研究では、40℃で90日が経過しても、95.9%のビタミンC残存率が確認されています。

    さらに、シミの原因になるメラニンを抑制する効果もあります。シミは、そもそもメラニン単量体、つまり小さなメラニンがいくつも重なり合うことで俗にシミに見えます。特にUVを浴びてしまうとメラニン単量体の重合は促進されて皮膚の黒化を起こしますが、VCエチルはこのメラニンの重合化を抑制し、皮膚の黒化、つまりシミを防いでくれます。

    美白成分ありきの美白ケアをするためには、まずワンステップ目は美白成分をしっかりチェックすることです。コスメの箱に記載されている成分表示やメーカーのホームページをチェックして、メインで配合されている成分が何かをしっかり確認しましょう。そしてステップ2は、悩みに合わせて成分を選ぶことです。解決したい肌トラブルから考えて、目的にあった美容成分を選ぶことが大事です。次のステップ3は、相性の良い成分同士を組み合わせて相乗効果を狙うことが大事です。

    シミや肝斑におすすめの組み合わせの成分

    コウジ酸とレチノール

    コウジ酸には過剰なメラニンの生成をストップさせる働きがあり、メラニンの排出機能を持つレチノールを組み合わせることで、シミや肝斑の改善が格段に早まります。くすみにおすすめの組み合わせの成分は、同じくコウジ酸とナイアシンアミドの組み合わせです。乾燥が由来となっているくすみに対しては、保湿力が高いナイアシンアミドが効果的です。さらに糖化による黄ぐすみに効果があると言われています。コウジ酸を併用することによって顔全体のどんより感が払拭され、透明感のある印象になります。

    一方で、色むらや赤みが出るのもこの時期の悩みで多く、これらを改善するための組み合わせおすすめ成分が、アゼライン酸とビタミンCです。アゼライン酸とビタミンCは炎症を沈め、赤みを改善する効果が期待できます。どちらもメラミンの生成を抑制する効果もあり、炎症を抑えつつ美白ケアにもなります。この2つの成分は皮脂分泌を抑制する作用もあり、ニキビが気になる人にもおすすめです。

    シミ改善にはコーヒー

    コーヒーを飲まない人と1日2杯以上コーヒーを飲む人では、コーヒーを多く飲む人の方が、シミが改善することが判明しています。それはコーヒーに含まれるポリフェノールがシミの原因であるメラミン色素の生成を抑制する効果が あるからです。研究では、細胞にメラニン色素のみを加えたものと、メラニン色素にコーヒーポリフェノールを加えたものを比較すると、コーヒーポリフェノールを加えたものの方がメラミンが40%も減りました。さらにコーヒーポリフェノールには抗炎症作用もあり、シミの原因となる炎症を抑えて肌理が整うと肌の補水力も上がります。

    髪も肌もツヤツヤになる腸デトックス

    腸は、私たち全身の健康に大きく関わっている臓器であり、腸を整えることによって見た目が美しくなるだけでなく、当然のことながら全身が健康になれます。腸の状態が悪い人というのは全からく肌の状態や健康状態も悪く、逆に腸の状態が整っていれば肌の状態や健康状態も非常に良いという人がほとんどです。腸が汚れているのに見た目が美しいということもありえませんし、腸が汚れているとお肌や髪を始めとして様々な外見上のトラブルが起きてしまいます。

    腸の重要性

    見た目や美しさや若々しさを気にするなら、まずは腸を整えるべきです。腸は摂取した食べ物や飲み物を処理し、健康を維持するために必要なビタミンやミネラルといった栄養素を細胞に供給するという役割を担っています。そして細胞にしっかりと栄養が行き届き、細胞が元気になれば当然のことながら健康になれるのはもちろんのこと、髪や肌も自然に綺麗になります。当たり前ですが髪も肌も全部細胞でできています。当然美しい髪と美しい肌を手に入れるには腸内環境を整えることが必要です。

    また近年、腸の健康と肌の健康には強い相関関係があることを示唆する証拠が積み上がっています。例えば活性酸素は細胞を老化させたり、細胞にダメージを与えますが、活性酸素が過剰に発生してしまうと様々な病気が引き起こされたり、老化が加速します。そしてこの活性酸素は主に腸内で発生しており、活性酸素の異常発生の90%が腸の中で起きていると言われています。つまり腸の状態が悪いと活性酸素が過剰に発生してしまい、肌や髪などの全身の老化につがってしまう恐れがあります。

    腸と免疫力

    一方で腸の状態が影響を与えるのは見た目だけではなく、例えば免疫力に重要な役割を果たしていることが明らかになっています。腸が人体最大の免疫器官であり、体全体の免疫細胞の約60%から70%が腸に集中しているということが分かっています。細菌やウイルスなどは腸の粘膜から侵入してくる傾向にあり、だからこそ腸にはたくさんの免疫細胞が集まっています。

    そして免疫力をしっかりと高くキープすることは健康な体と健康なメンタルの基盤とも言えるほど重要なものです。免疫とは細菌やウイルスなどの病原体や異物を撃退する、私たちの体に備わっている能力のことであり、免疫系は臓器 、細胞、化学物質などの複雑なネットワークで構成されていて、それらが連携して感染や病気から私たちの体を守ってくれています。免疫系が適切に機能していればウイルスや細菌などの病原体から、私たちは体を守ることができますが、免疫力が低下してしまうと細菌やウイルスを排除することができずに感染症を始めとした様々な病気になりやすくなってしまいます。

    腸とホルモン

    そして腸の役割はこれだけではなく、腸の重要な働きにホルモンを分泌するということが挙げられます。ホルモンは体内で作られる物質であり、特定の臓器の働きをコントロールしています。ホルモンはメッセンジャーとして働き体の ある部分から別の部分に信号を送ることによって、その部分に影響を与えることができる物質です。特に腸では消化や栄養吸収のコントロール、糖分バランスの調節、食欲の制御など様々な機能において、ホルモンが重要な役割を果たしています。具体的には腸では腸クロム親和細胞と呼ばれる細胞からホルモンが分泌されています。この細胞は腸全体に存在し、セクレチン、ガストリン、コレシストキニンなど様々なホルモンを分泌することができます。このような腸で分泌されるホルモンは消化を助けたり、インスリンや糖のバランスを保つなど様々な有益な働きをしており、これらのホルモンはいずれも正常な消化や栄養吸収に絶対に必要なものです。

    また腸が分泌するホルモンの中で大切なのがセロトニンというホルモンです。セロトニンは別名幸福ホルモンとも言われており、その名前の通りセロトニンが分泌されている時に人は幸福を感じると言われています。つまり私たちは幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンを十分に分泌させることによって幸福を感じることができ、精神が安定し安心して仕事などに取り組むことができるようになります。逆にセロトニンが不足してしまうと、うつ病を発症してしまったり、気分が不安定になってモチベーションが低下してしまったりします。

    このセロトニンをしっかりと分泌させるために腸内環境を整えることが大切です。実はこのセロトニンのほとんどが腸で作られているとされています。実際にセロトニンは脳内ホルモンと言われており、その受容体の90% 以上は腸に存在しています。このことから多くの研究者は、腸内環境の悪化がセロトニン不足の原因なのではないかと考えています。

    腸デトックス

    腸を汚す食べ物を徹底的に排除する

    腸を掃除したい、腸を整えたいと思った時に腸を汚してしまう食べ物を遠ざけるということがまず必要になります。いくら掃除をしたところでゴミが次々に 入ってきたら一向に綺麗になりません。腸を汚す原因となるのは、例えば過剰な糖質や酸化した油などが代表的なものです。特に糖質に関しては悪玉菌の餌になってしまうので是非とも避けましょう。砂糖がたっぷりと入った食べ物を食べることは、悪玉菌に餌をあげて悪玉金を腸の中で育てているのと同じこと です。

    そして過剰な糖質や酸化した油などを多く含む食べ物を排除することも重要です。その代表的なものが加工食品です。大抵の加工食品には糖質がたっぷりと添加されていたり、酸化した質の悪い油が使われています。また腸に悪い影響をもたらすと言われている食品添加物なども含まれています。

    プロバイオティクスを摂り入れる

    プロバイオティクスは、腸内フローラのバランスを改善することによって人に有益な作用をもたらす、生きた微生物を含む食品やサプリのことです。例えば食品ならばヨーグルトや甘酒、乳酸菌飲料、ぬか漬け、味噌、キムチ、納豆などのいわゆる発酵食品と呼ばれるものにプロバイオティクスが含まれています。これらには乳酸菌やビフィズス菌、酵母菌、麹菌なの有用菌が含まれています。

    そしてプロバイオティクスのサプリメントは様々な有効性が証明されており、有名どころだとビオフェルミン、ラクトンA、カリフォルニアゴールドニュートリションのラクトビフィプロバイオティクスなどがあります。こういったものも上手に活用しましょう。

    ストレスをできる限り減らす生活を意識する

    私たちは誰もが多少なりともストレスを抱えて、ストレスとうまく付き合いながら生きていく他ありません。しかし過剰なストレスや慢性的なストレスだけは是非とも回避することが大事です。過剰なストレスや長く慢性的に続くストレスは、あなたの心身を確実に蝕んでいきます。ストレスが引き起こす悪影響として最も分かりやすいのがメンタルへの悪影響です。またストレスが引き起こすのはメンタル上の問題だけではありません。

    実はストレスと腸が関係していると言われてもなかなかピンと来ない人も多いかもしれませんが、脳腸相関という言葉があるように、文字通り腸と脳は密接に関係しています。

    脳と腸は神経系内分泌系免疫系の3つの経路を返して互いに影響を及ぼし合っています。普通私たちの脳が体のあらゆる臓器に命令を出すという情報の一方通行的な流れを意識する人も多いと思いますが、実際は脳と腸の情報交換は脳からの一方通行ではなくて腸からも脳にメッセージを送っています。つまり腸内の状態によって、その情報が脳へと伝えられそこから体のあらゆる場所に影響を及ぼしています。

    例えば、脳と腸の繋がりを示す最も分かりやすい具体例がストレスを感じると下痢気味になったり、緊張するとトイレに行きたくなるということでしょう。これは脳と腸が迷走神経というものを返して繋がっており、脳がストレスを感知するとその影響が腸内環境に現れるからです。また腸内環境が整っていると脳に良いフィードバックが送られて脳が不安を感じることやメンタル的に不安定になってしまうということが抑えられます。逆に腸内環境が悪化してしまっている人は、メンタルに問題を抱えやすいということも分かっています。

    誰にでも効果が期待できるストレス解消法は、やはり体を動かすことでしょう。体を動かすことによってストレスが激減するというのは、あらゆる研究で既に証明されています。また運動はエンドルフィンの分泌を促し、気分も爽快になります。最近ストレスを溜め込みすぎているのならば、それは運動していないことが原因かもしれないので、1日10分でも毎日の生活に運動を取り入れましょう。

    姿勢を改善する

    パソコンを長時間使ったり、スマホを長時間使ったりする人は、どうしても姿勢が悪くなります。おそらく大半の人が猫背になっていたり、前かがみ姿勢になっていると思います。この姿勢が非常によろしくなく、首や肩などに負担をかけてしまって首こり、肩こり、頭痛などにつながるのはもちろんのこと、腸にも悪影響がもたらされてしまいます。

    具体的には、猫背や前かがみの姿勢を続けていると腹部が圧迫されて血流が悪くなり、腸の動きが停滞しやすくなります。逆に良い姿勢を保つことによって腹部や大隔膜が自由に動かせるようになり、食べ物がより効率的に消化器官を通過することができ、速やかな消化につながります。そのため自分が今前屈みになっていたなと気づく度に、しっかりと背筋を伸ばした正しい姿勢を取ることを心がけましょう。

    一方で椅子に座っている時に足を組んでしまう癖があるという人も良くありません。足を組んでしまうと腹部を圧迫して腸に負担をかけてしまいます。一時的なら構いませんが足を組むという習慣はできるだけ直すようにしましょう。

    運動と睡眠を整える

    運動というのはストレスを解消する素晴らしい方法ですが、それ以外にも運動には様々なメリットが存在しています。研究によると体を動かすと腸内細菌の多様性が高まり、健康全体に良い影響を与えることが分かっています。例えば運動は、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉金の増加にもつがることが研究によって明らかになっています。これらの良い細菌は消化の改善、免疫システムの機能向上、さらには慢性疾患のリスク軽減につがるということが分かっています。また運動することによって体内の炎症が抑えられることも分かっています。さらに運動によって脳機能が高まったり、脳の状態が整います。その結果、脳と大きく関係している腸の状態も改善すると言われています。

    一方で睡眠が重要だというのはもはや言うまでもないでしょう。そしてもちろんのこと睡眠は腸にも大きな影響を与えています。睡眠中は、脳のお掃除がしっかりと行われるための時間であり、睡眠時間が不足してしまうとお掃除がしっかりと行われず、脳にどんどんゴミが溜まってしまいます。また脳の疲れも取れません。睡眠時間を確保すれば脳のゴミがしっかりと取り除かれ、脳も疲労から回復します。

    そして繰り返しますが脳と腸は大きな関係があり、脳の状態が良くなれば当然腸の状態も良くなります。また腸の運動は自律神経がコントロールしているということも分かっています。そして自律神経を整えるには質の良い眠りと十分な眠りが必要であるということが分かっています。つまりしっかりと眠ることによって自立神経が整い、その結果腸の環境が整うということです。

    コラムの監修】

    恵比寿院長

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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