ストレートネックの改善

ストレートネックの改善

ご来院される方の多くが、「肩こりで首や腕が回らない」、「腰が痛くて治らない」などの症状を抱えています。また首や肩だけでなく、明らかに働きすぎで全身がお疲れになっている方もいらっしゃいます。

そういった症状がストレートネックによって引き起こされている可能性があります。ストレートネックは、スマホの使い過ぎと言われ、肩・首こりだけでなく、頭痛、眼精疲労なども引き起こします。また首の筋肉の影響で、筋膜で繋がっている頭皮やおでこにも影響があり、額のシワにまで発展すると言われています。

ストレートネック(スマホネック)とは

スマホを見る時、自然と頭は肩よりも前に突き出ます。本来頭を支える首の骨(頸椎)は、横から見ると少し後ろに反るような形でカーブしています。

トレートネック

頭が前に突き出ることで、そのカーブが損なわれてストレートになり、頭の重さがダイレクトに首肩へ伝わるため負荷がかかります。また正常な首の骨の位置がズレすることで、気血の流れも悪くなり、首肩こり、冷えなどの様々な不調に繋がります。

また頭と骨盤は繋がっており、頭が前に突き出れば脊柱(24個の骨)がその流れを伝えるため骨盤は後ろに傾き、猫背姿勢となります。逆にこの猫背姿勢を整えることで、頭の傾きも矯正することができます。

このストレートネックのことを「スマホネック」とも言います。「スマホネック」は病名ではなく、首の状態が頚椎の生理的前湾角度30度以下になることで、慢性的な頭痛・首肩こりの原因になる角度です。酷くなると首が動かない、頚椎症・椎間板症や、上を向くのが辛い、手のしびれ、胸焼け、吐き気、自律神経失調症まで幅広い症状が確認されており、これらの症状を、PCスマホ症候群(上部交差症候群)と言われたりします。

もちろんスマホネックでも、必ずしも症状が出るわけではありませんが、首の椎間板や骨の退行性変性から起こるものが多く、大人だけでなく子供にもみられる症状になっています。さらにスマホネックの方の多くは、腰のカーブも減少していることが多く、それが原因で腰痛になっていることがあります。この場合は、腰の治療だけしても根本的な改善になっておらず、一時的な痛みは緩和されたとしても再発してしまいます。

ストレートネック構造と症状連鎖

以下のチェック項目の4つ以上当てはまる方は、当院にご相談ください。

  • 1日8時間以上のデスクワーク
  • 首を後ろに反らすと痛い
  • 肩首こりがひどい
  • 疲れると頭痛がする
  • 猫背気味かつ腰痛持ち

スマホ病(寒暖差)で体調不良

天候が悪くなったり、気圧が下がり出すと何らかの不調が出てくる方は「スマホ病」「パソコン病」に罹っているのではないかと考えられており、その新しい症状が注目されています。

例えば、天候の悪化で不調が出る人の多くは、首の骨に異常が見つかります。通常であれば首の骨は湾曲することで頭の重さを分散し支えていますが、体調不良が出る人は、首の骨が真っ直ぐのストレートネックになっている方が多く、さらに首下部においては逆に向いてしまっている方もいます。結果として首のクッションが働かず、首の筋肉により負担がかかる状態になっており、首に痛みが生じ、首の筋肉の異常で体中の体調不良が引き起こることになります。

生命の活動をコントロールする自律神経は首の後ろに集中しています。首の筋肉が固くなることで、その働きが妨げられて全身の不調へとつながると考えられています。この首の筋肉の異常が、スマホ等の長時間使用のうつむく姿勢が原因であると考えられています。例えばうつむく姿勢が30度であれば、首への負荷は約3倍になり、45度では4倍にもなります。

スマホ病と言う新しい病気によって、それが原因で天候に非常に敏感になり、気圧が下がるだけで症状が出てきて体調不良になるとされています。スマホ病の対策は15分に1回ストレッチをしましょう。そのストレッチの方法は①頭を後ろの手で支えて、②天井を仰ぐようにして30秒首を休めることです。

慢性腰痛の誤解

慢性腰痛に関する最新研究では、姿勢の悪さと体の痛みは無関係であることが分かっています。南デンマーク大学の研究では、姿勢が悪いから腰や肩が痛くなる、猫背になって腰が痛くなる、肩甲骨が硬くなるから肩が痛くなるなど、それらの体が痛む原因である姿勢を直しましょうというのは実は否定されています。もちろん姿勢が良いのは、メンタル的にも健康的にも良いことです。しかし姿勢が悪いと体が痛くなる、猫背だから腰や肩が痛くなるではありません。

2008年のメタ分析では、腰痛に悩む人を対象にした44の様々な研究をまとめて分析したところ、姿勢の悪さと体の痛み、例えば肩こりや腰痛には関係は認められませんでした。つまり猫背、反り腰、背骨の歪み、捻じれ、骨盤の歪み、両足の筋肉のバランスが違う、肩の高さが違うなど、全ては痛みとは関係なく、それらが腰痛などを引き起こしている証拠はありませんでした。

実は、過去の研究で何度も姿勢の悪さが肉体の痛みを引き起こすと言う考え方は否定されています。複数の研究から科学的に悪い姿勢は、存在しないと言われています。要するに事故やケガで腰、肩、首などを痛めた場合以外は、ちょっと姿勢が悪い程度で慢性的な痛みが発生することはないと言われています。そもそも人間の体は、いろんな姿勢ができるようになっており、姿勢が悪いだけで慢性的な痛みが生じるようにはできていません。

ストレスが痛みを作り出すメカニズム

悪い姿勢が痛みを引き起こすのは自己成就的予言だという研究があります。これはモナーシュ大学の研究ですが、自己成就的予言は、例えば占い師が今あなたには良くない霊が取り付いてると、そのせいで事故に遭うとか、おそらく足を怪我すると言われたとします。そしたら皆さんは信じないかも知れませんが、しかし変に意識することによって、それが起きてしまうと言う考え方です。

例えば、多くの有名な人が姿勢が悪いと肩こりや腰痛の原因になります、寝る時の枕によって首が痛くなる原因になりますと言っています。そうすると自分は猫背だから腰痛になるんじゃないか、言われてみれば背中が痛い、肩が疲れてる気がすると思うようになります。だんだん痛みに注目し、その痛みが姿勢が原因だという風になり、それによって痛みが増していきます。

実際に2014年43のメタ分析研究によると腰や肩に痛みを感じた人は、3つの 行動をとることが分かっています。

1つ目の行動は、自分の痛みは姿勢が悪いせいと思い込み、思い込んだことによって椅子から立ったり、重いものを持ったりする時に、変に肩を動かしたり、姿勢を変えたりして、変なところに負荷がかかり、実際にバランスを崩して、転んだりすることが起きます。つまり小さな痛みを気にして、普段と違う動きをするせいで怪我すると言う行動です。

2つ目の行動が、痛みに対する不安から、よりもっと姿勢が悪くなります。さらに姿勢が悪くなると、もっと痛くなっちゃうんじゃないかと考え、より痛くなってくるわけです。

3つ目の行動は、痛みを気にして動かなくなることです。自分は姿勢が悪くて腰痛が悪化するかもしれないから、ちょっと運動はやめよう、無理な動きはやめようってなります。運動を控えたことによってメンタル的なストレスが増します。

人は体を動かすことによってストレスを発散するようにできており、実際に筋トレなどをすると、筋肉の中にストレスの分解するタンパク質が生まれ、ストレスに対処ができるようなります。しかし姿勢が悪くなったら痛みが生まれるんじゃないかと思い込み、その不安のせいで運動量が減って、そのことによってストレスが増え、そのストレスが痛みを作り出すというメカニズムが現れます。

ストレスが痛みを作り出すメカニズム

スマホを見ながら歩く

スマホ歩きでは、猫背になって下半身の筋肉がサボる歩き方になってしまうことが知られています。スマホを見ながら、歩くと頭が前に突き出て背中が丸くなります。その結果、骨盤が逆に後ろへ倒れがちになってしまいます。この姿勢では、お尻の筋肉を使って地面を強く押す動きが弱まってしまいます。

その結果、なんとなく足を前に出しているだけの歩き方になってしまいます。その結果、一歩ごとに筋肉が受ける刺激が弱くなり、歩いているつもりでもトレーニングにならない歩行が習慣化してしまいます。

当然、健康のために歩くのが大事で、健康を維持するためには1日6000歩から8000歩程度歩くのが良いとされています。確かに歩くのは大事ですが、これはきちんと下半身の筋肉を使って歩いた時の話です。筋力を使わずにダラダラと歩いているだけでは、いくら歩いても健康への良い影響は生まれません。

また猫背+うつむき姿勢で歩くと、重心が後ろにずれ、膝をしっかり伸ばして地面を蹴る動きが減ってしまいます。本来、膝を安定させるべき大腿筋やハムストリングといった筋肉が十分に働きません。その結果、骨と軟骨だけで体重を受け止めるような状態になってしまいます。

私たちの膝は柔らかい軟骨がクッションになり、ショックを和らげています。歩くたびに片足には体重の2倍近い重荷がかかりますが、このような重荷を股関節だけで支えていれば、どんどん軟骨が擦り減ってしまいます。この軟骨の擦り減りを防ぐ第2のクッションが下半身の筋肉です。

しかし猫背によって、この筋肉をうまく使えない歩き方になってしまうことで、 変形性膝関節症など将来の膝の痛みにつながるリスクを高めてしまいます。さらにスマホ歩きでは、姿勢が常に下向きになります。周囲への注意が散漫になるため、自然とちょこちょこ歩きとなって歩幅が狭くなってしまいます。狭くなると太ももやお尻、ふくろはぎの筋肉への刺激が減るため、下半身の筋肉がどんどん萎縮してしまう原因になります。

美しさは姿勢から

猿の歩き方は、顔が前に突き出て首が傾斜し、また巻き型で猫背で背中に力が入っていません。さらに足の付け根が曲がっていて腰が後方に抜けており、膝が曲がっています。このような姿勢を猿姿勢と言いますが、現代人はこのような姿勢にどんどん近づいています。

この姿勢は人にとって健康に大きな悪影響を及ぼします。そこに体の血流を悪くして老化促進する以下の3大原因が潜んでいます。特に肩こりや腰痛に悩まされている場合は、これらの原因で血流が悪くなっている可能性があります。

  • 胃腸が本来の位置から下がっている
  • 知らないうちに呼吸が浅くなっている
  • ふくろはぎの筋力が低下している

もちろん引き締まった体型は、見た目も若々しく見えますが、一方で姿勢が良い人は美しく見えます。猫背の人より、まっすぐ背筋が伸びている人の方が同じ体系だとしても美しく見えます。腰が曲がっている姿勢だと下腹も出て、お尻も横に広がり、まさしくおばさん体型になってしまいます。

加齢とともに骨や筋肉の衰えもありますが、日々姿勢を意識することが大切です。ちなみに正しい姿勢は、壁や柱に立って後頭部、肩甲骨、お尻、かかとの4つの部を壁につけた状態です。この4つを壁につけられると美しい姿勢と言われています。ポイントとしては腰が反りすぎないように、お腹を閉める、肩の力を抜いて軽く胸を張る、顎を軽く引くことです。もしこの姿勢を取りづらい、いつもの姿勢と大きく違うと感じるようであれば、骨や筋肉が衰えている可能性があります。

10代から30代の姿勢の悪さは、多くの場合が猫背など癖によるものが多いですが、40代以降は骨や筋肉の衰えによって体を支えづらくなっていると言われています。骨や筋肉は何もしなければどんどん衰え、癖で姿勢が悪くなっている人はもっと姿勢が悪くなってしまいます。

背筋を鍛えるアンチエンジング

背筋の中でも最も面積の大きな筋肉が広背筋です。広背筋が発達すると肩幅が自然と広がり、いわゆる逆三角形のシルエットが形成されます。それによって胸が大きく開いた魅力的な姿勢となって若々しい見た目につながります。

実際、研究では広背筋の厚みが体型の魅力度スコアに大きな影響を与えることが分かっています。背中が狭くて肩が丸まっている人よりも、背中が広くて胸を開いている人の方が自信があり、若々しく見えます。逆に猫背は見た目年齢を5歳から最大で10歳高く見せるとされています。

背筋が強くなると胸が開き、首が長く見え、全体のスタイルがシャープになり、さらに若々しく見えることでしょう。 また背筋が強くなると歩き方が美しくなるメリットがあります。背筋が強い人は、骨盤が安定します。さらに腕振りが滑らかになり、歩き方の印象が堂々としたものに見えるようになります。実際、体幹の筋力が高い中高年は歩行時の印象評価で若々しく活力があると判断される率が優位に高いことが示されています。

姿勢と立ち振る舞いが美しいこと

心理学ではハロー効果と呼ばれる現象があります。これはある1つの目立つ特徴が全体の評価に影響を与える現象のことです。例えば姿勢が良いとそれだけで清潔感や信頼感、さらには魅力まで高く評価されます。人は出会って数秒で第1印象を判断し、その時の交わす言葉よりも視覚的情報の割合が高く、姿勢や動作は強く記憶に残ります。背筋がすっと伸びている人は、自身に満ちた健康的なイメージを与えます。また座っている時に骨盤を立て、両足を揃えると美しく見えます。電車で立っている時、デスクワークの最中、料理をしている時でも姿勢を正すように意識するだけで周りからの印象は全然違います。

そして、それが習慣になると筋肉が姿勢を覚えて意識しなくても美しい姿勢を保てるようになってきます。他にも物を取る時に肘や手の動き、相手の方に体を向けて話す時、ドアを開ける時に静かに開けしめするなど、丁寧に静かに行動するように心がけるとその美しい動作はさらに魅力的に見えるでしょう。

姿勢が悪いと血流も悪い

胃腸が本来の位置から下がっている

長時間にわたって直立の姿勢を続けると、重力によって内臓は本来あるべき位置から下がっていきます。このような状態を内臓下垂と言い、本来正しい位置でもっとも正常に機能する内臓ですが、内臓下垂になると様々な不調が現れます。

私たちの消化機能が正常に機能するためには血液が不可欠です。食事の後に眠たくなるのは、血糖値の変化と血液が胃に集中し脳へ行く血液が低下するからと考えられています。つまり消化にとって潤沢な血流が非常に大事なのです。しかし内臓下垂になって胃腸が下がってしまうと、腸がねじれたホースのように折り重なり、血流が滞り、それによって消化機能が低下して胃腸が弱くなってしまいます。また胃腸の機能が低下すると熱産生が低下し、お腹が冷えてしまいます。体温を生み出すのは8割ぐらいが内臓と言われており、冷えからさらに血流が低下してしまいます。姿勢が悪いだけで実はこんな悪循環があるのです。

症状としては、胃の機能が低下し、食べたものを消化できなくなると胃酸が逆流する逆流性食道炎になります。また腸が下がることによって蠕動運動がしっかりできず、うんちを出す力が弱まり便秘になります。便秘が続くと、うんちの毒素が腸管から体に吸収されて、血液が影響を受けて冷え性になりやすくなります。特に女性の場合は、子宮が下がるとそれを受け止める骨盤が歪み、お腹が出る、お尻が下がるなどの影響が出ます。

知らないうちに呼吸が浅くなっている

呼吸の大切な機能に、全身の血流を肺に戻すという役割があります。つまり呼吸が深くできているかどうかで血の巡りが変わってきます。現代人は様々な場面で呼吸が浅くなっています。例えば集中してパソコンのキーボードを打っている時、スマホで見ている時、何かストレスがかかっている時などに息が止まっていることが多くあります。

呼吸は吸うよりも吐くことが大事と言われていますが、これは「呼吸が浅い」という状態の場合のほとんどは、吐くことができていないからです。私たちの肺は陰圧に保たれており、放っておいても空気を吸い込むようにできています。一方で吐く場合には、筋肉の一つである横隔膜を意識して使わないと吐くことせずに、どんどん呼吸が浅くなってしまいます。つまり意識して呼吸を深く吐くことで、自然に深く吸えるようになります。また深く吸うことで呼吸の回数も少なくなり、副交感神経が優位になってリラックスできます。

ふくろはぎの筋力が低下している

心臓は血液を送り出し、体中の血液を吸い上げる役割がありますが、なかなか足先の血液までを吸い上げることが難しいです。運動をして筋肉が収縮するときに近くの血管を揉んで、血管内に滞っていた血液を押し出します。このためふくろはぎは第二の心臓とも言われ、血液を上方に押し上げて滞っていた血流を改善する役割があります。しかし筋肉が弱っていたり、弾力性が失われていると、このポンプ機能がうまく働きません。そのため歩かない人や運動しない人は足が冷えたり、むくんだりします。

また最近では、ふくろはぎは第二の膀胱とも言われたりします。足の血流が滞ると血管内に血液がうっ滞納して、ふくろはぎにどんどん水が溜まっていきます。この状態で横になると、重力でふくろはぎに溜まっていた水が上半身に流れ、おしっことして夜間頻尿の原因になってしまいます。

猫背の原因

年齢共に骨や筋肉が減少し、意識しなければどんどん姿勢は悪くなります。また猫背によって、実年齢よりも老けて見られるだけでなく、肩こり、腰痛の原因になったり、内蔵や血流に悪影響を与えてしまいます。

猫背の姿勢をつくってしまう原因には、スマホやパソコンなどで姿勢が前傾になって、首や肩に負担がかかり、肩の筋肉が硬くなり、前かがみの姿勢を引き起こします。また首の付け根もこり固まることで猫背の原因となります。さらに乱れた座り方で骨盤が後傾して猫背を引き起こします。このような状態が続けば筋肉などが癖付いてしまい、元に戻すことが難しくなります。

猫背の原因となる、主な筋肉としては、後頭部から両肩、背中の中央にかけて広がる「僧帽筋」、肩甲骨を動かすのに必要な「肩甲挙筋」などの首や背骨を支える筋肉のこりです。

また、猫背の姿勢が習慣化してしまうと、背骨や骨盤を正常な位置に保つための筋肉が使われなくなるため次第に衰えていきます。例えば背骨を支える「脊柱起立筋」、内蔵や骨盤を支える「腹直筋」、お尻の筋肉である「大殿筋」、太ももの「ハムストリングス」など、これらの筋肉が衰えて姿勢を保つことがますます困難になっていきます。

このように、猫背になってしまう主な原因は、胸・首・肩周辺の筋肉が凝り固まることや、前頸(くび)と背部の筋肉などが衰えることが挙げられます。

そのため猫背の改善には、背筋を鍛えるのが良いということをご存知かもしれません。ただし背筋を鍛えるだけでは十分ではなく、猫背によって硬くなった筋肉をほぐすことも必要になります。また肩や胸の筋肉をほぐして柔軟性を取り戻すことは、正しい姿勢を維持するためには必要です。

背筋を鍛えることで姿勢を改善する

背中は体の土台を支える大事な部分であり、全身に大きく関わっています。背中の筋肉、背筋は1 つの筋肉ではなく、いくつかの筋肉部から成り立っています。特に重要なのが脊柱起立筋で、これは背骨の両脇に沿って長く伸のびている筋肉で、文字通り背骨を起こして支える役割を担っています。次に広背筋は、背中の下半分を覆う大きな筋肉で、逆三角形の体型を作るのに欠かせない存在です。そしてもう 1 つが僧帽筋で、首の後ろから肩、そして背中の上部に広がっていて姿勢や肩こりにも深く関係している筋肉です。

このように背筋は、姿勢や支える力の話でもあり、体の後ろ側の支柱とも言える大事な部位です。ですが残念なことに現代人は、この大事な背筋をあまり使えていません。その原因はスマホやパソコンなどの長時間使用による前傾姿勢です。猫背になって背筋をサボらせているとだんだん筋力が低下していきます。さらに座りっぱなしの生活も大きな問題で、長時間座っていると脊柱起立筋などの筋肉はほとんど活動しなくなります。つまり現代の生活スタイルは、背筋が衰えやすい一方で、逆に言えば背筋に少し意識を向けるだけで体にちょっとずつ変化が現れ始めます。

腰痛の予防改善

実は腰痛の多くは、背中の筋力不足と深く関係しています。特に脊柱起立筋という背骨を支える筋肉が大きな鍵です。この筋肉が弱くなると背骨をしっかり支えられなくなり、腰の関節や椎間板に負担が集中してしまいます。そのため放っておくと満性的な腰痛につがるリスクも高くなります。逆に背筋を鍛えておくと背骨が安定して腰への負担がぐっと減ります。さらに筋力が増すことで立ったり、しゃがんだり、物を持ち上げたりといった日常動作も楽になります。

ちなみに、フィンランド労働衛生研究所やサウサンプトン大学などが行った16件の研究をまとめた結果では、背筋や腹筋を鍛える筋トレとストレッチ、有酸素運動を組み合わせることで腰痛の発症リスクが約30%も減ったと報告されています。

姿勢の改善

現代人は、スマホやパソコンで前かがみになりがちで、気づくと首が前に出て肩も巻き込んでいます。姿勢は、背筋と腹筋のバランスで成り立っていますが、背筋が弱いと前に引っ張られ、どうしても猫背になります。しかし背を鍛えておくと自然と背骨が伸びやすくなり、胸を張った綺麗な姿勢が取りやすくなります。正しい姿勢は首や腰の負担を軽減し、疲れにくさや集中力の持続にもつながります。そして姿勢を整えることは、見た目の改善だけではなく、体調にも気分にも意外と影響しています。

メンタルヘルスの改善

筋トレをするとエンドルフィンやセロトニンといった気分を高める脳内物質が分泌されます。これがストレスを和らげたり、不安を減らしたりするのに役立ちます。また背筋トレーニングは、姿勢の改善とリンクしていることもメンタルに良い影響を与える理由です。実は、猫背は気分が落ち込みやすい姿勢です。逆に背筋が伸びて胸を張っているとポジティブな気持ちになりやすいことが心理学の実験でも分かっています。

さらに、鍛えることで体が変わるという経験が自己効力感、つまり自分はできるという感覚を高めてくれます。つまり背筋を鍛えることは、姿勢と脳内物質と自己イメージの3方向から心に効くことになります。

運動パフォーマンスの向上

スポーツの動作は、基本的に下半身の力を体幹を通して上半身へ伝えるという構造になっています。この体幹の中でも中心的な役割を果たすのが、まさに背筋です。背筋がしっかりしていると体の軸が安定してブレが少なくなるので、結果的に力の伝達効率が良くります。

実際、グラナダ大学などが行った研究では、腹筋、背筋、骨盤周りの体感トレーニングを4週間以上続けたところ、ジャンプ力、バランス能力、投げる、打つ距離などが明らかに改善した結果が出ています。さら弘前大学の研究では、65歳以上の方が背筋トレーニングを週1回、6ヶ月続けただけで歩くスピードや立ち上がる速さが改善した結果が出ています。

脂肪を燃焼して膝関節の負担を軽減

年を取って多くの人が気になり始めるのが、お腹回りの脂肪ではないでしょうか。お腹回りの内臓脂肪は見た目の問題だけではなく、糖尿病をはじめとする様々な生活習慣病の温床となります。断食は、体内のエネルギーシステムを切り替えることで、このような余分な脂肪を優先的に燃焼させるスイッチを入れることができます。

女性の場合であっても閉経を期に、皮下脂肪型の脂肪のつき方から男性と同じ内臓脂肪型に変わっていきます。このようなことから断食によって余分な内臓脂肪を燃焼することは男女ともに重要な習慣となります。

人間の体は、まず糖をエネルギーとして使います。そして血液中や肝臓、筋肉に蓄えられた糖が尽きれば、次に使われるのが脂肪です。断食をすると数時間で糖のストックがなくなり、代わりに脂肪が分解され、エネルギー源として動員されます。

内臓脂肪というのは皮下脂肪よりも分解されやすくて断食によって真っ先に燃焼が進みやすいという性質があります。脂肪というのは自然に燃えるのではなく、リパーゼと呼ばれる脂肪分解酵素によって小さな分子に分解されてからエネルギーとして使われます。断食によって、このリパーゼの働きが強まり、脂肪燃焼が効率的に進むということが分かっています。

実際、研究では断食状態に入るとリパーゼの活性が優位に上昇したということが報告されています。そして脂肪燃焼のメリットは単なる見た目の引き締まりに止まりません。脂肪が減ることによって得られるメリットは他にも数多くあり、中でも嬉しいのが関節への負担が軽くなることでしょう。

体重が1kg 増えるごとに歩行時の膝関節には4kgの負担がかかるとも言われています。脂肪燃焼による体重減少は、こういった膝のトラブルを予防してくれる大きな助けになります。また内臓脂肪は単なるエネルギーの貯蔵庫ではなく、炎症を引き起こすサイトを分泌します。このような炎症性の脂肪が減れば、炎症性物質が減少して体のだるさや性疲労の改善につながります。さらに脂肪が減少すると、寝ている時に気道が圧迫されなくなって睡眠時無呼吸症候群のリスクが下がります。その結果ぐっすりと眠ることができて、日中の集中力も大きく改善することでしょう。

歩く速度と姿勢

姿勢が悪ければそれだけ歩く時のフォームが乱れ、歩く速度は遅くなってしまいます。逆に姿勢が整っている人は、骨盤が前後に傾きすぎず、背骨のカーブが適正な位置になります。そのため歩行中のエネルギーロスが少なくなります。良い姿勢は無駄な動きを減らす省エネ構造であり、同じ幅でも速度が出やすくなります。

逆に猫背などで姿勢が悪くなってしまえば、重心が後ろにズレ、歩くスピードが自然と落ちてしまいます。また姿勢が良い人は体幹の筋肉がしっかりと協調運動を行っています。そのため歩行時に体が横揺れしたり、ねじれたりすることを最小限に抑えることができます。このような体のブレの少なさは、歩行速度に直結します。なぜならまっすぐ進む力が最大限発揮されるからです。ぶれが少ないほど筋肉が無駄な力を使わずに、歩行のための動きだけにしっかりと集中することができます。

また姿勢が良いと胸郭が広がり、胸が開くことによって酸素の摂取量が増えます。すると息が楽になることで歩行スピードを落とさずに維持することができます。逆に猫背になると胸が圧迫されて呼吸が浅くなり、少し動くだけでも息切れをして歩行速度が落ちてしまいます。

さらに姿勢が良いのは、私たちの目線にも大きな影響を与えます。良い姿勢では、目線の高さが安定し、視界の安定性を保ちます。そのため段差や障害物、歩行ルートの判断が速くなります。このように視覚情報を速く処理できるようになるため、歩行のリズムが一定となって結果的に速度が落ちません。

一方で姿勢が安定していないと障害物を見過ごし、物体にぶつかったり、転倒してしまうリスクが高まるため、非常に危険です。このようなことから防止のためにも歩く時は、必ず姿勢を正すということを意識してみてください。

また歩幅は、歩行速度の最も重要な要因の1つになっています。歩幅が広い人は1歩あたりの進む距離が大きいため、それだけ歩数が少なくてもスピードが自然に速くなります。そして歩幅は大臀筋や太ももの筋肉、股関節の稼働域など様々な要因に左右されます。そのため歩幅は、身体機能の総合力を表すとも言えます。

また歩幅が広い人は、地面を後ろに強く押す反発力を効率よく利用することができます。このような反発力が大きいほど全身がスムーズになるため、自然と速く動くことができます。そのため速く歩くためには、足を早く動かそうとするのではなく、歩幅を広げてみることを意識してみてください。

また、歩幅が広ければ、それだけ同じ距離を歩くための歩数が少なくなります。個数が多ければ多いほど段差などにつまづく確率が上がるため、歩幅が広いことはそのまま将来の転倒や寝たきりリスクを防ぐための重要な習慣です。

筋肉が衰えるペタペタ歩き

歩く時に足の着地を気にしながら歩いていますという人は、ほとんどいないのではないじゃないでしょうか。実は私たちの体は、かかとから着地することに最適化されています。一方で足裏全体で着地するペタペタ歩きをしてしまえば、私たちの体に様々な健康障害が起こりやすくなることが分かっています。

本来の歩行では、かかとが先に地面について親指の付け根にある母指球へと体重が移動していきます。この時、かかとで着地した瞬間に足裏のセンサーが地面の硬さや傾きなどの情報を脳に伝えています。ですがペタペタと足裏全体で着地してしまうと、このような情報が脳に伝わりにくく、どの筋肉をどのタイミングで収縮させれば良いのか、脳が判断しづらくなってしまいます。

また足裏全体でいきなり体重を乗せる歩き方では、ふくろはぎや足首を使ったクッションやバネの働きが弱くなってしまいます。本来ならかかとを支点として足首が少し曲がり、ふくろはぎがバネのように縮んで歩行の衝撃を吸収してくれます。しかし足裏全体が着地して、このクッションが働かなければ膝や股関節、腰などに直接衝撃が伝わりやすくなり、関節の痛みにつながってしまいます。

さらに刺激が低下することで、ふくろはぎの筋力低下にもつながってしまいます。さらにペタペタ歩きの人は、大抵歩幅が狭いです。その結果、足を前に振り出す距離も小さくなってしまいます。歩幅が小さければ股関節の稼動域も狭い範囲しか使われなくなります。

稼働域は、関節が動く範囲のことであり、それが狭ければ股関節はどんどん硬くなってしまいます。股関節は人体で最大の関節の1つであり、この関節が狭くなると太ももやお尻の筋肉が持つ本来の力が生かせず、いつも同じ範囲だけを使う筋肉になってしまいます。そうなることで筋肉は、どんどん弱ってしまいます。

また、凸凹道や坂道などをかかと着地で歩いていると体は無意識のうちに足首や膝の角度を細かく調整します。これは小さな筋肉たちが協力して働く、繊細な動きです。ですが足裏全体でペタッと着地する癖がつけば、こうした微調整のトレーニングが減ってしまい、バランス能力がどんどん衰えて転びやすくなります。その結果、転ぶことを恐れて、さらに小さく歩くという悪循環感も起こってしまいます。このようなことから歩く時は必ず、かかとから着地することを意識しましょう。

東洋医学でストレートネック対策

ストレートネック対策には、まずは日常の姿勢を正しくすることが大切です。また治療する場合、首ばかりにアプローチするのではなく、肩甲骨や背中全体から引きつりをほぐし、腕や腕のつけ根ケアすることも大切です。特に猫背は、前側のデコルテや鎖骨、鼠径リンパあたりを緩めることも大切になります。

ただし、首肩のこりや痛みを引き起こす原因は人によって千差万別です。また同じ原因でも、首が痛くなる人、眼精疲労になる人、疲労感が出る人など症状の出方は人それぞれ違います。

そこで症状の引き起こしている原因を特定するため、それに対しての方法を探る東洋医学的体質診断的アプローチをします。東洋医学は一人ひとりの症状を総合的に捉えて、痛みの生じている部位だけを診るのではなく、体全体と心を一体として考えていきます。そしてツボや経絡を用いながら、身体の内側に働きかけて本来体が持つ自然治癒力を引き出し、体質改善へと導く施術が基本となっています。

例えば首の不調は、特に体内を循環する「血」が不足しているとし、その「血」がつくられる過程に関わる五臓の内「腎」「脾」「肺」にアプローチすることを考えます。

首肩のこりが、額のシワへ

ストレートネックで首肩がこると、首肩周りの筋肉とつながっている頭皮や額の筋肉も影響を受けます。その理由は筋肉同士が筋膜という薄い膜で繋がっているからです。首肩こりが酷く硬くなると、血流が滞り、その影響は筋膜を通じて頭皮や額の血流を悪くして硬くなります。その結果、重くなった瞼を開けようと、硬くなった筋肉を無理やり動かしてシワに繋がることがあります。

筋膜

インディバで姿勢を整える

インディバでこり固まった筋肉をほぐし、正しい姿勢を手に入れるための条件を整えます。筋肉や骨格の状態は一人ひとり異なるので、その人の体に合った施術を行うことが大切です。ボキボキするような矯正とは違い、強い刺激や痛みはなく、安心して施術を受けて頂けます。

ハリニーでは、ご来院して頂いたお客様の姿勢の癖を診ていきます。姿勢を診ることで身体のどこの筋肉がこり固まっているのか、歪んだ骨格を確認します。それらの筋肉をインディバで念入りほぐし、骨格を矯正しやすいようにゆるめていきます。

そして、筋肉のこりを十分にほぐしてから、骨格を正しい位置に戻すための複合矯正を行ないます。複合矯正はストレッチするような感覚で受けられる矯正で、歪んだ骨格(関節の位置)を整える施術です。最後に筋肉をほぐして、骨格を整えても姿勢の癖などによって元に戻らないように正しい姿勢を維持するためにどうすれば良いかをお話させて頂きます。姿勢を改善するためには、整えた骨格を維持するために筋肉を衰えさせないことも大切だからです。

【本コラムの監修】

恵比寿院長

HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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