東洋医学で診る、甘いものを食べたくなる

東洋医学で診る、甘いものを食べたくなる

〝甘いものが大好き!〟
〝疲れた時や仕事が立て込んでいる時などに
 甘いものが食べたい!〟

というは、脳がいち早くエネルギーになるぶどう糖=甘いものを取り入れたいと思うからです。ただし、甘いもの(精製された糖)は血糖値が短い時間に激しく上下します。そのため血糖値が下がった時にまた甘いものを食べたくなるという、血糖値の急上昇と急降下を繰り返して、余計に体が疲弊します。また血糖値の急降下は、眠気やだるさの原因となります。

そのため、疲れた時には血糖値を緩やかに上げるGI値の低い食品を選んで食べることが大切になります。

一方で東洋医学的には、甘いものを摂りたいというのは、『脾』が弱っているサインです。『脾』は、西洋医学の「脾臓」とは少しイメージが違います。『脾』とは、現代で言うならば胃に近い働きをしていて、消化・吸収・栄養を担い、内臓や外見の位置を保つことに関わっています。また感情面では「思い悩み」と関係があり、思慮、思考、判断、執着的、知的などの精神的な関係があります。

例えば「ストレスが胃にくる」とも言い、東洋医学でいう脾や胃の感情は「思い悩み」が影響するため、常にストレスと隣り合わせの部位でもあります。

特にストレス社会である現代では、胃腸の不調など消化器系の問題を抱えている人が非常に多くいらっしゃいます。つまり脾や胃にかなりの負担がかかっている状態です。そのため脾臓のバランスをとることによって、甘いものへの欲求を抑えることが大切になります。

脾が不調になると出てくる体のサイン

  • フェイスラインのたるみ
  • ほうれい線
  • 目尻や口角が下がる
  • 肌が黄っぽくなる
  • 胸、お尻、お腹がたれる
  • 胃がもたれる

精製された糖(白砂糖、小麦粉、白米)

精製された糖の代表が白砂糖、小麦粉、白米です。これらが原因(白い悪魔)となって起こる病気として、糖尿病、アルツハイマー型認知症、慢性関節炎、各種アレルギー疾患などがあり、これらは食事で原因で起こる「生活習慣病」とも言われています。生活習慣病は食事を見直すことでしか改善できない病気とも言えます。

なぜ精製された糖(炭水化物)が体に良くないのかというと、あまりにも消化・分解が簡単なためです。分解されたぶどう糖はすぐに血液中に入り、急激に血糖値を上げてしまいます。そうなると脳が瞬時に体に緊急事態が起こっていることを膵臓に伝えて、大量にインスリンが放出されます。しかしやがて疲れ果て、徐々にインスリンを作り出す能力も衰えて同時に血糖値が下がりにくくなります。この状態が「糖尿病予備軍」と言われる状態で、さらにこの状態が続けば血糖値が下がらなくなり、本格的な糖尿病になってしまいます。

また、膵臓に負担をかけることは、副腎にも負担をかけることになります。血糖値の乱高下は体に強いストレスを与えるため、副腎からコルチゾールやアドレナリンなどのストレスに対抗するためのホルモンが分泌されます。そしてこの状態が長く続けば当然副腎も疲弊していき、副腎疲労を招き、様々な不調が体に現れるようになります。

甘いもの(精製された糖)≠糖質

糖質は太るから摂らないという方もいらっしゃいますが、当たり前ですが体にとっては必須なものです。炭水化物を抜くと痩せるというのは、白米やパンなど分かりやすく制限しやすいからです。研究では、糖質を制限してもしなくても、同じカロリー量であればダイエット効果が変わらないことが分かっています。さらに糖質は長い間制限してしまうとかえって太るということも分かっています。いずれにしても糖質制限は分かりやすく、最初は痩せますが、それ以上に長期的に見れば痩せづらい体になってしまいます。

医学誌で有名なランセットで発表された論文では、死亡率と糖質量に相関関係があり、総摂取カロリーの50%前後が一番死亡率が低いことが分かっています。つまり1日に食べるカロリーのうち半分程度は糖質から摂ることが良いのではないかということです。ちなみに低糖質(30%以下)より高糖質(70%以上)の方が寿命が長くなることも分かっています。

摂るべき糖質は、ざっくり言えば、自然のままの加工していない糖質です。また抗栄養素が少ない食材、炎症を促進するようなグルテンが含まれる小麦や豆類は少なめにした方が良いでしょう。

質の高い糖質が含まれる食材

ベリー類(毎日100g)大量のアントシアニンである抗酸化物質は体内の炎症レベルを下げてくれます。冷凍ベリーは安価でアントシアニンの吸収効率が高いためおすすめです。
オレンジミネラルの中で特に重要なマグネシウムが多く含まれ、睡眠の質に大きく影響します。シトラスフラボノイドという抗酸化物質も多く含まれます。
ぶどうルテイン、ケアスティンなどフィトケミカルが多く含まれており、抗酸化作用、抗炎症作用の両面で非常に効果が高いです。
パイナップルミレラルやフィトケミカルのバランスが良く、中でもプロメラインという抗炎症作用に優れた栄養素です。またパパイヤもミネラルやビタミンが多く含まれ、パパインという独自の成分が抗炎症作用が高い物質であると知られています。
ざくろ  心疾患、関節痛の予防、腸内環境の改善、抗酸化や抗菌作用など様々なメリットがあります。また甲状腺ホルモン生成を促して代謝アップになるため、肌にも良い効果があります。
さつまいも糖質の質を上げるためには、お米や小麦を摂るのを止めて、さつまいもを主食にすると良いと言われています。またジャガイモも栄養バランスが良く、食品満足度も高いことが特徴です。ただし蒸したり、冷やしたりする必要がありあります。特に冷やすとレジスタントスターチという食物繊維が腸内環境を良くしてくれます。

最低限の糖質で痩せやすい体へ

ただし、糖質制限といってもお米を減らして野菜を多く摂る場合と、肉を主食にする場合は全く糖質制限の質が違います。このような質が考慮されていない研究という側面がありますが、いずれにせよ質の高い糖質を摂ることが大事なことになります。つまり糖質制限ではなく、糖質厳選することが重要であり、糖質制限では必要な栄養素が不足することが問題なのです。

ダイエットで体が飢餓状態になると、脂肪がエネルギーとして燃やされます。さらに追い込まれると老化した細胞や体に残った必要のないものが燃やされてエネルギーにしようと働きます。ここにアンチエイジング効果があり、この時点で食べ物を補給すれば、新しく細胞を生成するターンオーバーが活性化して美しいお肌が保てることになります。

このようなオートファジーによる細胞活性化するためダイエット(断食)するわけですが、ここで酵素ジュースや野菜ジュースを飲んでも意味がないことが分かるでしょう。

最高の食材はジャガイモ

ジャガイモには、睡眠の質や腸内環境を改善、免疫力アップによるアレルギーの改善などに効果があると言われています。ジャガイモに含まれる糖質と食物繊維(レジスタントスターチ)が腸内環境を改善し、免疫系が改善するため睡眠の質を上がり、体内の脂肪が燃えやすい状態をつくってくれます。実は睡眠の質には免疫系の問題が多く関わっているという指摘が多くあります。

腸内環境を改善するレジスタントスターチは腸内細菌のエサになり、酪酸と言われる短鎖脂肪酸を生成します。この酪酸が免疫を改善し、体内の炎症を抑えてくれる役割を果たします。つまり睡眠の質だけでなく老化対策になるのではないかと考えられています。

この酪酸は腸のバリア機能、リーキーガットを抑えてくれて、食後の血糖値、インスリンの上昇を抑え、血糖値を安定させる効果があると考えられています。

また、ジャガイモはリーキーガットの原因になるレクチンという物質が含まれていることやGI値が高い食べ物として知られていますが、ジャガイモの食べ方でこれらのデメリットはなくすことができます。

茹でたジャガイモは、血糖値の上昇が抑えられ、さらに冷やすとレジスタントスターチ量が増えます。ただしオーブンで焼くとGI値が100まで上がることが分かっており、揚げるのもNGです。また必ず良質な油(オリーブオイルなど)と一緒に摂ることで、GI値が下がり、緑葉色、葉物野菜と摂ると糖質の吸収を緩やかにしてくれます。

甘いものを抑えるツボ

脾が弱ると身体は自然と甘いものを欲して食べたくなりますが、チョコレートなどの嗜好品を選んでしまうと身体の中に『湿』が溜まり、身体が重だるく、そしてむくみやすくなってしまいます。 そんな時には、慢性的な胃もたれ・膨満感、甘い物の過食などの症状がある方におすすめするツボです。

太白(たいはく):足の親指の付け根にある太い骨(中足指節関節)の内側で、膨らみの後ろの陥凹部

親指の腹でツボを気持ち良いと感じる強さで押してください。

太白(たいはく)

消化器の働きを高めるほか、余分な湿を取り除く、内出血が出やすい・鼻血・血尿・不正出血など血液が漏れ出さないよう保持する力を高めることができます。

ぜひ知識を持って自分の大切な身体を癒やしてあげてください。

【本コラムの監修】

HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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