東洋医学で診る、眉間のシワ

東洋医学で診る、眉間のシワ

シワが最初にできる場所は人によって違います。それは、顔の部分によって内臓や経絡の管轄が違うからです。どの部分にシワができるかで内臓がどこから老化しているのかを知ることもできます。

眉間のしわと内臓の関係

例えば、眉と眉の間の横しわは、肺の機能低下が疑われます。東洋医学でいう「肺」の場所に当てはまります。呼吸器や気管などの肺の機能低下は、何かに我慢したり、言葉で伝えられない思いが重なり咳となって、肺に負担をかけることが考えられます。また肥満によって肺が圧迫されている場合、頬に黒ずみが表れ、眉間の横シワができた場合、肺の下部に滞りの兆候が考えられます。

一方で眉間の縦しわは、肝臓にも縦しわができていると考えられます。肝臓がストレスにより機能が低下すると、血液がうまく浄化されません。その結果、汚れた血液が体内を循環してしまい、そのためイライラして眉間のシワが険しくなります。つまり眉間のシワが増えたり深くなることは、すなわち肝臓が硬くなっている可能性があります。また眉間の中央が膨れている場合は、肝臓肥大か脂肪肝の疑いが考えられます。

その他、額の横しわは小腸や大腸の不調、ほうれい線は胃腸の不調、頭頂部は腎臓や膀胱と相関関係、目の下は腎臓、左こめかみは脾臓、鼻は心臓、唇は胃と腸(消化管)、口の周りは生殖器などと深く関わっています。

プチ断食で内臓の疲れを取る

内臓の疲れを取るには、睡眠時間を含めた「ものを食べない時間」を16時間以上つくることです。さらに脂肪が分解されやすくなり、オートファジーが活性化します。

胃腸や肝臓は食べ物を何時間もかけて消化しますが、1日3食にすると内臓はフル回転で休みなく働き疲弊してしまいます。その結果、様々な不調を引き起こします。

また、体は糖質を分解してエネルギーとして使い、余った糖質を筋肉、肝臓、脂肪細胞に蓄えています。食べなければ血中の糖質が消費され、筋肉や肝臓に蓄えられた糖質の塊であるグリコーゲンも完全に消費されてなくなるため、脂肪を分解してエネルギーにしようとします。つまり空腹の時間が長ければ長くなるほど脂肪がどんどん分解されるのです。

そして、病気や老化は細胞の異常や劣化によって引き起こされます。加齢や食生活の乱れ、ストレスによって細胞にコピーミスが起こり、数が多くなれば癌になり、さらに細胞内のミトコンドリアが活性酸素を生させてしまいます。古くなった細胞(タンパク質)は古くなったり、壊れたりすれば体外に排出されますが、排出できなかったものは細胞内に貯まり、様々な心身の不調や病気、老化の原因になります。つまり細胞さえ正常に機能していれば常に健康でいられるのです。そこで古くなった細胞や壊れた細胞内のタンパク質を集めて分解すれば、エネルギーとして再利用する働きをオートファジーと言い、細胞や組織、器官の機能が活性化し、病気になりにくく若々しい体になります。しかし体の中に食べ物の栄養が十分ある状態ではオートファジーは働きません。そのため最低16時間程度のプチ断食が必要になるのです。

表情癖による眉間のシワをほぐす

表情癖による眉間のシワに効果的なのが、眉間の周辺の筋肉である皺眉筋(しゅうびきん)をほぐすことです。表情癖で硬くなった筋肉を緩めて、血液やリンパの流れが良くなることシワを改善します。その方法は以下の3ステップです。

1.額をクルクルする額の筋肉をほぐします。顔の中央から外側に向けてクルクルしてください。前頭筋は瞼(まぶた)を開いたり、眉を動かすときに使われる筋肉ですが、目を酷使したときやストレス・疲れにより筋肉が凝り固まって縮みます。適度にほぐして緊張を緩めてあげてください。
2.眉頭下のツボを押す眉頭下の窪みを親指で上に押し上げるようにプッシュします。攅竹(さんちく)というツボを刺激することで、血行をよくします。これだけでも疲れた目がすっきりしてまぶたの開閉がしやすくなります。
3.眉をつまんでほぐす眉頭から眉尻にかけて親指と人差し指で摘んで眉のコリをほぐしていきます。凝り固まった皺眉筋(しゅうびきん)付近をほぐします。眉をつまむことで血流も促進されて老廃物が流れやすくなります。

※あまり力を入れすぎないように気持ちいい程度の強さがオススメです。

シワの原因の多くは、表情癖と乾燥

前述のようにシワと内臓には相関関係がありますが、シワの原因の多くは表情癖や肌の乾燥です。特に眉間は皮脂分泌が少なく、水分も蓄えにくい皮膚質の部分です。紫外線や乾燥で表皮の水分が蒸発し、皮膚が薄く硬くなることで眉間のシワとなります。

肌の乾燥は、睡眠不足、偏った食生活で塩分の摂りすぎなど、細胞中の水分が奪われたり、円滑に血液を送ることができず、体の末端までミネラルや水分などの栄養が行き渡らない状態から起こります。その結果、血液不足によって、冷えを引き起こし、代謝が落ち、肌の栄養不足から乾燥して、しわができてしまいます。

特に肝臓は、円滑に血液を送る作用と、血液の貯蓄を担っており、その機能が美容ととても深い繋がりがあります。そのため、体調トラブルの多くがしわ、たるみ、くすみ(STK)、シミとして顔に現れ、老けた印象になってしまいます。

肝臓に効くツボ

眉間のシワは、筋肉をほぐすことや美容鍼で薄くすることができますが、やはり根本的な肝臓機能を改善しなければ、なかなか日々のケアだけでは消えないシワになってしまいます。体のエネルギーの流れる線路である「経絡(けいらく)」に沿って存在する「ツボ」を刺激することよって、肝機能の改善をしましょう。

老宮(ろうきゅう)陽池(ようち)

老宮(ろうきゅう):左右の掌の真ん中付近にあるツボ

効果:肝機能の向上

陽池(ようち):左右の手の甲側の手首の真ん中より少し小指側の凹んだ部分

効果:肝臓に効くだけでなく、体を温めて冷えを取ってくれるツボ

深い呼吸を意識しながら、気持ちいい程度に押してみてください。

美容鍼で眉間のシワ対策

美容鍼で眉間のシワに直接刺鍼します。美容鍼はシワの奥にあるコリ固まった筋肉(眉筋、眉毛下制筋など)に直接アプローチをして緩めることができ、シワの改善に効果的です。 また鍼をするとマイクロトラウマの原理により真皮層のコラーゲン量が増え、ツヤ・ハリ感を維持するだけでなく、筋肉が緩むことで血流が良くなり、お肌のトーンも明るくなります。

このように美容鍼は皮膚の真皮層を刺激し、肌の内側からシワにアプローチできます。シワの深さや長さに対してアプローチする鍼の本数を調整します。ご自身のお悩みによって鍼をする経絡やツボも変わってきますので、気になる点はカウンセリング時に鍼灸師にご相談ください。

眉間のシワ対策のツボ

太淵(たいえん)神門(しんもん)

太淵(たいえん):親指の付け根あたりで、手のひら側にある手首にできるしわの端。触れると軽く脈打っているところ

神門(しんもん):手首にあるしわのライン上で、小指側にある腱の内側

攅竹(さんちく)

攅竹(さんちく):眉頭(眉毛のいちばん内側)のすぐ下にある深いくぼみ

これらを深い呼吸を意識しながら、気持ちいい程度に押してみてください。

【本コラムの監修】

恵比寿院長

HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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