赤ワインに含まれるレスベラトロールの効果

    赤ワインに含まれるレスベラトロールの効果

    マサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ博士が発見した若返り遺伝子がつくる酵素(サーチュイン)が、細胞の老化の原因になる活性酸素を消したり、免疫細胞を正常化したりする働きがあることが分かっています。

    誰もが持つ若返り遺伝子ですが、ほとんどの場合、眠ったままで働くことがありません。しかし、空腹状態を16時間続けて、一種の飢餓状態にすると若返り遺伝子が働きはじめることが分かっています。

    しかし、空腹を16時間続けるのは難しいので、そこで若返り遺伝子を目覚めさせる「レスベラトロール」という成分が注目されています。

    レスベラトロールを多く含む食材

    レスベラトロールとは、赤ワインやブドウの果皮などに含まれるポリフェノールの一種です。赤ワインはポリフェノールが多いというのは有名ですが、インドネシアで生命樹と呼ばれるメリンジョも多くのポリフェノールが含まれています。

    インドネシアでは、メリンジョを使った料理や、ウンピンというおせんべいも一般的で、メリンジョをよく食べる地域は、平均寿命が長いという話があります。

    レスベラトールがもたらす効果

    その効果はアンチメタボ、血管強化、糖代謝改善、抗ガン作用、肥満や認知症予防、加齢による 眼病予防、ED予防など。現在、私たちが恐れている多くの病気を予防するのに効果があると言われています。

    例えば、フランスは高脂肪摂取量が多いにも関わらず冠動脈効果疾患の死亡率が低いというデータがあり、赤ワインに含むレスベラトロールやプロアントシアニジンなどのポリフェノールによる効果によるものと確認されています。

    また、毎日赤ワイン3~4杯を飲んでいる人は、まったく飲まない人よりアルツハイマー発症率がおよそ25パーセントも低いことが研究でも分かっています。

    赤ワインは体に良くない!?

    お酒は少量であっても健康に良くないことはすでに信頼ある研究によって明らかになっています。そしてお酒を飲みすぎることは体の健康だけでなく、脳に非常に大きな悪影響を与えることも分かっています。

    千葉大学の研究チームは、アルコールと脳萎縮の関係を調べた調査を行い、日本酒を1日2合以上飲む人は、2合以下の人に比べて脳萎縮が進んでいたことが明らかになりました。さらに毎日2合以上飲み続ける状態が続くと同年代の人に比べて脳の萎縮が10年も早く進んでしまう結果になっています。

    それでもお酒が好きで止められないのであれば、健康や脳活を意識するならば赤ワインがオススメになります。赤ワインに含まれるレスベラトロールには、高い抗酸化作用、抗炎症作用、老化を遅らせ寿命を延ばす働きがあり、長寿遺伝子を活性化させ老化防止にも効果があるからです。さらに記憶力の低下を防いでくれるなどの脳に良い影響を与えるという研究も発表されています。

    そもそもアルコールは私たちの体に悪いのは間違いないですが、しかし同時に体に良い影響を与えるレズベラトロールが含まれています。そのためアルコールに注目すれば赤ワインは悪いという結果に、レズベラトロールに注目すれば健康効果がもたらされるから良いという結論になります。お酒が大好きな方には、お酒の中で健康に良いという研究結果が出ているのは赤ワインぐらいなので、飲むにしても1日2杯程度に留めておきましょう。

    お肌のシミ・そばかすにも効果

    一般的にレスベラトロールには、既にメラニン産生を抑える効果があると報告されています。

    このメラニンとは、シミ・そばかすの原因となる黒色の色素のことです。その色素沈着を起こしたものがシミ・そばかすとなります。また正常な細胞が傷付きにくくなることから、肌のコンディションを維持し、若々しさを保つ作用も期待できます。

    レスベラトロールはサーチュイン遺伝子(若返り遺伝子)を活性化させ、細胞のエネルギーをつくるミトコンドリアの機能を回復させたり、遺伝子を修復したりします。そのため、若々しさを保つ効果があると示唆されています。

    このレスベラトロールはブドウや赤ワインから摂ることができますが、実は含有量はあまり多くありません。そのため、赤ワインを大量に飲むと、アルコールの過剰摂取につながってしまいます。効果的にレスベラトロールを摂るのであれば、成分が凝縮されているサプリメントを使用するのがいいでしょう。

    リンゴンベリー

    リンゴンベリーにはレスベラトロールというポリフェノールがずば抜けて多く含まれています。ポリフェノールには、細胞やDNAタンパク質などの酸化ダメージを与える活性酸素などの有害物質を無害な物質に変える作用があります。この抗酸化作用により老化予防や動脈硬化などの生活習慣病から私たちを守ってくれます。その他にも、血管や腸の健康維持、脳機能の向上、炎症の抑制などのメリットが多くあります。

    ただし、ポリフェノールは、一度に沢山摂っても効果がないということが分かっています。なぜならポリフェノールは水に溶けやすい性質があるため、摂取後1から2時間で抗酸化作用が高まり、4時間ほどで消えてしまうからです。そのため3から4時間おきにこまめに摂取することが好ましいと言われています。またポリフェノールには沢山の種類があり、自然界に8,000種類以上あると言われています。

    ポリフェノールの代表的なものには、チョコレートの「エピカテキン」、赤ワインの赤色の原因の「アントシアニン」、緑茶の「カテキン」、ウコンの黄色い色素「クルクミン」、大豆の「イソフラボン」、コーヒーの「クロロゲン酸」などがあります。

    その中で注目されている成分が、赤ワインに含まれている「レスベラトロール」です。フランスでは健康に悪い食事をしている方が多くいるのにも関わらず、心臓病で死亡する割合が他の国に比べて低いのは、赤ワインを日常的に飲んでいるからではないかと言われています。しかし赤ワインは健康に良いのはポリフェノールに注目すればそうかもしれませんが、アルコールは健康に悪いことも確かです。

    そこで注目されているのがレスベラトロールの圧倒的な含有量を誇る「リンゴンベリー(北欧の植物果実)」です。レスベラトロールの確認されている美容効果は、肌のシミが消える、潤いがアップする、炎症を防ぐなどです。そしてリンゴンベリーの健康効果として認められているものが、腸内の善玉菌の増加、血糖値の正常化、心臓や目の健康促進、がんのリスク減、脳や口腔内の健康維持などです。

    【本コラムの監修】

    恵比寿院長

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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