細胞レベルでダイエット

    細胞レベルでダイエット

    細胞には必要な栄養分を取り入れ、不要な老廃物を排出する機能があります。太るということは細胞内に脂肪が過剰に蓄えられている状態であり、脂質が代謝の異常を起こしている状態です。ホルモン、伝達物質、酵素の異常として現れ、免疫低下、高血圧、糖尿病、高脂質血症、がん、肥満などの生活習慣病のリスクが高くなります。

    現代人は忙しく、糖質中心の食生活になりがちなため、糖質を控えて良質な資質を摂取するという食生活が必要です。脂質の量を食事バランスの中で半分程度にするこの方法は、ケトジェニックダイエットと呼ばれ、脂肪をエネルギー源として利用することを促すものです。

    ダイエットが成功するというのは、細胞に過剰に蓄えられた中性脂肪が放出されて、元の大きさに戻り炎症がなくなることを意味します。肥大した脂肪細胞が小さくなることで、脂肪組織自体も小さくなります。

    ダイエットには腸の健康を保つ

    脂肪組織は体にとって重要な内分泌器官でもあり、アディポカイン(機能性タンパク質)を分泌します。この物質は脂肪組織内で酸欠(脂肪が溜まる中で起こる)が起こると炎症を起こしてしまい、血圧の上昇、中性脂肪値、コレステロール値の上昇を誘発します。また内臓脂肪が多い人は、この炎症物質によって脳の萎縮が進むことも分かっています。

    細胞レベルでダイエットに成功するためには、まずは腸の健康を考える必要があります。腸の働きが良ければ効率よく栄養が吸収可能になり、体にとって不要なもの、ダメージを与えるものを排除することができます。その役割を担うのが腸内細菌であり、栄養成分の抽出や吸収、免疫機能の一部としての役割、腸の上皮細胞(腸粘膜上皮)を保護する働きがあります。

    この保護する粘膜が悪玉菌などで破壊されると免疫細胞が過剰に反応するリーキーガットと呼ばれる反応が起こります。それが慢性的になれば免疫機能が機能せず、抗体が自分の組織を攻撃する自己免疫疾患という現象が起こります。またリーキーガットによって腸が炎症を起こし続ければ、脂肪細胞も炎症を持続的に起こし続けます。

    また、この腸内細菌の組成は3歳までに決まるとも言われておりますが、偏った食生活が長く続くと組成が大きく変化し基本組成に戻すことが困難なることもあります。さらに年齢を重ねると善玉菌が減り、悪玉菌が増えるためなるべく腸内細菌のダメージを避ける食生活が大切になります。

    脂肪細胞が脂肪を溜め込む

    一方で内臓脂肪を溜め込まないためには、過剰な糖分を避ける必要があります。通常は、体に糖分が吸収されると、膵臓からインスリンが分泌され血糖値を下げ、血液中の血糖値はほぼ一定に保たれます。また細胞の代謝に必要な量以上のブドウ糖は、肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えられます。しかし蓄えられる量は僅かで、これ以上の過剰な糖は脂肪に作り変えられます。

    この脂肪の合成を促進するのがインスリンであり、脂肪細胞に脂肪を溜め込む働きも担っています。そのためインスリンは脂肪蓄積ホルモンとも言われています。このように過剰に糖を摂取することで、インスリンによって脂肪細胞の中にどんどん中性脂肪が詰め込まれて肥満になってしまうのです。

    現代人の多くが、いつも何かを食べており、その多くに糖分が含まれているため、血糖値を下げるために、膵臓でインスリンが1日中分泌されている状態になっています。そうなればこのインスリンの刺激を受けにくくなり、細胞内に入ることができない糖分は血液中に溢れ出します。そして膵臓は血糖値が高いためインスリンを分泌するようになり、糖もインスリンも血液中で多くなる状態になります。この状態をインスリン抵抗性と呼び、食後の血糖値が下がりにくくなります。糖尿病はこのインスリン抵抗性が極端に悪化した状態です。

    一方で、脂肪細胞はインスリン感度が低下しないため、インスリンは脂肪細胞に積極的に働きかけてますます脂肪を蓄積するようになります。また肥満の背景にはインスリン抵抗性の他に満腹ホルモンであるレプチンの働きが低下して、過剰に分泌されるレプチン抵抗性もあります。

    間欠的ファスティング

    この肥満の原因であるインスリン抵抗性とレプチン抵抗性を誘発するのが、加工食品を中心とした食生活です。インスリン抵抗性とレプチン抵抗性を改善するためにもの食生活の見直しが必要であり、その方法のひとつが間欠的ファスティングです。

    この間欠的ファスティングは、どの時間でも良いので、1日の食べる時間を8時間以下にすることです。この方法を継続することによってインスリン抵抗性とレプチン抵抗性を改善することができます。また1日おきでも代謝障害やホルモン異常が改善されるため比較的取り入れることが容易です。

    実はファスティングの健康改善効果のメカニズムは完全に明らかになっていませんが、定期的にエネルギー摂取を減らすことは、慢性炎症など多くの代謝異常を改善し、神経変性などの進行を食い止める効果があります。

    脂質、タンパク質、食物繊維のメリット

    脂質を摂りすぎると、油分が血流に乗って脂質異常症(高脂血症)になり、脂肪に吸収されて肥満になり、血管にこびりついて動脈硬化の原因になる、というのは間違った認識です。2015年にアメリカの食事摂取基準が改訂されており、そこには「脂質を控えても心臓病や肥満の予防にはつながらないため、脂質の摂取は制限しない」と明記されています。現在では心臓病や肥満のみならず動脈硬化の原因にもならず、逆に中性脂肪が減るという研究結果もあります。

    コレステロールや中性脂肪といった血中の脂質は肝臓に合成されたものです。脂質を多く摂取すると肝臓での脂肪合成が休止し、中性脂肪のような悪い脂肪が増えづらくなります。逆に脂質の摂取が少ないと中性脂肪の合成が活発になります。

    一方で、タンパク質も摂りすぎは腎臓に良くないという間違った認識があります。タンパク質の摂取は腎臓に悪影響を及ぼさないことが科学的に明らかになっています。むしろ日本人のタンパク質摂取量が2000年代頃から急激に減少しており、現在では戦後1950年代と同じ水準まで落ちていると言われています。

    食物繊維の代表は野菜であり、2014年には食物繊維が肝臓に働きかけて、血糖値の上昇を抑制することが明らかになっています。さらに細胞が血糖を取り込む際に、脂肪細胞側にだけ蓋をして、筋肉への取り込みを優先させるのではないかという研究報告もされています。厚生労働省の基準によれば、1日の食物繊維摂取量の目標は男性で21g以上、女性で18g以上となっていますが、2015年の平均は14.5gでした。

    これら脂質、タンパク質、食物繊維を複合的に摂ることで、血糖値の上昇にブレーキをかけるができます。またこれらを糖質より先に食べる(ご飯よりおかずを先に)ことで、インクレチンや短鎖脂肪酸によって体が血糖取り込みの準備を整えることができ、糖尿病や動脈硬化の原因となる「血糖値スパイク」を抑えることができます。

    健康的に痩せる

    健康的な体には健康的な腸内環境が必須であり、肥満や内臓脂肪が多く付いている方は慢性炎症が起こっており、高血圧、糖尿病、脂質代謝異常症などの生活習慣病のリスクが高くなります。太る原因であるホルモンコントロールをしつつ、腸内環境を改善して、健康的に痩せるためには、当たり前ですが食事、運動、睡眠、ストレスマネジメントが重要です。

    特に食事は重要な要素であり、食事中の脂質が炎症を起こしやすい脂質である場合は、細胞膜で炎症が起こり機能低下を招くことになります。悪い脂質は劣化しやすい脂質であり、その代表例が植物からできた脂質、サラダ油の主成分となる大豆油、ひまわり油、キャノーラ油です。

    これらは多価不飽和脂肪酸と呼ばれ、脂肪酸の中に複数の劣化しやすい部分があります。またショートイングやマーガリンなど工業的につくられた植物油脂なども悪い油であり、細胞の機能低下を招きます。さらに外食で食べる油も、大部分が繰り返し使われた劣化した油です。

    一方で摂るべき脂質はバター、ギー、オリーブオイル、ココナッツオイル、アボガド、アーモンドなどのナッツ類の脂質です。良質な脂質を摂れば、細胞は良質な細胞膜でてきた細胞になります。また健康を維持するためにも1日4分から10分程度の筋力の萎縮を防ぐトレーニングも必要です。

    【本コラムの監修】

    恵比寿院長

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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