お家でセルフケア、代謝をあげるツボ

    お家でセルフケア、代謝をあげるツボ

    代謝には、代謝、基礎代謝、新陳代謝の3つがあります。代謝は、生命維持のために摂り入れた栄養素から細胞や骨などを合成したりするプロセスのこと。基礎代謝は、寝ていても消費される心臓、呼吸、体温調整などに消費されるエネルギーのことです。1日に消費されるエネルギーの60〜65%が基礎代謝です。新陳代謝は古いものを排出し、新しいものに入れ替わることです。一般的にはこれらの総称を代謝として扱うことが多いように思います。

    これら代謝が低下すると

    • 汗をあまりかかない
    • 肌の再生ができないので肌荒れや肌老化が進む
    • 太りやすくなる

    など様々な不調が現れます。

    代謝とは何か

    基礎代謝は、生きていくために必要最低限なエネルギー量のことを指し、例えば体温維持や脳や内臓の活動などに使われ、全消費エネルギーの約60%を占めています。ダイエットで基礎代謝を上げましょうと言われるのは、基礎代謝が全消費カロリーの半分以上を占めているからです。

    そして基礎代謝以外にも活動代謝、食事誘発性熱産生(DIT)があります。活動代謝は、日常生活の運動で消費されるエネルギーのことで、全消費エネルギーの約30%を占めています。食事誘発性熱産生は、食事に伴って消費されるエネルギーで全消費エネルギーの約10%を占めています。

    タンパク質を食べたら代謝が上がるのは、タンパク質が炭水化物や脂質といった他の栄養素と比べて食事誘発性熱産生が高いからです。例えば糖質約6%、脂質4%に対して タンパク質は約30%のエネルギーが消費されると言われています。

    私たちは、食事や脂肪からエネルギーを作って、それを使うことで体温の維持や脳や内蔵、筋肉などを動かすことができます。そのため基礎代謝が落ちていることは、生きるために最低限必要な体温の維持や脳や内臓の活動するためのエネルギーの変換がスムーズに行われていないということです。

    基礎代謝が落ちる要因には、主に3つあります。1つ目はエネルギー源の不足です。当たり前ですが食事や脂肪がなければエネルギー源が不足するため代謝ができません。こんな状態で無理やり運動しても痩せませんし、いずれ不調の原因になります。

    2つ目はエネルギー産生の不足です。私たちが食事をしなくともある程度生きていけるのは、体温や脳や内臓の働きを下げて生きるために必要なエネルギーを絞ることができるからです。つまり基礎代謝を下げてでも体の働きを維持しようとします。

    3つ目はエネルギーの利用不足です。自律神経によって血管が収縮したり、心拍数が上がったりすることで体温は維持されています。また基礎代謝に関わる内臓の働きも自律神経によってコントロールされています。つまり基礎代謝におけるエネルギー利用の不足が起こる大きな要因は自律神経にあります。ちなみに基礎代謝に影響する筋肉の割合は約20%しかありません。

    代謝が低下する原因は

    基礎代謝が低下する原因の1つ目は、糖質不足です。糖質は代謝を動かすための主なエネルギー源のため、不足すると基礎代謝は落ちます。特に甲状腺ホルモンが少なくなって基礎代謝は落ちてしまいます。

    基礎代謝が低下する原因の2つ目は、栄養不足です。糖質や脂質などを取り入れたエネルギー源をエネルギーに変換するときに必要な栄養素が足りてないケースです。例えば糖質を十分に摂っていても、エネルギーへの変換に必要な栄養素である鉄とビタミンB群がないと、いくら糖質や脂質を食べてもエネルギーとして利用できる形になりません。

    基礎代謝が低下する原因の3つ目は、寝不足やストレスです。これらは、基礎代謝をつくる体温の維持や脳や内臓の活動に関わる自律神経に影響するからです。自律神経の活動が悪くなると体温維持も内臓の活動も影響を受けて基礎代謝が低くなってしまいます。

    基礎代謝が低下する原因の4つ目は、運動不足です。運動が少ないと筋肉量が減り、基礎代謝が少なくなると思われる方が多いですが、実は基礎代謝が落ちるのは自律神経の働きが悪くなるからです。自律神経も筋肉と同じように使いすぎると疲れ過ぎ、使わなさ過ぎると衰えて働かなくなってしまいます。

    基礎代謝が低下する原因の5つ目は、腸内環境の悪化です。腸内で代謝に深く関わるホルモン(GLP1)が作られていることが分かっており、この物質によって自律神経を刺激し基礎代謝を上げてくれる働きがあります。

    また脂肪分の多い食べ物や身体の冷え、筋力の低下によって血流が悪くなることでも代謝が落ちてしまいます。また自律神経が代謝を調整しているので、ストレスによって自律神経の働きが乱れることでも代謝は低下します。

    東洋医学では「肝」と「腎」の働きが低下すると、解毒や老廃物の排出が滞り、代謝が低下すると考えます。

    低代謝をチェックする

    ダイエットでカロリー制限しても限界があります。カロリー制限は維持カロリーの15〜20%でなければ、代謝が落ちてしまい痩せづらい体になってしまいます。同じように運動もやり過ぎると代謝が落ちてしまます。難しいのが自分の体の代謝が落ちているかどうかは判断しにくいことです。

    例えば食べずにカロリー制限し過ぎると、脂肪より筋肉が燃えやすいため、筋肉が減っていきます。筋トレをする人がタンパク質や糖質を摂るのは、痩せにくい体にならないためです。筋肉が減ると消費カロリーが減るため、同じ運動をしても、エネルギーが消費されません。つまり代謝が悪い状態になってしまいます。

    カロリー制限して落ちてしまった代謝が、落としても正常な代謝になっているか調べる方法があります。確実なのは甲状腺ホルモン検査ですが、簡単にできる方法は、体温チェックです。起床した直後の体温を毎日測り、36.6℃以上で正常な代謝、35℃台であれば低代謝で痩せにくく、免疫力の低下なども疑われます。また安静時の心拍数が60〜100/分であれば正常な代謝と考えることができます。ただしストレスが多くなると心拍数が上がる傾向があるため注意が必要です。

    代謝を上げるデメリット

    代謝率を上げれば若々しくスリムな体型でいられると考えられているかも知れませんが、実は代謝率が高いというのはカロリーの消費が早いのではなく、燃料を燃やすために必要以上に働かなければいけない、効率の悪い代謝状態にほかなりません。例えば動物が1日の大半を睡眠に費やすのは、エネルギーを節約して代謝率を低下させるからです。常に代謝が高いという状態は、蝋燭を両端から燃やしているようなもので、老化に直結するとも考えられています。

    例えば摂取した糖は体内で代謝される時、最終的に終末糖化産物に変性します。これは燃焼の際にできるお肌の焦げのようなもので、これをメイラード反応と言います。つまり代謝が高いと、メイラード反応によって生成される「焦げ」によって肌にシミが沈着するなど、老化が促進される原因になります。逆に代謝率を下げることで、こうした反応を抑えて老化の速度を下げることができるのです。また燃焼にはタンパク質と糖質が必要になり、代謝率は糖質や肉食によぅって上昇します。これらの摂取量を抑えることがアンチエイエイジングには重要なことになります。

    基礎代謝に関する勘違い

    大部分の人が無理なダイエットで基礎代謝が下がっており、主な原因が食べないことによるカロリーや糖質不足があります。この下がった基礎代謝を体に合わせて適正にしてあげることがまずは大切です。このような方が筋トレしても基礎代謝は上がりませんし、その原因を解決しなければ、さらに基礎代謝を落としてしまう可能性が高くなります。

    仮に基礎代謝を筋トレで上げられたとしても、消費カロリーが増えるとネルギー不足になり、食欲の増進に繋がります。つまり消費カロリーが高くなるほど、体は食欲を強めてエネルギー不足を解消しようとします。何れにせよ、基礎代謝を体に適したレベルにすることが大切です。

    一方で、痩せながら基礎代謝を上げるというのもできません。なぜなら基礎代謝は体の体表面積に比例しているからです。もちろん筋肉量などにも影響しますが、圧倒的に体重に比例していると考えて良いです。また筋肉を増やしながら痩せることもできません。痩せながら基礎代謝を必要以上に落とさないことが大切なのです。

    また、体温を上げると基礎代謝アップすると思われている方が多くいますが、逆で代謝が上がるから体温が上がります。例えば糖質や脂質などを摂ると、約70%が体を動かすためのエネルギーとして利用されます。そして残りの30%は体熱として使われます。代謝は、食べ物からエネルギーや熱が作られる過程のことであり、この代謝が上がることで体温が上がっていきます。つまり体温を上げたいのであれば、代謝を良くしていくことが大切になります。

    代謝をあげるツボ

    代謝を上げるためには、適度な運動、食生活の改善、睡眠が大切ですが、ツボ押しで代謝を上げることをサポートすることができます。

    内臓の働きを高める中脘(ちゅうかん):みぞおちとおへその中間部分

    冷えを予防し、免疫を高める気海(きかい):おへその中央から指二本分下

    元気のエネルギーのツボ関元(かんげん):おへその中央から指四本分下

    代謝をあげるツボ

    ただし、ツボだけ押していれば代謝が高まるわけではないので、身体を温めたり、動かしながらツボ刺激を取り入れてください。

    【本コラムの監修】

    恵比寿院長

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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