東洋医学で診る、敏感肌

東洋医学で診る、敏感肌

実は、医学的に「敏感肌」という定義はありませんが、ちょっとした刺激で肌が赤くなったり、かゆみを感じる方がたくさんいます。

この敏感肌の原因のひとつが、お肌の「乾燥」です。敏感肌は外からの刺激(紫外線、埃、排気ガス、花粉など)から守る力が弱まり、肌の中にある潤いも保てない状態が起こっています。

また、敏感肌は間違ったスキンケアや生活習慣による場合もあります。安全性が高く刺激のないスキンケア商品を選び、オーガニックや無添加コスメなどといった呼び方ではなく、配合成分をチェックして選びましょう。またクレンジングの仕方や、紫外線対策も敏感肌の改善には大切です。

そして、敏感肌を改善するための基本となるのは「保湿」です。保湿でバリア機能を正常化させること、そして食生活を中心とした内側からのケア、ストレスをためない生活も改善には大切です。

東洋医学ではバリア機能は〝肺〟

肌の「乾燥」は角層のバリア機能の低下になります。この状態が続くと肌は乾燥し、赤みや吹き出物、さらにはシミ、シワ、たるみまでの肌トラブルに繋がります。

東洋医学ではバリア機能は〝肺〟にあります。〝肺〟は肌のうるおいをコントロールしたり、毛穴や汗腺の開け閉めを司ると考えられています。
また、肺は西洋医学にも似た働きの呼吸のほかに、免疫力、水分代謝、アレルギーに関わります。

東洋医学的に肺が弱い方は

  • 花粉症などのアレルギー体質
  • 風邪をひきやすい
  • ウイルスにかかりやすい
  • 肌が弱い
  • 乾燥している
  • 敏感肌

という症状がでてきます。

このように〝肺〟は身体の中に入るとよくないもの(邪)を入れないように関門の役割をしてくれています。

また、中医学では肌も〝肺〟の一部とみなしており、〝肺〟が潤うことで、お肌も綺麗になります。そのため、〝肺〟が潤す食べ物である、キムチ、大根、かぶ、キャベツ、玉ねぎ、白ネギ、梨などを食べることも大切です。

肺の機能を高めるツボ

尺沢(しゃくたく):肘窩の中央で、肘を曲げると現れてくる太い腱(上腕二頭筋腱)の親指側の縁

孔最(こうさい):尺沢と、掌の親指側の膨らみ(母指球)の下(手首)に向かって線を引き、そのライン上で尺沢から指4本分の所

肺の機能を高めるツボ1

魚際(ぎょさい):手の親指の付け根にある膨らみ。手の平側と甲側には赤白の境目を押しながらずらしていき、少し凹んだところ

肺の機能を高めるツボ2

痛気持ちいい程度に刺激をしてみてください。

東洋医学で診る、美容のお悩み

ハリニーでは、診察やカウンセリングでは四診を用いて今のお悩みの原因を詳しく探り、弁証結果に基づき方針を打ち立てます。東洋医学で診る美容のお悩みには、以下の様なものがあります。

老けて見える最大の原因「たるみ」

老けて見える最大の原因は「たるみ」です。たるみの原因は(1)肌弾力の低下、(2)代謝機能の低下、(3)筋力の低下に大きく分けられ、特に筋力の衰えによって、皮膚や皮下脂肪を支えきれなくなりたるんでしまいます。

東洋医学では、生命活動を維持するために必要な身体の全ての働きを、肝・腎・脾・肺・心の5つのグループ(五臓)に分けて考えます。これらがお互いの機能のバランスをとりながら、健康が保たれていると考えます。

その五臓のなかで、たるみと関わりが深いと言われているのが「脾(ひ)」で、消化器全般、胃腸の働きのことを指すとされています。またその特徴的な働きのひとつとして、筋肉(肌肉)を統括するのが脾胃であり、内臓や組織をある一定の位置に留めておくという働きがあります。

そのため、胃腸が弱いと全身の筋肉が弱くなり、顔にもたるみが現れやすくなると言われています。さらには、胃腸が弱いと栄養の吸収が悪くなり、筋肉がつきにくくなるため内臓の筋肉も弱くなり、胃下垂など内臓下垂、もちろん皮膚や皮の下垂を起こす原因にもなります。

さらに、水分代謝と関わる「腎(じん)」とも深く関わります。腎は水臓と言われ、体内の水分調整の役割を持つため、腎が弱いと体の水分保持ができず、肌は潤いやハリを失ってたるみとなります。このように、たるみを改善するためには、胃腸の強化が不可欠です。

シミの原因(血行障害)

30〜40歳代に発症することが多いシミの1つが「肝斑(かんぱん)」です。主に、ほほ骨に沿って左右対称性に、または目尻の下あたりに左右対称に表れます。肝斑は、女性ホルモンのバランスの乱れが原因といわれています。このシミは「肝斑」と書くように「肝」との関係が深い肌トラブルです。

また、代謝が悪くなり、老廃物で血液が淀み、血行が悪くなるとシミやくすみの大きな原因になります。さらに加齢により皮膚の代謝が衰えるため色素が沈着しやすくなります。

血液をキレイにするのは肝臓で、主に心身の休息時、つまり寝ている間です。全身を巡り老廃物を集めてきてくれた血液は、肝臓できれいになり栄養を補給して明日に備えます。ところが、強いストレス、睡眠不足によって、肝臓の緊張状態が続くと、血液の浄化と再生作業が停滞し、血液をきれいすることができません。そのため汚れたままの血液が体中を巡ることになります。

東洋医学的には、肝胆経の時間にあたる23時〜3時は美容のためにも質の良い睡眠を取るのが理想です。

血行不良によるくすみ

明るさやツヤが失われたくすんだ肌、特に血行不良に起因するくすみは、スキンケアだけでは解消されにくいものの1つです。

くすみもシミと同様に肌の新陳代謝の低下や、肝臓をはじめとする内臓の疲労や老化、睡眠の質の悪さに関係しています。特に冷えによって血行が悪くなると、肌が青白かったり濁ったように暗く見えてしまったりします。まさにそれが「血行不良によるくすみ」です。

改善ポイントはお顔の血流を促すこと、体から冷えを取り除くことです。全身の血行がアップすると、肌のすみずみまで新鮮な血液や栄養が届けることができ、老廃物が滞らずに排出されます。その結果、肌の働きが正常化されて、メラニンや古い角質など肌をくすませている他の原因も含めて改善が期待できます。

乾燥は肌の栄養不足

肌は「脾」との関わりの他に「肺」とも深く関わっています。東洋医学で言う「肺」は呼吸だけの働き以外にも全身の水分調整の役割も担っています。その他にも「肺は皮毛を主る(つかさどる)」とも言われていて、肌を潤いのあるきれいな状態にするのも「肺」の大切な働きです。

また、脾と肺はお互いに助け合う相生の関係があり、脾が弱ると肺も弱ります。肌の栄養源をつくり出す「脾」と潤いあるきれいな肌を保つ「肺」、お肌の乾燥を防ぐためにも、この二つを同時に養生する必要があります。

お肌は身体の不調を日々教えてくれています。いつもよりも肌が刺激に敏感になっていたり、乾燥しているならそれは生活スタイルを振り返ってみる良い機会です。「肌や心や身体に目を向けること」「丁寧に生きること」、日常生活の積み重ねが大切です。

胃腸に効くツボ

東洋医学では、特に胃腸と顔の関係が深く、肌は内臓の健康状態を表す「鏡」と言われています。そのため、肌が潤いやハリを失ってたるみとなるのを改善するためには、胃腸の強化が不可欠です。

足三里(あしさんり):膝のお皿の下から指4本下のスネの外側

まずは、胃の働きを亢進させるツボである足三里(あしさんり)です。万能ツボとも言われ、臓腑の気血を補い身体の抵抗力を高める働きがあります。反応がいい人はすぐに胃腸が動き出します。

胃腸に効くツボ

陰陵泉(いんりょうせん):ひざの内側で、ひざ下くぼみの位置から指4本さがったところ

次に消化器系の働きを担っている「脾」の経絡にあり、体内の水分代謝を調節してくれる作用がある陰陵泉(いんりょうせん)は胃腸に関係するツボです。むくみだけでなく、胃腸が弱くお腹を壊しやすい方にも非常に有効なツボです。

【本コラムの監修】

HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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