
10代から50代の女性合計1000人に聞いた化粧品メーカーのアンケート結果によると、20代の悩みの上位はニキビや毛穴で見た目の清潔さに関わる悩みが大半を占め、30代の悩みの1位は同じく毛穴ですが、シワやシミ、そしてたるみがランクインしてきます。そして40代ではシミ、シワが上位を占め、たるみの悩みが徐々に高くなり、50代ではたるみが1位になります。
この結果からも、30代から40代は肌の転換期であり、どうしても年齢を重ねると肌はたるんでいきます。その理由として、肌の抵抗力が弱くなり、そして女性ホルモンが加齢とともに減少することで肌の回復力も落ちていくことが挙げられます。
たるみとリガメントの関係
最近なんだか顔がたるんできた、なんとなく前と違うと感じる、そのたるみの原因には、リガメントの衰えにあります。リガメントとは、貝柱のような細い紐状の線維組織で、顔表面の皮膚や表情筋を骨にしっかりとつなぎ、流動性のある脂肪を支えて、落下を食い止める働きをしています。簡単に言うと顔のたるみをベルトのように抑えて、たるみを防いでくれる重要な組織です。リガメントは加齢やストレス、食いしばりクセなど様々な要因で劣化してし、劣化すると硬く細くなって皮膚や脂肪を支えきれなくなり顔がたるんでしまいます。また顔が大きくなる原因にもなります。顔にはリガメントが5カ所あり、5つのリガメントごとにフェイスラインや目元、口元など、ケアすると引き上がるパーツが違います。
耳下腺リガメント
耳の横にありフェイスラインを引き上げているのが、この耳下腺リガメントです。ここが衰えるとフェイスラインがたるんだり、顔が大きくなったり、二重顎の原因になります。
骨頬リガメント
頬の中央にあり、頬を引き上げているのが骨頬リガメントです。このリガメントが衰えてしまうと頬の皮膚や脂肪がたるみ、所謂ブルドックフェイス、さらに顔幅も大きくなってしまいます。
眼窩下リガメント
目の下の骨の際あたりにあるリガメントです。このリガメントには、目を引き上げる役割が あり、ここが衰えると目の下がたるみ、それに目が小さく見える原因にもなります。
咬筋リガメント
耳下腺リガメントのすぐ近く、噛み合わせ部分あたりにあるのが咬筋リガメントです。このリガメントが衰えると、ほうれい線が目立つ上に口角もたるんでしまいます。また食いしばり癖があると劣化しがちなリガメントです。
下顎リガメント
口角リガメントの斜め下あたりにあり、フェイスラインから首を引き上げているリガメントです。ここが衰えると、ほうれい線が目立つようになったり、フェイスラインや首のたるみを招いてしまいます。
顔のたるみの隠れた原因が血流障害
体にはインピンジメントと言う、いくつかの筋肉が集まり、太い神経や大きな血管を挟み込んでいる部分が何か所かあります。例えばみぞおちや脇、それに鎖骨などにあります。このインピンジメントは硬くなりやすく、硬くなると顔が下に引っ張られやすくなるため、血流が悪くなり、老廃物が溜まって炎症も起きやすくなります。
それによって皮膚の奥の繊維芽細胞からコラーゲン繊維が過剰に作り出されて皮膚が固くなり、代謝が悪くなってたるみやすくなります。インピンジメントの硬さをほぐすケアを定期的に行うことが大事です。
インピンジメントのコリをほぐすケア
まず、みぞおち部分は呼吸が浅くなると硬くなりやすい部分です。みぞおちに親指以外の4本の指を押し当てて、状態を少し前に倒して息を吐きながら3秒押します。それを3回繰り返します。
続いて、脇のインピンジメントもほぐしていきましょう。ここは顔のたるみの改善に即効性が期待できるポイントのためおススメです。まず左の脇の下に右手の親指以外の4 本の指を入れ、親指は腕の付け根の胸の外側に当て、痛気持ちいい程度の強さで3秒押します。これを3回繰り返してください。反対側も同様に行ってください。
そして、鎖骨のインピンジメントもほぐしていきましょう。鎖骨が硬いとたるみだけではなく顔のくすみまで招くため、常に柔軟にすることが大切です。まず左の鎖骨のくぼみに右手の親指を当て、ギュッと3秒押します。これも3回、鎖骨のくぼみを3箇所に分けて位置をずらして行ってください。鎖骨のくぼみは指の第一関節まで入るのが理想的です。
顔のたるみを予防する栄養素と食べ物
ビタミン
ビタミンAは、肌の粘膜や潤いを保ち、ビタミンCはコラーゲンの合成を助け、ビタミンEはホルモンの分泌を補助して、その強い抗酸化作用も肌の健康を保ちます。
食べ物であれば、赤ピーマンやアセロラ、芽キャベツ、そしてゴーヤなどにビタミンは豊富に含まれています。ただしビタミンは体内での吸収率は90%程度と高いですが、水に溶け、空気や熱でも壊れやすいため、調理中に栄養の損失が大きい栄養素です。そのため生で食べたり、電子レンジで加熱する方が栄養素の損失が少なくなります。フルーツでは、いちごやキウイが特に良いと言われています。
鉄分
鉄分は貧血予防以外にも、アミノ酸を作り出す効果があります。アミノ酸はコラーゲンを生成するために必要な成分のため、鉄分は美肌に効果的な栄養素です。鉄分が取れる食べ物としてレバーやほうれん草があります。他にもスーパーフルーツとして注目されているのがサジーというグミ科の果実です。サジー は、ユーラシア大陸原産で小豆ほどの小さいフルーツですが、レバーより鉄分量が多いことが挙げられます。さらにビタミンAや必須アミノ酸など200種類以上の栄養成分を含んでいます。
ポリフェノール
ポリフェノールは肌の弾力を保つコラーゲンやエラスチンの酸化によるシミやたるみを引き起こす有害な活性酸素を無力化させる抗酸化作用があります。ただポリフェノールは5000種類以上にも及ぶため、その全てがその効果があるとは限りません。
特に肌に対して注目されるポリフェノールはリグナンです。リグナンはゴマに多く含まれ、肌のアンチエイジング効果があると言われています。またワインや緑茶に多く含まれるカテキンやコーヒーに含まれるクロロゲン酸には、肌のコラーゲンの元となる繊維芽細胞の増殖促進に効果があるとの研究報告があります。
ポリフェノールの中でも、特に顔のたるみ予防におすすめしたいのが大豆イソフラボンです。大豆イソフラボンはエストロゲンに似た働きをし、肌にハリや 潤いを与える成分です。大豆イソフラボンは、そのエストロゲンに似た働きを持っている上にコラーゲン生成やヒアルロン酸の生成の促進効果など、肌に良い影響を与えるという研究結果があります。大豆イソフラボンが摂れる食べ物は、納豆や豆腐、きな粉などです。
タンパク質
タンパク質が不足するとコラーゲンも不足し、シワやたるみなどスキントラブルの原因となります。もちろんタンパク質が不足することで、顔の筋肉がたるみ、表面の皮膚がたるむ原因にもなります。
タンパク質が多く含まれる赤身のお肉や豚肉、そして魚を食べることも大切ですが、動物性脂質の多い食べ物でタンパク質を取る時は、食物繊維を一緒に食べるようにしましょう。なぜなら動物性脂質は、腸内に悪玉菌の増加させることが挙げられので、善玉菌の餌となる食物繊維を一緒に摂りましょう。食物繊維の多い食材は、ヨーグルトやレタス、きのこなどがあります。
二重あご・たるみに効くツボ
美容鍼の効果を持続させるための「お顔のセルフケア」をお伝えします。1日1分のツボ押しで、より輝くための肌づくりを!
お顔が大きく見えるお悩み
二重あごやつまった首やたるみ、フェイスラインの崩れなどは、顔を大きく見せてしまう原因。あごのライン、目や鼻のまわりの筋肉を引き締めれば、メリハリのある小顔になれます。
二重あごの原因は、顔全体のたるみとむくみです。顔のむくみに効果的なツボと合わせて、お顔のケアすれば、フェイスラインがすっきりして小顔になります。
二重顎・たるみに効果的なツボ
頬のたるみでフェイスラインが崩れるのを防ぐツボをご紹介します。
- 頬車(きょうしゃ)/あごの角にあり、歯を喰いしばった時に出る筋肉の真ん中
- 下関(げかん)/頬骨の下で耳から約2cm前方
頬のハリを取り戻す「頬車」、頬のたるみによる目や口のゆがみに効果的な「下関」のツボ。

二重顎やたるみによってスッキリ見えないお顔に効果的なツボをご紹介します。
- 廉泉(れんせん)/喉仏の上
- 承漿(しょうしょう)/あごの真ん中で唇の真下
- 上廉泉(かみれんせん)/顎の真下の少し凹んだ部分
「上廉泉」は二重あごをスッキリさせてくれるツボ。「承漿」「廉泉」は首のたるみと小顔に効果のあるツボ。

お顔のツボ押しは、イタ気持ちいい程度、毎日1分、不調の時は控えましょう!
それでは、お忙しいかと思いますが、くれぐれもお身体には気をつけ下さい。
【本コラムの監修】

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。