クエン酸でアンチエイジング

    クエン酸でアンチエイジング

    クエン酸は、酢やレモン、梅干しといった酸っぱい系の食べ物に含まれている酸味成分の一種です。クエン酸は人間の体内で大事な役割を果たしており、そして摂取した食べ物をエネルギーに変えるために欠かせない成分です。

    クエン酸は、アンチエイジングや慢性疾患に対する予防効果が優れていて、最近ではがんに対しての予防効果まであることが分かっています。このクエン酸は、私たちのエネルギーを作り出すのに必要なミトコンドリアで合成され、ATPを作る上でも重要な働きをしています。

    クエン酸を合成する酵素は、30代まででピークの8 割程度まで合成量は低下し、40代になると半分程度まで減少してしまいます。その後も減少し続けるため、加齢と共に外から定期的に補給した方がエネルギーを作りやすくしたり、疲労を回復しやすくしてくれます。

    クエン酸に期待できる効果

    クエン酸と摂ると疲労回復、胃腸の働きを整える、便秘や下痢を和らげる、活性酸素を取り除く、マグネシウムやカルシウム、鉄の吸収を助ける、食欲を増進させる、活性酸素を取り除く抗酸化作用、さらにエネルギー生成の効果、ダイエット効果、尿量を増やすことでむくみの改善、殺菌や臭いを抑える効果も期待できると言われています。この他にも血糖値抑制、抗高血圧、ストレス低下、胃のムカつき改善、緊張型頭痛の改善、肩こりの改善などが挙げられます。

    エネルギーを作り出す効果

    この中で特に注目したいのがエネルギーを作り出す効果です。人間が生きていくためには24時間365日、常に代謝を行って生命維持に必要なエネルギーを生成し続けなければいけません。例えば呼吸をして酸素を摂り込むことでもエネルギーが作られていますが、その代謝回路には「解糖系」「クエン酸回路系」「電子伝達系」の3種類があります。これらの代謝回路の一角を担っているのがクエン酸が関係するクエン酸回路系です。クエン酸回路系は人間に限らず、基本的に酸素呼吸を行うすべての動物に存在しています。

    このような生命を維持するのに欠かせないクエン酸は、私たちの細胞のミトコンドリア内で活動します。ミトコンドリアは私たちが生きていくために必要なエネルギーを産生する細胞小器官です。生き物が生きていくために必要なエネルギーの95%近くを生成しているとも言われ、ミトコンドリア内にあるクエン酸回路では呼吸を通じて糖を代謝してエネルギーへと変化させるだけではなく、カルシウムやマグネシウムといったミネラルやビタミンを体内に吸収しやすくして疲労物質を分解する大切な役割を果たしていると言われています。

    クエン酸を摂ると疲労回復効果が期待できるだけではありません。例えば急激に激しいスポーツによって筋肉を使うと徐々に乳酸が溜まって体は疲れますが、クエン酸はこの疲労物質を分解して筋肉に蓄積しないようにする効果があることも分かっています。つまり筋肉に疲れを溜めない効果とミネラル類の吸収を促進する効果の2つの効果で抜群の疲労回復効果を発揮します。

    この一連の流れをキレート作用と呼び、エネルギーの代謝が促進されることで エネルギーが全身に溢れ、疲れが解消していきます。またキレート作用は、ギリシャ語でカミのハサミっていう意味があり、クエン酸がミネラルを包み込むことでマグネシウム、カルシウム、亜鉛、鉄分といった微量ミネラルの体内利用率を上げてくれる効果があります。マグネシウム、カルシウム、亜鉛、鉄は、免疫やミトコンドリアでATPを作ったり、細胞を元気にするのに大切な栄養素です。これらのミネラルは、疲労の元となるミトコンドリア機能の低下を防いでくれるミネラルで、吸収率が高くはないためミネラルの不足を防ぐためにクエン酸は一役買ってくれます。

    実際、金沢大学の論文の「各種有機酸類による疲労回復促進効果」で、クエン酸の疲労回復効果について研究成果を報告しています。さらにダイエット効果が期待できたり、利尿作用によるむくみの解消や、体全体の巡りが良くなるため免疫力アップが期待できたり、ミネラルの吸収が促進されることで骨が丈夫になったり、メンタルが悪くなるのを防ぐ効果が期待できるとも言われています。

    頭の回転速度が上がる

    クエン酸を摂取するとセロトニンとノルドレナリンという2つの脳内ホルモンが分泌されます。まず薬理学研究でクエン酸がセロトニンの分泌を促す効果があることが判明しています。これはクエン酸によって乳酸が分解され、肉体的疲労が軽減される仕組みがあり、この乳酸分解の過程でセロトニンレベルが高まることが分かっています。当然セロトニンレベルが上がればそれだけ幸福感が溢れる状態になり、脳も活性化して思考スピードが上がります。

    もう1つのノルアドレナリンは、脳内の神経伝達物質の1 つで、これは脳の神経細胞同士をついで情報伝達をするという物質です。これが分泌されると集中力が高まり、意欲的に物事に取り組める意識が出やすくなります。また海馬を始めとする記憶に関する脳の部位に作用して、長期的記憶の形成にも関わると言われています。

    実際にクエン酸を食べて口いっぱいに酸っぱさが広がると、その酸っぱさの刺激で脳内からノルアドレナリンが分泌されます。またオレンジやレモンが心の安定やメンタルの安定に効果的と言われているのは、このノルアドレナリンの作用と考え方もできます。

    さらにクエン酸は体内のエネルギー産生に起与することで脳のエネルギー源となる物質です。脳はエネルギーを貯蔵することができないという致名的な欠点があり、だからこそ脳は血液によってエネルギー供給され続けないといけません。そのエネルギー供給役立つのが栄養素を効率よくエネルギーに変えるクエン酸回路です。

    ダイエット

    クエン酸の歴史はかなり古く、1784年にはスウェーデンの研究者がレモン果汁からこの物質を初めて作りました。このクエン酸には、クエン酸サイクルまたはクエン酸回路という名前の化学反応があり、クエン酸サイクルは私たちが食べたものをエネルギーに変えてくれる工場のようなものです。特に加齢と共にエネルギーの代謝が落ちてくるため、クエン酸サイクルは非常に重要で、食事から得た栄養をエネルギーに変える、このサイクルが生物にとっての根本的なエネルギー産生経路です。

    このクエン酸サイクルがしっかりと回るようになるからこそ代謝が良くなったり、食べたものがしっかりとエネルギーに変わってくれます。つまりクエン酸を摂取して、クエン酸サイクルを積極的に回すことによって、体は食べたものをエネルギーに変換しやすくなって、ダイエットに向いた体に変わっていきます。

    疲れにくい体にする

    年齢を重ねると以前よりも疲れが取れにくくなり、疲労がいつまでも溜まっているような感じがしないでしょうか。この理由の一つに、生活習慣によって体に毒素が蓄積し、疲れが取れにくい体になってしまっていることが挙げられます。

    体外から摂取したクエン酸は、ミトコンドリアで作られるものと少し違う働きもしてくれます。クエン酸の疲労回復に効果は、エネルギーを作る時に使われる栄養が関係しており、ATPを生み出す時に消費されるのが炭水化物や糖分から作られるグルコースです。通常はグルコースからピルビン酸が作られ、ミトコンドリア内で消費され、ATPを生み出してくれます。

    しかしグルコースの分解が過剰になってしまうとミトコンドリアでピルビン酸が処理しきれなくなります。すると溜まったピルビン酸の一部が乳酸に変化し、この乳酸が細胞内に溜まると疲労感を感じやすくなります。乳酸はエネルギー源として使われていくのですが、溜まりすぎてしまうと疲労を感じやすくなってしまいます。

    特に代謝が低下していたりすると乳酸が溜まりやすく、疲れも感じやすくなってしまいます。そこでクエン酸を外から摂取することで、グルコースの利用が阻害される上に、乳酸を作るのも阻害し、代謝の一部が脂肪酸の代謝に切り替わります。脂肪酸のエネルギー産生は糖質の代謝の19倍も効率が高く、クエン酸を摂ることで疲労感を減少させ、さらに疲れにくい体にすることができます。

    このような時にクエン酸はとても役立ち、クエン酸が疲労回復に良い理由の一つに乳酸を分解する力があるからです。乳酸は運動や重労働で疲れた時に体内で溜まりやすく、筋肉の痛みや疲労感を引き起こす物質です。クエン酸は、乳酸をエネルギーに変えてくれ、その分疲れが早く取れるということになります。

    またクエン酸は、クエン酸サイクルとい代謝プロセスをスムーズにするだけでなく、体に必要のないものを外に出す役割もしています。クエン酸が、このサイクルを促進することで余分な脂肪や体の中の不要な老廃物もしっかりと排出されます。

    代謝促進効果

    クエン酸は脂肪燃焼をサポートし、血糖値上昇の抑制効果で血糖値の急上昇を抑え、血圧を降下する効果で血流を改善して血圧を下げてくれる効果があります。またむくみ解消効果もあるため、美容にも効果的で美肌効果やストレス感は効果もあります。

    そして抗酸化作用もあり、体の中の活性酸素を抑制して細胞をダメージから守ってくれる効果があります。さらにクエン酸には体質改善効果があり、体内のpHバランスを整えて酸性体質を改善します。

    栄養素の吸収効率を上げる

    栄養素の吸収は、年齢と主に効率が悪くなり、特にミネラルの吸収率は年を取るほどに落ちます。ミネラルは、骨を丈夫にしたり、心臓や筋肉の機能を支えたりする非常に重要なミネラルです。

    実はクエン酸は、ミネラルの吸収を助ける役割があります。クエン酸にはキレート作用という特別な働きがあります。簡単に言えばこのキレート作用がミネラルをしっかりと包み込む役割を果たします。ミネラルが包み込まれるによって、腸からしっかりと吸収される確率が高まります。

    具体的にはクエン酸が結合した形のカルシウム、つまりクエン酸カルシウムは吸収が非常に良く、胃酸が少なくても十分に吸収されるということが分かっています。一方で炭酸カルシウムは胃酸が少ないと吸収がうまくいかない場合があります。さらに炭酸カルシウムはガスや膨満感、便秘といった副作用が出やすいです。特に高齢者や胃酸の少ない方にはクエン酸カルシウムが良い選択となるわけです。

    同じように、マグネシウムもクエン酸マグネシウムで摂ると、体にとって使いやすく、しっかりと吸収されます。他にも酸化マグネシウムや硫酸マグネシウムよりもクエン酸マグネシウムが体に吸収されやすいことが分かっています。

    乳がんの予防効果

    クエン酸にがんを抑制する効果があると言われているのは、細胞の増殖抑制や転移を防いでくれる効果があるからです。この作用は2017年に、ハーバード大学も発表していています。がん細胞は糖質を大量に摂り込み、その量は正常細胞の3倍から8倍にもなります。またがん細胞は摂り込んだ糖質のほとんどを乳酸に代謝するという特殊な働きがあります。

    がん細胞が生産した乳酸は、私たちが持いる自然免疫の機能を弱める性質があり、実際2010年の研究でも明らかになっています。がんの乳酸によって弱ってしまう免疫はILC2と呼ばれ、皮膚や粘膜などの免疫と大きく関わっており、これらの免疫を自分たちが作り出す乳酸で弱らせて、成長や転移を促進しています。つまり細胞からの乳酸が増えすぎると免疫が低下するだけではなく、がんになりやすくなったり、元々がんの人の場合は、がんが増殖したり、転移しやすくなってしまいます。

    実際にがん細胞が作り出す乳酸は、乳がんに関わる全ての主要な変異遺伝子の発現を150%から800%も増加させることが分かっています。この他にもがんが作り出す乳酸は、発がん性だけではなく、血管新生を亢進する作用もあり、がん細胞の自給自足を助け、がん細胞の増殖を促していくことが分かっています。

    そのためクエン酸による乳酸を抑制する効果が効いてくるだけでなく、この他にもクエン酸が、がん細胞のエネルギー代謝の抑制、免疫を活性化することでがん細胞を抑制する機能や、がん細胞を自滅に追い込んだりして、がん細胞の抑制や発がんの予防に役立ってくれます。

    高血糖の改善

    血糖値が高くなると直接的に糖尿病を引き起こしてしまうだけでなく、体内で糖化という現象が起こり、老化が進んでしまうことがすでに明らかになっています。

    クエン酸が血糖値の上昇を抑える力があり、それは炭水化物の吸収をゆっくりにしてくれるからです。例えば食後にお菓子を食べると急激に血糖値が上がります。しかしクエン酸が体内にあるとその上昇が穏やかになります。さらにクエン酸はインスリンの働きを助けます。インスリンは血糖値をコントロールする大切なホルモンで、インスリンの分泌を促すことで血糖値が急に高くなるのを防ぐ効果があります。

    シミやシワを取り除く

    年を取れば体の細胞が古くなる速度が早くなります。特に注意したいのが活性酸素という物質です。これは体の中で生成され、多すぎると細胞を傷つけ、老化や病気の原因になります。いわゆる酸化と呼ばれる現象です。

    クエン酸には抗酸化作用あり、特にクエン酸をビタミンCと同時に摂ると、この活性酸素を強力に除去してくれることが分かっています。その結果、細胞が傷つくのを防いで老化を遅らせるだけでなく、免疫力を高め、病気に対する抵抗力も高まるとされています。

    そして細胞が元気でいると、肌が綺麗になったり、シワが目立たなくなることも期待できます。クエン酸とビタミンCの摂取を同時に摂る、最も効率の良い食品はレモンです。レモンにはたっぷりのクエン酸とたっぷりのビタミンCが含まれており、この2つを同時に取ることによって肌が若々しく、美しくなっていきます。

    免疫力の強化

    私たちの体は弱アルカリ性の時に最も内臓が活発に活動し、免疫も高い状態を維持できます。しかし食生活が偏ったりすることで体は酸性に傾き、免疫が低下したり、自立神経が乱れたりしてしまいます。実はクエン酸は、体内に入れる前は酸性ですが、体に吸収される段階でアルカリ性に変換されて吸収されます。このためクエン酸を摂ると血液が弱アルカリに保たれやすくなり、結果的に免疫が強化されます。

    ちなみに私たちの体は酸性に傾かないように、微妙なpHで保たれており、基本的に血液はpH7.4±0.5と狭い範囲で弱アルカリ性に保たれています。これを調整しているのが腎臓や肺であり、つまり加齢によって調整機能がうまく働かなくなったり、機能そのものが低下してしまうと血液は酸性に傾き、細胞に重大な損傷を与えてしまいます。

    またpHを調節する時に、カルシウムが使われますが、実際に欧米人に骨粗鬆症が多いのは、酸性食品である動物性タンパク質を多く摂取するからということが分かっています。さらにカルシウムは、免疫に大きく関係しているため、カルシウムが使われすぎると免疫の低下にもつがってしまいます。これらの観点からもクエン酸を摂取して、血液をなるべく酸性にしないことは免疫を健全に保ち、強化してくれることに大きく役立ってくれます。

    これに加えてクエン酸には、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、サルモネラ菌、カンジタ菌などやウイルスへの抑制効果が確認されており、風邪や大腸疾患の予防にも効果的です。

    肩こりや冷え症が改善する

    クエン酸を摂ると血行促進により、肩こりや冷え性の改善が期待できます。クエン酸には、乳酸の発生を抑制したり、打ち消したりする働きがあり、その結果血液をサラサラする、クエン酸回路が回ってエネルギー供給効率が上がることで、体内で熱生成が用意になり、血管が広がって血行が良くなります。

    また、乳酸が筋肉に蓄積することで筋肉がこわばって血流が滞りますが、乳酸によって分解されれば筋肉の緊張がほぐれやすくなるため肩こりや血行不良が改善されます。ちなみに血管の壁にカルシウムが沈着して硬くなると石灰化により、血管のしなやかさと弾力を失わせますが、キレート作用で溶かすことで血管の弾力が元通りになり血行促進につながると考えられます。

    性ホルモンの合成

    性ホルモンは、更年期障害とも関係しています。性ホルモンはコレステロールがプレグネノロンという物質に変換された後、男性ホルモンであるテストステロンや女性ホルモンのエストロゲン、そしてコルチゾールなど全てのステロイドホルモンの材料になります。このプレグネノロンの材料であるコレステロールを作るのに必ず必要になってくるのがクエン酸です。またコレステロールは、胆汁酸や体内の細胞膜を作っている材料にもなっています。

    クエン酸は一方で過剰になったコレステロールを抑える効果もあり、実際に肥満気味の男女対象とした研究でクエン酸が主成分の酢を摂取させたところ、総コレステロール値の改善とLDLコレステロールの減少が確認されています。

    様々な病気の予防効果

    高血圧の改善効果クエン酸は、血管内の窒素酸化物を増やすことで血管をリラックスさせる働きがあり、血管が広がって血流がスムーズになることで血圧が下がります。
    肝臓病の予防クエン酸のキレート作用は、運動に必要なマグネシウム、カルシウム、鉄分などのミネラル成分の吸収を促進する効果です。吸収を効率化するため腎臓への負担が減ります。
    腎臓病予防クエン酸が体の中に入るとアルカリ性になる性質があるため、体内の酸性を中和してくれます。腎臓の働きが悪くなると体内に毒素が溜まりますが、それをクエン酸が防いでくれます。さらに研究では動物実験でクエン酸には腎臓の保護作用が確認されており、腎臓病の予防にもなることが明らかになっています(東北大学の論文:クエン酸塩による腎臓病の予防)
    動脈硬化症が元になる病気の予防動脈硬化による心筋梗塞や脳卒中の予防につながるのは、クエン酸に血液をサラサラにしてくれる効果があるからです。また疲労物質である乳酸も打ち消してくれるため、血液が改善してサラサラ血液になることは動脈効果の予防に繋がります。
    糖尿病の予防京都府立医科大学の研究では、食前にクエン酸を含むレモン果汁を飲むことで食事中の血糖値を下げる効果があることが発表されています。

    がんの予防効果

    がん細胞は、エネルギーを取るために解糖系という代謝経路を使って大量の乳酸を生成します。その結果、周囲の組織が酸性化して正常な細胞がダメージを受けやすくなってしまいます。つまり酸性化ががん細胞の進行を促進することになります。さらにがん細胞は血管を新しく作る作用を促進して、がん自身への栄養補給の経路を増やす厄介な能力があります。その結果、がんの成長が加速されてしまいます。またがん細胞は、体の免疫系の攻撃を逃れるために免疫力の低下を引き起こす働きまで持っています。つまりがん細胞は自らの利益のために体内の周囲の環境を悪化させます。

    しかし、クエン酸はこれらのプロセスに直接的な干渉を行うことが分かっています。まずクエン酸は、ミトコンドリア内のTCAサイクルを促進して、がん細胞に有利になってしまったエネルギー代謝を正常に戻す作用があります。つまりがん細胞の活動を制御して正常な状態に戻します。

    そして体内で分泌されるホスホフルクトキナーゼという酵素があり、これは通常解糖系の働きを担いますが、がん細胞があるとその増殖を助けてしまいます。ところがクエン酸があるとホスホフルクトキナーゼの働きを抑制して、がん細胞の代謝をブロックし、その結果がん細胞の増殖が抑制されます。

    クエン酸のデメリット

    クエン酸は、酸性度が高いために、クエン酸が直接歯に触れると歯が弱くなってしまう可能性があります。これは酸蝕と呼ばれる現象で、見た目が悪くなるだけでなく、痛みや感度が高くなることもあります。クエン酸を取った後は、すぐに歯を磨かずに、まずは水で口をすすぎましょう。

    クエン酸の摂り方

    クエン酸の摂取上限はWHO、国内ともに摂取上限は定めていません。添加物での使用規制もないため、よほど摂りすぎなければ体に害を及ぼすことはなく、摂りすぎても排出されてしまうだけです。また1日の摂取量は決まっていませんが、効果的な飲み方としてはクエン酸パウダー小さじ1杯5gを、500mlの水に溶かして1日3回か4回くらいに分けて飲むことです。クエン酸は1度に摂取しても、2から3時間で体内の濃度は元の状態に戻ってしまうため、1回で2gを飲むのではなく、3時間程度時間を置いて飲んだ方がより効果的に作用してくれます。

    食材でクエン酸を多く含む食品は梅干で、100gあたり7g程度のクエン酸を含んでいます。これはあくまで昔ながらの酸っぱい梅干に限るため、スーパーで売っている甘い梅干には、そこまで多くクエン酸は入っていません。そのためおすすめはカボス果汁で、カボスの果汁にはレモンの倍の100mlあたり6gのクエン酸が入っているため、食品からの摂取では一番効率よくクエン酸を摂取できます。またカボスにはビタミンCも一緒に含まれ、レモンに近い作用があります。

    そして、クエン酸を飲んで何も変わらないという方は、クエン酸を代謝するにはビタミンB群とマグネシウム、それ以外のミネラルが必須であるため、ビタミンB群やミネラルが不足した状態で飲んでも効果がいまいち薄くなってしまいます。せっかくキレート作用があるわけなので食事と一緒に他の栄養と摂取した方が、相乗効果が得られることになります。

    ドリンクで飲む場合に気をつけることは、クエン酸は酸が強いため歯のエナメルを解かしてしまう可能性があります。食事と一緒に飲む場合はなるべくストローを使って、クエン酸水を歯に当てないで飲んだ方が良いでしょう。飲んだあとは口をすすぎ、クエン酸が口の中に残らないようにした方が良いでしょう。

    クエン酸と一緒に食べるべき食品

    ほうれん草

    クエン酸と一緒に摂取することで、さらに健康効果を増す食べ物がほうれん草です。ほうれん草には、食物繊維がたっぷり含まれているだけでなく、鉄分が多く含まれています。しかしほうれん草を単体で食べているだけでは、実は大した鉄分が摂れません。

    ほうれん草に含まれている鉄は、非ヘム鉄という非常に吸収効率の悪い鉄分です。非ヘム鉄は水に溶けにくい3価鉄という種類の鉄で、一方で体内で吸収されやすい鉄分は2価鉄という形です。クエン酸には非ヘム鉄の3価鉄を2価鉄に変える効果があり、つまり鉄の吸収効率がアップします。

    また、クエン酸にはカルシウムの吸収効率をアップするキレート作用があり、このキレート作用はカルシウムだけでなく鉄分を含む様々なミネラルにも対応します。さらにその酸っぱさの刺激によって胃酸の分泌を促進してくれる効果があり、鉄は酸性の環境でより溶けやすくなります。そのため胃酸によってほうれん草に含まれる鉄を吸収しやすくなります。

    ダークチョコレート

    ダークチョコレートに多く含まれるカカオには、カカオポリフェノールという 種類のポリフェノールが豊富に含まれています。これは細胞の老化を防ぐ抗酸化作用、コレステロールを抑える効果、動脈効果の予防効果、さらには認知症の予防やストレス緩和効果に至るまで心と体のあらゆる病気を予防してくれる健康効果があります。

    実はダークチョコレートを沢山食べても、このポリフェノールは体に吸収されないことが知られています。実はポリフェノールは水に溶けにくく、腸での吸収効率が低いことが分かっています。そのためークチョコレートを食べても一部しか体で利用されません。

    しかし、クエン酸を組み合わせることでポリフェノールの吸収効率を大幅に高めることができます。クエン酸によってカカオポリフェノールが最大限に利用できる理由が、血流改善の効果と腸内環境の改善効果です。ポリフェノールは高い抗酸化作用によって細胞の老化を防ぐ栄養素ですですが、もし血管が細くなってしまって血流が悪ければその効果を享受することができません。

    ポリフェノールは、血液に乗って細胞の隅々にまで運ばれますが、血流が悪ければ体の奥の方にある細胞までしっかりポリフェノールが運ばれません。その結果、せっかく摂取したポリフェノールは尿として排出されてしまい、何の意味もなくなってしまいます。そのポリフェノールを運ぶ道(血管)を整備してくれるのがクエン酸による血流改善の効果です。

    さらにポリフェノールの健康効果を最大限に引き出すためには、腸内環境も大きなポイントです。

    なぜならポリフェノールはそのまま吸収されるわけではなく、腸内細菌によって一旦代謝され体内で吸収されやすい形になってから吸収されることが分かっているからです。そしてクエン酸には、腸内のポリフェノールを吸収しやすくする善玉菌を増やしてくれる働きがあることが分かっています。これは研究段階ですが、少なくともポリフェノールが腸内環境に悪い影響を与えることはないでしょう。そのためダークチョコレートを食べる時は、クエン酸も一緒に摂取すると非常に効果的です。

    ちなみにダークチョコレートとクエン酸を摂取する時に一緒にコーヒーを飲むことはお勧めできません。チョコレートとコーヒーは相性が良い組み合わせと思いきや、実はコーヒーにはミネラルの吸収を阻害してしまうデメリットがあります。クエン酸にはミネラルの吸収をアップする作用があり、カカオにもまた様々なミネラルが含まれています。しかしそこにコーヒーを飲んでしまえば、クエン酸によるカカオのミネラル吸収アップ効果が失われてしまいます。¥

    梅干しサバ缶

    梅干しには、たっぷりのクエン酸が含まれており、サバの独特の匂いの原因であるトリメチルアミンを中和してくれるという作用があります。トリメチルアミンは、魚独特の生臭さの元となる物質で、サバが嫌いな人の多くはトリメチルアミンが苦手なはずです。しかし梅干に含まれているクエン酸によってトリメチルアミンを中和してあげれば、美味しく健康的なサバ缶を食べることができるようになるでしょう。

    さらに梅干しサバ缶には、カルシウムの吸収を助ける働きなどなど、いくつもの嬉しい効果があります。梅干しの梅酢ポリフェノールは、その健康効果が注目を集めている栄養素の1つであり、ポリフェノールにはブルーベリーのアントシアニンや大豆のイソフラボンなどがありますが、梅酢ポリフェノールはこれらとは異なるヒドロキシ桂皮酸が含まれています。ヒドロキシ桂皮酸には、脂肪燃焼、シンドロームの予防といった効果があることが知られています。

    また、梅干しサバ缶に期待される効果は、圧倒的な疲労回復効果です。サバに含まれているDHAやEPAといった不飽和脂肪酸には、血液をサラサラにして血流をアップする作用があります。このように改善した血流によって梅干し由来のクエン酸が細胞に運ばれると細胞内に溜まった疲労物質である乳酸が分解されます。さらにクエン酸にはキレート作用という独特の作用によって、サバ缶が持っているカルシウムを包み込み、腸から吸収されやすくする効果もあります。

    重曹でアンチエイジング

    重曹は正式名称を重炭酸ナトリウムと言い、古くから医薬品としても使われています。重酸ナトリウムは薬物中毒の際の解毒促進や体が傾くに固くアシドーシスの補正やメニエール病を始めとする耳から来る眩暈の治療など様々な治療法として保険適用されています。

    しかし、重曹健康法と言うと怪しいイメージがありますが、キッチン用品である重曹と医薬品である重炭酸ナトリウムが同じものという知識がないからです。体が酸性に傾くアシドーシスになって処方されるのはスーパーでも買える重曹です。スーパーで買える重曹も病院で処方される重炭酸ナトリウムもその内容は全く同じものです。

    酸性化した体が中和される

    重曹が病気に対して効果があるのは、そのアルカリ性にあると言えます。重炭酸ナトリウムは水に溶けるとアルカリ性を発揮する代表的な物質です。そのため重曹を水に溶かして飲んだり、食べ物に重曹をかけて食べると体をアルカリ性に傾けてくれる効果があります。

    私たち人の体内は酸性でもアルカリ性でもない、その中間である中性の時が最も正常であると言われています。そして私たちがアルカリ性である重曹を飲むと体はアルカリになるのではなく、むしろ中性に近づいてくれることが分かっています。それは全ての人の体が日頃から酸性に傾いてしまっているためです。

    私たちの身の周りには体を酸性に傾けてしまう物質で溢れ返っており、体を酸性にしてしまう代表的なものとしては、ストレス、加工食品、糖分の多い食事、水分不足が挙げられます。中でも現代人の多くの人の体を酸性にしている元凶がストレスです。

    ストレスによってストレスホルモンのコルチゾールが分泌する、免疫力が低下することもその反応の一種です。このようなホルモンバランスや呼吸の変化などストレスが原因で起きる現象のほとんど全てが体を酸性に傾けてしまいます。

    また、加工食品も酸性食品になり、加工食品に含まれている糖分や添加物といったものはほんの少し食べただけで体を一気に酸性するパワーがあります。つまり加工食品を食べれば食べるほど体が酸性化してしまいます。

    このようにストレスと加工食品の摂取によって酸性化した体に追い打ちをかけるのが脱水です。水分が不足すれば体液が濃くなり、体液が濃くなることで元々酸性だった体が余計に酸性化してしまいます。そして体が酸性化すると数々の 病気のリスクになることが分かっています。

    その例が腎臓病です。腎臓は血液を濾過して尿を作り、血液の中のゴミを体外に出すための装置です。このように腎臓で濾過されるゴミの中には体の中の余分な酸性物質も含まれています。しかし体が酸性であることは、ゴミ処理場である腎臓がゴミの山になって対応できない状態にすでになっていることになります。このような状態になると腎臓の病気であるアシドーシス状態になり、アシドーシスは腎臓の機能が低下するなどして酸性物質が体に溜まってしまう病気です。この病気の治療には重炭酸ナトリウム、つまり重曹が使われています。

    重曹によって体内が中性になれば腎臓が酸性物質の排泄のための負担が減って腎機能が正常に保たれます。ただし重層は医療用にも使われるほど効果のある薬剤であるため、正しく使わなければ副作用もあります。

    細胞の酸性疲労物質が無くなる

    重曹には酸性物質を水にして体の外に流してくれるという効果があり、重曹を飲むことで腎臓への負担が減ります。また尿の中の余分な塩分や毒素など酸性物質以外にもたくさんのゴミがあり、体が中性になると腎臓は酸性物質以外のゴミを処理する余裕が生まれます。そして体の中が解毒されていきます。

    さらに重要なのが腎臓を含め重曹によって体全体の細胞がピカピカになります。実は細胞の多くは酸性環境に弱く、アルカリ性の環境に強い性質を持っています。逆に酸性環境に強いのはウイルスやがん細胞といった私たちの体にとって良くない物質ばかりです。

    実際研究によってがん患者の尿のpHは酸性に傾く傾向にあることが分かっています。これは体が酸性になることでがん細胞が優位になり、がんが増殖することでそのストレスによってさらに体が酸性に傾き、腎臓が頑張って酸性物質を尿から排出しようとするためです。逆に重曹によって体がアルカリ性に傾ことでウイルスやがん細胞といった外敵が弱くなり細胞が活性化するメリットがあります。

    また、体内のゴミが排泄されて細胞が活性化すると疲労が溜まりにくくなります。そもそも私たちの体内で発生する代表的な疲労物質である乳酸は、典型的な酸性物質です。重曹によって体がアルカリ性になると、乳酸の排出力が高まるだけでなく乳酸そのものを中和することで解毒してくれるメリットが得られます。

    天然の洗浄力のある重曹

    重曹は自然の力で汚れを落とす天然の洗剤であり、私たちの体内の汚れのほとんどは酸性物質が原因で、このような酸性の汚れに重曹をかけることで汚れが中和されます。そのため重曹には食道をピカピカにしてくれる効果があります。

    食べ物は口から入って食道を通ってから胃に到達しますが、口の中には唾液が、胃の中には胃酸があり、そのどちらもが強力な消化液です。実は唾液も胃酸もどちらも食べ物を消化する働きの他に、食べ物に混じった雑菌やウイルス、カビ菌を退治する大事な働きがあります。そのため口や胃の中は比較的清潔な状態に保たれていますが、しかし食道は口や胃の中と違い強い消化液が分泌されていません。

    日常的に使っているうちにどんどん汚れ、こうした汚れを放置することでできてしまうのが食道のカビである食道カンジタです。食道で発生したカビの胞子が食べ物にくっついて腸まで運ばれてしまい、カビ菌が放出する胞子は強い殻に守られているため胃酸でも分解することができません。こうして腸に到達した胞子が目を出すことで腸までもがカビだらけになってしまいます。しかしカビは弱酸性のため、弱アルカリ性である重曹水を食道に流すことでカビ菌が中和され綺麗さっぱりと洗い流されてくれます。

    目まいが改善する

    目まいの原因は非常に多岐に渡り、脳から来る目まいや自律神経から来る目まいなど様々な種類があります。これらのうち最も多い原因が耳から来る目まいで、それに対しては重曹が有効であるとされています。

    私たちの耳は音を聞くという役割だけではなく、体の傾きや前後左右を認識するという重要な役割りがあります。そして三半規管は耳の中に存在しており、数学のXYZ軸のような感じで3 次元方向に配置されています。この3つの輪っかの中にはそれぞれリンパ液が入っており、頭が傾くと三半規管の中のリンパ液が左右上下に偏ることで脳が体の傾きを感知しています。

    しかし体が酸性に傾いてしまえば三半規管の中のリンパ液もまた酸性になってしまうことが知られています。そして酸性になったリンパ液はドロドロになり、きちんと体の傾きを感知できなくなってしまいます。例えば右耳は三半規管が機能していても左耳が機能しなくなったり、頭はまっすぐなのに液が偏って体が傾いているように錯覚してしまいます。こうして三半規管が狂うことでメニエール病を始めとする耳から来る目まいが発生すると考えられています。

    このように三半規管が狂ってしまう原因が酸性のリンパ液だとすれば、リンパ液を中性に戻せば目まいが解消されることになります。重曹水によって酸性化したリンパ液を中性化することができれば、ドロドロに乗ったリンパ液を元に戻し、三半規管を正常化することができます。

    重曹のデメリット

    重曹は、重炭酸ナトリウムとして処方薬にも使われているため、その効果が強く、分量が多すぎると副作用が出てしまう可能性があります。そのためどれだけ健康に良いと言っても飲みすぎは厳禁です。具体的には1日5g程度の摂取にとめておくと良いでしょう。また5gを一気に水に溶かして飲むのではなく、1日何回かに分けて飲みましょう。

    重層はアルカリで、胃から分泌される胃酸は強い酸性です。そのため一気に飲むと胃酸が中和されてしまい消化能力が落ちてしまいます。また重層を飲みすぎると塩分の摂り過ぎになります。アルカリと酸が中和する時に水ができると同時に塩が生まれます。しかし生まれる塩は少量ですが、やはり飲みすぎてしまえばそれなりの量の塩分となります。

    重曹水と一緒に食べるべき食品

    レモン汁とリンゴ酢

    レモン汁もリンゴ酢もその酸っぱさから分かる通りで酸性ですが、体内に入って代謝されることでアルカリ性を発揮するアルカリ食品です。重曹は体内に入る前からアルカリのため胃酸と反応することで中和されてしまうデメリットがありますが、レモン汁とリンゴ酢は代謝される前は酸性のため胃酸を薄めてしまうことがありません。むしろレモン汁は胃酸の分泌を促して消化吸収を助ける効果があります。またレモン汁は唾液だけでなくあらゆる消化器の分泌を助けてくれ、胃酸もしっかりと分泌してくれます。

    一方で、リンゴ酢には腸内の前玉菌を活性化する要素がたくさん含まれています。そのためレモン汁とリンゴ酢を組み合わせることで胃腸の両方の健康をアップし、普段食べている食べ物からきちんと栄養素を吸収することができるようになります。

    さらにレモン汁とリンゴ酢には脂肪燃焼効果があります。レモン汁とリンゴ酢にクエン酸が多く含まれおり、クエン酸は私たちの基礎代謝を活性化し、寝ているだけで脂肪が燃える体を作ってくれます。さらにクエン酸には高い疲労回復効果があります。

    ほうれん草とブロッコリー

    ほうれん草とブロッコリーは、体に良いアルカリ性食品です。含まれる栄養素 の代表例として食物繊維が挙げられます。またほうれん草には葉酸やビタミンK、ブロッコリーにはビタミンCやルテインが豊富に含まれています。さらにほうれん草とブロッコリーに関しては冷凍することで逆に栄養化が凝縮されることが分かっています。

    バナナ

    バナナは強い甘みがあるにも関わらず、体内でアルカリ性を発揮する数少ない甘いアルカリ食品です。そのため甘いものが食べたいが体を酸性にしたくない方におすすめ食べ物です。バナナにはオリゴ糖や食物繊維による腸内環境の改善効果、トリプトファンによる幸福感アップ、カリウムによる腎臓掃除効果などの健康効果があります。またバナナは1本食べるだけでも相当な量の食物繊維を摂ることができます。

    また他のアルカリ食品にはないバナナ特有のメリットとしてトリプトファンによる健康効果を挙げることができます。トリプトファンはアミノ酸の一種で、私たちの体内で合成できない必須アミノ酸という貴重な種類のアミノ酸です。実はトリプトファンは、タンパク質の材料になるだけでなく体内で代謝されることでセロトニンという幸福ホルモンに変化します。さらにセロトニンは夜になるとメラトニンという睡眠ホルモンに変化し、私たちの睡眠の質をアップしてくれます。

    これがバナナは朝食べると良いと言われる所以です。バナナを朝食べることで日中はセロトニンによって幸福感が上がり、夜になると安眠できるという二重のメリットを受けることができます。さらにバナナには、血糖値を上げづらい糖がたくさん含まれていることから朝食べることでその日1日に必要なエネルギーを体に補給することもできます。

    またバナナにはカリウムも含まれています。カリウムは体内の余分な塩分を排泄することで腎臓への負担を減らしてくれます。そのため重曹と共にバナナを食べることで、重層によって溜まってしまった塩分が排泄され、重曹が持つデメリットを打ち消してくれます。

    アンチエイジングの鍵、サーチュイン遺伝子とは

    NMNには長寿遺伝子と言われるサーチュイン遺伝子を活性化させる働きがあります。ちなみにサーチュイン遺伝子は、人においては7種類あると言われています。

    まず人の体は全部で約 60兆個の細胞でできていると言われており、その全ての細胞1つ1つにDNAという形で遺伝子が含まれています。実は細胞ごとに持っている遺伝子は同じですが、その中のどの部分を読み取って使うか の設定が細胞ごとに異なっています。例えば心臓の細胞は心臓の働きに必要な部分だけ、肝臓の細胞は肝臓の働きに必要な部分だけが読み取れるようにうまく設定されています。

    しかし、年を取ってくるとその遺伝子の読み取り設定が徐々に甘くなり、細胞はうまく力を発揮できなくなり、そのような細胞を老化細胞と呼びます。その加齢によって甘くなった設定を直してくれるのがサーチュイン遺伝子です。サーチュイン遺伝子が活性化されることで作られるサーチュイン酵素が、甘くなった遺伝子の設定を修復してくれる働きがあります。そのためアンチエイジングの分野において、サーチュイン遺伝子が注目されているのです。

    サーチュイン遺伝子を活性化するNMN

    NMNは体内に入るとすぐにNADという物質に変化しますが、この物質は体のエネルギーを生み出すのに欠かせないクエン酸回路という仕組みが働くために必要になります。ちなみに食事から摂り入れた血糖をエネルギーに変換するために働くのがクエン酸回路です。

    一方でNMNを摂取すると、それがNADに変化して、それがサーチュイン遺伝子を活性化します。そしてポイントは、そもそも体内のNADの量が加齢と共に減少することです。 つまり加齢と共に体内のNADが少なくなるため、NMNを摂取してNADを補充するという考え方がアンチエイジングに繋がることが期待されています。

    NADの量の減少は、新生児から77歳までの被験者を対象に調べた研究では、10代と比べると40代以降になった時点でNADの量は半分になっていました。その後も年齢の増加と共にさらに減少していく結果になっています。そのためNMNを摂取することで体内のNADを増やし、それによってサーチュイン遺伝子を活性化させる方法が注目されているのです。

    このNMNは野菜や肉に含まれており、特に枝豆、ブロッコリー、アボガドなどに多く含まれると言われています。しかし研究では、1日150から300mgが推奨摂取量と言われており、それらの食品から摂ろうすると、とんでもない量を食べなければいけません。そのため主に利用されている方法はサプリ、もしくは点滴になります。

    NMNの摂取量と摂取方法

    NMの摂取量については色々な報告がありますが、現時点の推奨量は1日あたり150から300mgとされています。例えば2022年に富山大学が発表した研究では、健康な成人30名を対象に1日250mg摂取する群としない群に分けて、血中のNADの量がどう変化するかを調べています。NMNを摂取した群では血中のNADの量が約2倍から2.5倍に上昇し、摂取を止めるとNADは元の量に戻るという結果となっています。

    同じ2022年に東京大学が発表した研究では、65歳以上の高齢者42名を対象に、1日250mgのNMN摂取の効果が調べられました。同じく血中のNADの量については約2倍に増加しており、副作用についても目立ったものは特に認められなかったと報告されています。

    また研究では血中のNADの量だけでなく運動機能の変化についても調べられています。例えば歩行速度、握力などが優位に改善した結果となり、この研究によって運動機能の改善も期待できることが分かっています。その他にも人に関する研究で、動脈効果の緩和、睡眠の質と倦怠感の改善、有酸素能力の改善などの可能性も報告されています。

    NMNを摂取する方法には、サプリメントがあり、すでにかなりの数の製品が売られています。まずはNMNの原材料が国産のもの、さらに原料申請テスト済みと書いてあるものを選ぶようにすると良いでしょう。原料申請テストは、簡単に言うとちゃんとしたものを使っているかどうかをテストして調べているということです。またGMP認証やISO認証といった記載がある製品を選ぶことも大事です。

    【本コラムの監修】

    恵比寿院長

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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