クエン酸でアンチエイジング

クエン酸でアンチエイジング

クエン酸は、酢やレモン、梅干しといった酸っぱい系の食べ物に含まれている酸味成分の一種です。クエン酸は人間の体内で大事な役割を果たしており、そして摂取した食べ物をエネルギーに変えるために欠かせない成分です。

クエン酸は、アンチエイジングや慢性疾患に対する予防効果が優れていて、最近ではがんに対しての予防効果まであることが分かっています。このクエン酸は、私たちのエネルギーを作り出すのに必要なミトコンドリアで合成され、ATPを作る上でも重要な働きをしています。

クエン酸を合成する酵素は、30代まででピークの8 割程度まで合成量は低下し、40代になると半分程度まで減少してしまいます。その後も減少し続けるため、加齢と共に外から定期的に補給した方がエネルギーを作りやすくしたり、疲労を回復しやすくしてくれます。

クエン酸に期待できる効果

クエン酸の効果一覧

クエン酸と摂ると疲労回復、胃腸の働きを整える、便秘や下痢を和らげる、活性酸素を取り除く、マグネシウムやカルシウム、鉄の吸収を助ける、食欲を増進させる、活性酸素を取り除く抗酸化作用、さらにエネルギー生成の効果、ダイエット効果、尿量を増やすことでむくみの改善、殺菌や臭いを抑える効果も期待できると言われています。この他にも血糖値抑制、抗高血圧、ストレス低下、胃のムカつき改善、緊張型頭痛の改善、肩こりの改善などが挙げられます。

エネルギーを作り出す効果

この中で特に注目したいのがエネルギーを作り出す効果です。人間が生きていくためには24時間365日、常に代謝を行って生命維持に必要なエネルギーを生成し続けなければいけません。

例えば呼吸をして酸素を摂り込むことでもエネルギーが作られていますが、その代謝回路には「解糖系」「クエン酸回路系」「電子伝達系」の3種類があります。これらの代謝回路の一角を担っているのがクエン酸が関係するクエン酸回路系です。クエン酸回路系は人間に限らず、基本的に酸素呼吸を行うすべての動物に存在しています。

このような生命を維持するのに欠かせないクエン酸は、私たちの細胞のミトコンドリア内で活動します。ミトコンドリアは私たちが生きていくために必要なエネルギーを産生する細胞小器官です。

生き物が生きていくために必要なエネルギーの95%近くを生成しているとも言われ、ミトコンドリア内にあるクエン酸回路では呼吸を通じて糖を代謝してエネルギーへと変化させるだけではなく、カルシウムやマグネシウムといったミネラルやビタミンを体内に吸収しやすくして疲労物質を分解する大切な役割を果たしていると言われています。

クエン酸を摂ると疲労回復効果が期待できるだけではありません。例えば急激に激しいスポーツによって筋肉を使うと徐々に乳酸が溜まって体は疲れますが、クエン酸はこの疲労物質を分解して筋肉に蓄積しないようにする効果があることも分かっています。つまり筋肉に疲れを溜めない効果とミネラル類の吸収を促進する効果の2つの効果で抜群の疲労回復効果を発揮します。

この一連の流れをキレート作用と呼び、エネルギーの代謝が促進されることで エネルギーが全身に溢れ、疲れが解消していきます。またキレート作用は、ギリシャ語でカミのハサミっていう意味があり、クエン酸がミネラルを包み込むことでマグネシウム、カルシウム、亜鉛、鉄分といった微量ミネラルの体内利用率を上げてくれる効果があります。

マグネシウム、カルシウム、亜鉛、鉄は、免疫やミトコンドリアでATPを作ったり、細胞を元気にするのに大切な栄養素です。これらのミネラルは、疲労の元となるミトコンドリア機能の低下を防いでくれるミネラルで、吸収率が高くはないためミネラルの不足を防ぐためにクエン酸は一役買ってくれます。

実際、金沢大学の論文の「各種有機酸類による疲労回復促進効果」で、クエン酸の疲労回復効果について研究成果を報告しています。さらにダイエット効果が期待できたり、利尿作用によるむくみの解消や、体全体の巡りが良くなるため免疫力アップが期待できたり、ミネラルの吸収が促進されることで骨が丈夫になったり、メンタルが悪くなるのを防ぐ効果が期待できるとも言われています。

加齢によるクエン酸合成量の低下

頭の回転速度が上がる

クエン酸を摂取するとセロトニンとノルドレナリンという2つの脳内ホルモンが分泌されます。まず薬理学研究でクエン酸がセロトニンの分泌を促す効果があることが判明しています。これはクエン酸によって乳酸が分解され、肉体的疲労が軽減される仕組みがあり、この乳酸分解の過程でセロトニンレベルが高まることが分かっています。当然セロトニンレベルが上がればそれだけ幸福感が溢れる状態になり、脳も活性化して思考スピードが上がります。

もう1つのノルアドレナリンは、脳内の神経伝達物質の1 つで、これは脳の神経細胞同士をついで情報伝達をするという物質です。これが分泌されると集中力が高まり、意欲的に物事に取り組める意識が出やすくなります。また海馬を始めとする記憶に関する脳の部位に作用して、長期的記憶の形成にも関わると言われています。

実際にクエン酸を食べて口いっぱいに酸っぱさが広がると、その酸っぱさの刺激で脳内からノルアドレナリンが分泌されます。またオレンジやレモンが心の安定やメンタルの安定に効果的と言われているのは、このノルアドレナリンの作用と考え方もできます。

さらにクエン酸は体内のエネルギー産生に起与することで脳のエネルギー源となる物質です。脳はエネルギーを貯蔵することができないという致名的な欠点があり、だからこそ脳は血液によってエネルギー供給され続けないといけません。そのエネルギー供給役立つのが栄養素を効率よくエネルギーに変えるクエン酸回路です。

ダイエット

クエン酸の歴史はかなり古く、1784年にはスウェーデンの研究者がレモン果汁からこの物質を初めて作りました。このクエン酸には、クエン酸サイクルまたはクエン酸回路という名前の化学反応があり、クエン酸サイクルは私たちが食べたものをエネルギーに変えてくれる工場のようなものです。

特に加齢と共にエネルギーの代謝が落ちてくるため、クエン酸サイクルは非常に重要で、食事から得た栄養をエネルギーに変える、このサイクルが生物にとっての根本的なエネルギー産生経路です。

このクエン酸サイクルがしっかりと回るようになるからこそ代謝が良くなったり、食べたものがしっかりとエネルギーに変わってくれます。つまりクエン酸を摂取して、クエン酸サイクルを積極的に回すことによって、体は食べたものをエネルギーに変換しやすくなって、ダイエットに向いた体に変わっていきます。

疲れにくい体にする

年齢を重ねると以前よりも疲れが取れにくくなり、疲労がいつまでも溜まっているような感じがしないでしょうか。この理由の一つに、生活習慣によって体に毒素が蓄積し、疲れが取れにくい体になってしまっていることが挙げられます。

体外から摂取したクエン酸は、ミトコンドリアで作られるものと少し違う働きもしてくれます。クエン酸の疲労回復に効果は、エネルギーを作る時に使われる栄養が関係しており、ATPを生み出す時に消費されるのが炭水化物や糖分から作られるグルコースです。通常はグルコースからピルビン酸が作られ、ミトコンドリア内で消費され、ATPを生み出してくれます。

しかしグルコースの分解が過剰になってしまうとミトコンドリアでピルビン酸が処理しきれなくなります。すると溜まったピルビン酸の一部が乳酸に変化し、この乳酸が細胞内に溜まると疲労感を感じやすくなります。乳酸はエネルギー源として使われていくのですが、溜まりすぎてしまうと疲労を感じやすくなってしまいます。

特に代謝が低下していたりすると乳酸が溜まりやすく、疲れも感じやすくなってしまいます。そこでクエン酸を外から摂取することで、グルコースの利用が阻害される上に、乳酸を作るのも阻害し、代謝の一部が脂肪酸の代謝に切り替わります。脂肪酸のエネルギー産生は糖質の代謝の19倍も効率が高く、クエン酸を摂ることで疲労感を減少させ、さらに疲れにくい体にすることができます。

このような時にクエン酸はとても役立ち、クエン酸が疲労回復に良い理由の一つに乳酸を分解する力があるからです。乳酸は運動や重労働で疲れた時に体内で溜まりやすく、筋肉の痛みや疲労感を引き起こす物質です。クエン酸は、乳酸をエネルギーに変えてくれ、その分疲れが早く取れるということになります。

またクエン酸は、クエン酸サイクルとい代謝プロセスをスムーズにするだけでなく、体に必要のないものを外に出す役割もしています。クエン酸が、このサイクルを促進することで余分な脂肪や体の中の不要な老廃物もしっかりと排出されます。

乳酸蓄積→疲労のメカニズムとクエン酸の介入

代謝促進効果

クエン酸は脂肪燃焼をサポートし、血糖値上昇の抑制効果で血糖値の急上昇を抑え、血圧を降下する効果で血流を改善して血圧を下げてくれる効果があります。またむくみ解消効果もあるため、美容にも効果的で美肌効果やストレス感は効果もあります。そして抗酸化作用もあり、体の中の活性酸素を抑制して細胞をダメージから守ってくれる効果があります。さらにクエン酸には体質改善効果があり、体内のpHバランスを整えて酸性体質を改善します。

栄養素の吸収効率を上げる

栄養素の吸収は、年齢と主に効率が悪くなり、特にミネラルの吸収率は年を取るほどに落ちます。ミネラルは、骨を丈夫にしたり、心臓や筋肉の機能を支えたりする非常に重要なミネラルです。実はクエン酸は、ミネラルの吸収を助ける役割があります。クエン酸にはキレート作用という特別な働きがあります。簡単に言えばこのキレート作用がミネラルをしっかりと包み込む役割を果たします。ミネラルが包み込まれるによって、腸からしっかりと吸収される確率が高まります。

具体的にはクエン酸が結合した形のカルシウム、つまりクエン酸カルシウムは吸収が非常に良く、胃酸が少なくても十分に吸収されるということが分かっています。一方で炭酸カルシウムは胃酸が少ないと吸収がうまくいかない場合があります。さらに炭酸カルシウムはガスや膨満感、便秘といった副作用が出やすいです。特に高齢者や胃酸の少ない方にはクエン酸カルシウムが良い選択となるわけです。

同じように、マグネシウムもクエン酸マグネシウムで摂ると、体にとって使いやすく、しっかりと吸収されます。他にも酸化マグネシウムや硫酸マグネシウムよりもクエン酸マグネシウムが体に吸収されやすいことが分かっています。

乳がんの予防効果

クエン酸にがんを抑制する効果があると言われているのは、細胞の増殖抑制や転移を防いでくれる効果があるからです。この作用は2017年に、ハーバード大学も発表していています。がん細胞は糖質を大量に摂り込み、その量は正常細胞の3倍から8倍にもなります。またがん細胞は摂り込んだ糖質のほとんどを乳酸に代謝するという特殊な働きがあります。

がん細胞が生産した乳酸は、私たちが持いる自然免疫の機能を弱める性質があり、実際2010年の研究でも明らかになっています。がんの乳酸によって弱ってしまう免疫はILC2と呼ばれ、皮膚や粘膜などの免疫と大きく関わっており、これらの免疫を自分たちが作り出す乳酸で弱らせて、成長や転移を促進しています。つまり細胞からの乳酸が増えすぎると免疫が低下するだけではなく、がんになりやすくなったり、元々がんの人の場合は、がんが増殖したり、転移しやすくなってしまいます。

実際にがん細胞が作り出す乳酸は、乳がんに関わる全ての主要な変異遺伝子の発現を150%から800%も増加させることが分かっています。この他にもがんが作り出す乳酸は、発がん性だけではなく、血管新生を亢進する作用もあり、がん細胞の自給自足を助け、がん細胞の増殖を促していくことが分かっています。

そのためクエン酸による乳酸を抑制する効果が効いてくるだけでなく、この他にもクエン酸が、がん細胞のエネルギー代謝の抑制、免疫を活性化することでがん細胞を抑制する機能や、がん細胞を自滅に追い込んだりして、がん細胞の抑制や発がんの予防に役立ってくれます。

がん細胞と乳酸・クエン酸のメカニズム

高血糖の改善

血糖値が高くなると直接的に糖尿病を引き起こしてしまうだけでなく、体内で糖化という現象が起こり、老化が進んでしまうことがすでに明らかになっています。

クエン酸が血糖値の上昇を抑える力があり、それは炭水化物の吸収をゆっくりにしてくれるからです。例えば食後にお菓子を食べると急激に血糖値が上がります。しかしクエン酸が体内にあるとその上昇が穏やかになります。さらにクエン酸はインスリンの働きを助けます。インスリンは血糖値をコントロールする大切なホルモンで、インスリンの分泌を促すことで血糖値が急に高くなるのを防ぐ効果があります。

シミやシワを取り除く

年を取れば体の細胞が古くなる速度が早くなります。特に注意したいのが活性酸素という物質です。これは体の中で生成され、多すぎると細胞を傷つけ、老化や病気の原因になります。いわゆる酸化と呼ばれる現象です。クエン酸には抗酸化作用あり、特にクエン酸をビタミンCと同時に摂ると、この活性酸素を強力に除去してくれることが分かっています。その結果、細胞が傷つくのを防いで老化を遅らせるだけでなく、免疫力を高め、病気に対する抵抗力も高まるとされています。

そして細胞が元気でいると、肌が綺麗になったり、シワが目立たなくなることも期待できます。クエン酸とビタミンCの摂取を同時に摂る、最も効率の良い食品はレモンです。レモンにはたっぷりのクエン酸とたっぷりのビタミンCが含まれており、この2つを同時に取ることによって肌が若々しく、美しくなっていきます。

免疫力の強化

私たちの体は弱アルカリ性の時に最も内臓が活発に活動し、免疫も高い状態を維持できます。しかし食生活が偏ったりすることで体は酸性に傾き、免疫が低下したり、自立神経が乱れたりしてしまいます。実はクエン酸は、体内に入れる前は酸性ですが、体に吸収される段階でアルカリ性に変換されて吸収されます。このためクエン酸を摂ると血液が弱アルカリに保たれやすくなり、結果的に免疫が強化されます。

ちなみに私たちの体は酸性に傾かないように、微妙なpHで保たれており、基本的に血液はpH7.4±0.5と狭い範囲で弱アルカリ性に保たれています。これを調整しているのが腎臓や肺であり、つまり加齢によって調整機能がうまく働かなくなったり、機能そのものが低下してしまうと血液は酸性に傾き、細胞に重大な損傷を与えてしまいます。

またpHを調節する時に、カルシウムが使われますが、実際に欧米人に骨粗鬆症が多いのは、酸性食品である動物性タンパク質を多く摂取するからということが分かっています。さらにカルシウムは、免疫に大きく関係しているため、カルシウムが使われすぎると免疫の低下にもつがってしまいます。

これらの観点からもクエン酸を摂取して、血液をなるべく酸性にしないことは免疫を健全に保ち、強化してくれることに大きく役立ってくれます。これに加えてクエン酸には、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、サルモネラ菌、カンジタ菌などやウイルスへの抑制効果が確認されており、風邪や大腸疾患の予防にも効果的です。

肩こりや冷え症が改善する

クエン酸を摂ると血行促進により、肩こりや冷え性の改善が期待できます。クエン酸には、乳酸の発生を抑制したり、打ち消したりする働きがあり、その結果血液をサラサラする、クエン酸回路が回ってエネルギー供給効率が上がることで、体内で熱生成が用意になり、血管が広がって血行が良くなります。

また、乳酸が筋肉に蓄積することで筋肉がこわばって血流が滞りますが、乳酸によって分解されれば筋肉の緊張がほぐれやすくなるため肩こりや血行不良が改善されます。ちなみに血管の壁にカルシウムが沈着して硬くなると石灰化により、血管のしなやかさと弾力を失わせますが、キレート作用で溶かすことで血管の弾力が元通りになり血行促進につながると考えられます。

性ホルモンの合成

性ホルモンは、更年期障害とも関係しています。性ホルモンはコレステロールがプレグネノロンという物質に変換された後、男性ホルモンであるテストステロンや女性ホルモンのエストロゲン、そしてコルチゾールなど全てのステロイドホルモンの材料になります。このプレグネノロンの材料であるコレステロールを作るのに必ず必要になってくるのがクエン酸です。またコレステロールは、胆汁酸や体内の細胞膜を作っている材料にもなっています。

クエン酸は一方で過剰になったコレステロールを抑える効果もあり、実際に肥満気味の男女対象とした研究でクエン酸が主成分の酢を摂取させたところ、総コレステロール値の改善とLDLコレステロールの減少が確認されています。

様々な病気の予防効果

高血圧の改善効果クエン酸は、血管内の窒素酸化物を増やすことで血管をリラックスさせる働きがあり、血管が広がって血流がスムーズになることで血圧が下がります。
肝臓病の予防クエン酸のキレート作用は、運動に必要なマグネシウム、カルシウム、鉄分などのミネラル成分の吸収を促進する効果です。吸収を効率化するため腎臓への負担が減ります。
腎臓病予防クエン酸が体の中に入るとアルカリ性になる性質があるため、体内の酸性を中和してくれます。腎臓の働きが悪くなると体内に毒素が溜まりますが、それをクエン酸が防いでくれます。さらに研究では動物実験でクエン酸には腎臓の保護作用が確認されており、腎臓病の予防にもなることが明らかになっています(東北大学の論文:クエン酸塩による腎臓病の予防)
動脈硬化症が元になる病気の予防動脈硬化による心筋梗塞や脳卒中の予防につながるのは、クエン酸に血液をサラサラにしてくれる効果があるからです。また疲労物質である乳酸も打ち消してくれるため、血液が改善してサラサラ血液になることは動脈効果の予防に繋がります。
糖尿病の予防京都府立医科大学の研究では、食前にクエン酸を含むレモン果汁を飲むことで食事中の血糖値を下げる効果があることが発表されています。

がんの予防効果

がん細胞は、エネルギーを取るために解糖系という代謝経路を使って大量の乳酸を生成します。その結果、周囲の組織が酸性化して正常な細胞がダメージを受けやすくなってしまいます。つまり酸性化ががん細胞の進行を促進することになります。さらにがん細胞は血管を新しく作る作用を促進して、がん自身への栄養補給の経路を増やす厄介な能力があります。

その結果、がんの成長が加速されてしまいます。またがん細胞は、体の免疫系の攻撃を逃れるために免疫力の低下を引き起こす働きまで持っています。つまりがん細胞は自らの利益のために体内の周囲の環境を悪化させます。

しかし、クエン酸はこれらのプロセスに直接的な干渉を行うことが分かっています。まずクエン酸は、ミトコンドリア内のTCAサイクルを促進して、がん細胞に有利になってしまったエネルギー代謝を正常に戻す作用があります。つまりがん細胞の活動を制御して正常な状態に戻します。

そして体内で分泌されるホスホフルクトキナーゼという酵素があり、これは通常解糖系の働きを担いますが、がん細胞があるとその増殖を助けてしまいます。ところがクエン酸があるとホスホフルクトキナーゼの働きを抑制して、がん細胞の代謝をブロックし、その結果がん細胞の増殖が抑制されます。

寝る前のクエン酸が体を変える

疲労回復のために運動後にクエン酸を摂るという習慣はよく知られていますが、実は就寝前にクエン酸を摂取することにも見逃せない効果があります。夜間は肝臓や腎臓、筋肉、脳といった臓器が休みながらも活発に働き、翌日を迎えるための修復作業を進めている時間帯です。

疲労物質乳酸の役割

運動や日常の活動によって生じる乳酸は、長らく疲労の原因物質として扱われてきました。しかし近年の研究では、乳酸はエネルギーとして再利用できる中間代謝産物であることがわかっています。乳酸は、体内でエネルギーを生み出す中心的な経路であるTCA回路(食べ物からエネルギーを取り出す一連の化学反応)で代謝されることで、再びエネルギー源として使われるのです。

クエン酸には、この乳酸をTCA回路へと戻す働きを助ける性質があります。そのため就寝前にクエン酸を摂っておくと、眠っている間に乳酸がしっかり代謝され、翌朝の体力の回復につながりやすくなります。疲労物質が処理されれば疲れが取れるというのは、考えてみれば自然な理屈だといえるでしょう。

さらに、睡眠中は筋肉の修復と再構築が進む時間でもありますが、体内のエネルギーが不足していると、筋肉を分解してエネルギーを取り出そうとする働きが優位になってしまいます。せっかく修復が進むはずの時間に筋肉が分解されては本末転倒です。クエン酸はミトコンドリア(細胞の中でエネルギーを作り出す小器官)でのATP(体を動かすためのエネルギーの通貨にあたる物質)合成を助けることで、筋肉の修復に使えるエネルギーを確保しやすくしてくれます。夜間の代謝がスムーズに進めば、その分だけ翌朝に疲労感が残りにくくなるということです。

キレート作用

カルシウムやマグネシウムといったミネラルは、健康維持に欠かせない栄養素ですが、加齢とともに吸収効率がどうしても低下していきます。せっかく夕食でミネラルを摂っても、吸収されずに排出されてしまっては意味がありません。

ここで役立つのがクエン酸の持つキレート作用です。これはクエン酸がミネラルと結合し、体に吸収されやすい形に変える働きのことを指します。特にカルシウムやマグネシウムは腸内で沈殿しやすい性質がありますが、クエン酸と結合することで水に溶けやすくなり、吸収率が高まります。また加齢によって胃酸の分泌が低下すると、本来ミネラルを吸収しやすい形に整える胃酸の働きも弱まってしまいますが、クエン酸は胃酸に頼らずにミネラルを溶かすことができるため、年齢を重ねても吸収効率が落ちにくい体作りを助けてくれます。

カルシウムは骨の健康に重要な栄養素としてよく知られていますが、マグネシウムは見落とされがちです。マグネシウムには神経や筋肉の興奮を鎮める働きがあり、就寝中の体をリラックスさせて睡眠の質を高めてくれます。クエン酸と一緒に摂ることでマグネシウムの吸収効率も上がるため、夜のミネラル摂取にはクエン酸を組み合わせることが理にかなっているといえるでしょう。

肝臓の解毒を支えるエネルギー代謝

肝臓は解毒や糖質・脂質の代謝など、24時間休まず働き続けている臓器です。特に夜間は夕食で摂った添加物などの解毒作業に追われており、肝臓にとっては忙しい時間帯にあたります。クエン酸はTCA回路を円滑に回すことで肝臓の細胞内でのATP合成を助け、エネルギー不足による解毒反応の停滞を防いでくれます。

肝臓にはもうひとつ重要な役割があります。タンパク質を代謝する過程で生じる、毒性を持つアンモニアを無毒化する働きです。このアンモニアを処理する尿素回路は非常にエネルギー消費が大きく、ATPが不足すると処理効率が落ちてしまいます。クエン酸自体が尿素回路を直接回すわけではありませんが、TCA回路を通じてATPの供給を安定させることで、アンモニアの処理を間接的に支えてくれる存在だといえます。

加えて、肝臓での脂質代謝が滞ると中性脂肪が体に蓄積しやすくなります。クエン酸は脂肪酸の合成と分解の両方の経路に関わっており、脂質代謝の流れを整える役割も担っています。特に脂質の処理が追いつきにくい夜間にこの働きが発揮されることで、就寝中の脂肪の蓄積を防ぐ助けになります。

pHバランスへの働きかけ

クエン酸という名前から酸性の物質を連想する人が多いかもしれませんが、実際に体に取り込まれると体内をアルカリ性に傾ける性質を持つことが知られています。私たちの体液は、ストレスや添加物の影響で日常的に酸性へ傾きやすくなっていますが、その負担を大きく受けてしまう臓器のひとつが腎臓です。

腎臓は体内で生じた余分な酸を尿として排出し、血液のpHを一定に保つ役割を担っています。慢性的に体が酸性に傾いた状態が続くと、腎臓のpH調整の負担が増してしまいます。クエン酸を摂って体液をアルカリ性側に整えておくことで、この負担を軽減し、腎臓へのダメージを抑えることができると考えられています。

さらにクエン酸には、尿の中でカルシウムと結合して結晶化を防ぐ働きもあります。この作用によって尿路結石のリスクを下げられることが、腎臓病学の研究でも報告されています。尿路結石は尿が濃縮されやすい夜間に発症しやすいとされているため、就寝前にクエン酸を摂ることは、夜中の激痛を防ぐ意味でも理にかなった習慣だといえるでしょう。

腎臓が尿を作る際に血液をろ過する糸球体は非常にエネルギー消費の激しい組織であり、加齢によってこの部分のミトコンドリア機能が低下するとろ過能力も衰えていきます。クエン酸はTCA回路を通じてこの糸球体細胞のATP合成を助け、腎臓の働きを後押ししてくれます。

目の疲れとエネルギー不足の関係

現代人の多くが抱える目の疲れ、いわゆる眼精疲労の原因は、実は眼球そのものではなく、ピント調節を担う毛様体筋のエネルギー不足にあることが多いとされています。パソコンやスマートフォンなど近距離のものを見続ける時間が長い現代人は、この毛様体筋が常に緊張した状態に置かれています。毛様体筋も腕や足と同じ筋肉の一種であり、ATPを消費しながら働くため、エネルギーが不足すると疲労につながりやすくなるのです。

クエン酸を摂取してATP合成を促すことで、目の筋肉がエネルギー切れを起こしにくい状態を作ることができます。また、長時間の画面注視によって目の筋肉に蓄積した乳酸をエネルギー回路に戻して再利用する働きも助けてくれるため、眼精疲労が翌日に持ち越されにくくなります。目が本当に休まるのは睡眠中だけであり、この時間帯にエネルギー代謝を整えておくことが、翌朝すっきりとした目覚めにつながります。

睡眠中の脂肪燃焼とホルモンの働き

人は眠っている間も基礎代謝を維持するために脂肪や糖をエネルギー源として使い続けています。クエン酸はTCA回路を円滑に回すことで、脂肪由来のエネルギーが使われやすい環境を整えてくれます。ただし睡眠中は活動量が下がるため代謝も自然と低下し、ミトコンドリアの働きが落ちると脂質代謝よりも糖質の消費に偏りやすくなってしまいます。クエン酸はミトコンドリアの効率を保つことで、夜間でも脂肪がきちんと使われる体内環境を維持する助けになります。

睡眠中には脂肪分解を促す成長ホルモンも分泌されますが、エネルギー不足や代謝ストレスが強い状態ではその作用が十分に発揮されません。クエン酸自体が成長ホルモンを増やすわけではありませんが、代謝環境を整えることで成長ホルモンによる脂肪分解が起こりやすい状態を作ってくれます。夜間の代謝が安定すれば、翌日のインスリン感受性やエネルギー利用効率も乱れにくくなり、日中の脂肪や糖の利用効率にも良い影響が及びます。つまり就寝前のクエン酸摂取の効果は、その夜だけにとどまらず、翌日以降にも波及していく可能性があるということです。

自律神経のバランスと体調の波

体調の波が大きいと感じる人は、1日の中でエネルギーが安定していないことが背景にある場合があります。夜間の代謝がうまく回らないと翌朝に強いだるさや不調が出やすくなり、これは交感神経と副交感神経のバランスが崩れることによっても引き起こされます。エネルギーが不足していると交感神経が過剰に高まりやすくなる一方、疲労が強すぎると今度は副交感神経に偏りすぎて体がだるくなってしまうこともあります。

クエン酸はミトコンドリアでのATP合成を高めることで、こうした夜間のエネルギー不足による自律神経の乱れを起こしにくくしてくれます。肝臓や腎臓には独自の活動リズムがあり、特に夜間に集中的に働きますが、エネルギーが不足していると処理が翌日に持ち越され、体調不良につながってしまいます。クエン酸はこれらの臓器のエネルギー代謝を支えることで、リズムの乱れや処理の遅れを起こしにくくする役割を担っています。体調の波を感じている人にとって、就寝前のクエン酸摂取は試してみる価値のある習慣だといえるでしょう。

翌朝の口臭・口内の粘つきの改善

朝起きたときに口の中が粘つき、においが気になるという経験は多くの人にあるのではないでしょうか。これは睡眠中に唾液の分泌が低下することが主な原因です。自律神経が乱れると唾液の分泌が抑えられてしまいますが、クエン酸は夜間の代謝を安定させ自律神経を整えることで、唾液分泌が極端に落ちにくい状態を作ってくれます。唾液は口の中の殺菌作用を担う天然の洗浄液であり、その働きが保たれることで口腔内の雑菌の増殖が抑えられ、翌朝の口臭の原因を元から減らすことにつながります。

また朝の口の粘つきの正体は、口の中の細菌が作り出す物質やタンパク質の分解物です。夜間に代謝が落ちるとこれらの老廃物の排出が進まず、朝まで残りやすくなります。クエン酸は代謝を高めることでこうした口腔内の老廃物を洗い流す働きを助けてくれます。

さらに夜間に消化機能が低下すると胃の内容物が長く滞留し、それが逆流して口臭の原因になることもありますが、クエン酸は夜間の消化環境を整えることでこうした滞留を抑える方向にも働きます。前日の夜からクエン酸を摂ることで、口の中を体の内側からケアするという習慣は、朝の口臭や粘つきが気になる人にとって取り入れやすい対策だといえるでしょう。

クエン酸のデメリット

クエン酸は、酸性度が高いために、クエン酸が直接歯に触れると歯が弱くなってしまう可能性があります。これは酸蝕と呼ばれる現象で、見た目が悪くなるだけでなく、痛みや感度が高くなることもあります。クエン酸を取った後は、すぐに歯を磨かずに、まずは水で口をすすぎましょう。

クエン酸の摂り方

クエン酸の摂取上限はWHO、国内ともに摂取上限は定めていません。添加物での使用規制もないため、よほど摂りすぎなければ体に害を及ぼすことはなく、摂りすぎても排出されてしまうだけです。また1日の摂取量は決まっていませんが、効果的な飲み方としてはクエン酸パウダー小さじ1杯5gを、500mlの水に溶かして1日3回か4回くらいに分けて飲むことです。

クエン酸は1度に摂取しても、2から3時間で体内の濃度は元の状態に戻ってしまうため、1回で2gを飲むのではなく、3時間程度時間を置いて飲んだ方がより効果的に作用してくれます。

食材でクエン酸を多く含む食品は梅干で、100gあたり7g程度のクエン酸を含んでいます。これはあくまで昔ながらの酸っぱい梅干に限るため、スーパーで売っている甘い梅干には、そこまで多くクエン酸は入っていません。

そのためおすすめはカボス果汁で、カボスの果汁にはレモンの倍の100mlあたり6gのクエン酸が入っているため、食品からの摂取では一番効率よくクエン酸を摂取できます。またカボスにはビタミンCも一緒に含まれ、レモンに近い作用があります。

そして、クエン酸を飲んで何も変わらないという方は、クエン酸を代謝するにはビタミンB群とマグネシウム、それ以外のミネラルが必須であるため、ビタミンB群やミネラルが不足した状態で飲んでも効果がいまいち薄くなってしまいます。せっかくキレート作用があるわけなので食事と一緒に他の栄養と摂取した方が、相乗効果が得られることになります。

ドリンクで飲む場合に気をつけることは、クエン酸は酸が強いため歯のエナメルを解かしてしまう可能性があります。食事と一緒に飲む場合はなるべくストローを使って、クエン酸水を歯に当てないで飲んだ方が良いでしょう。飲んだあとは口をすすぎ、クエン酸が口の中に残らないようにした方が良いでしょう。

クエン酸と一緒に食べるべき食品

ほうれん草

クエン酸と一緒に摂取することで、さらに健康効果を増す食べ物がほうれん草です。ほうれん草には、食物繊維がたっぷり含まれているだけでなく、鉄分が多く含まれています。しかしほうれん草を単体で食べているだけでは、実は大した鉄分が摂れません。

ほうれん草に含まれている鉄は、非ヘム鉄という非常に吸収効率の悪い鉄分です。非ヘム鉄は水に溶けにくい3価鉄という種類の鉄で、一方で体内で吸収されやすい鉄分は2価鉄という形です。クエン酸には非ヘム鉄の3価鉄を2価鉄に変える効果があり、つまり鉄の吸収効率がアップします。

また、クエン酸にはカルシウムの吸収効率をアップするキレート作用があり、このキレート作用はカルシウムだけでなく鉄分を含む様々なミネラルにも対応します。さらにその酸っぱさの刺激によって胃酸の分泌を促進してくれる効果があり、鉄は酸性の環境でより溶けやすくなります。そのため胃酸によってほうれん草に含まれる鉄を吸収しやすくなります。

ダークチョコレート

ダークチョコレートに多く含まれるカカオには、カカオポリフェノールという 種類のポリフェノールが豊富に含まれています。これは細胞の老化を防ぐ抗酸化作用、コレステロールを抑える効果、動脈効果の予防効果、さらには認知症の予防やストレス緩和効果に至るまで心と体のあらゆる病気を予防してくれる健康効果があります。

実はダークチョコレートを沢山食べても、このポリフェノールは体に吸収されないことが知られています。実はポリフェノールは水に溶けにくく、腸での吸収効率が低いことが分かっています。そのためークチョコレートを食べても一部しか体で利用されません。

しかし、クエン酸を組み合わせることでポリフェノールの吸収効率を大幅に高めることができます。クエン酸によってカカオポリフェノールが最大限に利用できる理由が、血流改善の効果と腸内環境の改善効果です。ポリフェノールは高い抗酸化作用によって細胞の老化を防ぐ栄養素ですですが、もし血管が細くなってしまって血流が悪ければその効果を享受することができません。

ポリフェノールは、血液に乗って細胞の隅々にまで運ばれますが、血流が悪ければ体の奥の方にある細胞までしっかりポリフェノールが運ばれません。その結果、せっかく摂取したポリフェノールは尿として排出されてしまい、何の意味もなくなってしまいます。そのポリフェノールを運ぶ道(血管)を整備してくれるのがクエン酸による血流改善の効果です。

さらにポリフェノールの健康効果を最大限に引き出すためには、腸内環境も大きなポイントです。なぜならポリフェノールはそのまま吸収されるわけではなく、腸内細菌によって一旦代謝され体内で吸収されやすい形になってから吸収されることが分かっているからです。そしてクエン酸には、腸内のポリフェノールを吸収しやすくする善玉菌を増やしてくれる働きがあることが分かっています。

これは研究段階ですが、少なくともポリフェノールが腸内環境に悪い影響を与えることはないでしょう。そのためダークチョコレートを食べる時は、クエン酸も一緒に摂取すると非常に効果的です。ちなみにダークチョコレートとクエン酸を摂取する時に一緒にコーヒーを飲むことはお勧めできません。チョコレートとコーヒーは相性が良い組み合わせと思いきや、実はコーヒーにはミネラルの吸収を阻害してしまうデメリットがあります。

クエン酸にはミネラルの吸収をアップする作用があり、カカオにもまた様々なミネラルが含まれています。しかしそこにコーヒーを飲んでしまえば、クエン酸によるカカオのミネラル吸収アップ効果が失われてしまいます。¥

梅干しサバ缶

梅干しには、たっぷりのクエン酸が含まれており、サバの独特の匂いの原因であるトリメチルアミンを中和してくれるという作用があります。トリメチルアミンは、魚独特の生臭さの元となる物質で、サバが嫌いな人の多くはトリメチルアミンが苦手なはずです。しかし梅干に含まれているクエン酸によってトリメチルアミンを中和してあげれば、美味しく健康的なサバ缶を食べることができるようになるでしょう。

さらに梅干しサバ缶には、カルシウムの吸収を助ける働きなどなど、いくつもの嬉しい効果があります。梅干しの梅酢ポリフェノールは、その健康効果が注目を集めている栄養素の1つであり、ポリフェノールにはブルーベリーのアントシアニンや大豆のイソフラボンなどがありますが、梅酢ポリフェノールはこれらとは異なるヒドロキシ桂皮酸が含まれています。

ヒドロキシ桂皮酸には、脂肪燃焼、シンドロームの予防といった効果があることが知られています。また梅干しサバ缶に期待される効果は、圧倒的な疲労回復効果です。サバに含まれているDHAやEPAといった不飽和脂肪酸には、血液をサラサラにして血流をアップする作用があります。

このように改善した血流によって梅干し由来のクエン酸が細胞に運ばれると細胞内に溜まった疲労物質である乳酸が分解されます。さらにクエン酸にはキレート作用という独特の作用によって、サバ缶が持っているカルシウムを包み込み、腸から吸収されやすくする効果もあります。

レンズ豆

鉄分は赤血球の材料として酸素を運ぶ働きを持つ、健康維持に欠かせない栄養素です。食品に含まれる鉄分には、肉類の赤身などに多いヘム鉄と、豆類やほうれん草といった植物性食品に含まれる非ヘム鉄の2種類があり、ヘム鉄のほうが体に吸収されやすいことが知られています。植物性食品は食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富で健康のために積極的に摂りたい食品ですが、そこに含まれる非ヘム鉄は吸収効率があまり高くありません。

そこで組み合わせたいのがクエン酸です。レンズ豆などに含まれる非ヘム鉄は、クエン酸と結合することで水に溶けやすい形になり、腸での吸収率が高まります。非ヘム鉄はもともと胃酸によって還元されることで吸収されやすくなる性質がありますが、加齢や胃薬の使用によって胃酸の分泌が低下すると鉄分の吸収も落ちてしまいます。

クエン酸は胃酸に依存せずに鉄を溶かす働きを持つため、中高年でも鉄分の吸収効率が落ちにくい体作りを助けてくれます。さらに豆類には鉄の吸収を妨げるフィチン酸も含まれていますが、クエン酸はその働きを和らげ、鉄が腸内で沈殿するのを防ぐ役割も果たします。

豚ヒレ肉・黒酢・イワシ

クエン酸はエネルギーを生み出すTCA回路の中核となる物質ですが、この回路はビタミンB群が不足すると途中で滞ってしまいます。そこで組み合わせたいのが、ビタミンB群、特にビタミンB1を豊富に含む豚ヒレ肉です。ビタミンB1は糖質からエネルギーを作る反応を進める酵素の働きを助ける栄養素であり、クエン酸が代謝回路そのものを支え、ビタミンB1がその回路を回す酵素を助けることで、両方を同時に摂ると代謝がよりスムーズに進みます。ビタミンB1は乳酸などの代謝産物がエネルギー回路に戻される過程にも関わっているため、疲労感が翌日に持ち越されにくくなる効果も期待できます。

また、酸っぱさが特徴の黒酢もクエン酸と好相性の食品です。黒酢に含まれる酢酸は体内でアセチルCoAという物質に変換されたのちにTCA回路に入りますが、クエン酸はこの回路の中心的な物質として働きます。つまり両者は異なる入口から同じTCA回路に入っていく関係にあり、同時に摂取しても互いの働きが競合しにくいのです。同じ種類の酸ばかりを集中的に摂ると胃腸への刺激が強くなることがありますが、処理経路が異なるクエン酸と黒酢を組み合わせて薄めて飲めば、刺激を分散させながら代謝を高めることができます。

さらにミトコンドリアを活性化させたいなら、イワシに含まれるコエンザイムQ10も見逃せません。コエンザイムQ10はミトコンドリアの電子伝達系という部分でATPを生み出す過程を支える物質で、TCA回路を支えるクエン酸とは役割が重ならず、別々の経路からエネルギー生産効率を高めてくれます。加齢とともにコエンザイムQ10の体内合成量は減少していくため、イワシなどの魚介類から積極的に補うことが大切です。生のイワシを調理するのが手間だという場合は、オイルサーディンの缶詰でも十分に効果が期待できます。

ルイボスティときなこ

健康的な飲み物として人気のルイボスティは、カフェインを含まず飲みやすいことで親しまれています。含まれるポリフェノールの一種であるアスパラチンには活性酸素を抑える働きがありますが、ポリフェノールを摂りすぎると代謝経路が弱まる可能性も指摘されています。ただしルイボスティの抗酸化力はクエン酸の代謝を妨げるほど強いものではないため、両者を組み合わせることでエネルギー効率を高めながら活性酸素の影響を抑えることができます。

緑茶やコーヒーに含まれるタンニンはミネラルの吸収を阻害することがありますが、ルイボスティはその点でも吸収を妨げにくく、クエン酸を加えることでカルシウムやマグネシウムがより吸収されやすい状態になります。カフェインを含まないため睡眠の妨げにもなりにくく、夜に飲む組み合わせとして適しています。

最後に紹介したいのがきなこです。きなこは豊富なタンパク質を含む食品として知られていますが、大豆由来のタンパク質は食べただけでそのまま体の材料になるわけではなく、消化・吸収・合成という各段階にATPが必要になります。クエン酸はTCA回路を回してATP合成を高めることで、こうした植物性タンパク質を無駄なく使い切るための代謝環境を整えてくれます。

植物性タンパク質は動物性タンパク質に比べて消化・利用効率が低い傾向にあるため、大豆製品を摂る際にはクエン酸を組み合わせることが理にかなっています。またきなこにはマグネシウムや鉄も含まれていますが、これらの吸収率も高くはありません。クエン酸はこうしたミネラルを吸収しやすい形に整える働きも持っているため、タンパク質とミネラルの両方を無駄なく生かす助けになってくれます。

毎晩の小さな積み重ねが体を変える

朝起きても疲れが残る、目が重い、体がだるい、口の中が粘つく、日によって体調の差が激しい。こうした不調は年齢のせいで片付けられがちですが、実際には夜の過ごし方が大きく関係している可能性があります。人の体は眠っている間ただ休んでいるわけではなく、肝臓や腎臓が働き、筋肉の修復が進み、自律神経のバランスが整えられるなど、翌日を生きるための準備が着々と進んでいます。夜はいわば体にとっての修理時間であり、この時間帯にエネルギー代謝が滞ってしまえば、本来回復できたはずのものまで翌日に持ち越されてしまいます。

クエン酸は劇的な変化をもたらす派手な成分ではありませんが、疲労回復やミネラルの吸収、肝臓や腎臓の負担軽減、そして睡眠中の体内環境の安定といった地味な働きの積み重ねが、翌朝の目覚めや日中の体の軽さに大きな差を生み出します。最近疲れが抜けにくい、朝からエンジンがかからないと感じているなら、就寝前にクエン酸を取り入れ、必要に応じてレンズ豆や豚ヒレ肉、黒酢、イワシ、ルイボスティ、きなこといった食品と組み合わせてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

重曹でアンチエイジング

重曹は正式名称を重炭酸ナトリウムと言い、古くから医薬品としても使われています。重酸ナトリウムは薬物中毒の際の解毒促進や体が傾くに固くアシドーシスの補正やメニエール病を始めとする耳から来る眩暈の治療など様々な治療法として保険適用されています。

しかし、重曹健康法と言うと怪しいイメージがありますが、キッチン用品である重曹と医薬品である重炭酸ナトリウムが同じものという知識がないからです。体が酸性に傾くアシドーシスになって処方されるのはスーパーでも買える重曹です。スーパーで買える重曹も病院で処方される重炭酸ナトリウムもその内容は全く同じものです。

酸性化した体が中和される

重曹が病気に対して効果があるのは、そのアルカリ性にあると言えます。重炭酸ナトリウムは水に溶けるとアルカリ性を発揮する代表的な物質です。そのため重曹を水に溶かして飲んだり、食べ物に重曹をかけて食べると体をアルカリ性に傾けてくれる効果があります。

私たち人の体内は酸性でもアルカリ性でもない、その中間である中性の時が最も正常であると言われています。そして私たちがアルカリ性である重曹を飲むと体はアルカリになるのではなく、むしろ中性に近づいてくれることが分かっています。それは全ての人の体が日頃から酸性に傾いてしまっているためです。

私たちの身の周りには体を酸性に傾けてしまう物質で溢れ返っており、体を酸性にしてしまう代表的なものとしては、ストレス、加工食品、糖分の多い食事、水分不足が挙げられます。中でも現代人の多くの人の体を酸性にしている元凶がストレスです。

ストレスによってストレスホルモンのコルチゾールが分泌する、免疫力が低下することもその反応の一種です。このようなホルモンバランスや呼吸の変化などストレスが原因で起きる現象のほとんど全てが体を酸性に傾けてしまいます。

また、加工食品も酸性食品になり、加工食品に含まれている糖分や添加物といったものはほんの少し食べただけで体を一気に酸性するパワーがあります。つまり加工食品を食べれば食べるほど体が酸性化してしまいます。

このようにストレスと加工食品の摂取によって酸性化した体に追い打ちをかけるのが脱水です。水分が不足すれば体液が濃くなり、体液が濃くなることで元々酸性だった体が余計に酸性化してしまいます。そして体が酸性化すると数々の 病気のリスクになることが分かっています。

その例が腎臓病です。腎臓は血液を濾過して尿を作り、血液の中のゴミを体外に出すための装置です。このように腎臓で濾過されるゴミの中には体の中の余分な酸性物質も含まれています。しかし体が酸性であることは、ゴミ処理場である腎臓がゴミの山になって対応できない状態にすでになっていることになります。

このような状態になると腎臓の病気であるアシドーシス状態になり、アシドーシスは腎臓の機能が低下するなどして酸性物質が体に溜まってしまう病気です。この病気の治療には重炭酸ナトリウム、つまり重曹が使われています。

重曹によって体内が中性になれば腎臓が酸性物質の排泄のための負担が減って腎機能が正常に保たれます。ただし重層は医療用にも使われるほど効果のある薬剤であるため、正しく使わなければ副作用もあります。

細胞の酸性疲労物質が無くなる

重曹には酸性物質を水にして体の外に流してくれるという効果があり、重曹を飲むことで腎臓への負担が減ります。また尿の中の余分な塩分や毒素など酸性物質以外にもたくさんのゴミがあり、体が中性になると腎臓は酸性物質以外のゴミを処理する余裕が生まれます。そして体の中が解毒されていきます。

さらに重要なのが腎臓を含め重曹によって体全体の細胞がピカピカになります。実は細胞の多くは酸性環境に弱く、アルカリ性の環境に強い性質を持っています。逆に酸性環境に強いのはウイルスやがん細胞といった私たちの体にとって良くない物質ばかりです。

実際研究によってがん患者の尿のpHは酸性に傾く傾向にあることが分かっています。これは体が酸性になることでがん細胞が優位になり、がんが増殖することでそのストレスによってさらに体が酸性に傾き、腎臓が頑張って酸性物質を尿から排出しようとするためです。逆に重曹によって体がアルカリ性に傾ことでウイルスやがん細胞といった外敵が弱くなり細胞が活性化するメリットがあります。

また、体内のゴミが排泄されて細胞が活性化すると疲労が溜まりにくくなります。そもそも私たちの体内で発生する代表的な疲労物質である乳酸は、典型的な酸性物質です。重曹によって体がアルカリ性になると、乳酸の排出力が高まるだけでなく乳酸そのものを中和することで解毒してくれるメリットが得られます。

天然の洗浄力のある重曹

重曹は自然の力で汚れを落とす天然の洗剤であり、私たちの体内の汚れのほとんどは酸性物質が原因で、このような酸性の汚れに重曹をかけることで汚れが中和されます。そのため重曹には食道をピカピカにしてくれる効果があります。

食べ物は口から入って食道を通ってから胃に到達しますが、口の中には唾液が、胃の中には胃酸があり、そのどちらもが強力な消化液です。実は唾液も胃酸もどちらも食べ物を消化する働きの他に、食べ物に混じった雑菌やウイルス、カビ菌を退治する大事な働きがあります。そのため口や胃の中は比較的清潔な状態に保たれていますが、しかし食道は口や胃の中と違い強い消化液が分泌されていません。

日常的に使っているうちにどんどん汚れ、こうした汚れを放置することでできてしまうのが食道のカビである食道カンジタです。食道で発生したカビの胞子が食べ物にくっついて腸まで運ばれてしまい、カビ菌が放出する胞子は強い殻に守られているため胃酸でも分解することができません。

こうして腸に到達した胞子が目を出すことで腸までもがカビだらけになってしまいます。しかしカビは弱酸性のため、弱アルカリ性である重曹水を食道に流すことでカビ菌が中和され綺麗さっぱりと洗い流されてくれます。

目まいが改善する

目まいの原因は非常に多岐に渡り、脳から来る目まいや自律神経から来る目まいなど様々な種類があります。これらのうち最も多い原因が耳から来る目まいで、それに対しては重曹が有効であるとされています。

私たちの耳は音を聞くという役割だけではなく、体の傾きや前後左右を認識するという重要な役割りがあります。そして三半規管は耳の中に存在しており、数学のXYZ軸のような感じで3 次元方向に配置されています。この3つの輪っかの中にはそれぞれリンパ液が入っており、頭が傾くと三半規管の中のリンパ液が左右上下に偏ることで脳が体の傾きを感知しています。

しかし体が酸性に傾いてしまえば三半規管の中のリンパ液もまた酸性になってしまうことが知られています。そして酸性になったリンパ液はドロドロになり、きちんと体の傾きを感知できなくなってしまいます。例えば右耳は三半規管が機能していても左耳が機能しなくなったり、頭はまっすぐなのに液が偏って体が傾いているように錯覚してしまいます。こうして三半規管が狂うことでメニエール病を始めとする耳から来る目まいが発生すると考えられています。

このように三半規管が狂ってしまう原因が酸性のリンパ液だとすれば、リンパ液を中性に戻せば目まいが解消されることになります。重曹水によって酸性化したリンパ液を中性化することができれば、ドロドロに乗ったリンパ液を元に戻し、三半規管を正常化することができます。

重曹のデメリット

重曹は、重炭酸ナトリウムとして処方薬にも使われているため、その効果が強く、分量が多すぎると副作用が出てしまう可能性があります。そのためどれだけ健康に良いと言っても飲みすぎは厳禁です。具体的には1日5g程度の摂取にとめておくと良いでしょう。また5gを一気に水に溶かして飲むのではなく、1日何回かに分けて飲みましょう。

重層はアルカリで、胃から分泌される胃酸は強い酸性です。そのため一気に飲むと胃酸が中和されてしまい消化能力が落ちてしまいます。また重層を飲みすぎると塩分の摂り過ぎになります。アルカリと酸が中和する時に水ができると同時に塩が生まれます。しかし生まれる塩は少量ですが、やはり飲みすぎてしまえばそれなりの量の塩分となります。

重曹水と一緒に食べるべき食品

レモン汁とリンゴ酢

レモン汁もリンゴ酢もその酸っぱさから分かる通りで酸性ですが、体内に入って代謝されることでアルカリ性を発揮するアルカリ食品です。重曹は体内に入る前からアルカリのため胃酸と反応することで中和されてしまうデメリットがありますが、レモン汁とリンゴ酢は代謝される前は酸性のため胃酸を薄めてしまうことがありません。

むしろレモン汁は胃酸の分泌を促して消化吸収を助ける効果があります。またレモン汁は唾液だけでなくあらゆる消化器の分泌を助けてくれ、胃酸もしっかりと分泌してくれます。

一方で、リンゴ酢には腸内の前玉菌を活性化する要素がたくさん含まれています。そのためレモン汁とリンゴ酢を組み合わせることで胃腸の両方の健康をアップし、普段食べている食べ物からきちんと栄養素を吸収することができるようになります。

さらにレモン汁とリンゴ酢には脂肪燃焼効果があります。レモン汁とリンゴ酢にクエン酸が多く含まれおり、クエン酸は私たちの基礎代謝を活性化し、寝ているだけで脂肪が燃える体を作ってくれます。さらにクエン酸には高い疲労回復効果があります。

ほうれん草とブロッコリー

ほうれん草とブロッコリーは、体に良いアルカリ性食品です。含まれる栄養素 の代表例として食物繊維が挙げられます。またほうれん草には葉酸やビタミンK、ブロッコリーにはビタミンCやルテインが豊富に含まれています。さらにほうれん草とブロッコリーに関しては冷凍することで逆に栄養化が凝縮されることが分かっています。

バナナ

バナナは強い甘みがあるにも関わらず、体内でアルカリ性を発揮する数少ない甘いアルカリ食品です。そのため甘いものが食べたいが体を酸性にしたくない方におすすめ食べ物です。バナナにはオリゴ糖や食物繊維による腸内環境の改善効果、トリプトファンによる幸福感アップ、カリウムによる腎臓掃除効果などの健康効果があります。またバナナは1本食べるだけでも相当な量の食物繊維を摂ることができます。

また他のアルカリ食品にはないバナナ特有のメリットとしてトリプトファンによる健康効果を挙げることができます。トリプトファンはアミノ酸の一種で、私たちの体内で合成できない必須アミノ酸という貴重な種類のアミノ酸です。

実はトリプトファンは、タンパク質の材料になるだけでなく体内で代謝されることでセロトニンという幸福ホルモンに変化します。さらにセロトニンは夜になるとメラトニンという睡眠ホルモンに変化し、私たちの睡眠の質をアップしてくれます。

これがバナナは朝食べると良いと言われる所以です。バナナを朝食べることで日中はセロトニンによって幸福感が上がり、夜になると安眠できるという二重のメリットを受けることができます。さらにバナナには、血糖値を上げづらい糖がたくさん含まれていることから朝食べることでその日1日に必要なエネルギーを体に補給することもできます。

またバナナにはカリウムも含まれています。カリウムは体内の余分な塩分を排泄することで腎臓への負担を減らしてくれます。そのため重曹と共にバナナを食べることで、重層によって溜まってしまった塩分が排泄され、重曹が持つデメリットを打ち消してくれます。

【本コラムの監修】

恵比寿院長

HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

関連記事

  1. シミ・シワが消える「ナイアシン」

  2. EMSだけでダイエット!?

  3. 体臭(ニオイ)の原因

  4. 寝る前に摂るべき栄養素

  5. アンチエイジングには『ごぼう茶』『オートミール』

  6. 整腸剤の選び方

  7. 酸性体質とアルカリ性体質

  8. 食べる薬「ごま」、飲む薬「コーヒー」

  9. 脳が老化しない習慣

  10. 体臭が悪化する習慣

  11. イオンで買える無添加食品

  12. 気分の落ち込みと食事の関係

  13. 不調と慢性炎症の関係

  14. ダイエットで老けないために

  15. 老化を防ぐ成長ホルモン