心と体の悩みは同時に解決できる

心と体の悩みは同時に解決できる

体のエネルギーには血の質と量が大きく関係しています。運動したり、お風呂に入ったり、睡眠がなぜ大事なのかは、血流を良くするためと言っても過言ではありません。しかし私たちは血流を良くしようとはあまり思うことは少ないのではないでしょうか。

老化の原因も、体の不調の原因も血流が悪くなることで引き起こされます。体調が悪いと気分が滅入る、生理前にはイライラして感情が抑えられない、一方で朝スッキリ目覚めると明るい気持ちで1日が始まるなど、これらは心と体の結び付きがあり、血流が大きく関係しています。血流はすべての細胞に酸素や栄養を届けているだけではなく、脳やホルモンを通じて心の活動を支えています。

なぜ血流が心と体の悩みを解決するのか

血流はサラサラが良い、ドロドロは悪いというのが一般的なイメージです。しかし血流が悪い女性の多くはドロドロしていて血が流れないのではなく、不足しているから流れが悪くなります。この場合は血流サラサラではなく、血流不足を補うことをしなければ、不調は改善しません。いくら食物やサプリで栄養を補おうとしても、体を温めて血管を拡げようとしても、そもそも体に血が不足すれば全身に栄養が届かないのですし、血流改善の効果を実感できなくなります。世の中の血流改善方法のほとんどは血を増やして血流を良くするための方法ではないと感じます。

西洋医学では血流は全身に酸素や栄養を運ぶ働きをするとしていますが、東洋医学では、血が不足していることを「血虚」とし、あらゆる婦人科疾患を引き起こすと考えられています。また「血虚」は血が不足しているだけでなく、血液中の栄養やホルモンを含む、血の質が悪くなっているとも考えます。

例えば、ある女性の健康相談では不調の症状に薬を処方しても、改善が見られませんでしたが、タンパク質の栄養剤を処方したところ症状が大きく改善されたということがあります。つまり不調は病気や老化が原因だったのではなく、血液不足に原因(質の低下)がありました。

このように現代人に多く見られるのが、血の原料となるタンパク質の不足です。血液中のタンパク質は、タンパク質でできている赤血球以外に、アルブミンとして存在します。アルブミンは若々しさや長寿に深く関係しており、余命の予知因子とも言われています。

血流不足の代表が貧血ですが、血流が少なくなると脳への十分な酸素が運ばれなくなり、脳の働きが低下し、うつ病に似た症状が現れます。そして精神科を受診して、必要のない薬を処方されて依存してしまうといったことも起こりかねません。さらに幸せホルモンのセロトニン、やる気ホルモンのドーパミンなどの脳内の神経伝達物質は血流に左右されており、それらをつくるには鉄分が欠かせず、脳に鉄分を届けるためにも良質で十分な量の血流が大切になります。

一方で、血が十分つくれない体質によって無気力や、血が不足することで不安になり、血が流れない場合はイライラするなどの負の感情が生まれてしまいます。

血流を増やすためには

血流が悪くなるのは、①血が作れない、②血が足りない、③血が流れない、の3つが原因です。またこの3つの原因には順番があり、それ順番に合わせて改善に取り組む必要があります。この3つを東洋医学では、①気虚体質、②血虚体質、③気滞瘀血体質とします。これらの体質合わせた不調の解決法を考える必要があります。

①血が作れない「気虚体質」

血が作れないことで、血が不足し、血流が悪化するそもそもの原因を引き起こします。血が作れなくなる理由は、胃腸の不調にあります。胃腸が弱っているとその機能が十分に発揮できず、何を食べても栄養を吸収することが難しくなります。そのためまずは胃腸の不調を改善していくことが一番目にしなければならないことです。

②血が足りない「血虚体質」

気虚体質を改善し、血が作られるようになると、血が増えていきますが、女性には生理があり、毎月100mlをも血液を失い常時貧血にならざる得ない状況にあります。このため血液の原料となる鉄分が不足し、婦人科トラブルの多くが、この「血虚体質」から生じています。その他にも血色が悪い、カサカサ乾燥する、シワが出やすくなるなどの老化も加速しますし、「血虚」を改善しない限りは、どんなに高価な化粧水や美容クリームを使っても効果は実感できないでしょう。

③血の巡りが悪い「気滞瘀血体質」

血を増やしても血流が良くならないのは「気滞瘀血体質」です。その原因はストレスにあり、ストレスによって脳からストレスホルモンが分泌されることで全身の血管が収縮して血流が流れなくなります。血流が悪くなると、ドロドロ血液では高血圧を引き起こし、スカスカ血液では低血圧を引き起こします。いずれも体の細胞に栄養が行き届かなくなる原因ですが、スカスカ血液は「気虚」「血虚」が改善されると自然と良くなることが多いです。

多くの女性が生理前に感情が激しくなるのは、脳内のセロトニンが生理前に一時的に減少するために引き起こされることが分かっています。そのため胃腸の働きを良くして、血量を増やすことができれば幸せホルモンの生成量を増やすことができるため、PMS(月経前症候群)の症状を緩和することができます。

最近の脳科学の研究では、脳内の幸せホルモンが増えるとストレスを感じにくくなることが分かっています。ストレスが減れば、血管の緊張がほぐれ、血流が良くなり、心も体も調子が良くなるという好循環が生まれます。

空腹の時間が大切

多くの方は、お腹が空いていても空いていなくても決まった時間に食事します。そのため空腹の時間がなくなるため、血流が悪くなる原因の一つになります。食事後90分経つと胃は空になりますが、消化活動するときよりも、この時に胃の収縮は強くなります。以後、その強い収縮は90分に1回起こり、15〜30回程度行われます。この強い収縮が胃腸の食べ物カスや剥がれた粘膜を掃除する役割があります。

勘違いするのがこのギューとお腹が鳴るのは、お腹が空いているのではなく、胃腸が掃除している合図なのです。こまめに食事してしまうと胃を掃除する時間がなくなり、食べ物カスが胃に残り、腸壁が汚れたままになるため、胃腸の働きが低下し、消化力が弱くなり、十分な栄養が吸収できなくなります。また温度が37度ある体内では食べ物はすぐに腐ってしまいます。そのため胃もたれ、胸焼け、消化不良を起こし、逆流性食道炎を引き起こすこともあります。

空腹の時間をしっかり作ることで、胃の健康が保つことができ、血の量をしっかり増やすことのベースになることが分かるでしょう。

【本コラムの監修】

恵比寿院長

HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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