毛穴の黒ずみ原因

    毛穴が黒ずむ原因

    毛穴の黒ずみに悩んでいる人の多くが、既に積極的に美容に関する情報を収集して実行しています。例えば肌をスチームで温めたり、たっぷりの化粧水や乳液、美容液マスクなど、とにかく肌に良いと言われるものは手当たり次第行っています。確かにどれをとっても肌に良いことをしているように思えますが、実は科学的根拠のないものが多く、色々調べてやっている人になればなるほど、あたかも一般常識のように広められた間違った方法でやりすぎてる事があります。

    もちろん、有効な方法もありますが、SNSや様々なメディアが発信している大量の美容情報を、受け取り側が取捨選別して正しく活用できていないケースが非常に多くなっており、そうした誤ったケアを行った結果やればやるほど毛穴の黒ずみを悪化させてしまっていることがあります。

    毛穴の黒ずみの原因(ブラックヘッド)

    同じ毛穴の悩みでも、毛穴のトラブルが起きる理由は一つではなく、それを理解せずに正しい対策は難しくなります。毛穴の悩みと言っても、たるみ毛穴、傷跡毛穴などの種類があり、その毛穴トラブルの原因や正しい対処法を知らなければいけません。

    実は毛穴の黒ずみにはいろんな説があり、例えば角栓が詰まって酸化してしまって黒くなるなどあります。そもそも角栓が詰まるということから毛穴の黒ずみは始まります。

    角栓は、多くの人が皮脂、つまり脂でできていると思っていますが、実は脂だけではありません。毛穴の中には、ターンオーバーが異常に速くなることによって未熟な角層の細胞が剥がれ落ち、それをタンパク汚れと言いますが、このタンパク汚れによって皮脂が出にくくなり、そこに皮脂がコーティングされてしまって、この毛穴の中にずっと居座ってしまうというのが角栓の原因です。つまり毛穴の中のターンオーバーが乱れて、未成熟の角質細胞がどんどん離れ落ちてしまうタンパク汚れがあることがポイントです。

    まずは角栓を取るためには、タンパク汚れと皮脂汚れをどっちもケアする必要があります。次に角栓ができなくするようにするためには皮脂分泌を抑えながら毛穴の中に乱れているターンオーバーをしっかりと整えるということが大事になります。また角栓が詰まると炎症が起こってくるので、この炎症を鎮めること、これら3つのプロセスが大事になってきます。

    たるみ毛穴の原因

    毛穴がたるんで目立つたるみ毛穴の原因には、肌の弾力を保つ成分のコラーゲンやエラスチンが関係しています。この2つの成分は、加齢によって細胞分裂のペースが衰え、作られにくくなってしまいます。そうなると肌はハリが失われ、毛穴がたるんできてしまいます。

    そんな状態になったら化粧品でその成分を補おうとするのですが、コラーゲンやエラスチンは肌の奥深くの真皮にある物質であり、それに対して化粧品は、肌表面の角質層にしか浸透しない上に、そもそも分子が大きいため外から入れようとしても真皮には届きません。

    また、美顔ローラーなどでゴシゴシ磨いてハリのある肌を取り戻すのは、余計たるむ原因になるから逆効果です。肌にとって摩擦や刺激は、肌がたるむ原因になります。顔の皮膚は、筋肉と細い繊維でできた靭帯によって顔の骨と繋がっています。その靭帯は加齢だけでなく、美顔ローラーやフェイスマッサージなどで摩擦や刺激を与えることで一気に伸び、重力によって垂れ下がってしまいます。ただでさえ日本人の皮膚の表面は、欧米人と比べて薄くて摩擦に弱いため、美顔ローラーやフェイスマッサージをすれば、毛穴はたるんで目立つ可能性もあります。

    一方で、お肌の保湿成分セラミドは、過酷な環境に置かれても一度保持し、抱え込んだ水分は蒸発したりせず、潤いを保ち続ける高い保湿力を持っています。しかし刺激だけには滅法弱く、枕に顔をすりつけるだけでも水分を手放してしまうくらいです。このセラミドを失った肌は保湿力が下がるだけではなくバリア機能も一気に低下するため、紫外線ダメージにも弱くなり悪循環を引き起こすことになります。そうなると肌の若さを保つコラーゲンやエラスチンまでがダメージを受けることになり、お肌はどんどん乾燥して毛穴も広がってしまいます。

    傷跡毛穴

    傷跡毛穴の原因は、例えば間違ったニキビの対処、過剰なスクラブ洗顔、角栓を取るための毛穴パックが代表的です。これらは全て肌にダメージを与え、毛穴が目立ちやすくなり逆効果です。

    そもそも毛穴の黒ずみの原因は角栓で、皮脂や角質がターンオーバーで本来垢として排泄されるものが毛穴に詰まり、それが時間が経って酸化されて黒ずんだ状態になるからです。そのため皮脂の分泌量が多い、例えば鼻周り、おでこなどのTゾーンに起こりやすい傾向があります。つまり皮脂の分泌量が多い人は毛穴の黒ずみもできやすいことになります。

    また、体質的な要因が大きいとも言われており、その原因にホルモンバランスの変化や食習慣が挙げられます。皮脂の分泌を促すのは男性ホルモンで、ストレスの多い生活を送っていると男性ホルモンが多くなり、その結果皮脂の分泌量 が増えてしまいます。また月経前に皮脂の分泌量が増える傾向もあり、月経後に肌の調子が改善されるのはエストロゲンやプロゲステロンという2つの女性ホルモンが関係していると言われています。

    毛穴の誤ったケア

    誤った毛穴ケアをしている人の中には、毛穴の黒ずみが汚いものと捉えるあまり、頑張って角栓を取ろうと必死になる人もいます。具体的には誤った毛穴ケアで多いのが、スクラブ洗顔や毛穴パックが挙げられます。外部から物理的に角栓を取ろうとすると、その刺激によって角質層が硬くなって厚みが増し、毛穴は余計に詰まりやすくなってしまいます、さらに皮膚はそれを解消しようと炎症を起こして、その周りの皮膚の黒ずみにもつながります。また毛穴の出口を広げて目立ってしまうことにもなります。

    毛穴パックすると角栓は確かに取れて綺麗になりますが、実はその取れた角栓というのはごくごく一部です。一方で毛穴パックは、有効成分を押し込んで取ることになりますが、有効成分を押し入れる際にも毛穴が開き目立つ原因になります。

    どうしても角栓は汚いものと思いがちですが、角栓は毛穴の中に雑菌などが侵入しないように守ってくれているものでもあります。そういった点でも無理やり引き抜くものではありません。無理に取ってしまうと雑菌が繁殖し、ニキビやケアの周りの皮膚に炎症を起こす原因になって肌トラブルを招きます。

    黒ずみの状態によって対策は変わり、まず毛穴に皮脂が詰まっているだけの状態や皮脂が酸化して黒くなり始めた初期の段階であれば正しい洗顔や生活を見直すだけで改善の余地は十分にあります。

    毛穴の正しいケア

    ブラックヘッドが気になる場合は、クレンジングオイルで鼻の毛穴に蓋をする皮脂をクルクルして洗い流して落としましょう。その後に、タンパクを分解する酵素洗顔をダブルで使いましょう。顔全体のダブル洗顔はあまりお勧めしませんが、皮脂の汚れを落とすクレンジングオイルとタンパクの汚れを落とす酵素洗顔を併用しましょう。

    ブラックヘッドがある程度取れても、また元に戻る人の場合は、ベースでしっかり保湿することや、皮脂分泌を抑制するような成分(ビタミンC、APPS、ライスパワーNo.6、10-ヒドロキシウンデカン酸など)をご自身の肌質に合わせて使っていただければと思います。

    一方で、毛穴の中のターンオーバーが速くなり過ぎ、未熟な角層がどんどん出るので、それを整える必要もあります。まずは乱れたターンオーバーを促すためには、しっかりした保湿をすることです。それだけでも皮膚の角質のターンオーバーをきちんと正常化させることにつながります。もう一つは詰まらせないためにおすすめの成分が、グリシルグリシンです。

    皮膚のターンオーバーで乱れると、未熟な角層ができる異常角化の原因になりますが、異常角化は顔にある不飽和脂肪酸が増えたときに起こると言われています。この不飽和脂肪酸が増えた時のスイッチをオフにするのがグリシルグリシンです。つまりターンオーバーの乱れを抑え、角栓ができる基をブロックしてくれます。皮脂を抑えるのもの大事ですが、この異常角化を抑える事も大事になります。

    また、お顔全体の洗顔をする際に、肌に摩擦や刺激を与えないようにするポイントは石鹸をしっかり泡立てて優しく洗うことです。洗顔料で念入りに洗うことは、肌トラブルを招く原因にもなります。

    洗顔料は、洗浄力が強く、肌に必要な水分や油分まで奪い、そうなると今度は過剰に皮脂が分泌され正常な肌のターンオーバーが行われなくなってしまいます。皮脂は皮膚のバリア機能を出す必要な存在であるため、本来の皮脂の機能を妨げるまで落としきる必要はありません。正常な皮脂まで落としてしまうと 乾燥や湿疹、細菌感染症などのリスクにもなるため洗いすぎは要注意です。

    一方で、黒ずみの状態が悪化している場合、自宅でセルフスキンケアでの改善は正直に言ってかなり難しいと言えます。このような状態になる前に美肌を叶える正しい生活を過ごすことが大事です。

    毛穴ケアには美容鍼

    黒ずみが悪化している場合は、セルフケアやエステで治ることはまずないのが実情です。治らないだけならまだしで、より悪化して取り返しのつかないケースも多々あります。

    美容医療で効果的なのはレーザー治療です。レーザー治療はレーザーを照射することで古い角質や毛穴の黒ずみを除去する施術です。肌の深層部分までレーザーが届くので毛穴トラブルを根本的に改善することが可能です。

    また、ケミカルピーリングは酸性の薬剤を顔全体に塗布し、肌表面にある古い角質を取り除き、毛穴の開きや黒ずみなどを改善することができます。ただしケミカルピーリングは医療機関などで受けられることをお勧めします。なぜなら国民生活センターには腫れや炎症などの相談が多数寄せられており、日本皮膚科学会のガイドラインにも、ケミカルピーリングは皮膚科診療技術を十分に習得した皮膚科専門いないしそれと同等の技術知識を有する医師の十分な管理化に行われるべき行為であると明記されています。

    毛穴ケアの代表的な方法には、肌の自然治癒力を向上させる美容鍼が挙げられます。超極細の針を皮膚に刺して一時的にダメージを与え、皮膚の持つ自然治癒力を引き出し、毛穴に詰まった酸化した角栓を取り除くことができます。

    美容鍼は停滞しがちなターンオーバーを正常サイクルに戻し、角栓の汚れを自然に排出させるだけでなく、肌細胞の入れ替わりが活性化することできめ細かく滑らかな肌になる効果が期待できます。また毛穴の改善はもちろん、レーザー治療は肌の内部を刺激することで、肌の生まれ変わりやコラーゲンの生成を促進してくれます。

    本コラムの監修】

    恵比寿院長

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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