最近では炎症が良くないということが広く知られるようになってきていると思います。怪我をした部分が赤く貼れるといった一時的な現象ならば問題ありません。問題視されているのは、慢性的な炎症です。本来は一時的に収まるはずの炎症が、ダラダラと体内でくすぶり続け、慢性化してしまった炎症が非常に良くありません。
また何もしていないのに肩が痛い、慢性的な頭痛がある、なんだかお腹の調子が悪くて病院に行ったが何も病気を指摘されなかった、ただなんとなくだるい日がずっと続いている、これらの症状は全て体内で起こっている慢性炎症が原因かもしれません。炎症は私たちの免疫細胞が細菌やウイルスなどの悪い外的を排除してくれる作用のことですが、このように本来炎症というのは私たちが健康的に生きていくためには不可欠なものです。
そのような炎症が不必要に長引いてしまっているのが慢性炎症です。慢性炎症の原因は様々ありますが、その多くは不規則な生活習慣によって引き起こされると考えられています。不規則な生活習慣は、私たちの体に多大なストレスを及ぼし、持続的なストレスによって交感神経が高まることで免疫細胞が反応して慢性的な炎症がくすぶってしまうと考えられています。慢性炎症は、謎の不快症状のみならず糖尿病をはめとする様々な生活習慣病の原因になってしまうとも考えられています。
老化スピードが加速する
最近では慢性炎症が老化のスピードを加速させてしまうことが広く認識されるようになってきています。最も分かりやすいのが血管の老化です。健康で若くいるためには体全体に張り巡らされている血管を健康に若保つことが必要です。しかし血管は年を取るにつれて、次第に弾力を失って硬くなり、徐々に老化してしまいます。血管が老化していくと血管が硬くなってしまう動脈硬化が起こります。この動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞など生死に関わる病気を引き起こし てしまうため最も注意しなければいけないものです。
実は動脈硬化は、慢性炎症が原因で起こるとされています。血管の壁で炎症が起こり続けることによって、血管の老化すなわち動脈硬化が引き起こされてしまうと考えられています。また血管の老化が起こったことによって、血流が悪くなってしまうと一つ一つの細胞に生きるための栄養が適切に届かなくなり、細胞は元気を失ってしまいます。当然のことをながら、肌や髪のトラブルが起こったり、体に様々な不調が現れるようになってしまいます。
そして見た目が老けて見える大きな原因はやはりシミやシワでしょう。シミやシワの最大の原因は紫外線です。そして紫外線によってシワやシミが引き起こされるメカニズムには、酸化と糖化という2つのプロセスが深く関わっていて、そのどちらも結局は肌の慢性炎症の結果であることが分かっています。
あらゆる病気のリスクが上がる
老化の背景に炎症が潜んでいたということを述べましたが同じく病気の背後にも炎症が潜んでいます。炎症こそが病気や老化を引き起こす根本原因であると言っても過言ではないほど、炎症は私たちの健康に大きなダメージを与えています。具体的には、慢性的な炎症は糖尿病、心臓病、肥満などの病気のリスクの増加に関連していることが研究によって明らかになっています。その他にも 腸に関する病気、癌などにも慢性炎症が潜んでいることが分かっています。
さらには、アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支喘息などのアレルギーも、この慢性炎症が大きな原因となっています。
メンタル疾患や脳老化
慢性炎症はメンタルにも大きな悪影響をもたらします。例えばうつ病は長い間、心の問題と考えられてきましたが、近年うつを発症させる直接的な原因というのは、ストレスといった心のダメージではなく、体の中で起こっている慢性炎症であるという根拠がいくつも示されるようになってきています。その結果、うつ病は脳の中で起こっている慢性炎症が原因という説が今では有力です。
あなたがいつも落ち込みがちで気分が晴れないのは、心の持ちようとか、気合いが足りないとかではなくて、あなたの脳の中で炎症が起こっていることが原因かも知れません。さらに認知症の代表であるアルツハイマー型認知症も脳内の慢性炎症が原因だとされています。また慢性的な炎症は脳のパフォーマンス、特に学習能力、記憶力、注意力を損なってしまうことが証明されています。
慢性炎症を招く生活習慣
炎症を取り除いていくためには、まず炎症を引き起こしてしまうような悪い習慣をやめることが重要です。まず当たり前ですが、タバコやお酒も炎症を引き起こしてしまうことが分かっています。そしてタバコやお酒を止めることに加え、睡眠不足にも注意が必要です。睡眠不足も炎症を促進してしまうことに加え、死亡率を上げてしまうなど様々なデメリットがあります。
また炎症という観点から、ストレスにもしっかりと対処しましょう。ストレスを抱えると体内で活性酸素が増え、炎症が促進されてしまいます。私たちが抱えるストレスの大半は人間関係だと思います。人間関係のトラブルなどでイライラしてしまうこともあるでしょう。しかしイライラしたり、怒ったりすることにはデメリットしかありません。例えば怒りやイライラを感じてしまうと自律神経のバランスが一気に乱れてしまい、その後少なくとも3時間は乱れたままになることが分かっています。その怒りやイライラで交感神経が興奮している時は、タバコ3本を同時に吸っているのと同じぐらいのストレスが血管にかかってしまいます。
一方で、ネガティブな感情を心に溜め込んでいることも良くありません。悲しみや怒りなどの否定的な感情は、体内の炎症レベルの上昇に関連していることが分かっています。220人の被験者を対象に、2週間に渡って被験者の感情を追跡した研究では、被験者の否定的な気分が蓄積されるほど炎症のレベルが高くなることが分かりました。一方ポジティブな気分は、炎症のレベルの低下に関連していました。実際、研究によってネガティブに直面しても落ち着いていたり、元気だったりする人は炎症のリスクが低いということが示されています。
つまり、重要なのはストレスそのものではなく、ストレスにどう反応するかということです。たとえ嫌なことが起こったとしても、それの捉え方を変えたり、その嫌なことをすっと受け流せるようになれば炎症のリスクが減るというわけです。
内臓脂肪とアディポサイトカイン
様々な書籍や論文で内臓脂肪が炎症を引き起こしてしまう大きな原因であると指摘されています。内臓脂肪は万病を引き起こしてしまうということが明らかになっていおり、例えば内臓脂肪が蓄積してしまうと糖尿病、高血圧、がん、動脈硬化、脳卒中、心臓病、認知症、脂質異常症、骨粗鬆症など、あらゆる病気のリスクが高まってしまうことが分かっています。さらに炎症も内臓脂肪によって引き起こされてしまいます。
体に蓄える脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪の2つがあります。皮下脂肪とは、筋肉と皮膚の間につくものであり、お尻や太ももにつきやすく、体全体が太って見えたり、ぽっちゃりしていたりするのは皮下脂肪が原因です。一般的に皮下脂肪は女性の方がつきやすく、皮下脂肪で全身がふっくらとするため、皮下脂肪によってもたらされる肥満のことを洋梨型肥満と言います。
一方で内臓脂肪とは、肝臓や腸といった体の中にある臓器の周りにこびりついている体脂肪のことであり、内臓の位置を固定する役割を持っています。内臓脂肪が増えると内臓の集中しているお腹がぽっこりと出てくるため、ぽっこりお腹の人は内臓脂肪がすでに蓄積していると考えて間違いないでしょう。この内臓脂肪型の肥満は、お腹がぽっこりと出ていることからリンゴ型肥満と呼ばれており、男性に多い傾向にあります。
この2 種類の内、増えすぎてしまうと特に問題となるのは内臓脂肪の方です。内臓脂肪は皮下脂肪よりも活性度が高くて、脂肪細胞から様々な物質を分泌して体に影響を与えます。脂肪組織から分泌される物質を総称して、アディポサイトカインと呼びます。
さらに痩せている人と太っている人とでは、どんな種類のアディポサイトカインが多く分泌されるのかが違うことが分かっています。簡単に言ってしまえば、太っている人の脂肪組織では、炎症を引き起こすアディポサイトカインが増えます。特に内臓脂肪が多いと体中に炎症が起きてしまいます。
一方で、通常の脂肪組織では炎症を抑えるアディポサイトカインが増えます。有名なものはアリポネクチンと呼ばれるもので、炎症を抑えてくれるという素晴らしい働きをします。しかし内臓脂肪が蓄積していると、この炎症を抑えてくれるアリポネクチンの働きが阻害されてしまうことも分かっています。
このアリポネクチンは、炎症を抑えてくれることに加えて、血糖値を下げてくれたり、血管を広げて血圧を下げてくれたり、細胞壁を修復して動脈硬化を抑えてくれたりと健康的に生きる上で様々な重要な働きをしています。また内臓脂肪はレプチンという満腹感を感じさせるホルモンの働きも阻害してしまいます。その結果、満腹感が得にくくなり、ついつい食べ過ぎてしまい、結果的にさらに内臓脂肪が増えるという負のスパイラルに入ってしまいます。
低炭水化物ダイエット
内臓脂肪を減らしたいならば、重要な鍵を握っているのは当然のことながら食事です。基本的にはダイエット効果がある食事であれば、内臓脂肪も減らす効果があると考えられますが、その中でも特に内臓脂肪を減らす効果の高い食事法は糖質制限、つまり低炭水化物ダイエットだとされています。
なぜなら、内臓脂肪を激増させるのが糖質と炭水化物だからです。実際に、低炭水化物ダイエットが内臓脂肪を減らすのに効果的であることは研究ですでに示されています、太りすぎの男女69人に対して行われた8 週間の研究で、 低炭水化物ダイエットを行った人は、低脂肪ダイエットを行った人よりも内臓 脂肪を10%、総脂肪を4.4%多く減らすことができたと示されています。また2型糖尿病の患者が低炭水化物ダイエットを行うと、体重が減り脂肪肝も改善し、血糖コントロール能力が向上することが分かっています。
ケトーシス状態を作り出す
人は飢餓状態でエネルギー不足にある時に、体内のケトン体を人体のエネルギー源として活用するようにプログラムされています。実はケトン体もエネルギーになることが分かっています。この体がケトン体をエネルギーとして活動をしている状態をケトン代謝のケトーシス状態と呼びます。このケトーシス状態を作り出すことが健康的な体を保つために欠かせません。
例えば、母体にいた胎児や赤ちゃんの血を測定したところ、ケトン体が高値で現れることが判明しました。つまり人はそもそもケトン体代謝の状態で生まれてくるのが自然な状態です。
なぜ、ケトン体代謝の体になると多くの健康メリットを得ることができるのか、それは人間本来の生活を考えてみると分かります。人類が霊長類として誕生したのが600万年前、つまり人類の歴史のほとんどは獲物や木の実などを食料とする狩猟採集時代でした。この狩猟採集時代に糖質は貴重な栄養素であり、人は長い間タンパク質と脂質を中心にして、低糖質の食生活を送っていたと考えられています。糖質をしっかりと摂取できるようになったのは農耕開始後であり、人類の歴史から考えると最近のことです。
日本列島に至っては、約2300年前の弥生時代に大陸から水田稲作が伝わって 農耕が始まったとされています。つまり2300年以前は狩猟採集生活をずっと送っており、日本人の農耕の歴史というのはたった2、300年しかありません。さらに日本人全員が腹いっぱいになるまで、ご飯を食べられるような食生活になったのは、おそらく戦後からに過ぎないのではないでしょうか。そして戦後に白米が十分に供給されるようになり、日本では糖尿病患者が激増することになります。戦後に日本人の平均寿命は急激に延びているのは、白米を十分に食べれるようになったからという意見が出てくるかもしれません。しかしそれは公衆衛生の整備、予防医療及び医療システムの発達、そしてタンパク質を豊富に摂取できる食生活になったため、寿命が急激に延びたと考えられます。何れにせよ長い人類史の視点で見てみると糖質過多の食事というのは、人を本来の食事バランスからはかけ離れたものであることが分かります。
このように考えれば、人類の歴史上を行われてきた狩猟採集を中心とした旧石器時代の食事の栄養バランスの方が、生物としての人の脳や体に適しているはずです。そもそもの食生活の方針として、糖質を取る量を控える、糖質制限を行い、糖質を多く含むパンやご飯の量を減らすことが食事法の基本となります。
間欠的ファスティング
間欠的ファスティングを行うと、内臓脂肪から先に燃えてくれると考えられています。実際、研究の大規模なレビューによると間欠的ファスティングを行うことによって6から 24 週間で内蔵脂肪が4から7% 減少するということが分かりました。間欠的ファスティングとは、食事の量は普段と変えないものの、食事を抜く期間を周期的に差し挟むという方法です。
最も有名なのは16時間ファスティングで、これは8時間の間に食事を終わらせて、残りの16時間は物を食べないという方法です。1日に食べる時間を8時間と制限することで体重が減り、血圧が下がることが示唆されています。また16時間何も食べないことによって内臓の疲れが取れ、オートファジーが活性化されることも知られています。オートファジーは、古くなった細胞を新しくする奇跡のメカニズムであり、これが体内で発動すると体が内側から若々しく蘇ります。週に1回であっても効果があるとされています。
内臓脂肪を取り除く運動
一言で運動と言っても内臓脂肪を取り除くのに効果的な運動と、そうでない運動があります。まず運動には、筋トレなどの無酸素運動とウォーキングやランニングなどの有酸素運動があります。結論から言うと有酸素運動の方が内臓脂肪がよく落ちるということが分かっています。
有酸素運動の中でも中強度および高強度の有酸素運動が内臓脂肪を減らすのに最も効果的であることが分かっています。中強度以上の有酸素運動とは、最大心拍数の60%以上の強度の運動のことです。最大心拍数の60%とは、20歳ならば120、30歳なら114、40歳は108、50歳は100、60歳は96です。この心拍数を超える有酸素運動を行うのが最も内臓脂肪を落とすのに効果的です。いちいち心拍数を測るのが面倒という人は目安として、最大心拍数の60%以上の強度とは、ちょっときついなぁと思うレベルの有酸素運動であると覚えておきましょう。
ただし、中強度以上の有酸素運動をしなくても、軽いウォーキングをやるだけでもやらないよりははるかに良いです。どんな種類であっても運動は内臓脂肪を減らす効果があることは間違いありません。自分ができる範囲で継続し取り組んでいきましょう。そして筋トレを軽く行ってから有酸素運動を行うのも効果的とされています。筋トレをすることによって成長ホルモンが分泌され、成長ホルモンには血液中の脂肪酸の濃度を高める作用があるため、ここで有酸素運動を行えば脂肪酸を消費でき、脂肪の分解をさらに促すことができるというメカニズムがあります。
良質な油を摂取する
特に油に関しては内臓脂肪を解消する効果が認められている亜麻仁油、エゴマ油、くるみ油などのオメガ3 脂肪酸を積極的に摂取しましょう。またこれらの良質な油を摂取すると良いのは、良質な油がケトン代謝を促進してくれるからです。
油を取るというと太ってしまうのではないかと思っている人も多いかと思いますが大丈夫です。人の体にとって必要でない量の油は、体内に吸収されることなく体から排出されます。余った油が脂肪になることはありません。
ただし、油には良質なものと悪質なものの2種類の油が存在しています。悪質な油を取りすぎると腸内の悪玉菌が増えて腸内環境が悪化してしまいます。
油は、その中に含まれている脂肪酸によって大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されます。飽和脂肪酸はバターやラードなどの固形の動物性脂肪、不飽和脂肪酸はオメガ3、オメガ 6、オメガ9つの系統に分けられる液体の油です。このうち積極的に取りたい油は、オメガ3とオメガ9 、そして飽和脂肪酸です。オメガ3を多く含む油は、亜麻仁油やエゴマ油、シソ油、イワシやサバなどの青魚、またオメガ9の代表例はオリーブオイルです。オメガ3は非常に酸化しやすい油ですので加熱して使用しないようにしましょう。
逆に、オメガ6は多く摂り過ぎると体にとってマイナスとなる油です。オメガ6の例としてはサラダ油、ゴマ油などが挙げられます。また悪い油の代表格であるトランス脂肪酸は、マーガリンやショートニング、それらを原材料とするパンやケーキ、揚げ物などの加工食品に含まれており、最も避けたい脂肪酸と言えます。これは揚げ物にも多く使われています。私たちの体内に入ったトランス脂肪酸は、体や脳の細胞膜に入り込みます。細胞膜は細胞の内側と外側の物質を調節する大切な役割を果たします。私たちの細胞がしっかりと機能できて いるのも、この細胞膜が健康な状態に保たれているからです。しかしこの細胞膜にトランス脂肪酸が入り込むとそのバランスが一気に崩れてしまい、細胞膜が果たしていた大切な機能が低下してしまいます。また体内で活性酸素を発生させてしまい、炎症を引き起こしたり、細胞を酸化させたりする原因となります。
さらにトランス脂肪酸は、糖尿病の原因となるインスリン抵抗性も引き起こし、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロール、LDLコレステロールを増加させ、逆に動脈硬化を防ぐ善玉コレステロールのHDLコレステロールを減らすことも分かっています。つまりトランス脂肪酸を摂取することで動脈硬化を誘発、進行させてしまうリスクがあります。糖尿病に動脈硬化、さらには炎症や酸化の原因になり、老化を引き起こすトランス脂肪酸はできる限り取らないように 努めていただきたいと思います。
一方で、なぜ良質な油をしっかりと摂取すると頭と体が健康になるのか、それは良質な油が腸まで届くと油は腸内細菌によって短鎖脂肪酸に分解されるからです。短鎖脂肪酸は、ケトン体の原料になり、良質な油を摂ることで体や脳の中のケトン体が増えます。結果として糖質制限にプラスして、良質な油を摂っていくとケトン体をエネルギー源とするケトン体代謝の体質に変わることができます。体がケトン体代謝になることで高品質、高効率なエネルギー源である ケトン体が作られ、さらに脳や体の老化も抑えて脳本来のパフォーマンスを発揮させることができます。
またケトン体代謝以外にも良質な油は短鎖脂肪酸の酪酸を作り、腸の粘膜を保護したり、炎症を抑えたりするなど人の免疫力を高めるというメリットもあります。腸の粘膜が健康な時というのは、腸内フローラは善玉菌が優位な状態だと言えます。
体内の炎症を抑える食べ物
体内の炎症を食い止めるには、炎症に対抗できる食べ物を摂ることが近道です。中でも食物繊維が豊富な食べ物と抗炎症作用のある食べ物、この2つが炎症に対抗できる食べ物としておすすめになります。いくつかの研究では、食物繊維と炎症の間には関連性が認められており、食物繊維が豊富な食事をしている人は、血中のC反応性タンパレベル(CRP)が低いことが判明しています。
体内の炎症を抑える食物繊維には、ナッツ以外にも野菜や果物、キノコ類や海藻類が挙げられます。特に抗炎症作用が期待できるおすすめの食べ物に、アメリカンチェリーが挙げられます。アメリカンチェリーに含まれる成分のアミグダリンやケルセチンに炎症を抑える効果が期待できます。中でもアメリカンチェリーのモンモラシー種の一種であるタルトチェリーには、ブルーベリーやカシスには含まれていない種類のアントシアニンを含んでいるとして、アメリカでは抗炎症作用のある食べ物として人気です。
他にはモリンガというスーパーフードがあります。モリンガは、ワサビノキ科の植物で、その栄養素の高さから生命の木とか薬箱の木とか呼ばれています。モリンガの種子に含まれるβ-シトステロールという成分が細菌やウイルスによる炎症を抑えてくれるだけではなく、免疫系細胞の反応を抑制すると注目されています。
もう少し身近な食材には、ブロッコリーとトマトが挙げられます。ブロッコリーに含まれるフラボノイドには抗炎症作用が認められているのに加え、βカロテンやビタミンCにも高炎症作用があるため、炎症を沈める効果が高い食材です。そしてトマトも抗炎症作用が、いくつもの研究で発表されており、トマトに含まれるリコピンは抗炎症作用に加えて、高酸化作用もあり、シワやシミを防ぐ効果が期待でき、美肌にも効果的な食材です。
内臓脂肪に効く飲み物
内臓脂肪に効く飲み物は、ハブ茶、ドクダミ茶、ごぼう茶です。ハブ茶にはアントラキノン誘導体やビタミンAという成分が含まれており、アントラキノン誘導体がコレステロール値を低下させる作用を持ちます。他にも便秘や高血圧の改善、眼精疲労や目の健康維持、動脈効果の予防や疲労回復が期待できます。また肝臓のデトックスや胃腸機能の改善、更年期障害の改善などの効果効能が期待できあます。
ドクダミ茶は、高血圧の要因となるナトリウムを排出するカリウムが含まれ、余分な塩分を排出し、血圧を下げる働きがあります。これにより高血圧を予防する効果が期待できます。またフラボノイド類であるクエルシトリン・ルチンクエルセチンには、毛細血管を強化する働きがあり、血流の流れを良くするため血液に関する疾患予防が期待できます。また血流が改善されることによって肩こりの解消と冷え症の改善、他にもケルセチンには抗酸化作用や美肌効果があり、コリンには脂肪肝を予防する効果があります。またルチンには生活習慣病の予防する効果や免疫力を向上する効果があります。さらにドクダミ茶の苦みに更年期のイライラや症状を抑え、リラックスできるという働きもあります。
ごぼう茶は食物繊維成分であるイヌリンと血中の糖や脂肪に作用するサポニン という成分を主に含んでいます。水溶性食物繊維であるイヌリンの働きにより、食後に起こりやすい血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。またイヌリンは中性脂肪を下げる効果があると言われています。一方のサポニンは、血液の状態を良くする効果や酸化・脂質吸収を抑制する働きがあります。
【本コラムの監修】
・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。