入浴で心も体もリラックス

    入浴で心も体もリラックス

    多くの人が何もしないことを休むことだと思っています。もちろん体の疲労の状態によっては一時的に仕事する状態から離れることで心身の疲労を取れることもあります。しかし本当の体の疲れや心の疲れを取り除くことができておらず、疲れが溜まって休んでも疲れが取れていない状態になります。

    そもそも人間の頭が考えることと、本当に体が必要としていることがズレてしまっていることがよくあります。例えばストレスが溜まってくると甘いものやジャンクフートを食べたくなりますが、そのような消化の悪いものを食べると胃腸にとっては過度なストレスになります。満たされない欲求をお腹いっぱい食べることで一時的に満たしたとしても結局、返って体も心も疲れて疲労は溜まっていく一方です。このように脳の間違った指示で、正しい疲れの取り方を知らないまま頑張り過ぎている方が多く、現代人のおよそ8割は慢性疲労という報告もあるくらいです。

    体を休めるための3つの基本事項

    体を休めるための3つの基本事項は、①自分は休みが必要な状態だと自覚できること、②休むことができる環境を確保すること、そして③適切な休養活動を選択することです。

    自分は休みが必要な状態だと自覚できる

    疲れや疲労にはいくつかの種類があり、その中でも厄介なのが疲労感のない疲労です。例えばストレスを受けた時の体の反応は3段階に分かれており、最初はストレスを受けてショックでダメージを受けますが、そのダメージから回復しようとして体は急激に抵抗力を強くします。この時、ストレスを感じているはずなのに一時的にパフォーマンスが向上します。しかしその状態が長く続いてしまうと3ヶ月程度で心身が疲れ果てて、うつ病を始めとするメンタルの病気に繋がりやすくなってしまいます。

    このようなストレスは自分では自覚しにくく、ジワジワと体に影響を及ぼすため、うつ病などを発症してしまう人の7割程度は最初に行く病院はメンタルの病院ではなく内科などになります。胃腸の具合が悪い、頭が痛いなど体の具合が悪くて良くならないことに悩んで治療を受け、その原因はメンタルにあったと気づくことが多くあります。ストレスで体に出てくる症状の代表的なものには、頭痛、胃痛、不眠、腰痛、お腹の不調、高血圧、発熱、脱毛、喘息、蕁麻疹、しびれ、難聴、月経前症候群の悪化などが挙げられます。

    休むことができる環境を確保する

    多くの人が過剰適用して疲労をどんどん貯めています。過剰適応は自分の体調を守ることよりも環境や他の人に過剰に合わせてしまうことです。具合が悪くて体調が悪く休みたいと思っても自分が休むことで迷惑かけちゃいけないなど、過剰適応になってしまっていることがあります。そこは勇気を持って自分の健康を守ることを優先しましょう。

    正しく休むこと

    休む方法には様々なやり方があり、それは自分の体の状況に合わせて選ぶ必要があります。例えばあることに気持ちが集中しすぎて疲れている時には、少し他のことに気分を分散させた方が良く、例えば気晴らしにゲームをするのが有効な休み方になるかも知れません。しかしストレスが溜まってイライラして夜遅くまで起きてゲームをするような休み方だと体が必要な睡眠という休養を取れず、返って疲労が溜まってしまうでしょう。そのため大切なのが自分の体が今必要としていることを知って、正しく対応できるようにすることです。

    疲労と疲労感の違い

    疲労は体が物理的に疲れること、疲労感は疲れたなと感じることです。つまり疲労感は感じるだけで実際には疲れてない場合もあり、多くの場合不快感と活動意欲の低下を伴うため気持ちの問題も大きいです。例えばと やりがいがあること、楽しいことをしていると疲労感は感じにくく、逆にやりたくないことや強制されていることは少しの疲労でも強く感じます。

    また体の疲れと脳の疲れは異なり、体の疲れは末梢性疲労と言い筋肉が疲れるものです。一方、脳の疲れは中枢性疲労で、脳内の情報伝達物質が関係しています。まず幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが不足すると脳が疲れやすくなります。そのセロトニンを増やすには、ノンレム睡眠という深い睡眠が必要となり、これが足りなければセロトニン不足になり脳の疲労が回復しません。つまりしっかり深く眠ることが必要で、激しい運動をしなくても不規則な生活していると疲労感が現れることになります。

    そして最新研究で疲労感の原因になると注目されているのは炎症性サイトカインという物質です。人間の体は、ストレスを感じるとリン酸化eIF2αという疲労因子が発生して、その結果、炎症性サイトカインという低分子のタンパクを作ります。炎症性サイトカインは体の免疫システムがウイルスやがん細胞などに対して体を守ろうとして作り出されるものです。その炎症性サイトカインが脳に作用すると脳で疲労感が発生します。また生活環境も影響し、高温多湿な場所、空気が悪い場所は疲れやすくなります。もちろん人間関係のストレスも関係し、精神的なストレスは中枢性疲労に直結するため、人間関係が悪いとすごく疲れます。

    東洋医学で診る「疲労感」

    東洋医学では女性は7の倍数、男性は8の倍数で体が変化すると考えます。例えば女性の場合なら28歳をピークに、徐々にエネルギーが減っていくと考えられています。そのため大前提として加齢と共に疲れやすくなっていくのは体の仕組みとして当然であり、さらに頑張ろうとするのではなくて、小さなエネルギーでも疲れない工夫をしたり、疲れを小まめにケアできるように心がけることが大切です。まず簡単にできて高い効果が期待できるのが、体を疲れさせる食習慣をやめること大事です。

    疲れやすい体になる習慣

    朝に冷たい食べ物や飲み物を摂る

    消化機能である脾の働きの1つに食べ物の中の水分を加熱し、水蒸気に変えてその水蒸気で体全体を潤す作用があります。その循環がうまくいっていない人の場合、乾燥肌や唇を始めとする体のあちこちに乾燥による痒みが出てしまい、肌トラブルを抱えやすくなると言われています。

    また、ちゃんと水分を摂っている時でも体が乾燥する場合は、それは水分を摂取していても体に吸収できていないからです。例えば体にとって必要なタンパ質を沢山摂取しても消化吸収しきれなければ体外に排出され、吸収しても体にとって必要以上に摂取した時は脂肪になってしまいます。それと同じで、たくさん水分を摂っているつもりでも体にちゃんと吸収されていなければ、そのまま尿として排出され、水分を摂取しているはずなのになぜか体が乾燥するっていう状況になることがあります。また体にしっかり水分を巡らせる働きをする脾の働きが弱っていることでも体が乾燥してしまいます。

    脾は特に冷たい飲み物や食べ物に弱く、朝起きてすぐに冷蔵庫から出したばっかりの冷たい飲み物を飲むと内臓が冷えて、脾の消化活動のプロセスを邪魔します。摂取したものを胃腸が加熱しようとしている時に冷たいものを摂取すれば、熱がどんどん奪われることになります。そのため加熱するためにどんどんエネルギーが使われるため、冷たい水を飲むことでカロリー消費を上げること ができるという考え方もありますが、脾が弱ってしまい食べ物に含まれる水分が水蒸気にならずに水の状態で体内に溜まりやすくなったり、胃腸が弱ってしまうことで消化不良になりやすくなり、返って栄養不足の疲れやすい体になってしまうことがあります。そして体に溜まった液体は、むくみや冷えの原因と なって体を冷やすようになります。

    特に東洋医学では朝の7時から11時の時間帯は、脾と胃にエネルギーが集中する時間だと考えられており、もし朝ご飯を食べなければ、活発になっている胃が空回りし、返って消化機能の低下を招くこともあります。そのため東洋医学の観点からも朝ご飯は食べる必要があり、その時は冷たい食べ物ではなく温かい食べ物を食べることが大切です。

    朝から水蒸気のあるおうなホカホカの朝ご飯を食べることで皮膚の乾きや喉の乾き、目の乾燥といった乾きなどの乾燥の症状を和らげることができると言われています。理想の朝ご飯は、お粥や炊きたてのお米、温かい味噌汁といった水分をたっぷり含んだ食事になります。

    タンパク質が多すぎる食事

    現代の日本人の食事はタンパク質が不足しがちだと言われており、ダイエットのためにご飯を少なめにしてタンパク質系のおかずをたっぷり食べる人も多いと思います。しかしタンパク質は、消化に負担がかかるためタンパク質ばっかりの食事は胃腸に負担がかかる食事でもあります。

    そもそも日本人は、昔は食事の7から8割が穀物として摂取していたと言われており、主食以外は豆類や魚介類でタンパク質を補給し、食物繊維は海藻類や野菜から摂っていました。しかし海外から肉や卵、乳製品などが入ってくるにつれて伝統的な日本の食事のスタイルがどんどん変わり、今は魚中心の食事を送っている人の方が少ないでしょう。

    もちろん、タンパク質は体にとって必要な栄養素のため沢山摂取することは大切ですが、タンパク質は摂取してもそのままの状態では消化されず、胃や十二指腸で分泌される消化液が欠かせません。そのためしっかりタンパク質を摂取しているはずが、なぜかタンパク質不足みたいなことになっている人は多くいます。このような場合、なぜか体調が良くならない人の場合は、逆に自分の体には消化吸収しきれないほどのタンパク質を摂りすぎている可能性があります。

    体は食べたものがそのまま栄養になるのではなく、消化吸収できることで始めて栄養になります。どんなに体に良い栄養素でも食べすぎには注意しましょう。

    空腹で寝る

    お腹が空いた状態で眠る方が胃腸に負担がかかりにくいという説もありますが、体の器官は眠っている間も「気」を言動力として動いていると東洋医学では考えます。東洋医学でいう気は大内を巡る様々なエネルギーであり、例えば血液を循環、呼吸などに使われています。この他にも体を動かすやる気や元気といったエネルギーも気に含まれています。

    東洋医学では疲れやすい状態のことを気虚と言い、まさに体の気が不足している状態で現代人にはよくあると言われています。このような状態の人が空腹状態で眠ると眠っている間にエネルギー不足がどんどん進んでしまい、代謝や自律神経の働きに乱れを生じさせてしまうと考えられています。

    ただし、お腹いっぱいまで食べると今度は胃腸に負担がかかるため、睡眠が浅くなってしまいます。そんな時は寝る前に消化しやすくて適度な甘みを摂れる食べ物を摂取してから眠りに着くのがおすすめです。おすすめなのは蜂蜜などの消化に負担がかからない甘みを含む食べ物です。

    一方で、野菜中心の食生活も実は体を疲れさせる原因の1つです。確かに野菜に含まれる食物繊維やビタミン、ミネラルは大事なものですが、糖質やタンパク質、脂質が不足すると体のエネルギーが不足するため疲れやすい体になってしまいます。また東洋医学では、エネルギー不足になっている時は、野菜は加熱調理して少しでも消化に良くなるような状態で食べることをお勧めしています。

    そしてタンパク質を増やして糖質を減らす食生活は良くないのですが、糖質を抜いた食事は体を疲れさせる原因になります。例えば糖質制限は、ダイエットの定番ですが、そもそもダイエットするためには体が元気な状態でなければいけません。ダイエットを始める前に、まず疲れやすい体を元気な体に整えておくことが欠かせません。ダイエット中はもちろん、体が疲れている時は糖質を抜くと糖質が不足して、体が疲れやすくなると代謝が落ちて太りやすくなります。

    【最新研究】副交感神経優位でもストレス状態

    所謂ストレス状態は、自律神経のうち交感神経が優位の状態のことで、逆に睡眠の時には体を緩ませる副交感神経が優位になります。ただし最近の研究では交感神経が優位になっている時だけではなく、副交感神経が優位になっている時でもストレス状態になってしまうことがあることが分かってきています。

    実は副交感神経には2つの種類があり、腹側迷走神経と背側迷走神経があります。この2つのうち背側迷走神経が優位な状態が続くと極端な省エネモードになって自分自身を守ろうとするため、無気力になってしまったり、体がだるくて感情を感じにくくなってしまったり、強い寒気を感じたりします。このように最新の研究によれば副交感神経も極端になると体にとってはストレス状態になってしまうことが分かっています。

    同じ副交感神経でも正しいリラックスモードである腹側迷走神経が優位になるように整えていく必要があります。ただし自律神経は、自分で思い通りにコントロールできるものではないため、ストレスを受けた時に自律神経のどのモードが優位になるタイプかは、その状況やその人それぞれで違います。

    例えば、ストレスを受けると体が動かなくなる、頭も働かなくなる、そして無気力になるタイプの人は、疲れているからと言ってゴロゴロすると、どんどん背側迷走神経が優位な状況になり、返って体が重だるくなってしまいます。そんな時は疲れすぎない程度に体を動かしてみると意外に気分がすっきりして元気になったりします。

    逆に交感神経が優位になっており、血圧が上昇したり、早く浅い呼吸になっていたり、気持ちが切迫状態になってしまうようなストレス状態になっている人の場合は、神経を興奮させるようなことはしないでひたすら休息が必要です。深呼吸して、お風呂でゆっくり温めて、そのまま眠ってしまうのが一番必要な疲労回復法になります。まずは自分の状態をしっかり観察すること、そして自分の状態に合わせた神経の整え方で疲労を取り除いてやることが大切です。

    入浴で心も体もリラックス

    最近の研究では入浴が血圧を下げる効果があると言われています。温かいお湯に浸ることで血管が広がり、血液の流れがスムーズになります。例えば40℃のお湯20分浸かると収縮期血圧が平均で10mmHgくらい下がることがあります。具体的にはお湯の温かさが血管を拡張させ、血管が広がると血液が流れやすくなり、心臓が血液を送り出すのに必要な圧力が下がる血圧低下メカニズムが挙げられます。また最適な温度は38から40℃くらいが良いと言われています。

    また、研究によると定期的に入浴することで心臓発作のリスクが減ることが分かっています。まず入浴によって血圧が下がり、血圧が安定すると心臓への負担が減ります。さらにお湯に浸ることでリラックス効果が得られ、ストレスが軽減されます。つまりストレスが減ると心臓発作のリスクも下がります。つまり入浴によって血液の循環が良くなるため心臓の健康が保たれます。

    実際に週4回以上入浴する人は、心臓発作のリスクが約30%減少するデータもあります。ただし長時間、熱いお湯に浸るのは逆効果で適度な時間と温度を守ることが大事です。具体的には、大体15から20分くらい、38から40℃のぬるま湯が理想です。

    さらに入浴には、ストレスを軽減する効果があります。お湯に浸ることで体がリラックスして緊張がほぐれます。まずお湯の温かさが副交感神経を刺激して、リラックス状態を促します。そして副交感神経が優位になると心拍数や呼吸が落ち着いてリラックスした気分になります。例えば40℃のお湯に20分間浸かると心拍数が下がり、呼吸が深くなります。これがリラックス状態を作り出してストレスを軽減してくれます。

    このようなことから定期的な入浴がうつ病の症状を緩和する効果があることが分かっています。入浴によってリラックスするとストレスホルモンのコルチゾールが減少します。このコルチゾールが減ることで気分が安定します。また入浴によって体温が上がると血流が良くなって脳に酸素がたくさん供給され、それが脳の機能を活性化させて気分の改善に繋がります。

    一方で入浴には免疫力を強化する効果があります。お湯に浸ることで体温が上がり、免疫細胞が活性化します。なぜなら体温が上がると白血球やリンパ球といった免疫細胞が活性化します。これらの細胞が元気になることで体内のウイルスや細菌と戦う力が強くなります。具体的には、体温上昇が効果的になる温度は、大体1から2℃くらいです。例えば38から40℃の湯に10から20分間浸かると体温がそのくらい上がります。

    他にも免疫力を強化するポイントは、入浴時にリラックスすることも大切です。ストレスがあると免疫力が低下するため、入浴中にリラックスすることでストレスが減り、免疫力が高まります。

    入浴の保湿効果

    入浴には皮膚を保湿する効果があり、お湯に浸ることで肌の角質層が柔らかくなり、水分を吸収しやすくなります。なぜならお湯に浸ると皮膚の表面が温まり毛穴が開きます。これより皮膚の角質層が水分を吸収しやすくなります。さらに温かいお湯が血行を促進して、肌の新陳代謝も活発になります。

    具体的な温度のお湯は、38から40℃くらいのぬるめのお湯が最適です。この温度で10から15分間浸ると肌がしっかりと保湿されます。また入浴後に保湿クリームを使うのも効果的です。入浴後は肌が柔らかくなり水分を含んでいるため、クリームが水分を閉じ込めてくれるため乾燥を防ぐことができます。

    また入浴は、アトピー症状にも効果的で、入浴がアトピー症状を改善するのにはいくつかの理由があります。まずお湯に浸かることで皮膚が保湿されて乾燥による痒みが柔わらぎます。さらにお湯に浸ることで角質層が潤い、バリア機能が強化されます。またお湯に浸ることで血行が良くなり、細胞に酸素や栄養素が行き渡りやすくなります。これが細胞の再生を促進して肌の若々しさを保つのに役立ちます。さらに老廃物の排出もスムーズになるため肌のくすみも改善されます。

    【本コラムの監修】

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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