シワ改善とコラーゲンの関係

    シワ改善とコラーゲンの関係

    コラーゲンはお肌にとって大切なものですが、そのコラーゲンは30種類以上もあり、どれもこれもお肌にとって効果が高いというものではありません。そこでコラーゲンの基礎知識を復習しましょう。

    コラーゲンの種類

    まず、コラーゲンはタンパク質(アミノ酸)であり、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アラニン、リシンが主な組成成分になります。またコラーゲンは存在する場所によって違いがあり、ローマ数字でⅠ〜Ⅴ型コラーゲンという風にローマ数字で表します。代表的なコラーゲンの特徴は、次の通りです。

    Ⅰ型コラーゲン体内で一番多く、骨や皮膚(真皮)に含まれ、骨や皮膚を形成し、弾力性を発揮する働きがあります。
    Ⅱ型コラーゲン関節や軟骨に含まれ、眼の角膜などの成分です。
    Ⅲ型コラーゲン主に臓器(血管や内臓)に含まれ、組織に柔軟性を与えます。また組織を再生するはたらきがあり、傷が治る過程の初期の段階で大きく増え、やがてI型に置き換わることで治癒が進むと言われています。
    Ⅳ型コラーゲン主に皮膚に含まれ、基底膜に存在し、皮膚の表皮と真皮をつなぎとめます。
    Ⅴ型コラーゲン血液や胎盤、平滑筋に含まれ、Ⅰ型、Ⅲ型が含まれている組織にも微量に含まれます。

    ベビーコラーゲンが大切

    赤ちゃんの皮膚が柔らかくて気持ちいいのは、Ⅲ型コラーゲンが20%も含まれているからです。Ⅲ型コラーゲンは、Ⅰ型コラーゲンは比較的硬くて伸縮性が小さいのに対して、繊維が細くて柔らかいことが特徴です。つまりⅢ型コラーゲンは柔らかくてお肌のハリに大きな影響を与えます。またお肌の再生や修復の機能を担い、さらに水分保持力が高いため肌の潤いや瑞々しさを保ち、透明感のあるお肌をサポートしてくれます。

    しかし、中高年になるとⅢ型コラーゲンは、10%に減少します。お肌の若さの指標にⅢ型:Ⅰ型比率があり、赤ちゃんの時に1:1だった比率は40代、50代と年齢を重ねると1:10になってしまいます。

    さらに、Ⅲ型コラーゲンはⅠ型コラーゲンよりも早く減ってしまうため、美しい素肌のためには、このⅢ型コラーゲンをキープすることが大切であることが分かっています。このコラーゲンを補うためには、卵の鶏卵殻膜が有効で、これを含む化粧品がⅢ型コラーゲンを優位に増やすと考えられています。研究においても、目尻のシワが減少したりしています。

    Ⅲ型コラーゲンの減少で現れるサイン

    資生堂の研究では、Ⅲ型コラーゲンの減少でお肌の柔らかさも失われていくことが報告されています。

    例えば、Ⅲ型コラーゲンの減少で真皮最上部の乳頭層において、肌全体のハリが失われ始めるよりも若い30代前後から肌内部のハリ(強度)の低下が始まり、ハリ(強度)の均一さが失われることが分かっています。さらに肌内部のハリ(強度)の不均一さは、肌表面の小さな凹凸を引き起こし、肌の見た目にも影響することが明らかになっています。

    それ以外にも年齢を重ねると肌表面の皮脂の減少、表皮の角質層にある水分、セラミド、天然保湿因子の減少が起こります。そのため年齢を重ねると、バリア機能やターンオーバーの低下が起こりやすくなります。

    一方で、真皮ではⅠ型コラーゲンやⅢ型コラーゲン以外でも、ヒアルロン酸、エラスチン、プロテオグリカンが減っていきます。そのため、お顔のたるみだけでなく、ほうれい線、顔のシワ、たるみ毛穴、目の下のたるみやクマなどのエイジングサインが目立つようになります。

    コラーゲンの誤解

    コラーゲンは人体の様々な器官を構成する繊維状のタンパク質でできています。体内全体に存在するタンパク質のうち約30%がコラーゲンです。そしてコラーゲンは、肌の主成分であると言われており、実際に目に見えている皮膚は表皮と呼ばれる皮膚の種類で、これはコラーゲンではなく、ケラチンという別のタンパク質が主成分になっています。

    コラーゲンは表皮の下層にある真皮という皮膚の主成分であり、皮膚の内側で肌のハリや弾力を保ち、それを維持する役割を担っています。コラーゲンは真皮の約70%を構成していると言われているほど肌のハリや弾力を維持するためには必要不可欠な存在です。

    さらにコラーゲンは肌の主成分だけではなく、血管や骨、人体、粘膜なども構成していて、骨を丈夫にしたり、血管を正常に保つなど、肌はもちろん健康や老化下にも大きく関わっています。しかしコラーゲンは様々なことが原因で減少するため、このコラーゲンの減少を阻止することこそが美肌や美容、そして健康においてとっても大切なことになります。

    コラーゲンが減少する原因

    コラーゲンが減少してしまう理由は、主に加齢、紫外線、ストレスの3つです。体を作るコラーゲンは、古いものが壊され新しいものが作られる代謝を繰り返しています。この肌の代謝のことをターンオーバーと言い、骨や筋肉が作られていく成長期には代謝を繰り返して増えていきますが、20歳頃から代謝のスピードが落ちていき、50代になると20代の70%にまで減少すると言われています。さらに若い頃に代謝によって作られていた新鮮なコラーゲンは、加齢とともに減少し、古いコラーゲンが体内に残ってしまいます。この古いコラーゲンが体や肌に様々なトラブルを引き起こすことになります。

    古いコラーゲンが良くないのは体の酸化と糖化が関係しています。酸化は体の中の活性酸素が細胞を傷つけてしまうことで、体が錆びると言われることもあります。つまり酸化は鉄が酸素で錆びてボロボロになるように、私たちの体も酸素によって少しずつ傷つけられている事になります。つまり古いコラーゲンは、その酸化が進んでしまっている状態になります。

    一方で糖化は、毎日の食事から取り入れられる糖の一部が体の中でタンパク質中のアミノ酸と反応してAGEsと呼ばれる老化物質が増えることです。若い頃であれば体の代謝が活発であるため、AGEsは自然に排泄されます。しかし年齢を重ねるとその機能も徐々に低下してしまい、体内にAGEsが溜まり続けてしまいます。

    本来、健康な状態のコラーゲンは、コラーゲン繊維がバネのように柔軟な架橋でつながっていて、このバネのような柔軟な架橋こそが肌のハリや弾力の元になっています。この架橋にAGEsが付くと柔軟さが失われ、硬くて新陳代謝の進まない架橋になり、肌は弾力性や柔軟性を失い硬くなり、シワやシミ、たるみに繋がってしまいます。

    一方で、紫外線もコラーゲンが減る原因の一つです。皮膚は紫外線によって刺激を受けると沢山の分解酵素を作り出します。その分解酵素の中には、コラーゲンを分解する酵素も存在していて、それによってコラーゲンが減少してしまいます。さらに紫外線の影響によって正常なコラーゲンの生成能力までも低下させてしまいます。一時的に紫外線を浴びる分には皮膚の修復機能によって回復できますが、継続的に浴び続けると皮膚の中のコラーゲンは徐々にダメージを受け回復できなくなり、シワやシミ、たるみの原因になってしまいます。

    また、コラーゲンを減らさないためにはストレスにも気をつける必要があります。体はストレスを感じると体内にストレスホルモンを分泌し、このストレスホルモンはコラーゲンの生成を抑制します。

    ストレスはコラーゲンの生成を妨げる

    ストレスが溜まると体内でいろんな悪影響が現れます。具体的には、ストレスが溜まると体内でコルチゾールというホルモンが多く分泌されます。このコルチゾールはストレスに対抗するためのホルモンで、これが増えすぎるとコラーゲンを分解する酵素が活性化して しまいます。

    そしてコルチゾールが増えると体はエネルギーを確保しようとしてタンパク質を分解し始めます。この時コラーゲンも一緒に分解されてしまいます。さらにコルチゾールは炎症反応を引き起こすこともあり、それがコラーゲンの生成を妨げます。

    ストレスを減らすためには、まずリラックスする時間を持つことが大事でしょう。また運動をすることで体内でエンドルフィンと言う幸せホルモンが分泌されこれがストレスを軽減してリラックスした状態を保つのに役立ちます。一方で睡眠不足はストレスを増大させ、体内のコルチゾールの分泌も増やしてしまいます。しっかりと休息を取ることでストレスを減らしコラーゲンの生成を助けることができます。

    17型コラーゲン

    コラーゲンにはⅠ型、Ⅲ型など様々ありますが、17型という発毛分野で研究された特殊なものがあります。コラーゲンは通常、真皮に存在しますが、17型は基底膜側にある基底膜と真皮を繋ぐ杭のようなコラーゲンです。通常コラーゲンは真皮の線維芽細胞から作られますが、この17型コラーゲンは表皮の細胞から生まれます。また基底膜のケアによって、基底膜と真皮の接着がしっかりされることで真皮のコラーゲンが再生されると言われています。

    特に紫外線や加齢が基底膜にダメージによって基底膜の働きが低下すると、17型コラーゲンが変性してハリが低下し、さらにメラニンにも影響を与えます。 つまり17型コラーゲンの変性により、隣接するメラノサイトが悪影響を引き起こすことになります。つまりメラノサイトが刺激されるため過剰なメラニン産生によりシミの原因となってしまいます。

    さらにメラノサイトが肥大化するだけでなく、一度大きくなったメラノサイトは小さくなりません。そしてハリが低下するだけでなく、メラノサイトが肥大化し、よりメラニンが作られてしまいます。そのため17型コラーゲンの産生を促進し、増やすことが重要になります。

    コラーゲンの摂り方

    実はコラーゲンは、そのまま摂るとアミノ酸への分解から再生成までに時間がかかり吸収性が良くありません。そのためコラーゲンの正しい取り方は、コラーゲンペプチドを摂ることです。

    タンパク質はアミノ酸が複数結合したものの総称で、この分子量と構成によってコラーゲンは呼び方が3種類に分かれています。その中の一つがコラーゲンペプチドです。因みにアミノ酸の分子量が多いものから順に、コラーゲン、ゼラチン、コラーゲンペプチドになります。これらは呼び方が違うだけではなく、体内での吸収のされ方が違うのが大きなポイントです。吸収されたコラーゲンペプチドは、体の隅々まで届けられ、お肌の深い層まで届くことはもちろん、関節や骨などの全身にも活用されます。

    食べ物からコラーゲンを摂取しようとすると一度分解から再生成といった工程を踏む必要があり、その工程を踏む分コラーゲンの吸収に時間がかかります。しかしコラーゲンペプチドは、その分解工程を省略できるのがポイントです。実際コラーゲンペプチドを口から摂取すると、普通のコラーゲンよりも吸収性がアップしてより高い美容効果を得られたという研究結果も報告されています。

    これまではコラーゲンが豊富な鶏皮やフカヒレを食べたとしても、吸収される時にはアミノ酸に分解されてから吸収されるため、結局タンパク質を食べているのと変わらないと言われてきました。結局、分解されるのでコラーゲンはそのまま吸収できず、つまりコラーゲンが豊富な食材を食べたとしても消化の際には、アミノ酸に分解されてから吸収されるので、コラーゲンだろうがその他のタンパク質だろうが効果は一緒と思われていました。

    しかし近年の研究によって、コラーゲンも普通のタンパク質も結局アミノ酸に分解されるから同じと言う話は、覆されつつあります。実際に、コラーゲンを食べることによって、肌のコラーゲンやエラスチンが増えるという実験結果が多くの研究から報告されています。コラーゲンやエラスチンが増えることは、肌のシワが減ったり、ハリが良くなったりします。実際に研究によって、シワが改善したというデータや肌の水分量が増えたというデータもあります。

    実験でよく使われていて効果が高いと言われているのは、低分子コラーゲンまたはコラーゲンペプチドという通常のコラーゲンよりも吸収率を高くしたものです。しかし、それらは値段が高くなってしまいますので、お金に余裕がある方以外は無理に使用する必要はないかもしれません。コラーゲンの摂取という観点から言えば、後述するゼラチンなどを摂取するだけでも十分摂取量を賄うことができます。

    また、コラーゲンが多く含まれる食材には、豚足や手羽先などが思い浮かぶでしょう。しかしコラーゲンが含まれた食材は、脂肪がかなり含まれており、大量に摂取することで太ったりすることも考えられます。ただ残念ながらコラーゲンペプチドをそのまま摂取できる方法は限られているため、現時点ではサプリメントで摂ることがベストとなります。

    ちなみにコラーゲンペプチドは、摂取後30 分から60分で体内に吸収され、24時間後には血中から無くなります。そのため一度に多く摂るよりも継続することが重要です。実際 1日5gから10gの摂取で肌に改善が見られるって事が分かっています。

    コラーゲンの最新研究

    コラーゲン生成の鍵を握るのはDDR2というコラーゲン受容体です。古いコラーゲンから新しいコラーゲンへと生成するためには、このコラーゲン受容体と呼ばれるものが大きく関わっています。

    DDR2は、繊維芽細胞に存在するコラーゲン受容体の一つで、加齢や紫外線などの要因で真皮のコラーゲンがダメージを受けると、それを察知して繊維芽細胞にコラーゲンを新たに生み出すよう指令を出してくれるタンパク質です。つまりDDR2によって古いコラーゲンが修復されます。このDDR2を活性化さえできれば、コラーゲンの再生成を促すため、肌の弾力性も回復し、ツヤツヤになることが期待できます。

    このDDR2を、どうすれば活性化できるのかを見つける研究は、これまで難航していましたが、2021年にファンケルが発見しました。DDR2を活性化させるためには何よりDDR2を刺激する必要がありますが、 DDR2を刺激する成分がイソクェルシトリンと言う成分です。この成分が肌のハリや弾力の元となるコラーゲン吸収の促進だけではなく、コラーゲンの再生成を促し、肌のシワやシミ、たるみにまで効果が期待できます。

    コラーゲンを増やす食べ物

    スピルリナ

    スピルリナは地球で最も栄養価の高い食品の1つと言われており、アフリカの塩水湖などに生息する螺旋型の青緑色の藻類です。50種類以上の健康・栄養バランスもつ食べ物であるためNASAでは宇宙食としても研究開発が進められています。

    具体的にはすべての必須アミノ酸、オメガ3脂肪酸、ビタミンB群、鉄分が含まれています。中でもスピルリナの60%以上は、コラーゲンの構成要素であるアミノ酸でできています。つまりコラーゲンをつくる材料となるアミノ酸(グリシン、プロリン含)が豊富に含まれているため、お肌に良いと言われています。またスピルリナにはフィコシアニンという抗酸化物質が豊富に含まれており、細胞の抗酸化作用を活性化するのを助け、フリーラジカルを除去するのに役立ち、肌のシワにつながる肌のダメージを防いでくれることが2014年に行われた研究によって判明しています。

    またスピルリナを摂取することによって悪玉コレステロールが下がり、善玉コレステロールが増えることも分かっています。そしてスピルリナを摂取すると血圧が低下するため、これも同時に血管に良い影響を与えます。一方でスピルリナには血糖値を安定させる効果まであります。血糖値が急激に上がったり、下がったりする血糖値スパイクは、全身の血管に大きなダメージを与えてしまうため、血糖値を安定させることも血管の健康には非常に重要な要素です。

    美容面では、スピルリナには高い美容効果があります。スピルリナに含まれて いるビタミンA、ビタミンE、ビタミンC及び 抗酸化物質は、肌を酸化ストレスから守ってくれ、健康的なお肌を作り出してくれ働きをします。またスピルリナは、体内の毒素を排出するデトックス効果があるとされており、これによって肌の透明感がアップすることも期待できます。さらにスピルナーという成分には炎症を抑える効果もあるため、肌の状態が良くなったり、全体的な健康状態が改善する効果が期待できます。

    さらに2019年に行われた研究では、スピルリナはコラーゲン生成に重要な役割を果たしている真皮繊維芽細胞という細胞成長因子を増加させることが示唆されています。

    スケトウダラ

    スケトウダラは高タンパク質、低脂肪な魚で100gあたり約17gのタンパク質を含んでいます。また脂質は1g程度と少なく、カロリーも72kcalとヘルシーです。また必須アミノ酸のバランスを数値化したアミノ酸スコアも最大の100です。また筋肥大の要と言われているアミノ酸「ロイシン」を100gあたり1300mg含んでいます。

    さらに魚のタンパク質は、基質タンパク質であるスジが少なく、肉や大豆と比べて消化吸収性が高いという特徴があり、魚類の中でも低脂肪なので消化吸収性が高く、胃腸への負担が少ないと言えます。また血液を生成したり、神経機能を健康に保つビタミンB12、骨を丈夫にする他にも有効で万能ビタミンとも呼ばれるビタミンD、その他カルシウム、マグネシウム、リンなどの各種ミネラルが豊富に含まれています。さらに、タンパク質は生ダラの2倍以上で、スケトウダラに含まれるタンパク質にはアミノ酸の1つ、アスパラギン酸も豊富です。これにはアルコール成分を分解する働きがあります。

    スケトウダラは、痛みが早いことから切り身や丸魚なの状態で流通することは少なく、乾燥した状態で売られていることが多いです。また有名なのが韓国の美肌スープ、スケトウダラを使ったスープです。このプゴクスープ(プゴは干しスケトウダラの意味)は美容と健康に良いスープで、美肌効果抜群のフィッシュコラーゲンが豊富です。

    スケトウダラの皮にたっぷりと含まれたコラーゲンは、牛、豚、鳥などの動物由来のコラーゲンと比べ、魚由来のコラーゲンだから吸収されやすい特徴があります。コラーゲンは肌のハリや弾力を保つために不可欠なタンパク質で、プゴがたっぷり入ったプゴクが美容スープと異名を取るのも頷付けます。

    たまご

    たまごには、コラーゲンの材料となるアミノ酸が豊富に含まれ、特に卵白部分に多く含まれています。2015年に行われた研究によると、卵の卵殻膜が皮膚の老化を抑制し、紫外線ダメージから守る可能性が示唆されています。また肌が新しい細胞に生まれ変わるのを助けてくれる栄養素であるビタミンB群、ヘム鉄、亜鉛、ビタミンAが含まれています。

    卵は高コレステロール食品として知られていますが、長年の研究によりコレステロールは9割が肝臓でつくられ、食品から摂れるのは1割に過ぎないことが分かっています。

    葉物野菜

    ビタミンCを多く含むフルーツなどは、コラーゲンの合成に欠かせないものですが、コラーゲンの合成には亜鉛と銅も必要です。亜鉛は補因子として作用し、銅はリシルオキシダーゼ酵素を活性化してコラーゲンを成熟させることによってコラーゲン生成を促してくれます。これらを全て含んだ食べ物がケールやほうれん草などの葉物野菜です。他にもケールなどに含まれるクロロフィルは皮膚のコラーゲンの前駆体を増加させることが示されています。

    魚介類

    魚介類には天然のコラーゲンが多く含まれており、牛や豚のコラーゲンより効率的に吸収されて効果が高いという研究があります。またオメガ3脂肪酸であるEPAやDHAが多く含まれています。例えばサバ・イワシの缶詰を食べるだけで血管はみるみる強く分っていくことが分かっています。

    サバ、イワシ、マグロ、サンマといった青魚には血管に良い2つの成分が含まれています。それは良質なタンパク質と良質なオメガ3脂肪酸です。特に青魚に含まれているオメガ3脂肪酸は、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす一方で、前玉コレステロールを増やして動脈効果の進行を抑え、血管を若返らされる効果があります。

    さらにオメガ3脂肪酸には炎症を抑えてくれる効果もあるため、血管の炎症を抑えることで血管がカチカチになってしまう動脈効果を予防することができます。またオメガ 3脂肪酸は血管の内皮機能を改善することで、血管の拡張能力を高め、血流を改善してくれることまで分かっています。

    お肌にはゼラチンパウダー

    健康にとって、血液の流れを正常に保つことが大切です。私たちの体が活動的に動かせるのは血液が酸素と栄養を常に運んでくれるからです。

    人の体で一番多いのが水分で60から75%です。次に多いのがタンパク質で15から20%です。そのタンパク質の内、約30%がコラーゲンです。コラーゲンは全身の至るところに分布しており、体にとって不可欠なタンパク質です。特に皮膚には体内の全コラーゲン量の40%が存在し、20%は骨や軟骨に、残りは血管や目などに存在しています。仮にコラーゲンが不足すれば、その影響が顕著に現れるのが毛細血管です。

    そして肌に必要な1日コラーゲン量5gから10g必要と言われています。そこで美肌を復活させるのにおすすめなのが効率的かつ手軽にコラーゲンを摂ることができるゼラチンパウダーです。ゼラチンパウダーは、1袋でゼラチンが5g摂ることができ、この量を食事で取ろうとするとほぼ不可能です。市販されているゼラチンパウダーの多くは無添加で、袋に小分けされており、価格も安く、どこのスーパーにも売っているため、毎日摂りやすいでしょう。

    私たちの皮膚は表皮、真皮、皮下組織から成り、この内真皮には、コラーゲンが繊維状になったものが大部分を占めています。真皮にはヒアルロン酸だけでなく、血管、リンパ管など肌の健康を保つための重要な器官が多数存在しています。ゼラチンパウダーを摂取すると、消化管で消化・分解されてグリシンやプロリンなどのアミノ酸になり、皮膚の細胞に運ばれて、吸収されて、それを原料にコラーゲンが作られ真皮に供給されます。その結果、しっとりハリのある肌が蘇ってくるでしょう。

    また、美肌を復活させるためにはゼラチンパウダーと一緒に食べるとさらに効果が上げる2つの栄養素があります。その1つがビタミンB6です。よくコラーゲンをとっても吸収や分解されてお肌に届かないから意味がないと聞いたことありませんか。確かにコラーゲンは消化でアミノ酸に分解されるという意味でも直接肌になるわけではありません。しかし別の言い方をすると少量を摂っても意味がないということを表しています。

    また、基本コラーゲンは優先して重要な内臓などに使われ、余った分だけが肌や髪になります。仮に内臓の一部にコラーゲンが不足して悪くなっていると先にコラーゲンは使われてしまい、肌の材料になるコラーゲンが足りなくなり、肌はカサカサになってシミやシワ、たるみにくすみになってしまいます。

    一方で、ビタミンB6は老化した肌や髪の古い部分に新しい細胞を作れと命令を出してくれる栄養素です。ビタミンB6は肌の基本成分であるタンパク質、つまりコラーゲンの分解と合成に不可欠な栄養素です。コラーゲンと一緒にビタミンB6を取ることによって肌の弾力性とハリに不可欠なコラーゲンの生成が一気に促進されます。

    さらに、もう1つの栄養素がビタミンCです。このビタミンCがなければ、実はコラーゲンをお肌に作り替えることができません。例えば家を建てる時の材料がコラーゲンとするなら、ビタミンCはそれを組み立てるために必要な工具になります。材料だけでは家は建てることができないため、だからこそビタミンCを一緒に摂ることが重要となり、ビタミンCがコラーゲンと結合することで初めて肌に届くコラーゲンが生成されると言っても過言ではありません。

    そして、ゼラチンパウダーは基本に何にでも混ぜられるため、例えば大豆製品ならビタミンB6を豊富に含み、豆乳に混ぜて飲めば効果的になります。またビタミンCやB6を多く含む具材を組み合わせた味噌汁にゼラチンパウダーを混ぜても良いでしょう。

    シワ改善にはコラーゲン

    年齢とともに肌の悩みには、ハリのなさ、たるみ、シワ、くすみ、緩み、毛穴など、これら悩み全般にコラーゲンが大きく関わっています。肌の構造は、角質、表皮、真皮に分かれ、コラーゲンに大きく関わっているのが真皮です。

    真皮の70%はコラーゲンでできているため、コラーゲンがしっかり整っている場合は、ハリのある肌となりますが、加齢とともに生産性が落ちて弾力や強度が低下し、形が変わってしまったりすると言われています。そのためコラーゲンが減少するとハリがなくなって艶ができにくくなるので、肌の土台であるコラーゲンにアプローチすることが大事になります。

    一方で資生堂のシワ研究の最前線情報によると、シワのある肌とない肌の違いには、肌の内側と外側の硬さのギャップがあることで肌の表面の角層が硬いとシワができやすいことが分かりました。

    レチノールクリーム

    レチノールは、ビタミンAの一種でスキンケアの商品によく使われている成分です。お肌を綺麗に保つために大切な成分で、細胞を元気にして、お肌の生まれ変わりを早めてくれます。

    ミシガン大学の研究では、高齢者に週2、3回 0.4%レチノール配合のクリームを使用してもらった結果、肌のコラーゲンとヒアルロン酸の量が向上し、このクリームを使用した人々は使用していない人たちと比べて顕著にシワが減少し、肌の質感も滑らかになる効果が観察されています。またレチノールはシワを減らすだけでなくお肌をプルプルにしたり、シミを薄くしたり、毛穴のつまりやニキビを防ぐ効果もあると言われています。

    ただし、レチノールを使い始める時は様子を見ながらゆっくりと始めるのが良いでしょう。なぜならレチノールは肌への刺激が強い場合があり、最初は週1から2回でスタートして、お肌の様子を見つつ徐々に使う回数を増やしていくのがおすすめです。良い成分であっても人によって合う、合わないがあります。

    またレチノールは夜に使うのが一般的です。日中は紫外線で効果が落ちやすく、お肌が敏感になりやすいため夜のケアに取り入れるのが良いでしょう。日中にレチノールを使うとお肌が日焼けしやすくなるのでSPF30以上の日焼け止めをしっかり塗ることが大切です。そしてレチノールは乾燥しがちなので保湿はしっかりと、お肌の乾燥や皮が向けるのを防ぐために保湿剤の使用を忘れずしましょう。

    このように軽度の皮膚のシワやたるみを予防するには、基本的にはレチノール化合物を含む化粧品を探すと良いでしょう。レチノイドは強力な抗酸化物質で、コラーゲンの生成を促進する可能性があると言われて、これは肌からも吸収される非常に珍しい成分です。

    局所的にシワやたるみやすい場所に塗ると皮膚の老化対策になります。ただし専門家の間では意見が分かれており、レチノイドが肌のターンオーバーを促進して肌を綺麗にしてくれる可能性がありますが、既にたるんでしまった皮膚を引き上げられるかどうかは何とも言えないとも言われています。またアメリカ皮膚科学会は、ほとんどのレチノールではないファーミング製品は、基本的には保湿になるだけで意味ないという風に言っています。

    ビタミンC美容液

    ビタミン C美容液がなぜシワに効くのか、その理由に抗酸化作用が挙げられます。ビタミンCは、紫外線や環境汚染など外からの刺激でできるフリーラジカルに強く対抗する抗酸化物質です。フリーラジカルは、お肌の老化を早めるため、ビタミンCはこれを中和して、お肌の老化を遅らせてくれます。

    次に、コラーゲンの生成を助けることも理由として挙げられます。コラーゲンはお肌の弾力や強度を保つタンパク質で、ハリや若さを保つのに欠かせません。ビタミンCは、コラーゲンの合成を促進することが科学的にも証明されており、これがお肌の弾力を向上させ、シワやたるみを減らす助けになります。さらに ビタミンCは、お肌の色調を整える効果や炎症を和らげる効果、お肌のバリア機能を強化する働きもあります。

    このビタミンC美容液を買う際に注目するポイントは大きく3つあります。まずはなるべく水分を含んでいないものです。水分量が多い方が肌に馴染みそうですが、水分が含まれているとビタミンCが酸化しやすくなり、その効果が低下する可能性があります。水分が少ない製品の方が、ビタミンCがより長持ちし、効果を保つことが期待できます。水分量が確認できない場合は、フェルラ酸やトコフェロールなど酸化を防いでくれる成分が配合されているものを選びましょう。

    そして2つ目のポイントはビタミンCの含有率です。1番効果的だと言われているのはビタミンC含有率が20%のものです。実はビタミンCは、この濃度がお肌にとって最も良いバランスだと考えられています。ただし人によってお肌の質や感じ方が違うので実際に使う前にパッチテストをしてみましょう。

    3つ目のポイントは、パッケージです。ビタミンCは、光や空気に触れると簡単に酸化する性質があります。酸化するとお肌への良い効果が減ってしまうため、ビタミンCを長持ちさせるために暗い色のガラス瓶や空気と触れ合わないポンプ式の容器で成分を光や空気から守れる工夫がされたパッケージの製品を選ぶのがおすすめです。

    ヒアルロン酸美容液

    ヒアルロン酸は、しっかり効果も実証されており、ルートヴィヒマクシミリアン大学が行った研究では、目の周りのシワに悩んでいる30歳から60歳までの女性76人を対象に、ヒアルロン酸クリームを1日2回、60 日間に渡って塗布してもらいました。

    その結果 ヒアルロン酸クリームを塗った場所は、塗っていない場所と比較して、皮膚の水分量と全体的な弾力性が顕著に向上し、シワの深さがプラセボを使用した場所と比較して大きく改善していました。ちなみに実験では、クリームが使用されていましたが、クリームやパックよりも美容液の方が速攻性が高いのでおすすめです。

    また、ヒアルロン酸には、肌の上でしっかり保湿をしてくれる高分子ヒアルロン酸とお肌の奥までしっかり浸透してくれる低分子ヒアルロン酸がありますが、シワを改善したい時は、両方含んでいる商品が良いでしょう。またお肌に優しい製品を選ぶことも大切で、アルコールフリー、無香料、非コメドジェニックなどお肌に優しいものを選ぶと安心でしょう。

    ナイアシンアミド

    ナイアシンアミドは、細胞を活性化にする作用の他、コラーゲンの産生を促すことでシワを予防する作用も知られています。その他にもくすみの原因であるメラニンの産生を抑えたり、抗炎症作用があるといわれています。このナイアシンアミドは、ビタミンB3の一種になります。ナイアシンアミドは、比較的小さい分子のため肌を透過し、肌の幹細胞まで辿り着く可能性が高いと考えられています。

    そして、ナイアシンアミドを含む保湿剤によってシワを改善する効果があることが確認されています。なぜならナイアシンアミドによって肌に含まれる線維芽細胞でコラーゲン合成量が増えるためと考えられています。

    ナイアシンは食品からも摂取できますが、トリプトファンからも合成できるビタミンです。実は体内でのナイアシンアミドは、酵素の働きを補助し、エネルギー産生、脂質やアミノ酸の代謝などに関わっています。ナイアシンを多く含む食品には、100gあたり黒米8.2g、玄米3.6g、赤米6.9g、発芽玄米6.4g、かつお(24g)、胸肉(27g)などがあります。ただしナイアシンアミドは水に溶け出すため、調理法や摂食法を工夫し、無駄なく摂取するよう意識するのがよいでしょう。

    AHA配合のピーリング剤

    AHAとは、アルファヒドロキシ酸の略称で、主に果物や乳製品などの天然成分 に含まれています。ブリティッシュコロンビア大学などが出している論文によれば、AHAはお肌に塗ることで色々な肌トラブルを改善してくれる効果があることが分かっています。特に紫外線でお肌が老化してしまった時、例えば細かいシワやお肌のザラつきを改善する効果があります。

    具体的な研究で言うと、サトウキビから抽出されるAHAのグリコール酸や発酵乳製品に含まれる乳酸を使ったピーリング治療がシワを目立たなくしたり、グリコール酸を使った治療で、肌のコラーゲンが増えて若返りの効果があったことが報告されています。

    AHAは、肌の色素沈着やニキビ治療にも効果があるって言われており、肌の色を均一にしたり、お肌の感じを良くしてニキビを予防したり、ニキビ跡を目立たなくする効果があります。そしてAHAについての新しい研究も進んでおり、例えばアーモンドに含まれるAHAのマンデル酸は他のピーリング剤よりもお肌に優しくて、敏感肌の方にも安全な治療方法として注目されています。

    AHAは、グリコール酸や乳酸といったいくつかの種類があり、それぞれ効果やお肌への優しさが違うため、自分のお肌のタイプや何を期待しているかに合わせて選ぶのが大事です。また濃度に関しては、濃いほど効果も強いですがお肌への刺激も強くなり、特に敏感肌の方やAHA製品を初めて使う方は低めの濃度から始めて見るのがおすすめです。

    そして、AHAは酸性の環境でしっかりと働くのですが、pH値が低すぎるとお肌に刺激が強くなりすぎてしまい、高すぎると効果が弱まります。そのためpH値が3.5から 4.0くらいの製品が効果と安全性の良いバランスだとされています。

    またAHAだけでなく、保湿成分や抗炎症成分が入っている製品を選ぶとお肌に優しくて良いでしょう。同じく光や空気に弱いので遮光容器に入っていたり、空気と触れにくいパッケージの製品のものの方がより良いでしょう。

    ペプチドクリーム

    ペプチドは、アミノ酸が短く繋がったもので、2つのアミノ酸がくっついてるものをジペクチドと呼び、3つが繋がったものをトリペプチド、4つ繋がったものはテトラペプチドと呼びます。アミノ酸がシワに効果的なのは、2002年にアメリカの皮膚科学会の研究会議で発表された研究によると、ペプチドがお肌をピンと引きしめたり、コラーゲンの生成を刺激したりする効果があることが証明されたからです。これをきっかけにペプチド配合のスキンケアが多数販売され始めました。

    フランスの世界皮膚科学会で発表された研究では、スキンケアで最も一般的に使用されるペプチドでマトリキシルとも呼ばれるパルミトイルペンタペプチド-3を使用したもので、35歳から55歳の93人の白人女性を対象に12週間に渡る実験を行ったところ、ペプチド配合の製品は肌によく馴染み、プラセボと比較してしやシワや細かい線の減少に優位な改善が見られています。

    また皮膚に効果がある別のペプチドのパルミトイルテトラペプチド-7を使用した研究では、45 歳から80歳の60人を対象に12ヶ月に渡って調査をしたところ、このペプチドの長期使用により顔のシワの出現が減少することが判明しています。

    他のシワ改善に特化したペプチドとしては、アルジレリンっていう成分があり、これが筋肉の動きを穏やかにすることで笑ったり、眉を潜めたりする時にできる表情ジワを予防することができます。つまりボトックスのような効果があると言われており、特に目の周りや額の細かいシワに効きます。

    一方で、コッパーペプチドっていう銅を含んだペプチドは、お肌の修復を助けたり、コラーゲンやエラスチンの生成をサポートします。抗炎症作用もあり、お肌の再生を助けることでシワを改善します。他にはパルミトイルトリペプチドやパルミトイルオリゴペプチドなどもシワや小じわを目立たなくするのに向いているペプチドです。

    美容鍼でコラーゲンを増やす

    お肌は表皮層、真皮層、皮下組織に分類され、特に重要なのが表皮の下にある真皮層です。真皮は、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸、線維芽細胞からなっており、その7割がコラーゲンを占め、肌の弾力を決めるといわれています。また線維芽細胞は、お肌がハリや弾力を保ち、みずみずしくあるためのコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの成分をつくりだす大切な役割を担っています。この3つの成分は、肌を構成する3大要素とも言われています。

    美容鍼のアプローチ

    この線維芽細胞が活発に働くことで、これらの成分の新陳代謝がスムーズに行われるのですが、この線維芽細胞を美容鍼で活性化させてあげることが美肌づくりに欠かせません。

    美容鍼によって刺激を与えると細胞は傷つけられたと認識し、その部分を修復するため、線維芽細胞が増殖します。そして自分の細胞でコラーゲンなど肌にとって大切な成分の生成を促すことができます。

    【本コラムの監修】

    恵比寿院長

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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