
顔のたるみの3大原因の1つは骨です。年を取ると骨が小さく萎縮するため、その上の皮膚がたるむ原因になります。
そして皮下組織と筋肉がたるみの原因です。まず骨や筋肉の上に重なっているのが皮下組織ですが、その中でも脂肪が重力により下がっていくことで顔のたるみも連動して起こります。そもそも土台がしっかりしていないとたるみの抜本的な改善にはつながりません。その土台がまさに骨と筋肉です。
その顔の筋肉が衰える原因が、加齢と使ってないことが原因になります。顔の筋肉は加齢による衰えとして、40歳くらいを過ぎた頃から筋肉を構成する筋繊維の本数が減少していく 傾向にあり、使わなければ体の他の部と同じく弱ります。また顔の筋肉は皮膚と一体化しているため、筋肉が弱ったり衰えたりすることで皮膚がたるみ、シワも増えやすくなります。またほうれい線が深くなったり、フェイスラインが垂れてきたり、口角が下がったり、マリオネットラインやゴルゴラインが目立つようになってしまいます。
それにも関わらず多くの人が意外に知らないのが、顔の筋肉は意識しないとあまり使われないことです。そもそも表情筋は約30種類以上もあること分かっており、表情筋はあくまでも総称で、多くの人が顔の筋肉を表情筋と一括りにして間違った顔トレをすることで、逆にたるむ人もいます。顔の筋肉には鍛えると顔が引き上がる筋肉と鍛えると逆に固くなり顔を引き下げる筋肉があります。
鍛えるべき筋肉と緩ませるべき筋肉
青い文字の筋肉がまさに鍛えると顔が引き上がる筋肉で、赤い文字の筋肉が固くなりやすい顔を引き下げる筋肉です。赤い文字の筋肉は鍛えると硬くなるため、筋膜を剥がすべき筋肉です。

代表的な顔が引き上がる筋肉は、頭から顔を引き上げる側頭筋や頬を引き上げる頬筋(きょうきん)と大・小頬骨筋、口元を引き上げる口角挙筋や口輪筋、そして顔を顎から引き上げる舌筋群があります。一方、顔を引き下げる筋肉は、硬くなると額をたるませる前頭筋や目をたるませる上眼瞼挙筋、食い縛り癖で固くなり、顎の歪みや顔のたるみを招く咬筋、そして顔を引き下げる、首の胸鎖乳突筋や広頚筋などが代表的な筋肉です。
たるみ改善のために鍛えるべき筋肉
フェイスラインを引き上げるために必要な鍛えるべき筋肉は側頭筋です。まず側頭筋をしっかりと指で捉えたまま、できるだけ上にぐっと引き上げてそのまま90秒キープしましょう。耳の上に両手の親指以外の4本の指を当ててみて、そのまま噛む動きをしてみると動くのが側頭筋です。1日1回90秒、1週間続けてみましょう。
次に両手を頬に当てて、顔を少し中央に寄せ引き上げて「う」の口を作りましょう。次に手のひらで顔を引き上げたまま、歯を合わせて口角を引き上げるようにして「い」の口を作りましょう。「う」と「い」の口の2つです。声を出しながらゆっくりと10回繰り返すだけで、頬や口元のたるみが改善できます。さらに口角の高さも揃うため顔の歪みの改善にもなります。
ちなみに4、50代女性の顔のたるみの悩みの1つに頬のこけたるみがあります。舌を頬の内側に当てて、外に向かってグっと押して30秒キープし、これを左右各1回ずつするだけで頬筋や口輪筋のヨレが回復し、こけたるみが改善していきます。
たるみを悪化させている顔を引き下げる筋肉
上目瞼挙筋や眼輪筋はまぶをたるませる原因になり、耳下腺筋膜は顎のたるみを引き起こす咬筋を覆う筋肉のため、フェイスラインを上げるにはこの筋膜を剥がすことが重要になります。筋膜は正しい方法でつまむだけである程度剥がれますが、筋膜剥がしをする時は肌に負担がかからないようにオイルやクリームを塗って摩擦を避けることが大切です。
垂れ下がってきたまぶを引き上げて目を大きくする筋膜剥がしは、上目瞼挙筋と眼輪筋の筋膜を剥がすことがポイントです。まず眉尻を親指と人差し指で軽くつまみ、そして5秒そのままキープします。そこが終わったら眉毛を6分割し、徐々に内側に指を移動させ、6箇所で同じことを繰り返します。それぞれ5秒キープし、眉頭まで終わったら次は反対も同じように繰り返しましょう。これを1週間続けるだけで前より引き上がったまぶたを実感することができます。
フェイスラインのたるみが気になる場合は、耳下腺筋膜を剥がします。まず耳の前のエラの上あたりを両手の親指と人差し指で痛くない程度の強さでつまみます。そのままの状態で内側に折りたたみ、表面の筋肉の癒着を剥がすイメージでつまみ、5秒そのままキープします。そして頬の下あたりまで何か所か同様につまみ、左右両方行い、1日1回するだけで フェイスラインアップします。
また、顔の引き上げ効果に大きく関係するものの1つに舌が関係しています。舌には舌筋群と呼ばれる筋肉があり、この筋肉が顔を引き上げるために大きな役割を果たしています。加齢と共に舌筋群が衰えると下が喉の奥に落ち込む「舌根沈下」が起き、顔のたるみの大きな原因になります。予防のためには、まず頭の後ろに手を組んで、顎を引き上げます。これだけでも喉の奥に落ち込んでいた舌筋が引き上がり、フェイスラインが引き上がることが実感できるはずです。そして、そのままの姿勢で舌を鼻先につつけるようなイメージでなるべく上に伸ばしてそのまま1分キープして下さい。
表情筋も大事、血流も大事
健康や老化の観点から血管の重要性が注目されており、血管の状態がそのまま見た目にダイレクトに影響します。血管が若々しい人は見た目も若々しく、血管が老化している人は見た目も体も老化していきます。実際にも実年齢よりも若々しく見える人は血管年齢が若いということが分かっています。
例えば、血管の壁が若々しく弾力性に富んでいて、血管が良好な状態に保たれている人は、人体のあらゆる器官や臓器に十分な量の血液を送りこむことができます。その結果、血液を必要としている様々な臓器がいつまでも健康に働き続けることができます。
私たちの健康にとって血管や血流が極めて重要です。体のすべての臓器や器官を健康に保ち、正しく機能させるベースとなるのが血管です。実際に医学の世界では、血管こそが健康の鍵を握っているという考え方に変わってきています。
柔らかくてしなやかな健康的な血管を維持することができれば、ほとんど全ての生活習慣病のリスクを下げることができます。これまで血圧が高いから血圧を下げる努力する、血糖値が高いから血糖値を下げる努力をする、肝臓が悪いから肝臓に悪い食べ物は避けるなどと一つ一つの対策に注目してきたかも知れません。
もちろんそれらも重要ですが、血管は全ての臓器を繋げて全身をコントロールしているのであるから血管さえ健康にすることができれば、当然のことながら血圧も下がるし、血糖値も下がるし、肝臓も良くなることができます。「人は血管とともに老いる」という有名な言葉があるように、血管が老化すると私たちの体も見た目も大きく老化してしまいます。
この血管年齢が大幅に老け、全身の血管がみるみる老化する悪い習慣があります。健康に気にしている方でも、血管を意識していないのであれば健康に気を使っているとは言えません。血管に関する病気は血管を健康的に保つことで防ぐことができます。
いつまでも若々しさを保つこと、アンチエイジングの鍵は血管が握っていると言っても過言ではありません。シミやシワ、肌の乾燥、ツヤなどは年を重なるとともに悩みにつながりますが、それでも最大限老化のスピードを遅らせることが可能であることが様々な研究で明らかになってきています。
自律神経を整えるインナーケア
美しさを手に入れるために最も大切なことの一つが、血流がスムーズであるということです。あなたが老けて見えてしまうのは、血流が悪くなってしまっているからです。まず血流が悪くなってしまうことで目立つのが肌や髪の状態の悪化です。
肌のハリは失われ、くすみやシミが気になってきます。髪の毛はパサつきがひどくなり、抜け毛が増えて髪のボリュームが全体的に減ってしまい ます。また血流が悪くなってしまうと体型も下半身に余分な脂肪がついたり、太りやすくなったりして、スタイルも悪くなってしまいます。
一方、血流が良い人は、肌や髪も艶やかで体型もキュッと引き締まった印象を与えます。血流が悪い状態でいくら美容にこだわったとしても効果は薄いでしょう。
血流が悪い状態から抜け出すには、自律神経のバランスを整えることです。自律神経の大切な働きが血管のコントロールです。交感神経が優位になると血管は収縮して狭くなり、血管内を流れる血液の量が少なくなります。
しかし副交感神経が優位になると血管が拡張して、血液がスムーズに流れるようになります。つまり収縮拡張が交互にバランスよく行われることで、質の良い血液が細胞の隅々まで届けられ、内蔵の働きも新陳代謝もスムーズになり、内側から美しくなっていくことができます。これこそが究極のインナーケアです。
しかし、加齢とともに血管は老化し、硬くなってしなやかさを失っていきます。これが動脈硬化で、動脈硬化が進むと細胞へ栄養が行き届かなくなり、肌はみるみる老化していきます。外側からいくら栄養たっぷりの美容液をつけても一瞬の効果しかありません。内側からの栄養が行き届かないと意味がありません。自律神経を整えるインナーケア、肌にも髪にも体型にも本当の意味で効果を発揮してくれます。
血管が老化する悪い習慣
歯周病
口の中に悪い菌が沢山存在していると血管の老化が起こってしまうということが最近分かってきています。私たちの口の中には沢山の細菌が存在しており、その多くは虫歯菌や歯周病菌などの私たちの歯の健康を脅かす菌です。中でも特に厄介な存在が歯周病菌です。近年、歯周病菌が引き起こす歯周病が様々な全身疾患を引き起こすきっかけになることが判明しています。
例えば、歯周病菌によって糖尿病のリスクが上がってしまうことが分かっています。そして糖尿病のように血糖値が上がった状態が長期間続いてしまうと、全身の血管に負担がかかり、全身の血管がダメージを受け、様々な血管障害が引き起こされてしまうことが分かっています。アメリカでの調査によると歯周病患者が糖尿病になる確率は、歯周病でない人の約2倍とされています。さらに歯周病を患っている人は、糖尿病と診断されるほどの高血糖ではなくても平均血糖値が高い人が多いということも明らかになっています。それは歯周病菌が出す毒素の影響で作られる炎症物質サイトカインが、血管を通して全身に放出され、インスリンの効き目が悪くなり、血糖値が上昇し、その結果糖尿病のリスクが高まると考えられています。
また、歯周病菌が血管の老化である動脈硬化に関わっている可能性も指摘されています。動脈硬化の病巣から歯周病菌が検出されており、5種類の歯周病菌が 動脈硬化を起こしている血管から見つかっています。歯周病菌が動脈硬化を引き起こすメカニズムは、歯周病菌が死肉から血管内に侵入、そして炎症性物質サイトカインを作り出します。このサイトカインによって血管に炎症が起こり、そして血栓ができて動脈硬化が進むと推測されています。
一方で、歯周病菌は血管に悪影響を与える以外にもアルツハイマー病や脳卒中、心筋梗塞など様々な病気にも関連しており、さらには脳の老化にまでも大きく関わっていることが近年次々に明らかになっています。またこれまでは食べ物などと一緒に飲み込んだ歯周病菌は、胃液によって殺されると考えられてきましたが、一部は生き残って腸まで届き、腸内環境を乱し、様々な体調不良の原因になることも指摘されています。
糖質と炭水化物でお腹ポッコリ
年齢とともにポッコリお腹が気になる方は、それは内臓脂肪を溜め込んでいるからです。内臓脂肪は肝臓や腸などの臓器の周りにある体脂肪であり、内臓の位置を固定する役割があります。内臓脂肪の蓄積と動脈硬化には密接な関係があり、内臓脂肪が蓄積するとアディポネクチンという動脈硬化を防いでくれる物質が減少し、その結果全身の血管に負担が掛かり、血管が老化し始めます。また内臓脂肪は、高血糖、糖尿病、高血圧、がん、認知症、加齢臭を引き起こす原因になると言われています。ちなみに寝る前の食事は体の構造上、食べたものが内臓脂肪として溜め込まれやすくなります。
内臓脂肪を落とす方法は、糖質制限と低炭水化物ダイエットです。内臓脂肪を激増させるのは糖質と炭水化物であり、太る原因を減らすことが第一です。研究では、太り過ぎの男女69人に8週間の炭水化物ダイエットを行なってもらうと、低脂肪ダイエットに比べて、内臓脂肪を10%、総脂肪を4.4%減らせることが示されました。つまり脂肪が太る原因ではなく、糖質と炭水化物こそが太る原因なのです。ただし厳しすぎる糖質制限は失敗の可能性が高いため、白い炭水化物(白米)を茶色い炭水化物(玄米)に変えてみましょう。
そして中強度以上の有酸素運動が内臓脂肪を減らす効果があることが分かっていますが、まずは散歩やウォーキングなどの軽い運動から初めてみましょう。
糖質の摂り過ぎ
お菓子とか甘いものを全く食べていない人であっても、毎日の主食によって血糖値が高い可能性があります。特に現代の主食は精製されたものが多く、食物繊維をほとんど含んでいません。例えば白米は小さな茶碗一杯150gで約50gの糖質を含んでいます。1日3食で、それだけで165Gの糖質を摂取しています。因みに1日あたりの糖質摂取量の目安は240gとされています。ただし実際はもっと糖質を減らすべきであると主張している論文は数え切れないほどあります。
そのため、例えば夜ご飯だけは主食を抜くなどといった工夫をし、同時に野菜や魚介類、肉類などの糖質の少ないものをもっと食事に取り入れていけば、自然と糖質の量を抑えることができると思います。こういったことをコツコツと実行することで血管の老化を防ぎ、血管の健康を守っていくことができます。
お酒(アルコール)を飲む
習慣的にお酒を飲む方は血圧が高くなり、慢性的に血圧が高い場合には、血管に常に負担が掛かり、血管の壁にダメージ加わり、血管の柔軟性が失われて硬直し、動脈硬化の原因にもなります。またお酒は少量でも死亡率が上昇することが大規模な研究によって結論付けられています。過度な飲酒は、肝臓の機能低下、栄養素を分解する機能も低下、血中の中性脂肪が増加、血液がドロドロになり、血管の老化が促進してしまいます。
自律神経と睡眠の乱れ
自律神経の大切な働きの中でも特に重要なのが血流の流れをコントロールする役割です。自律神経は交感神経と副交感神経の2種類がありますが、交感神経が働くと血管は収縮して狭くなり、血管内を流れる血液の量が少なくなります。 逆に副交感神経が働くと、血管が拡張して血液がスムーズに流れるようになります。
自律神経が整っていれば、この収縮拡張が交互にバランス良く行われることで 血流が良くなり、質の良い血液が細胞の隅々まで届けられます。しかし自律神経が乱れると血流が悪くなるため、体のあちこちに不調が現れ始めます。そして現代人はストレスを多く抱えており、さらにスマホやネットなど交感神経を刺激するものが周りに沢山溢れています。そのため交感神経が過剰に活性化してしまう傾向にあります。
一方で睡眠は血管にも非常に大きな役割を与えています。睡眠の質が悪い、睡眠時間が足りないなどによって、血管が十分に休むことができず疲労し、老化へと繋がっていきます。さらに寝ている間に成長ホルモンという細胞を修復したり、疲労を回復させてくれるホルモンが出ます。このホルモンによって傷ついた細胞も修復されますが、成長ホルモンが十分に分泌されないと血管の修復などがスムーズに行かずに血管の老化が加速してしまいます。
慢性的なストレス
適度なストレスや一時的なストレスではなく、慢性的なストレスが悪いストレスです。人間関係に悩む、常にプレッシャーを感じるなどの慢性的なストレスにそもそも私たちの体は対処するようには出来ていません。
私たちの祖先は、猛獣に襲われて危機を脱するために、副腎からコルチゾールが分泌し、血圧や血糖値が急上昇してエネルギーを生み出す仕組みが体には備わっています。このように一時的な大きなストレスによって火事場の馬鹿力を発揮するように体の仕組みがありますが、現代のように長く続く慢性的なストレスには対処できず、副腎は常にコルチゾールを分泌して働き続けることになります。休むことなく働き続けた結果、機能が低下して、副腎疲労という状態になり、脳と体にダメージが蓄積し、免疫システムの異常による炎症、メンタル疾患、全身の血管への悪影響が及ぼされます。
慢性的なストレスによってコレステロールや活性酸素が増加し、血管にダメージが及びます。またストレスによって赤血球同士がくっつきやすくなり血液がドロドロになります。また交感神経が過剰に働き、血管が収縮、血圧が上昇して血管がダメージを受けます。
精神的な疲労
精神的な疲労を取り除いてやることが血管を健康に保つ上でも非常に重要です。例えば、精神的な疲労やストレスによって血流が悪化し、血管に害がもたらされ、その結果心筋梗塞のリスクが増加してしまう研究があります。例え一時的なストレスであっても心筋梗塞のリスクは1.4倍ほどになり、慢性的なストレスの場合のリスクは2倍に跳ね上がることが確認されています。
一般的に、喫煙や高血圧、コレステロールが高いといった状態は心筋梗塞のリスクを高めるということが知られていますが、ストレスもこういったものに匹敵するレベルで心筋梗塞のリスクを高めてしまうということが研究によって 明らかになっています。例えばストレスによって、自律神経が乱れ、その結果血流が悪くなったり、筋肉が硬くなってしまうことで血流が悪くなるという理由が考えられます。
血流を綺麗にする食べ物
血液はあらゆる種類の物質(酸素、ホルモン、糖、脂質、ミネラル、ビタミンなど)を体の隅々の細胞まで運ぶという重要な役割を持っています。そして私たちの体には毒素や老廃物をしっかり除去して血液を浄化する「肝臓」「腎臓」があります。つまり肝臓と腎臓の機能を高めて上げることが健康的な体づくりにつながります。その機能を高めるためにしっかりとサポートしてくれる食べ物を摂ることが大切です。
ダークチョコレート
ダークチョコレートは、カカオ含有量が70から85%以上のチョコレートのことです。抗酸化物質を始めとした様々な栄養素が豊富に含まれ、特に食物繊維は100gあたり約11gも含まれており、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、カリウム、リン、亜鉛、セレンなどのミネラルも豊富に含まれています。さらにオリーブオイルなどに含まれる健康的な脂質であるオレイン酸が含まれています。
さらにダークチョコは血流を改善し、血圧を下げる可能性があることが研究で明らかになっています。含まれるポリフェノールの一種であるフラバノールは、血管内皮細胞を刺激して一酸化窒素の生成を促し、血管を柔らかくしなやかに保ち、増加した一酸化窒素によって血流を促進し血圧を低下させる効果があります。
その他の研究では、健常な男女21名に高フラボノイドチョコ、低フラボノイドチョコのいずれか46gを2週間食べてもらい、血管のしなやかさがどう変わるかを調べたところ、前者は血管のしなやかさが増していることが分かっています。
グレープフルーツ、りんご
グレープフルーツに含まれる抗酸化物質が肝臓をダメージから守る役割を担い、その結果肝臓の機能が高まり、血液を綺麗にする作用が促進されることが期待されています。またグレープフルーツに含まれるクエン酸が腎臓のカルシウムと結合して体外へ排出してくれ、腎臓結石の発症リスクを減らすことも示唆されています。
さらに、食物繊維、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質が豊富に含まれ、栄養価の高い果物であるにも関わらず、最もカロリーが低い果物のひとつです。定期的に食べることで糖尿病につながる可能性のあるインスリン抵抗性を防いでくれることも示唆されています。ただし外国産の柑橘類には農薬や防腐剤が多く使われているため、避けるようにしてください。
りんごにはペクチンという水溶性食物繊維が大量に含まれており、血糖値をコントロールすることに役立つと言われています。血糖値が高いと腎臓にダメージを与える可能性があるため、血糖値を抑えることは腎臓の健康に間接的にプラスの影響を与えてくれます。
リンゴに含まれるフラボノイドは、体内の炎症を軽減し、心臓の健康を維持することが示されている化合物です。また1日に1つのリンゴを食べると2型糖尿病を発症するリスクが28%低くなるという大規模なレビューもあります。
緑茶、ブラックコーヒー
緑茶にはポリフェノール(カテキン)が豊富に含まれていることが有名ですが、具体的にはエピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)という物質に抗酸化作用があり、体内でのフリーラジカルの形成を減らし、細胞や組織をフリーラジカルのダメージから守ってくれます。また緑茶に含まれるアミノ酸のL-テアニンは、抗不安作用を持つ抑制性神経伝達物質(GABA)の活性を高めてくれる働きがあり、リラックス効果が期待できます。
一方で緑茶の消費と肝臓がんのリスクを調査したメタ分析によると、緑茶を飲むと肝臓の健康が改善され、肝臓の脂肪が減少したことが分かっています。ただし緑茶には農薬の問題があるため、無農薬で育てられた茶葉を選びましょう。
40から69歳の男女約9万人を約10年間追跡調査した日本の研究では、コーヒー摂取と肝がんの発生率との関係を調査したところ、ほぼ毎日飲む人は発生率が半分に減少し、1日5杯以上飲む人は4分の1まで低下したことが分かっています。このメカニズムは解明されていませんが、炎症を和らげる作用によって肝炎の進行を防ぎ、肝がんを予防しているのではないかと考えられています。またクロロゲン酸などの抗酸化物質が含まれており、肝がんの予防に効果的であった可能性が示唆されています。
青魚
鮭、イワシ、マグロ、秋刀魚などの青魚に含まれるオメガ3脂肪酸が多く含まれ、血中の中性脂肪を低下させて血圧を下げる効果があります。中性脂肪と血圧が低下すれば、肝臓と腎臓にも良い影響を与えることができ、間接的に肝臓と腎臓の健康にもつながります。
また、含まれるEPAは血液をサラサラにしてくれる効果が認められており、EPA含有量が多い青魚のランキングは1位が鯖、2位秋刀魚、3位マグロです。ぜひ鯖缶を活用してみましょう。
自律神経と整えるサウナ
サウナが血流を促進し、血管を鍛えてくれ、自律神経を整えるのに最適であるというのはご存知かもしれません。なんとなく毎日だるい、疲れが取れないと感じている人は自律神経が乱れている状態のため、サウナに入って強力に自律神経を整えてやればその症状が大きく改善される可能性があります。
このサウナによって様々な健康効果が得られるエビデンスも出揃ってきました。サウナで「整う」というのを聞いたことがあると思います。なぜ整うかというと、それは自律神経が関係しています。実はサウナで整うというのは=自律神経が整うことです。高温のサウナで体を温め、その後水風呂または外気浴で体を冷ます、それを複数回繰り返すというサウナは、自律神経に良い刺激を与えてくれます。この温度変化によって血流が良くなり、自律神経が整い、体の調子も 整うというわけです。
なんとなく疲れているとか、興奮して眠れない日が続いている時は、自律神経が乱れていたり、働きが悪くなってきている状態です。これは言わば錆びついて動かない状態であり、このサビを取りスイッチをオンにすることが整うということです。特に夜眠れないと感じている人ほどサウナに行ってみて欲しいと 思います。それはサウナに入った日は寝つきが良いと感じる人が多いからです。サウナに夕方に入れば、交感神経から副交感神経への切り替えがスムーズに行われるようになり、より深い睡眠を得やすくなります。そして睡眠だけでなくサウナに入って自律神経が整うと数々のメリットが得られるようになります。
当然美容にも大きな効果がもたらされ、肌荒れなどが改善していくのを感じられるでしょう。肌のバリア機能が正常に働き、肌表面の温度差による刺激で血流が良くなることで、肌のターンオーバーが促進されます。
美容鍼でアンチエイジング
血管を健康に保ちたいと思うのならば血流を良くすることが極めて重要です。血流を良くすれば自然と血管は健康になり、その結果ますます血流が良くなり 血管もさらに健康になっていくという好循環が生まれます。
しかし、日本人のおよそ4人に1人が血管が原因で起こる病気、いわゆる血管病によって命を落としています。血管の働きは血流をスムーズに流し、全身の細胞を一つ一つに酸素と栄養を届けることです。しかし血流が悪くなると一つ一つの細胞に生きるための栄養が届かなくなります。その結果、体に様々な不調が現れてしまいます。また血流の悪化は、肌や髪のトラブル、肩こりや腰痛、冷えなどを引き起こします。また日本人の死因の多くを占める心筋梗塞や脳卒中は、実は血管の病気です。その原因が血管の老化、つまり動脈硬化です。
例えば、心筋梗塞は心臓の筋肉が酸素不足になって壊死してしまう病気です。心臓の筋肉がそもそも酸素不足になるのかというと、心臓の筋肉を取り巻いている冠動脈と動脈が動脈硬化で固まり、血液の通り道が塞がれ、心筋に血液を送ることができなくなるからです。また脳卒中も同じく血管の病気です。脳卒中は脳の血管が詰まったり、破れたりすることによって脳が障害を受ける病気のことで、後遺症を伴ったり、最悪の場合は死に至ります。脳卒中には、脳の血管が詰まったことが原因で起こる脳梗塞、脳の血管が破れたことが原因で起こる脳出血やくも膜下出血があります。
血管の老化が進んでいる人の特徴として血流が悪いことが挙げられます。血流を促進する最も簡単で効果的な方法は体を動かすことでしょう。運動が健康に良いのは血流が促進されるということが大きな理由の一つです。運動をして定期的に汗をかくことによって、血流を促進することができます。
どうしても無理な場合はその代わりとして美容鍼灸を予約するという方法も有効でしょう。実は美容鍼灸というのは私たちに数々のメリットをもたらしてくれます。まずは血流が促進されることで、実際に鍼灸をすることによって全身の血流が促進され、血管内皮細胞の機能が改善されるということが研究によって分かっています。また美容鍼灸を受けることによって、セロトニンやオキシトシンといった癒しを与えてくれるホルモン物質が増えて、さらにストレスホルモンであるコルチゾールも減ることが分かっています。
また頸動脈のような太い血管が通っている首をインディバで温めるということも血流を促進する上で非常に効果的です。さらに首を温めることで自律神経が整うため、体調が良くなるという効果も期待できます。
【本コラムの監修】

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。