バナナを食べ続けることのメリットは腸が変化することです。腸は食べ物を消化吸収する役割だけではなく、最新研究によって腸は、私たちの全身の健康に大きな影響を与えることが分かってきています。健康は腸から始まるという言葉があるほど腸は私たちの全身の臓器に密接に結びついていて、大きな影響を及ぼし合っていること明らかになってきています。つまり腸が乱れてしまうと全身の臓器の調子もまた乱れてしまうということになり、私たちの心と体の健康は全て腸から始まると言われている所以はここにあります。
腸には免疫機能の7割が集まっており、免疫力を高めたいと思ったらまずは免疫機能の7割が集まっている腸を整えることが最短ルートです。また腸は第二の脳と言われ、脳と腸は密接に関係していると言われています。実際にうつ病の患者は腸内環境が乱れていたり、便秘や下痢が多いというデータも報告されており、腸内細菌が生み出した有害物質が脳に到達して認知症を招くとも言われています。
バナナで腸内環境を整える
バナナには食物繊維、オリゴ糖、レジスタントスターチという腸内環境を整えるためにとても大切な栄養素が多く含まれています。
食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、この両者をバランスよく摂ることが腸の健康を守る上で重要です。食物繊維は、健康に有益な働きをしてくれている善玉菌の餌となって善玉菌の増殖を促進し、健康に様々なプラスの効果をもたらしてくれます。また善玉菌は酢酸、プロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸という体に重要な物質を作り出してくれています。
短鎖脂肪酸は、結腸の細胞に栄養を与えることができ、腸の炎症を軽減し、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎などの消化器疾患を改善するのに役立ってくれます。このように食物繊維を積極的に摂取するべきにも関わらず多くの人は食物繊維を十分に摂取できておらず、食物繊維不足に陥っていると言われています。
そして注目を集めているのがバナナに含まれているレジスタントスターチという成分です。レジスタントスターチは、食物繊維と同様消化されずに大腸まで届き作用します。このレジスタントスターチは、ハイパー食物繊維とも呼ばれていて、不溶性と水溶性の食物繊維の機能を兼ね備えており、レジスタントスターチは善玉菌が住みやすいように腸をきれいにする上に、餌となり善玉菌を元気にしてくれる働きがあります。
また、バナナが腸を整えてくれるのはレジスタントスターチに加えて、腸を元気にするフラクトオリゴ糖が豊富に含まれているからです。フラクトオリゴ糖は、消化吸収されず大腸までそのまま届き、善玉菌の餌となって善玉菌を増やし、腸内環境を改善する栄養素です。
バナナで体内炎症を抑える
しっかり寝たはずなのになんだか疲れが取れない、すぐに疲れてしまう、何だかいつも調子が悪い、頭がモヤモヤする、やる気や元気が出ないなど、このような謎の体調不良は、体内でおそらく炎症が起きてしまっていることが原因です。実際に体内で炎症が起こっている人は、こういった謎の不調を感じやすいということが分かっています。
因みに、普通の人よりもはるかに長生きをしているスーパー高齢者の体内の状況を調べたところ、一般的な高齢者に比べて体の炎症レベルが異様に低かったことが分かっています。この結果を受けて体内の炎症レベルを見れば、老化のスピードが予測できると研究者は述べています。さらに慢性炎症は動脈硬化を引き起こし、心臓病や脳卒中のリスクを高めてしまいます。さらに炎症は糖尿病のリスクを高めたり、関節炎のリスクを高めたり、さらにはアルツハイマー病、がん、自己免疫疾患など様々な病気の発症リスクを上げてしまいます。
実はバナナを食べることによって炎症を抑えることができることが示唆されています。バナナに含まれるレジスタントスターチを摂ると体内で酪酸という短鎖脂肪酸が多量に作られます。この酪酸は体内で炎症を引き起こす有害なサイトカインを抑制することによって炎症を抑えてくれることが分かっています。またレジスタントスターチを摂取することによって、酪酸が作られるとともに腸内環境が整います。そして腸内環境が整えば、免疫も整います。また酪酸はT細胞の機能を改善し、炎症反応を制御することも示唆されています。さらに酪酸は、大腸の腸壁に粘膜バリアを作って有害菌の感染や異物の侵入を阻止してくれることまで分かっています。
バナナで肌がツヤツヤ
血液は体の中を隅々まで循環し、栄養素や酸素を体の隅々まで行き渡らせる運び屋であると同時に、一つ一つの細胞で生まれた老廃物を回収する掃除屋でもあります。私たちの体中に走っている血管は地球2周半ほどの長さと言われています。
そのため食べ物から栄養を吸収する大切な場所である腸が汚れていれば、血液まで汚れてしまい、全身の細胞に汚れた血液が運ばれてしまいます。例えば大腸の中に未消化のタンパク質が存在していたり、腸内で悪玉菌が増殖してしまい、悪玉菌が有害物質を作り出してしまうと、それが大腸から血液に乗って全身に移行します。そして肌に運ばれてしまうと肌の細胞の再生を阻害してしまい、肌のトラブルが引き起こされることが分かっています。
また、その毒素が頭皮に運ばれてしまうと髪のツヤがなくなってしまったり、抜け毛が増えてしまったり、薄毛になってしまったなどの頭皮トラブルも引き起こしかねません。
それでは腸に蓄積した有害物をきれいにお掃除するには、バナナに含まれているレジスタントスターチが有効です。レジスタントスターチを食べれば、食べてから便が出てくる時間を早くすることができます。その分有害物質が腸に留まる時間を少なくすることができます。またレジスタントスターチを摂ることによって 便の傘が増します。その結果、腸にとどまっている便の中の有害物質の濃度を下げることもできます。
さらにバナナには、レジスタントスターチ以外にも強い抗酸化力を持つポリフェノールが豊富に含まれています。老化現象は、体内で発生する活性酸素によって金属が錆びるように細胞が酸化していくことが原因とされています。体内で過剰に活性酸素が作られてしまうと、それが細胞やDNAを攻撃することによって錆びさせてしまい、その結果様々な老化現象が現れてしまいます。
バナナには、このような活性酸素を撃退してくれる抗酸化物質、ポリフェノールが豊富に含まれています。さらにバナナが私たちを若々しく保ってくれるのはポリフェノールだけではありません。
バナナには、肌荒れ予防や美肌効果を持ち、美容ビタミンと呼ばれているビタミンB群が豊富に含まれています。例えばバナナに豊富に含まれているビタミンB3は、肌の再生を助け、水分を保持する能力を向上させてくれます。また皮膚の赤みや炎症を和らげ、紫外線による損傷を修復するのに役立つとされています。さらにバナナに含まれているビタミンB2は、皮膚、髪、爪の健康を維持するために重要です。また皮膚の細胞を修復し再生するのを助けてくれ、肌荒れを防いでくれるビタミンB6が含まれています。
バナナはたった一つの食品で全8種類あるすべてのビタミンB群をバランスよく摂取できる、いわば天然の美容サプリメントともいえるほど優秀な食材です。
バナナで痩せる
バナナを食べることによる体重増加を心配される方がいらっしゃるかもしれません。ですがバナナは、腹持ちが良いにも関わらずカロリーは1本あたり約100キロカロリーほどしかありません。ご飯やパンなどとも比べてカロリーが低く、さらに脂質もほとんど含まれていません。
またバナナには、レジスタントスターチがたっぷり含まれており、ダイエット効果が期待できます。例えばレジスタントスターチは、消化に時間がかかるため、長期間に渡って満腹感をキープさせてくれます。これによって間食が減ったり、食べる全体の量が減ったりし、結果として摂取カロリーを楽に減らすことができます。
さらにバナナには、レジスタントスターチに加えて水溶性食物繊維も豊富に含まれています。水溶性食物繊維は、消化中に液体に溶けてゲル状になり、食後の血糖値の上昇を抑えることができます。さらに胃が空っぽになるのを遅らせることで食欲を調整する働きもあります。
またバナナを食べても血糖値が上がりにくいことも実際に確かめられています。例えばGI値は、その食品を食べた直後に血糖値がどのくらい上がるのかの基準で、このGI値がその食材を取った時に太りやすいのか、太りにくいのかを見極める判断基準の一つになります。バナナはGI値が低いということが分かっており、太りたくないという人であっても安心して食べることができます。
一方で、レジスタントスターチをはじめとしたバナナに含まれている有効成分によって、腸内環境が整うということも体重を減らすのに効果的です。健康的な腸内環境は肥満のリスクを低減する可能性があると示されています。
例えば、レジスタントスターチを摂取することによって善玉菌の餌になり、善玉菌は短鎖脂肪酸と呼ばれる物質を体内で作り出します。この短鎖脂肪酸は、体の脂肪組織に作用し、もうこれ以上脂肪を取り込まないよう指令を送ります。その結果、脂肪細胞の脂肪の取り込みが抑えられ、太るのを抑えることができます。また短鎖脂肪酸によって体温が上がったり、心拍が上がったりすることで代謝が上がり痩せやすくなることも分かっています。
バナナでアレルギーが改善
例えば日常的にバナナを食べることによって花粉症の症状が緩和されるという 研究があります。対象者が8週間1日2本のバナナを食べ続けたところ、自覚症状では、特にくしゃみが改善されたことが分かっています。このことからバナナは花粉症に効果と言うことで注目度がアップしました。
またバナナを摂取することによって、腸内環境が整います。腸内環境はアレルギーとも密接に関係しており、腸内環境は私たちの健康に大きな影響を与えています。腸内の細菌は、消化、栄養素の吸収、免疫系の調節、そして様々な疾患との関係に影響していることが科学的に認識されています。
そしてアレルギーと腸内環境の間には密接な関連があるということが分かっています。腸内フローラは、免疫系と密接に関係していて、免疫応答の調節に重要な役割を果たします。これには当然アレルギー反応も含まれます。なぜならアレルギーは、そもそも体の免疫システムがアレルゲンと呼ばれる特定の物質に過剰に反応してしまう状態であり、通常であれば免疫システムはバクテリアやウイルスなどの外部から侵入してくる有害な物質に対して反応を示します。しかしアレルギーの場合は、免疫システムは花粉、ダニの排泄物、食物、ペットの皮膚や髪の一部、薬など通常は無害であるべき物質に対しても反応を示してしまいます。
腸内環境が乱れると免疫系のバランスが崩れ、アレルギー反応が引き起こられやすくなる可能性があります。なのでバナナによって腸内環境を整えることで 免疫が整い、アレルギーが軽減される可能性があります。実際に研究では、フラクトオリゴ糖やレジスタントスターチといった腸内環境を整える物質を摂取することで、アレルギー症状が軽減されることが示されています。
買ってはいけないバナナの特徴
安い海外産のバナナは買ってはいけません。やはり安いには安いなりの理由が隠されています。特に安い海外産のバナナには、たくさんの危険性が潜んでいることが指摘されています。安い海外産のバナナの多くには農薬が大量に使われています。
例えば、日本では多くのバナナをフィリピンから輸入していますが、効率よくコストを抑えて大量生産するために、バナナを栽培する時に農薬を小型飛行機からばらまいています。2019年に大手ブランドを含むバナナの農薬スクリーニング検査が行われており、45検体中31検体から合計9種類もの農薬が検出されたと報告されています。さらに検出された農薬の中にはネオニコチノイド系農薬も存在していました。
さらに海外産のバナナは、海外から大量のバナナが船積みされて日本にやってくるため、防カビ剤が使われてしまっています。輸送中のバナナは、カビの増殖を防ぐに防カビ剤がたっぷりふりかけられている可能性があります。これはバナナに限らず、海外産のフルーツでは特に気をつけるべき点であるとよく指摘されています。
安心安全の体に良いバナナを選ぶためには、例えば有機ジャスマークがついているものの中で無農薬の印がついているものであれば農薬の問題に関しては安全でしょう。またレインフォレストアライアンスによって認証されたバナナを選ぶというのも素晴らしい選択です。
レインフォレストアライアンスは、長年にわたり世界の大企業の多くと協力してバナナの生産工程を改善し、生産者により持続可能な栽培方法の研修を行い、地域コミュニティやNGO、科学者とのパートナーシップを構築し、業界の変革に取り組んでおり、この認証マークは農作物だけでなく、その生産工程にまでメスを入れて認証を行っています。
もう一点バナナを買うときに意識して欲しいのが、グリーンチップと呼ばれる 茎の部分に緑色がまだ残っているバナナをチョイスして欲しいということです。実はバナナは成熟していくにつれてレジスタントスターチの含有量が減少したという結果が出ています。つまり全体が青めのバナナの方がレジスタントスターチが豊富になります。
ダークチョコレートで若返り
ダークチョコレートは健康に良い影響を与える抗酸化物質をはじめとした様々な栄養素が豊富に詰め込まれているスーパー フードです。まずダークチョコレートには食物繊維がたっぷりと含まれています。100gあたり約11gの食物繊維が含まれていて、これは数ある食べ物の中でもトップレベルの食物繊維含有量です。さらには鉄、マグネシウム、銅、マンガン、カリウム、リン、亜鉛、セレンなどのミネラルも豊富に含まれています。またダークチョコレートには健康的な脂質も含まれています。オリーブオイルなどにも含まれている心臓の健康に良いオレイン酸などの脂肪が主に含まれています。
そしてダークチョコレートにポリフェノールがたっぷり含まれているということは聞いたことがあるでしょう。これまでポリフェノールといえば赤ワインが有名でしたが、より効率的に摂取できるのはダークチョコレートです。ちなみにカカオ成分72%のダークチョコレートに含まれるポリフェノールの量は、赤ワインの約15倍です。
活性酸素によって体内の細胞や遺伝子が傷ついてしまい、老化が加速してしまったり、アルツハイマー病、動脈硬化などといった病気が引き起こされてしまいます。この活性酸素は、私たちの体を動かなくなるように錆びさせ、衰えさせてしまう厄介な存在です。このような体の酸化を食い止める力が抗酸化力であり、抗酸化力の代表がポリフェノールです。
強い抗酸化力を持つポリフェノールは、直接的に活性酸素を退治し、体の老化から身を守り、アンチエイジングや生活習慣病の予防などに力を発揮してくれます。ダークチョコレートに含まれているカカオポリフェノールは他のポリフェノールに比べてより抗酸化力が期待できると言われています。
ダークチョコレートで腸内環境が整う
ダークチョコレートには、食物繊維が豊富に含まれています。現代人に不足しがちな食物繊維をダークチョコレートを摂取することで補給でき、その結果腸はどんどん整っていくことでしょう。さらに食物繊維に加えてもう一つダークチョコレートには腸を整えてくれるカカオプロテインという成分が含まれています。
このカカオプロテインは多くが小腸で消化されず、大腸までしっかりと届き、善玉菌の餌になって善玉菌を増やしてくれることが分かっています。さらにカカオプロテインは善玉菌を増やしてくれるというメリット以外にも、便の傘を増して便の量を増やしてくれる効果もあります。便秘の人は死亡率が上がってしまうことも研究によって明らかになっており、様々な不調が体に現れてしまうことも分かっています。
ダークチョコレートでストレスが激減
私たちは仕事や家事、やらなければいけないタスクなどに追われ、日々せわしなく過ごしており、毎日時間がない時間がないという感覚に追われています。実はこの時間がない感覚は、私たちに大きなストレスを与えることが分かっています。さらには対人関係のストレスも現代では大きい要素です。このような忙しすぎるという状況と対人関係のストレスによって、とても多くの人がメンタルの状態を崩しています。
いくつかの研究によってダークチョコレートを摂取することでメンタルが健康になったり、気分が改善されることが明らかになっています。チョコレートの摂取とうつ病の症状には関係があるのかを調べたアメリカの成人約1万4000人を対象とした調査によると、ダークチョコレートを多く摂取している人は、定期的に摂取していない人に比べ、抑うつ症状を経験する確率が57%も低かったそうです。その他にもダークチョコレートを食べた人々は、プラセボを食べた人々と比べ気分がより穏やかになったということが示されていたり、定期的に ダークチョコレートを食べることによってストレスや抑うつ不安が減り、心の健康が改善される可能性があることが報告されています。
これらは、チョコレートに含まれているフラバノールやフェニルエチルアミン、トリプトファンなどの成分によるものと考えられています。例えばダークチョコレートに含まれているフラバノールは、強力な抗酸化作用を持ち、脳の健康と機能を保つのに重要な役割を果たしていると考えられます。このフラバノールによってストレスと戦う能力が高まって気分が改善されると考えられています。
さらにダークチョコレートに含まれているフェニルエチルアミンは、恋愛ホルモンとも呼ばれる成分で、人をハッピーにする感情を引き起こすことが知られています。この化学物質は脳内でドーパミンの放出を刺激し、喜びや報酬感を生み出します。さらにダークチョコレートに含まれているトリプトファンは 幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの生成に重要な役割を果たしています。
セロトニンは気分を高めリラクゼーションを促進し、全体的な幸福感を高めてくれ健康に生きるために絶対に必要な幸せホルモンです。
ダークチョコレートで痩せる
おそらく多くの人がチョコレートというのはカロリーが高く、太るというイメージを持っていると思います。ですがダークチョコレートは食べることによって 、逆に痩せていく食べ物です。
なぜ痩せるのかの理由はいくつかありますが、まず挙げられる理由がダークチョコレートを食べると空腹感や食欲が減少するからです。ダークチョコレートによって食欲が抑えられ、空腹感が抑えられ、満腹感がキープでき、ダイエット効果が期待できることが複数の研究によって指摘されています。例えばある研究ではダークチョコレートの匂いを嗅ぐだけで食欲が減って、空腹を刺激するホルモンであるグレリンのレベルが低下したことが確認されています。
またミルクチョコレートとダークチョコレートの効果を比較した実験では、ダークチョコレートを食べた人の方が空腹感を感じず、より満腹感と満足感を得たことも分かりました。さらにミルクチョコレートを食べた参加者と比べ、その後の食事で消費するカロリーも17%少なかったことも分かりました。
空腹感や食欲をいかにコントロールするのかが体重を減らしたり、ダイエットを成功させる上で極めて重要なのは言うまでもありません。またダークチョコレートに含まれるフラバノールは、体脂肪の代謝を改善し、体重減少を助けてくれる可能性があるとされています。
また、ダークチョコレートはインスリンに対する感受性を向上させることを示す研究結果もあります。これによって血中のインスリン濃度を下げることができ、体重を減らしたり、脂肪の続きを減らせる可能性があります。またダークチョコレートを摂取することで血糖値のコントロールがより上手くいくようになる研究もあります。ダークチョコレートを摂取すること 血糖値を上手にコントロールすることができて、血糖値の急上昇や急降下を防ぐことができ、肥満を防いだり、強い空腹感を防ぐことができるとされています。
さらにダイエット効果だけでなく、糖尿病に関しても非常に面白いことが分かっています。2017年の研究によるとチョコレートをほとんど摂取しない参加者は、少なくとも週に1回ダークチョコレートを摂取する参加者に比べ5年後に 糖尿病を発症するリスクがほぼ2倍になるということが示されています。
ダークチョコレートで血流が改善
ダークチョコレートには血流を改善し、血圧を下げる可能性があるということが研究によって分かっています。2011 年に発表された研究では、ダークチョコレートを摂取することで血管がリラックスし、血流が改善されることが示されました。
血管を健康に保つためにとても重要となる物質は、一酸化窒素です。この一酸化窒素は、血管の内側に存在している血管内皮細胞という細胞から分泌されて、 血管を柔らかくしてしなやかに保ってくれる重要な働きがあります。また一酸化窒素は血管壁の平滑筋をリラックスさせ、血管を拡張してくれます。これによって血流が増加し、体全体に酸素と栄養素がより効率的に運ばれるようになります。そしてダークチョコレートを摂取することによって一酸化窒素が増えることが分かっています。
ダークチョコレートにはポリフェノールの一種であるフラバノールという物質が豊富に含まれています。このフラバノールが血管の血管内皮細胞という細胞を刺激し、一酸化窒素を作り出すように促します。その結果、血管の健康が保たれます。さらに一酸化窒素は血管を広げて血流を促進するとともに、血圧を下げてくれます。
実際に、健常な男女21名に高フラボノイドチョコレートあるいは低フラボノイドチョコレートのいずれか46gを2週間食べてもらい、血管のしなやかさを調査した研究では、高フラボノイドチョコレートを食べた人たちは、低フラボノイドに比べ、血管のしなやかさが増していることが分かっています。
またその他の研究でも、ダークチョコレートの血圧を下げてくれる効果が認められています。2007年のランダム化対照試験では、毎日少量6.3gのダークチョコレートを摂取したグループは、18週間後に収縮期および拡張期血圧が有意に低下したと結論付けられています。
またダークチョコレートを摂取することで血栓の予防にもつながります。一酸化窒素は、血小板の凝集を防いで血液の塊である血栓の形成を抑制してくれます。これは心臓発作や脳卒中などの重大な健康問題を防ぐのに役立ってくれます。また一酸化窒素は炎症を抑える作用もあります。これは血管の健康を保つために重要であり、動脈硬化などの疾患のリスクを減らすことができます。
このように血管の健康、つまり血管が若く保たれてる状態は、全身の健康状態を維持するために非常に重要です。血管は全身の組織と器官に酸素と栄養分役割を果たしています。血管が健康であればあるほど血液の流れはスムーズになり、体全体が適切に機能することができます。また血管が健康であれば心臓病や脳卒中といった命を脅かすような疾患を予防することができます。
また「人は血管から老いる」という言葉があるように、いつまでも若々しく、いつまでも綺麗でいたいと思うのであれば、血管を若々しく保つということは絶対に必要な要素です。
ダークチョコレートを食べる注意点
ポリフェノールという観点からダークチョコレートを一気にまとめて食べることはおすすめできません。なぜならダークチョコレートに含まれているポリフェノールは、体内で蓄積することができず、摂取してから効果が持続するのは3、4時間程度であることが分かっているからです。このポリフェノールの性質を 考えれば、チョコレート一度にまとめて食べるのではなくて数時間おきに少量ずつ毎日食べるのが良いでしょう。またカフェインという観点からも一度に一気に食べることはおすすめできません。ダークチョコレートには、カフェインが含まれており、一度に大量に食べてしまうとカフェインの摂りすぎになって しまう可能性があります。
そして72%以上のダークチョコレートを1日25g摂取することがおすすめされています。私たちの健康や老化防止にとって非常に重要なポリフェノールですが、多くの人がポリフェノール不足に陥っていることが分かっているため、1日 25gのダークチョコレートを食べれば、その不足分が補えることが分かっています。
【本コラムの監修】
・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。