心と体に最適な食べ物

    心と体に最適な食べ物

    私たちの身体は食事によってつくられており、食べているものを変えることでいくらでも心と体の調子を整えることができます。何を食べるのかは自分でコントロールできるものであり、食事は全ての土台となる最も重要なものです。

    健康と美容に欠かせないタンパク質

    近年は生活習慣の乱れや多忙が原因で朝食を摂らない人が増えてきていますが、アンチエイジングの観点からは推奨できないという専門家も多くいます。朝食はエネルギー供給の源であり、老化防止に関連する多くの要因に影響を及ぼすため、適切な朝食の摂取が欠かせません。

    朝食は代謝を活性化する刺激となり、1日の代謝活動をスタートさせることができ、エネルギーの消費を高めて体重の増加を防ぐ助けにもなってくれます。逆に朝食を抜くと代謝が低下し、エネルギーの消費が減少することもあります。結果的に体重の増加や脂肪の蓄積が促進される可能性があります。

    さらに朝食の摂取は、インスリンやコルチゾールなどのホルモン調整もしてくれ、これらのホルモンはエネルギー管理やストレスレベルに影響を与える重要な役割を果たしています。朝食を抜いてしまうとホルモン調整ができず、眠気が続いたり、イライラしやすくなることもあります。また朝食を抜くと昼食まで時間が空き、空腹感が強くなり、この強い空腹感を満たすために昼食を食べ過ぎてしまう可能性があります。昼食で大量の食べ物を摂取すると血糖値が急激に上昇し、インスリンを大量に分泌させることになり体に大きな負担をかけてしまいます。そのため一時的なエネルギー不足を引き起こしたり、無気力感を感じたりすることがあります。

    アンチエイジングのために朝から摂るべき栄養素はタンパク質です。タンパク質は生命を支える基盤となる栄養素でアミノ酸という小さな単位の鎖から構成されています。これらのアミノ酸は特定の順番で結合することで多様なタンパク質が形成しており、体に必要とされるアミノ酸は全部で20種類です。そのうち9つは体内で合成することができない必須アミノ酸であり、この必須アミノ酸をしっかり食事から摂取しないと身体の機能が衰えてしまう原因になります。

    体の多くの部分、特に筋肉、骨、皮膚、髪、爪はタンパク質から作られ、体が成長する時や 損傷を受けた時に、タンパク質はこれらの部位の修復や再生に不可欠です。タンパク質不足だった場合は、体がうまく成長できなかったり、傷が綺麗に治らなかったりすることになります。

    また、体内には多数のホルモンが存在し、そのホルモンの多くがタンパク質から構成されています。ホルモンは器官や組織間の通信を助ける役割を果たし、ホルモンが体の様々なプロセスや機能を調節するから心身ともに健康を保つことができています。例えば成長ホルモンは、細胞の成長や再生を促進し、骨や筋肉の成長を助けるホルモンです。この成長ホルモンもタンパク質から構成されていて、タンパク質が不足すると分泌量が低下します。成長ホルモンの量が低下すると骨や筋肉が弱体化し、老化を促進してしまうことになります。幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンもタンパク質で構成されているホルモンであり、オキシトシンは愛情を増強する効果があり、幸福感などにも関わっています。タンパク質不足でオキシトシンの分泌量が低下すると幸福度が下がる可能性もあります。

    タンパク質は緊急事態に備えて体に蓄えられている存在でもあり、体は常に炭水化物を主要なエネルギー源として使用しています。炭水化物の供給が不足すると脂肪をエネルギー源として使用し始め、さらに炭水化物と脂肪の両方が不足するとタンパク質がアミノ酸に分解されることになります。そこからさらにグルコースやケトン体に変換されてエネルギーとして使用されるようになります。ただしタンパク質を主要なエネルギー源として使用するのにも限界があり、長期間に渡ると筋肉組織を喪失したり、心臓を支える筋力も弱まり、命の危機の陥る可能性があります。このためタンパク質がエネルギーとして使われるのは 極端な栄養不足や過度な肉体疲労の時だけに限定されます。

    さらに、血液中のタンパク質は酸素や栄養素などの物質を体の各部位に運ぶ役割も果たしています。例えばヘモグロビンは赤血球に酸素を運ぶタンパク質です。ヘモグロビンは酸素と結合し、その後肺から全身へ組織を運んでおり、さらに二酸化炭素を組織から取り上げ 肺へと運ぶ役割も担っています。

    また、結晶中に多く存在するアルブミンもタンパク質で構成されています。アルブミンは、ホルモンや脂肪酸などの物質を運搬する役目を果たし、また体の水分バランスを調整する役割もあります。そしてタンパク質は細胞膜上のレセプターとしても機能し、他の細胞や体の部位からの信号を受け取って細胞は適切に反応することができます。レセプターは細胞の通信システムのようなもので、特定の物質の存在を感知し、その情報を内部へ伝達する役割があります。

    そのため不適切な通信は、病気や異常機能の原因となることもあり、例えばインスリンレセプターはインスリンの存在を感知する役割を担っています。インスリンを感知したら細胞にグルコースの取り込みを促進する命令を伝え、インスリンレセプターが正常に機能しなかった場合、高血糖やエネルギー不足に陥る可能性があります。インスリンの作用が弱まると血中のグルコースが細胞内に取り込まれにくくなり、その結果、血糖値が上昇してしまいます。グルコースは、細胞の主要なエネルギー源であり、グルコースが細胞内に取り込まれないと細胞は必要なエネルギーを得ることができません。エネルギーが不足すれば、疲労や倦怠感を感じることになってしまいます。

    一方で、タンパク質の摂取は老化を遅延させるという面でも重要な要素です。タンパク質は体の全ての細胞を構築するための基本的な物質であり、私たちが傷ついたり、細胞が自然に老化したりするとタンパク質はこれらのダメージを修復するために使われます。タンパク質は細胞の再生と修復に必要で、不足すると細胞を作り替えることが難しくなり、肌のターンオーバーや髪の毛の生え替わり周期が遅くなり、質が悪いものになってしまう恐れがあります。

    美肌に欠かせないコラーゲンも、皮膚の弾力性や筋肉の健康を維持するための主要なタンパク質で、タンパク質の摂取でコラーゲンの生成がサポートされると肌のシワやたるみの予防に役立ちます。さらにタンパク質は女性ホルモンの働きも助け、精神バランスを安定させる効果もあります。特に月経前、更年期、閉経などでホルモンバランスが乱れている時は、タンパク質を多めに摂取すると身体の健康を維持し、老化の影響を最小限に抑える効果も期待できます。

    鉄不足でエネルギー不足

    私たちの細胞でエネルギーがつくられる時に呼吸から取り込んだ酸素が使われます。酸素は血液中のヘモグロビンという物質と結びついて全身の細胞に届けられます。ヘモグロビンは血液を赤くする赤血球の主成分で、全身の細胞に酸素を届けるヘモグロビンの材料が「鉄」です。つまり鉄が不足すれば、全身の細胞に届けられるはずの酸素が不足することになります。すると当然、細胞の活動が減少し、エネルギーの産生量が落ちます。

    このような鉄不足になった場合、よく見られる症状として朝起きるのが辛い、疲労感、顔色が青白い、ニキビ、湿疹、冷え性で足がむくみやすい、胃の不快感、立ちくらみやめまい、頭痛、月経不順で生理の出血量が多いなどが挙げられます。

    このような鉄不足を解消するためには、鉄を豊富に含むものを積極的に食べることです。鉄は動物性から植物性まで様々な食品に含まれますが、その鉄の種類にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。

    ヘム鉄は動物性の食品に多く含まれる鉄で、非ヘム鉄は植物性の食品に含まれる鉄です。そしてヘム鉄の方が非ヘム鉄よりも5倍ほど吸収効率がいいと言われています。鉄を大量に含む動物性食品としてはレバーやカツオなどの赤身肉、チヂミなどの貝類があります。

    ただし、これらの食品を大量に取ったからといって必ずしも全てが体に吸収されるわけではありません。鉄はビタミンCを一緒に取ることで吸収効率が高まることが知られているため、ビタミンCが豊富な食物を一緒に摂るように心がけましょう。

    ミトコンドリアを増やす「タウリン」

    私たちの細胞には、大量のエネルギーを作り出す工場であるミトコンドリアが存在します。この工場を稼働させるために必要な栄養素が鉄で、ミトコンドリア内でエネルギーを産生する仕組みをクエン酸回路と言います。しかしクエン酸回路が一度に産生できるエネルギーの量が限られています。

    そのため工場(ミトコンドリア)そのものの数を増やすことが大切になりますが、それを可能にする栄養素が「タウリン」です。タウリンを積極的に摂取して、ミトコンドリアを増やすことで、クエン酸回路の稼働率もアップし、エネルギー産生量は増大します。このタウリンはイカやタコの刺身、スルメ、ブロッコリースプラウトに多く含まれています。

    こうして体中に栄養素が行き渡ることで、最初に変化が出てくるのがお肌です。栄養学においては、肌は栄養のバロメーターと言われています。栄養が不足すると、心臓や肺などの生命の維持に不可欠な臓器に栄養を優先的に行き渡るようにするため、肌の健康は非常に優先順位が低いとも言えます。

    逆に肌の健康が良ければ全身の栄養状態が良いことを意味するということになります。このように肌は体の栄養が足りているかどうかを映し出す鏡でもあるため、ヘム鉄とビタミンC、そしてタウリンをしっかり摂ることで肌は確実に美しくなります。

    健康と幸せに不可欠なホルモン

    体の健康と同じく、心の健康も大切です。 特に幸福感は正しい食事によって簡単に得ることができます。なぜなら私たちの心の幸せは、あくまでホルモンという化学物質が決めているためです。そしてこのホルモンは毎日食べている食事に大きく左右されます。

    私たちの幸福感は、ドーパミン、セロトニン、オキシトシン、エンドルフィンの4つのホルモンによってつくられています。これらを「幸せホルモン」と呼び、私たちが食べたものから作られ、また食べ方によっても分泌量が変わってきます。

    ドーパミンは別名「歓喜のホルモン」や「意欲のホルモン」と呼ばれ、セロトニンは「精神安定ホルモン」、オキシトシンは「愛情ホルモン」、エンドルフィンは「多幸ホルモン」とも呼ばれています。これら4つのホルモンがバランスよく分泌され、全身に行き渡ることが重要です。

    脳と腸の繋がり「脳腸相関」

    脳の状態が腸に影響を及ぼし、腸の状態が脳に影響を及ぼす「脳腸相関」という言葉があります。脳と腸は自律神経やホルモン、サイトカインなどの液性因子を介してお互いに密接に繋がりあっています。例えば強いストレスを受けたり、緊張するとお腹が痛くなるなどは脳と腸の繋がりから生じる症状です。このような「脳腸相関」によってメンタルは腸から強い影響を受けることが分かっています。

    気分を前向きしたり、精神を安定させたりするセロトニンやドーパミンなどの脳神経伝達物質は腸内細菌によって大腸でつくられることが分かっています。さらに腸内細菌の状態が脳に影響し、私たちの感情や性格をも左右すると言われています。

    クエン酸の健康効果

    ダイエット

    クエン酸の歴史はかなり古く、1784年にはスウェーデンの研究者がレモン果汁からこの物質を初めて作りました。このクエン酸には、クエン酸サイクルまたはクエン酸回路という名前の化学反応があり、クエン酸サイクルは私たちが食べたものをエネルギーに変えてくれる工場のようなものです。特に加齢と共にエネルギーの代謝が落ちてくるため、クエン酸サイクルは非常に重要で、食事から得た栄養をエネルギーに変える、このサイクルが生物にとっての根本的なエネルギー産生経路です。

    このクエン酸サイクルがしっかりと回るようになるからこそ代謝が良くなったり、食べたものがしっかりとエネルギーに変わってくれます。つまりクエン酸を摂取して、クエン酸サイクルを積極的に回すことによって、体は食べたものをエネルギーに変換しやすくなって、ダイエットに向いた体に変わっていきます。

    栄養素の吸収効率を上げる

    栄養素の吸収は、年齢と主に効率が悪くなり、特にミネラルの吸収率は年を取るほどに落ちます。ミネラルは、骨を丈夫にしたり、心臓や筋肉の機能を支えたりする非常に重要なミネラルです。

    実はクエン酸は、ミネラルの吸収を助ける役割があります。クエン酸にはキレート作用という特別な働きがあります。簡単に言えばこのキレート作用がミネラルをしっかりと包み込む役割を果たします。ミネラルが包み込まれるによって、腸からしっかりと吸収される確率が高まります。

    具体的にはクエン酸が結合した形のカルシウム、つまりクエン酸カルシウムは 吸収が非常に良く、胃酸が少なくても十分に吸収されるということが分かっています。一方で炭酸カルシウムは胃酸が少ないと吸収がうまくいかない場合があります。さらに炭酸カルシウムはガスや膨満感、便秘といった副作用が出やすいです。特に高齢者や胃酸の少ない方にはクエン酸カルシウムが良い選択となるわけです。

    同じように、マグネシウムもクエン酸マグネシウムで摂ると、体にとって使いやすく、しっかりと吸収されます。他にも酸化マグネシウムや硫酸マグネシウムよりもクエン酸マグネシウムが体に吸収されやすいことが分かっています。

    疲労回復するヒーリング効果

    年齢を重ねると以前よりも疲れが取れにくくなり、疲労がいつまでも溜まっているような感じがしないでしょうか。この理由の一つに、生活習慣によって体に毒素が蓄積し、疲れが取れにくい体になってしまっていることが挙げられます。

    このような時にクエン酸はとても役立ち、クエン酸が疲労回復に良い理由の一つに乳酸を分解する力があるからです。乳酸は運動や重労働で疲れた時に体内で溜まりやすく、筋肉の痛みや疲労感を引き起こす物質です。クエン酸は、乳酸をエネルギーに変えてくれ、その分疲れが早く取れるということになります。

    またクエン酸は、クエン酸サイクルとい代謝プロセスをスムーズにするだけでなく、体に必要のないものを外に出す役割もしています。クエン酸が、このサイクルを促進することで余分な脂肪や体の中の不要な老廃物もしっかりと排出されます。

    高血糖の改善

    血糖値が高くなると直接的に糖尿病を引き起こしてしまうだけでなく、体内で糖化という現象が起こり、老化が進んでしまうことがすでに明らかになっています。

    クエン酸が血糖値の上昇を抑える力があり、それは炭水化物の吸収をゆっくりにしてくれるからです。例えば食後にお菓子を食べると急激に血糖値が上がります。しかしクエン酸が体内にあるとその上昇が穏やかになります。さらにクエン酸はインスリンの働きを助けます。インスリンは血糖値をコントロールする大切なホルモンで、インスリンの分泌を促すことで血糖値が急に高くなるのを防ぐ効果があります。

    シミやシワを取り除く

    年を取れば体の細胞が古くなる速度が早くなります。特に注意したいのが活性酸素という物質です。これは体の中で生成され、多すぎると細胞を傷つけ、老化や病気の原因になります。いわゆる酸化と呼ばれる現象です。

    クエン酸には抗酸化作用あり、特にクエン酸をビタミンCと同時に摂ると、この活性酸素を強力に除去してくれることが分かっています。その結果、細胞が傷つくのを防いで老化を遅らせるだけでなく、免疫力を高め、病気に対する抵抗力も高まるとされています。

    そして細胞が元気でいると、肌が綺麗になったり、シワが目立たなくなることも期待できます。クエン酸とビタミンCの摂取を同時に摂る、最も効率の良い食品はレモンです。レモンにはたっぷりのクエン酸とたっぷりのビタミンCが含まれており、この2つを同時に取ることによって肌が若々しく、美しくなっていきます。

    クエン酸のデメリット

    クエン酸は、酸性度が高いために、クエン酸が直接歯に触れると歯が弱くなってしまう可能性があります。これは酸蝕と呼ばれる現象で、見た目が悪くなるだけでなく、痛みや感度が高くなることもあります。クエン酸を取った後は、すぐに歯を磨かずに、まずは水で口をすすぎましょう。

    アンチエイジングに最適な食べ物

    タンパク質

    アンチエイジングに極めて重要な栄養素がタンパク質です。タンパク質をプロテインと言い、その語源は古代ギリシャの言葉「プロティオス」であり、最も重要なものという意味があります。

    現代人の多くがタンパク質不足に陥っていると言われ、タンパク質が不足すると、肌や髪などの材料が不足するためこれらの調子が悪くなります。タンパク質が豊富に含まれている食材の代表は、赤身肉、レバーなどの肉類、卵、豆類、魚介類などです。特に赤身肉やレバーはタンパク質を補給できるだけでなく、鉄分も補給できるため、シミに非常に効果的です。なんとなく顔がくすんでいる、顔色が悪い、最近シミが増えてきた方は、おそらく鉄分が足りていません。例えば出産後にシミが増えた気がする方は、出産によって鉄分不足が起きているからと考えられます。またビタミンCよりもシミに効くのは鉄分です。

    サーモン、エビ、イクラなどの魚介類には、タンパク質が豊富なことに加え、アスタキサンチンというアンチエイジングに効果的な成分が含まれています。このアスタキサンチンは強い抗酸化作用を持ち、シワの予防にも効果的です。そして卵はタンパク質豊富な優秀な食材です。卵の食べ方のポイントは、茹で過ぎず、焼き過ぎないことです。加熱すると卵のタンパク質の有効量が落ちてしまうことがわかっているため、半熟や半生状態で食べることをお勧めします。

    医者に金を払うよりも味噌屋に払え

    納豆の次に強くおすすめしたいのが味噌汁です。「味噌汁は医者殺し」という言葉があるくらい健康に良い食べ物です。味噌汁は医者殺しという言葉は、味噌汁が健康に良い効果をもたらしてくれるため、医者の世話にならなくても済むという意味で使われています。また「医者に金を払うよりも味噌屋に払え」などということわざもあります。

    実際に味噌汁には、タンパク質、ビタミン、ミネラル、脂質、食物繊維、リノール酸、イソフラボンなど豊富な栄養素がバランスよく含まれています。さらに味噌は発酵食品の代表であり、善玉菌が豊富に含まれています。これらの善玉菌は、腸内環境を整え、消化吸収を助け、免疫力を向上させる効果があります。また味噌汁には抗酸化作用があり、活性酸素を除去し、細胞の老化を防いでくれる効果があります。これによって老化の抑制や病気の予防に役立ちます。

    そして、がんの抑制や脳卒、心臓疾患、骨粗鬆症、糖尿病、コレステロールの抑制、美肌や老化予防、整腸作用などなど数え切れないほどの効果が研究機関のエビデンスをもとに証明されています。

    ただし、味噌を選ぶ際は、遺伝子組み換えの豆が原料に使われていないこと、添加物や出汁が入っていないこと、加熱処理されていないもの、天然醸造であることを確認して良質な味噌を選ぶようにしましょう。

    納豆味噌汁

    納豆はタンパク質が豊富で、イソフラボンというポリフェノールが豊富に含まれています。イソフラボンは女性の更年期対策として用いられていますが、イソフラボンが女性ホルモンであるエストロゲンと似た構造を持っているためです。イソフラボンは、エストロゲンが不足すればその作用を代替してくれ、逆に過剰になった場合にはその作用を減らしてくれます。つまり更年期障害や月経前症候群の方にもイソフラボンは積極的に摂るべきものです。

    この納豆を味噌汁に入れることでさらに効果的に栄養を摂ることができます。味噌にはビタミン、ミネラル、有益な植物性化合物だけではなく、必須アミノ酸を豊富に含んでいるためタンパク質の供給源となってくれます。そのほかにも、食べ物の消化吸収能力を向上させてくれる、免疫力を高めてくれる、消化器系のトラブルを改善する、腸内環境を整えてくれるなど、日本が世界に誇るスーパーフードです。

    とろろ

    アンチエイジングに欠かせないホルモンはDHEAで、別名若返りホルモンと呼ばれています。DHEAは思春期に急激に増加し、20歳頃をピークに徐々に減少し、70歳でピーク時の20%程になります。DHEAの効果は、ストレスを緩和し、筋力を維持して代謝を高める、体脂肪を減らす、免疫力を高めて炎症を抑え腫瘍を予防する、動脈硬化や脂質異常症を予防するなどが挙げられます。

    DHEAを効果的に増やす方法が山芋などの粘り気のある芋類を食べることです。長芋や自然薯といった山芋をすりおろした「とろろ」を食べることでDHEAをしっかり摂ることができます。

    抗酸化ドレッシング

    活性酸素が体を酸化させて老化や病気を引き起こします。酸化とは体のサビのようなもので、例えば活性酸素が体内に多くあると、酸化によってエストロゲンの作用が弱くなり女性の老化を早めることが分かっています。つまりタンパク質の摂取だけでなく、活性酸素を減らして酸化を防ぐための栄養素も十分摂る必要があります。

    もちろん私たちの体には活性酸素を消去する仕組みが備わっています。活性酸素にも種類があり、その中で最も毒性が強いのがヒドロキシラジカルです。それを消去するのがグルタチオンという酵素で、しっかり働いてもらうためにはシステインというアミノ酸が必要です。このシステインが多く含まれている食材が、タマネギ、ニンニクです。これらをすりおろし、亜麻仁油やえごま油と醤油を加えて抗酸化ドレッシングをつくり、野菜にかけて食べることをお勧めします。

    メンタルに最適な食べ物

    タンパク質不足はトリプトファン不足

    心の不調の原因にタンパク質不足があると指摘されています。髪や皮膚、筋肉、骨だけでなく、ホルモンや酵素免疫に関わる抗体でさえその材料はタンパク質です。また脳内神経伝達物質をつくる大元の栄養素もタンパク質です。

    なぜタンパク質が不足すると心の不調になるのかは、それはセロトニンが不足するからです。例えばうつの原因はセロトニン不足であると考えられています。セロトニンはトリプトファンというアミノ酸を材料に脳で作られるため、トリプトファンが足りなければ十分なセロトニンは作られません。トリプトファンはアミノ酸であり、結局タンパク質がなければ十分に作られないのです。因みにトリプトファンは睡眠ホルモンのメラトニンの材料にもなります。

    トリプトファンは、大豆製品や卵、肉類、カツオ、マグロ、秋刀魚などの赤みの魚、ナッツ類に多く含まれています。

    コレステロール不足でセロトニン不足

    肉類などに含まれるコレステロール値が高いことは健康に悪いと言われていましたが、欧米人に比べて日本人はコレステロールが低すぎるというが問題になっています。それを受け2015年に厚生労働省はコレステロールの食事での摂取制限を撤廃しています。

    コレステロール値が私たちの心に大きな影響を与えていることがわかっており、細胞を守る細胞膜やホルモンをつくる材料になるだけでなく、神経細胞や脳細胞もコレステロールを多く含んでおり、健康に欠かせない必要なものです。私たちの体にあるコレステロールの1/3は脳にあり、脳に必要なコレステロールが低下すれば脳の活動も低下して心の不調につながっていることが分かっています。さらにコレステロールはセロトニンを脳まで運搬するのに一役買っており、コレストレールが低下するとセロトニン不足につながり心の不調を引き起こします。

    また肉類に多く含まれる鉄分が不足すると、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン、メラトニンなどの脳内神経伝達物質の合成を低下させてしまうことも分かっています。つまり鉄が不足するとメンタルの不調につながります。特に女性は肉類などから鉄分を意識して補給する必要があります。肉には肉の良さがあり、野菜には野菜の良さがあるので、この2つ合わせてはじめてバランスの良い栄養素が摂取できます。

    ビタミンB6不足でGABA不足

    ビタインB6は鉄分に匹敵するぐらい脳内神経伝達物質を合成するために重要な栄養素です。セロトニン、ドーパミン、GABAを合成するためにもビタミンB6が必要になります。特にGABAは、y-アミノ酪酸とも呼ばれメンタルの健康に重要な栄養素です。ビタミンB6が豊富に含まれている食材として、ニンニク、とうがらし、ゴマなどが挙げられます。

    【本コラムの監修】

    恵比寿院長

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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