美肌にビタミン・サプリはNG

    美肌にビタミン・サプリはNG

    お肌、健康のためにサプリを服用している方が多いですが、その副作用や効果についてあまり知られていません。サプリや健康食品の多くは、医薬品に比べて厳密なテストが行われているわけではなく、なんの根拠もない商品も多くあります。また中高年の方が継続的に摂取したリスクについてはっきりしたことが言える専門家の方がいない状況です。年をとれば代謝が落ち、体内の水分量が減り、肝臓と腎臓の機能が落ち、体内で処理できなくなるため若い頃より副作用が出やすくなります。

    また、薬の効果については、NNT(治療必要数)からある程度判断できますが、サプリには基準がなく、そもそも実験データも少なく、大きな結論を出すことができません。

    サプリの摂りすぎ

    美肌や健康に良いと言われるサプリの9割は全く飲むメリットがありません。さらに人体に害があると結論づけられたものも多くあります。マルチビタミン、ビタミンC、カルシウム、ビタミンA / βカロチン、フィッシュオイル、ビタミンE、ビタミンB群など、どれも一度は飲んだことあるサプリかもしれませんが、これらのサプリがあまりオススメできない理由があり、これらを知った上で飲み続けるのかを判断して頂ければと思います。

    マルチビタミン

    これまでの研究では、目立ったメリットは確認されておらず、人体にリスクがあるとの結論もあります。2006年ジョンズホプキンス大学では、マルチビタミンに関する過去のデータ(20件)をまとめ、その効果について大きな結論を出しています。その論文では、マルチビタミンやミネラルのサプリが、慢性病や癌の予防になると信じるに足る証拠がないということでした。また東フィンランド大学で2011年に発表された論文では、高齢女性において、ビタミンやミネラルの一般的な使用は総死亡リスクの上昇と関係があったとされています。

    ビタミンC

    風邪の予防に効く、美肌に良いなど様々な効能があると言われ、日本で最も売れているサプリのひとつです。しかし信頼性の高い論文を見る限りビタミンCの効果はほとんど期待できません。例えば1940年代から2004年までのビタミンCの研究をした論文結果から結論を結びつけると、一般人がビタミンCをいくら飲んでも風邪の予防効果はないとの結論に至っています。また老化についても科学界で統一された見解がなく、今のところよくわからないというのが結論になっています。

    ここでの話はあくまでサプリの効果についてです。ビタミンCは体内で合成することができないため十分な食事摂取が必要です。ビタミンCの抗酸化作用は炎症を軽減し、老化の原因であると言われるフリーラジカルに対抗するための役割もあります。また2018年に発表された研究では、ビタミンCのレベルが低いことがアレルギーを持つ人々によく見られることも示唆されています。

    カルシウム

    多くのメーカーは、骨が強くなる、骨粗しょう症を予防すると効果を宣伝していますが、米ノースカロライナ大学が行なった調査によると、大量のカルシウムを摂っても骨密度に違いが出ないという結論を発表しています。さらに70代以上の方が摂取した場合は逆に骨密度が低下することも分かっています。さらに血管や心臓に大きなダメージが出るとの報告も多数あります。2010年に行われた大規模な調査(約2万4千人の中高年)では、心筋梗塞のリスクを86%増加させることが明らかにされています。

    ビタミンA/βカロチン

    ビタミンAは、肌の健康を維持し、粘膜を強くして細菌から身を守るために必要な成分と言われています。βカロチンは、緑黄色野菜に多く含まれる色素で体内でビタミンAに変換され、癌の予防や活性酸素を取り除くなどでサプリが販売されています。

    2012年にコクラン共同計画が行なった研究では、約24万人のデータを元に、抗酸化物質が健康に良いのかを調べましたが、それらのサプリを摂取すると早期死亡率が3〜10%上がることが分かっています。その理由は、ビタミンAは摂取すると簡単に体内から排出されない性質があるからです。例えばビタミンCは、水に溶けやすく、不要なものは尿から排出されますが、ビタミンAは油にしか溶けないため、体内で使われない分が蓄積して、肝臓にダメージを与えるからです。

    フィッシュオイル

    オメガ3、DHA、EPAなど、血液サラサラ、認知症の予防など健康に良いとの認識を持つ方が多くいます。確かに過去の研究でも有用性が確認されていますが、健康的な人がフィッシュオイルと摂っても意味がないという研究(2012年ヨアニナ大学のおよそ6万9千人分ものデータをまとめたメタ分析)があります。またフィッシュオイルは異常に劣化しやすい成分です。酸化したフィッシュオイルがどれだけ体に悪いかは研究例が少ない現状がありますが、酸化した脂質が心疾患のリスク要因になることが分かっています。

    ビタミンB群

    ビタミンB群とは、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸などの成分をまとめたものです。これらは人体が正常に働くために欠かせない栄養素であり、美容に良いと言われたりします。しかし体に良いというデータはほとんど発表されておらず、様々な副作用が明らかになっています。

    アメリカ心臓協会によると、ビタミンB群は心疾患を減らすという根拠はなく、逆にナイアシン、葉酸、ビタミンB6などは、体内のホモシステインを増やす副作用があると発表されています。ホモシステインは、体内でタンパク質が代謝された後に出る残りカスのようなもので、酸化しやすい性質を持った物質です。この物質が増えることで心疾患リスクが増えることが分かっています。また白内障リスクも指摘されています。

    ビタミンE

    抗酸化作用が高く、アンチエイジング効果や癌の予防効果が言われていますが、2010年代からの研究では、癌のリスクを高めているのではないかと考えられています。例えば2011年の研究では、ビタミンEと前立腺癌の増加の関係が発表されたり、他にも飲み続けると寿命が縮むことが分かっています。ビタミンEもビタミンAと同じく、体外へ排出されにくく、肝臓にダメージを与えるからです。

    鉄分

    特に、サプリに含まれる鉄分はがんのリスクを高める原因になると考えられています。例えば台湾で30万人以上の被験者が参加した研究では、血中鉄分値が高いほどがんのリスクが高くなることが判明しています。理由として鉄分と結合したフェリチンの量を示す「血清フェリチン値」が高くなると、鉄分がDNAのテロメアを短くして、染色体が不安定になり、DNA損傷が増えることが知られています。この過剰な鉄分によってがん化しやすいのが大腸であり、過剰な鉄分の最終到着点が大腸だからです。吸収されない鉄分は腸内で悪玉菌の栄養となり、大腸の免疫力が低下、炎症が慢性化して大腸がんのリスクが高くなるためです。

    多くの人が鉄分は、ビタミンCやEのように有益な作用しかないと考えています。しかし鉄分は必要以上に摂ると逆に体の毒になり、その必要な鉄分量は人によって違います。鉄分の必要量は、性別、年齢、遺伝子の3条件によって変わります。例えば女性は生理があり鉄分過剰を気にすることはありませんが、男性は多くの場合に鉄過剰になりがちです。また鉄分を遺伝的に吸収しやすい人もいます。

    輸入レモン、オレンジなどの柑橘類

    ビタミンを取るために柑橘類を選ぶことがありますが、日本では使用が禁止されているポストハーベスト農薬が、輸入レモンやオレンジなどに沢山使われています。ポストハーベストは収穫後に使用される農薬のことで、殺虫剤、防カビ剤、殺菌剤などの名目で利用されています。そのため果物の表皮に多くの農薬が残留していると考えられています。

    農薬などの化学物質が複数同時に使われた場合や体内に入った場合にどのような影響があるのかとうことが誰にも分かりません。通常、農薬や食品添加物などの合成化学物質が体内に入るとそれらは科学的な反応を起こします。化学物質の安全性は単体でしか確認されていないため、どの化学物質とどの化学物質がどんな反応を起こすかということについては完全に未知数です。

    なぜ日本禁止されているものが輸入されているかというと、食品添加物として認められているからです。そのため、できるだけオーガニックで国産のものを選ぶようにしましょう。

    当たり前ですが、サプリに頼るのではなく、加工されていないものを摂り、野菜は多め、肉と魚は生育環境が良いものを選ぶこと、柑橘系のオーガニック果物、そして運動習慣が健康にとって最も良いものであることは昔も今も変わりはありません。

    【本コラムの監修】

    恵比寿院長

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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