老化時計を遅らせる方法

    老化時計を遅らせる方法

    人によっては1年で0.4歳しか老化しない人と1年で2.4年も老化する人がいることが分かっています。この研究は壮大で世紀の研究という専門家もいるくらい信憑性の高い研究です。さらに老化を遅らせる具体的なプログラムまで判明しており、老化を遅らせる食材などはこの研究が発端となっています。

    老化時計って何

    この研究は、2021年にニュージーランドで行われたダニーデン研究という老化研究です。この研究の対象となった被験者は、1972年から1973年生まれの人を1037名集め、それぞれ26歳、32歳、38歳、そして45歳の時の合計4回に分けて追跡し、2019年まで研究が行われました。研究では様々な視点で老化がチェックされており、心血管系や心臓の機能、血管年齢、代謝系、腎臓、肝臓、肺、免疫や握力、バランス感覚など、至るところ人の老化を調べ上げた信憑性が高い研究になっています。

    この研究の肝となるのが「老化時計」ですが、これは人が1歳年を取る時に実際どのくらい老化するのか、その度合を示すものです。この老化時計がダニーデン研究によって、1年でたった0.4年しか老化してない人と、1年しか経ってないのに2.4年も老化する人がいることが分かっています。たった3年で7年ぐらい老化する人、逆に老化時計がゆっくりな人は、10年経っても実際の老化はまだ4年しかしていない人がおり、この差はどんどん年数が経てば経つほど差が生まれます。

    老化抑制プログラム

    この違いを生むプログラムがすでに研究で明らかになっています。ただしこのプログラムは、細かく規定されており、さらに8週間続ける必要があり、かなり難易度の高いプログラムです。しかし確実に8週間で3歳若返ることが実証されているプログラムです。

    2021年のアメリカの研究で、50歳から72歳の43名をランダムにAとBグループに振り分けた実験から実証されています。まずAグループには、8週間プログラムを受けてもらい、Bグループの人は何にもプログラムはありませんでした。このプログラムを実践したAグループは、若返り効果が平均3.23歳もありました。

    この8週間プログラムの1つ目は、7時間以上の睡眠です。実際、数多くの研究で7時間以上の睡眠は老化予防に効果的と証明されており、ハーバード大学医学部の科学者たちは7時間の睡眠が脳卒中や心臓発作のリスクを下げるために効果的だと発表されています。

    そして8週間プログラムの2つ目は12時間ファスティングです。例えば夜の19時から朝の7時までの間だけ食べないことを8週間続けることです。3つ目は週5回、30分の運動です。これはウォーキングなど有酸素運動でも問題ありません。

    次のプログラムメニューに呼吸法が挙げられています。1日2回20分の呼吸法で、難しいことは覚える必要はなく、所謂横隔膜を動かす複式呼吸を行います。老化にはストレスが大きく関係しているため、1日2回呼吸法を継続することで自律神経のバランスを整える必要があります。ここまでで前半のプログラムが終わります。

    食生活についてのプログラム

    後半は食生活についてのプログラムになっており、腸活の内容が多くなっています。例えばプランタラム菌は、乳酸菌の一種で腸内細菌を育てたり、体の免疫力を上げることでも有名な菌ですが、8週間プログラムでは、このプランタム菌が入ったサプリメントを毎日これだけの量を飲みましょうと細かく指定されています。これを実践するのは専門的で多くの人にとって難しいことです。

    その代わりにプランタラム菌を多く含む食べ物を毎日意識して食べることでも構いません。手頃なところで言えば、ぬか漬けやキムが代表的です。また1週間でレバーを3個食べることを8週間続けることも記されています。そして毎週オーガニックたまごを5個から8個食べます。次にケールやほうれん草、それにカラシナなどの濃い葉物野菜を2カップ、続いてアブラナ科の野菜、ブロッコリーやカリフラワー、キャベツ、芽キャベツ、それにルッコラを毎日2カップ食べます。プラスして、カラフルな野菜も3カップ追加が必要で、ビーツやかぼちゃの種、ひまわりの種、それにベリー類を組み合わせて摂ることが推奨されています。

    さらにスパイスにも指定があり、ローズマリーやターメリック、それにニンニクが挙げられています。一方で飲み物の指定もあり、緑茶、ウロン茶が指定されています。次がお肉で、1日170g限定で放牧牛を食べることです。最近ではスーパーでもグラスフェッドビーフとして販売されており、人間の体内では作れないオメガ3脂肪酸を豊富に含んだ牧草で育っているため、それらを食べることで血液をサラサラにしたり、老化の大きな原因と言われる慢性炎症を抑える効果があるからです。さらに果物、そして細かく指定されているのが油です。ココナッツ油やオリーブオイル、亜麻仁油、かぼちゃの種子油をバランスよく摂るように指定されています。他にも乳製品はできるだけ摂らないや、プラスチックを使わないなどの指定があります。

    このように細かい点までを実践することは無理かも知れませんが、ここで紹介している食材を意識するだけで間違いなく老化予防に繋がります。ここで紹介した食材は、全部腸内環境に良い食べ物です。つまり腸内環境の改善こそ、老化時計を送らせる鍵になっているのは間違いないでしょう。確実に老化時計を遅らせたいなら腸内環境を整えることは意識しつつも、8週間プログラムの1つ1つを、無理せずに普段の生活に取り入れてみましょう。

    老化を進める3つの食事習慣

    老化を進める3つの食事習慣は、野菜不足、塩分型、肉食中心の3つです。これらが代謝力の低下を招くことも分かっており、これらの食事の悪習慣を排除し、代謝力を上げるためには、 食事の質や量、食事時間、食べる順番などの食べ方を工夫することが必要になります。

    食事をなるべく同じ時間に取ることは代謝の中でも一番重要な基礎代謝力を上げるのに有効です。基礎代謝は呼吸や体温調節を司っており、これが正常でなければ生命を維持できません。特に夕食は可能な範囲で夜8時か9時までに食べると食後3から4時間経ってから空腹を感じ始めるくらいのタイミングに就寝できます。夜は栄養を吸収しやすい時間帯で、太りやすいというデメリットもありますが、この栄養を使って睡眠中には筋肉などが作られ、またダメージを受けた細胞の修復も行われます。これは成長ホルモンの働きによるものですが、血糖値が上がっていると成長ホルモンの分泌量は減り、また寝る前に食べると体は 消化を先に行うので新しい細胞が作られず老化してしまいます。新しい細胞が作られないということは代謝力が低下することに繋がります。

    また、適切な量と質の食事を摂ることも大切で、40歳くらいを境に体内でエネルギーを生み出す仕組みが激変します。そこで食事が不規則だとエネルギーの仕組みの変化に対応できなくなります。特に食べる量については、腹八分目で抑えると良いでしょう。これは長寿遺伝子と呼ばれるサーチイン遺伝子のスイッチを入れる食べ方でもあります。サーチュイン遺伝子を起動させるためには若干のカロリー制限をすることが必要であり、カロリーを抑えて飢餓状態を経験させるとサーチュイン遺伝子は慌てて細胞の老化を防ごうと働きます。

    食べる順番については、ご飯などの主食から先に食べることは血糖値を上げる要因になります。血糖値が急に上がれば膵臓からインスリンが過剰に分泌され、膵臓に大きな負担をかけ、次第にインスリンの分泌力が低下すると糖尿病の原因になってしまいます。問題は糖分であるため、ご飯以外にも芋やカボチャ、砂糖を使った料理も後から食べようにしましょう。

    逆に野菜を先に食べることにはメリットがあり、ほとんどの野菜に多く含まれる栄養素は 食物繊維で、これは体内で脂肪や糖を吸着する役割があります。そうすることで糖分の吸収率を下げ、血糖値のバランスも整います。まず野菜を食べたら、次は汁物、副菜、主菜そしてご飯といった具合に食べ進めていくと良いでしょう。

    老化する食べ物

    健康的に過ごすためにはちょっとした努力と工夫が必要です。私たちが健康的に過ごせるがどうか、体内の老化スピードだけでなく、見た目の老化は食べ物によって大きく左右されます。つまり健康や老化のスピードは食事で変えられ、毎日の食べ物の選択にかかっています。

    特に避けなければならないのが油で揚げた食べ物です。その理由は、高温調理することにあります。高温で調理することで、食品に含まれるタンパク質や脂質が糖質と結びつく「糖化」反応が起こり、その時にAGEという老化を促進させる物質を作り出します。シミやシワも、このAGEが肌のコラーゲンに結びつくことによって生まれます。そして肌だけでなく、全身の血管にも大きなダメージを与えます。さらに老化を促進するだけでなく、あらゆる病気を引き起こすことが分かっています。

    また、揚げ物に使われている油にも大きな問題があります。一般的に利用されるサラダ油にはオメガ6脂肪酸が含まれ、人体に炎症を引き起こすことが知られています。本来、オメガ6脂肪酸は健康維持に欠かせない栄養素ですが、摂り過ぎが問題であり、あらゆる食材に含まれているため何も考えずに食事していると簡単に摂り過ぎになってしまいます。そしてショートニングを加えたカラッと揚がった揚げ物には、トランス脂肪酸が多く含まれているため外食には注意しましょう。

    米国の約107,000人の50から79歳の年配女性の約20年分のデータを分析した研究によると、1日少なくとも1サービング揚げ物を食べた女性は、何も食べなかった女性に比べて、早期に脂肪する可能性が約8%高くなることが示されています。そして揚げ物を食べる参加者は、すべての原因による死亡リスクが高いことが分かっています。

    特に油で揚げたじゃがいも料理を毎週2から3回食べている人は、死亡リスクが1.95倍に上昇するということも研究によって分かっています。その理由として知られているのが、じゃがいもを高温で加熱すると一部の成分が、発がん性物質のアクリルアミドに変わるからです。

    特にじゃがいもは、絶対に冷蔵庫に入れてはいけません。実はじゃがいもは、長時間冷やした後に熱を加えることでアクリルアミドという有害物質が大量に発生することが知られています。アクリルアミドとは工業用の接着剤などに使われている非常に体に悪い発がん物質です。アクリルアミドは食品に含まれる還元糖という糖が120℃以上の高温で加熱されることによって生じます。冷蔵したじゃがいもにはこのようなアクリルアミド発生の原因となる還元糖が豊富に含まれているため、ポテトチップスやフライドポテトなどの高温で調理するじゃがいも料理は、健康上のリスクが高いと言えます。

    糖化の焦げを減らす

    糖化は、摂り入れた余分な糖質と体内のタンパク質が結びついて変質して細胞を劣化させるAGEsを作り出す反応のことです。肌のシワ・たるみ・くすみ(STK)などのお肌の老化にも大きな影響を与えるのが糖化という現象です。肌の老化は、コラーゲンの劣化によるシワ、糖化と酸化によるシミです。つまり糖化でAGEsが蓄積し、酸化で過酸化脂質(リポフスチン)というシミの元が蓄積してしまいます。また肌の表面だけでなく血管や内臓にも悪影響を与え、様々な不調の原因になります。

    この糖化を阻止する方法は、砂糖、小麦、白米などの精製された糖質を控えることです。特にジュースに含まれる果糖ブドウ糖液糖(異性化糖)はブドウ糖の10倍以上の糖化リスクがあると言われており、さらに肝臓にダメージを及ぼすのではないかとも考えらており、絶対に避けるべきものです。現代人の食生活は、低タンパク+高糖質食と言われており、これらを改善することが何よりも大切です。

    ミネラルの大切さ

    ミネラルは私たちの体内に存在する鉱物のことで、5大栄養素の一つに数えられます。ミネラルは人の臓器や組織の反応を円滑に働かせるために必要な栄養素です。このミネラルは体の中で作ることができないため、食物から摂取する必要があります。ミネラルをしっかり摂ることができているかが、私たちの健康を大きく左右することになります。

    またビタミンと同様に他の栄養素がスムーズに働けるようにサポートしてくれたり、体内の器官や組織が正常に機能するように調節したりといった役割があります。例えば海草やバナナなどに含まれるカリウムには、体内の水分量を整える役割があります。藻類に含まれるクロムにはインスリンの分泌を助け、血糖値を下げる働きがあります。

    体を構成する要素は、酸素、炭素、水素、窒素で約96%を占めています。残りの4%が元素を総称してミネラル(無機質)になります。このミネラルの中でも健康を維持するのに欠かせない16種類の必須ミネラルがあります。必須ミネラルは、主要ミネラル(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、硫黄、塩素)と微量ミネラル(鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン、コバルト)の2つに分けられます。

    このうち必要量が多い7種類を多量ミネラル、少ない9種類を微量ミネラルとして分類しています。さらにこの16種類の内の13種類については厚生労働省より摂取量の基準が示されています。

    健康のためには、これらのミネラルをしっかりと摂る必要がありますが、農業のやり方の変化、環境汚染などによって土壌のミネラルが減少しており、ミネラル不足の野菜が多くなっています。例えばほうれん草に含まれている100mg中の鉄分は、1950年には13mgあったものが、2015年には2mgへと減少しています。そのほかの人参や大根などの野菜でも80%も減少していることが分かっています。実際に現代人の栄養解析をすると鉄、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルが不足している人が多くいることが分かっています。さらに農作物のミネラル不足だけでなく、加工食品の蔓延も問題視されています。

    ミネラル不足を解消する塩

    これらを解消するため非常に身近で、かつ豊富にミネラルを含んでいるものが塩です。塩は生活習慣病の元凶のように扱われていますが、減塩も行きすぎると、ナトリウムの欠乏につながり、低血圧や無気力につながります。そもそも血圧が高くなるのを防ぐために減塩するのは、ナトリウムの過剰を防ぐためです。つまり大切なのは減塩ではなく、塩の選び方です。

    食塩のほとんどはナトリウムであり、一方で海水からつくられる自然塩には「にがり」が含まれており、マグネシウムやカリウムなどが豊富です。そのほかにも、亜鉛、鉄、銅、マンガン、ホウ素、クロムなどが含まれている自然塩もあります。これらの微量なミネラルが豊富に含まれた自然塩は、体内のミネラルバランスを整え、ホルモンバランスの乱れを修復してくれます。

    さらに生物がエネルギー代謝のために最初に使われたミネラルが鉄です。その後の進化の過程の中で、マグネシウムやビタミンB,Cを利用してエネルギー代謝ができるようになっていきました。つまり鉄はすべての生物のエネルギー代謝において根幹になるため、鉄が不足すると、他のミネラルを使った代謝も滞ってしまいます。

    またマグネシウムは、体のすべての細胞や骨に存在して、代謝をはじめとするあらゆる生命活動に関与している重要なミネラルです。神経系や筋肉の収縮、健康な骨や歯の形成などの役割を担い、体内の酵素反応に欠かせません。そして人の活動エネルギーであるATPをミトコンドリアで作る上での最重要ミネラルです。鉄はもちろん、マグネシウムが不足している状態ではエネルギーが生み出せません。

    カルシウムのイライラを和らげる作用

    カルシウムはマグネシウムやリンとともに骨と歯を作り、丈夫に育てるミネラルです。体内ではカルシウムの99%が骨と歯に貯蔵され、残り1%は血液や細胞の中に存在します。血液や細胞の中にカルシウムが含まれているのは、心臓をはじめ全身の筋肉を正常に収縮させるというとても大切な働きをしています。

    実は、血液中のカルシウム不足が生じた場合、骨や歯に貯蔵されているカルシウムが溶け出して不足分を補うという優れた仕組みがあります。また小魚や海藻類、大豆製品などに豊富なカルシウムですが、実はそのままでは体への吸収があまりよくありません。そのためカルシウムの吸収を助ける働きをするビタミンDと一緒に摂取することがお勧めです。ビタミンDは、キノコ類や魚などの食事から補いことができますが、15分間の日光浴により体内で合成することも可能です。

    カルシウムは緊張やイライラを和らげる作用もあり、多機能で優れたミネラルです。しかし過剰に摂取してしまうと、高カルシウム血症よる便秘、吐き気、尿結石、急性腎不全などを引き起こす原因となりかねません。食事から摂りすぎてしまった場合は心配しなくても大丈夫ですが、健康のためにとカルシウムのサプリとビタミンDのサプリを一緒に取る習慣があるような場合は、過剰摂取になっていることもあるため要注意です。

    カルシウム不足には「牛乳」ではなく「運動

    健康のために牛乳を飲む理由に、毎日カルシウムを補うことを考えている人が多いでしょう。しかし最近の研究では骨密度を増やすために重要なのは、カルシウムをたくさん摂ることではなく、運動であることが分かっています。

    特に日本人は戦前から野菜、海藻、小魚からバランスよくカルシウムを摂っていたため、丈夫な骨になるようにと不自然な牛乳という飲み物に頼る必要はありませんでした。しかし戦後粉ミルク育児や学校給食により牛乳を強制されるようになり、牛乳を飲み続けた人に骨粗鬆症が激増しました。

    そもそも日本人は、ラクターゼという酵素を持っていないことにより牛乳を飲んでも過剰なカルシウムは吸収されず、体内で様々な悪さを働いたり、排泄されるだけです。また残念ながら牛乳を飲めば飲むほど体内からカルシウムが脱落、骨密度が低下し、骨がもろくなってしまうと言うデータがあります。

    例えば、世界で最も牛乳の消費量が多かったノルウェーの骨粗鬆症患者は日本人の5倍にも上ります。他にもアメリカ、スウェーデン、フィンランド、デンマークなど日本の何倍も牛乳を飲む国では、それに比例して骨粗鬆症が多いのが事実です。

    牛乳が骨粗鬆症を引き起こしてしまうのは、主に二つの理由があります。一つは、牛乳は体内で酸性になり、それを中和するために骨からカルシウムが溶け出すからです。

    一方で、血液は弱アルカリ性に保たれており、動物性タンパク質を多く含む牛乳や乳製品を過剰に摂取すると体内で大量の酸性物質が生じ、血液が酸性寄りに傾いてしまいます。すると体は生命の危機を感じ、それを中和するためにやむを得ず骨や歯にストックされたアルカリ性であるカルシウムイオンを溶かして血液中に送り込みます。つまり体を丈夫にしようと牛乳を飲めば飲むほど血液が酸性 に傾き、カルシウムが骨から持って行かれてしまうのです。

    またカルシウムを骨から引き出す時、カルシウムは尿中にも排出されます。大量のカルシウムが血中に侵入し、血液中のカルシウム濃度が急激に上がってしまうと様々な害が出てくるため、体は速やかに余分なカルシウムを腎臓から尿として排出します。

    こうしてカルシウムを摂るために飲まれているはずの牛乳が、返って体内のカルシウムを減らしてしまうのです。もちろんカルシウムは、全く摂らないのもいけないため、摂りたい場合は牛乳ではなくて、体に悪さをせずにゆっくりと吸収できる大豆製品、野菜、海藻類、魚介類といった自然な食物を食べるようにするのが良いでしょう。

    テロメアを短くしない

    2009年にDNA染色体の末端部にあるテロメアが短くなれば人は早く老化することが分かっています。このテロメアを短くしないために重要なことが、ストレスレベルをコントロールすることです。実はスペインのサラゴサ大学の科学者が、禅の瞑想を行う人は同年齢の他の人と比べて長いテロメアを持っていることを発見しています。特に瞑想のテクニックなどは重要ではないようで、毎日少しの時間でも目を閉じてストレスをコントロールするようにしましょう。

    そしてテロメアが短くなることを防ぐ有効な方法として、自分の好きな人たちで囲まれて生活をすることです。これも長いテロメアを持っている人の典型的な特徴です。仕事などの時間以外は自分の心が落ち着ける人と時間を過ごすと、老化スピードは遅くなります。これも研究で証明されています。

    老化研究の最前線

    世界各国で様々な老化研究が進んでおり、直ぐにでも取り入れたい情報が溢れています。生活習慣改善だけで見ため年齢が30 歳違う老化研究があります。そもそも加齢は自然減少ですが、老化は人によって個人差があります。なぜ年齢が同じでも老化が進んでいる人といつまでも若々しい人がいるのか、その謎を追求するため、世界では様々な研究が行われています。

    その中の1つの研究に双子研究が挙げられます。長生のために遺伝子情報がどれほど影響を与えるか、双子を対象に行った老化研究では、親から受け継いだ遺伝情報で老化や寿命が決まるのではないかと考えました。研究の結果を言えば双子の寿命はある程度の割合で似通うことが分かりました。ただし遺伝子情報が寿命に与える影響は平均して25%程度という研究結果になっています。

    一方で、Google傘下のアンチエイジング研究企業カリコが行なっている研究があります。この研究は家計調査や遺伝子検査サービスを持つ企業との共同研究で、1億以上の家計図を調査したところ、双子研究で出たパーセンテージよりも遺伝子が寿命に与える影響は低いという結果となっています。むしろ遺伝的には全く関係ない夫と妻の方が、それぞれの兄弟姉妹よりも寿命が近くなっています。

    このことから残りの75%は、生活習慣が個人の老化度合を左右することが分かります。また長寿の家系と言われる家系と結ばれた人も総じて寿命が伸びているという結果となりました。これは長寿の生活習慣に習うからだと言われています。つまり老化の正体とは、その人が生活の中で長年蓄積してきたダメージとして表れています。

    実際、老化が進むスピードは個人差がどれぐらい出るのかを調べた研究もあります。ニュージーランドで 950人の26歳を対象にその後、数年間の追跡調査を行いました。12年後38歳になった時に生物学的年齢を比較する研究でした。ちなみに生物学的年齢は、体の機能や病気へのリスクを反映させて出る年齢のことです。つまりリアルな体の年齢であり、代謝能力や自給力機能を示す数値など18個の指標を使って測定されます。

    対象者(38歳)の生物学的年齢を測定したところ、同じ年齢でも若い人は28歳、老化が進んだ人は61歳という結果になりました。前向きに捉えるなら実年齢が38歳でも対策ができていれば10歳も若返ることができることが示されています。しかもこの研究が興味深いのは個人の老化スピードの差だけではなく、生物学的年齢が高い人は手足の筋力の低下、さらに認知機能の低下も始まっていました。さらには肌のくすみやハリ、シワの状態などなど見た目年齢も明らかに差が現れました。

    このような見た目の老化と寿命の関係はデンマーク加齢研究センターが調査を行っています。70歳以上の双子1826人を対象に、見た目年齢と体・認知機能は紐づくかどうかを調べました。この研究によれば見た目が老けている方が同じ遺伝子を持った双子でも早く亡くなっていました。そして筋力や認知機能の低下もあり、見た目年齢と体内老化、寿命は紐づいていると結論付けられました。

    これらの研究から、揺らがない美しさを手に入れるには栄養を運ぶ血液の状態を整えること、代謝を良くしてターンオーバーを整えること、栄養を吸収するために腸内環境を整えることなど、美しさを突き詰めていくとインナーケア7割、スキンケアは3割で肌の状態が決まることになります。

    老化の原因をチェック

    細胞の錆「酸化」

    老化を引き起こす1つ目の要因が細胞の錆「酸化」です。体内の酸素が他の物質と結びつき活性酸素に変わって細胞を傷つけるのが酸化です。適量の活性酸素ならウイルスなどからの感染を防ぎ、免疫機能のような役割を果たします。しかし活性酸素が過剰に作られると正常な細胞まで傷つけてしまうようになります。例えば癌という病気は、正常細胞のDNAが損傷して癌細胞に変異します。正常な細胞を傷つけてが細胞に変わるスイッチを押してしまうのが活性酸素です。

    見た目の老化にも酸化は大きく関わっており、例えば肌の奥にはシミの元となる色素を作るメラノサイトというシミ製造工場があり、紫外線ダメージを受けて活性酸素が増えるとメラニンを作る工場の可動スイッチが押されます。紫外線から細胞を守る傘となるのがメラニンですが、見た目にはシミになってしまいます。

    体内の焦げ「糖化」

    次は老化を引き起こす要因の2つ目は、体内の焦げ「糖化」です。体内のタンパク質と余分な糖質が結びつき、体内の熱で劣化して編成することを糖化と言います。この編成してできる物質は終末糖化産物(AGE)と呼ばれています。このAGEは代謝によって消えますが、糖が絡みついて編成している分、排出しづらくなっています。さらに年齢を重ねると1度作られたAGEは蓄積しやすくなり、蓄積すると体中で炎症を引き起こすことになります。

    私たちの体は、脳や皮膚、血管や髪の毛、心臓を含む臓器もほとんどがタンパク質でできているため、どこでもこの糖化が起きる可能性があります。血管が糖化すれば動脈硬化のリスクが高まるし、骨が脆くなると骨粗しょう症にもなりやすくなります。見た目で言えばコラーゲンが糖化すると肌の弾力が失われて、シワやたるみが出てくるでしょう。また糖化の代表的な症状は、黄ぐすみで、文字の通り肌の黄色味が強くなって透明感がなくなります。

    体内の火事「慢性炎症」

    次の老化を引き起こす要因3つ目が体内の火事「慢性炎症」です。老化を進める慢性炎症は自覚症状がないぐらいの小さなボヤが続く状態です。何年もボヤが起こり続けて知らないうちに体のあちこちに飛び火している状態が慢性炎症です。気づいた時には手遅れのことが多く、サイレントキラーとも呼ばれています。特に腸は、休みなく働き続け、食べ物の毒素を溜め込みやすい分、慢性炎症になるリスクが高いと言われています。全身の免疫を司り、健康を左右する腸がダメージを受けるとあらゆる生活習慣病になるリスクが上がります。

    このように細胞を傷つける活性酸素や糖化でできるAGEが慢性炎症を引き起こす犯人であり、活性酸素を増やしたり、AGEが大量に作られる原因になるのが生活習慣の乱れです。生活習慣が乱れるから体の錆、焦げ、火事が起こり、錆、焦げ、火事が起こると一気に老化が進んで見た目も老け、寿命も短くなります。この一連の流れが今の老化研究の主流になります。

    【本コラムの監修】

    恵比寿院長

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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