
確かに、紫外線がシミの原因の一つであることは間違いありません。しかし最新研究で判明したシミケアに必要な新しい常識があります。シミが紫外線だけが原因なら、野外でスポーツ選手や職業の人たちはみんなシミだらけなはずです。またコロナ禍が落ち着いた現在は、ある化粧品会社のアンケート調査結果によると、コロナ以降にシミや肝斑に対する意識が変わったと感じていると答えた人の43%の内、58.4%が顔のシミ、肝斑が気になるようになったと回答しています。その要因は様々考えられますが、まず意識的な点からすると、コロナ禍で外出自粛中にメイクよりもスキンケアに力を入れる人が増えた結果、シミが気になる人が増えたことが考えられます。
シミの種類
特にシミが目立つようになったと訴える人の多くが左右対称の頬の高い位置のシミを挙げています。これはホルモンのバランスの乱れなどが原因で起こるシミや肝斑で、運動不足 や精神的ストレスに関係しています。
お顔のシミにも種類がいくつかあり、悩む人に一番多いシミが老人性色素班です。別名「日光性色素斑」とも呼ばれており、加齢とともにできやすく、日光(紫外線)によってできるシミのことです。シミの悩みの約6割が、このシミで早ければ20代から発生するケースもあります。またマスク擦れによるシミは、炎症後色素沈着によるものです。マスクが肌に擦れて刺激を与えたことで一時的に炎症が起こり、色素細胞が活性化されてメラニン色素が茶色く沈着して起こります。その他にも肝斑や後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)、脂漏性角化症、ジャクランハン、そばかすなどがあります。
老人性色素班
老人性色素班は、紫外線ダメージの蓄積や加齢によるシミです。薄茶色から茶色で輪郭がはっきりしていて頬やこめかみ、それに手の甲や腕など紫外線当たりやすい場所を中心に発生します。一般的にイメージするシミで、老人性色素班は30代からできやすく、紫外線を浴びる機会が多い人であれば10代から気になり始める人もいます。
炎症後色素沈着
炎症後色素沈着のシミは、ケガやニキビ、それに虫さされなど肌が炎症した際にターンオーバーが乱れることでできてしまうシミです。炎症後色素沈着のシミは、それ以外にも肌を触ることによる摩擦や洗顔、クレンジング時の擦り過ぎでも起きるため、普段から肌を触る時には優しく丁寧に擦り過ぎないようにしましょう。
そばかす
そばかすは遺伝的要素が強いシミで、幼少期から思春期にかけて多く見られます。多くの場合は、成長していくうちに薄くなっていく傾向にあります。ただしそばかすも紫外線をよく浴びる環境にいると濃くなってしまうため、紫外線対策はした方が良いです。
肝斑
肝斑は、頬骨や額などに沿って左右対称に現れるシミで、薄茶色や茶褐色でシミの輪郭がボヤボヤとしているのが特徴的です。実は甲板ができる根本的な原因は分かっていません。妊娠やピルの服用との関係が指摘されることから女性ホルモンのバランスが影響してできるシミと考えられています。
肝斑が発生しやすいのは30から40歳代の女性で、症状が見られるのはだいたい50歳代後半までと言われています。その後、閉経とともに薄くなったり、消えたりする傾向にあると言われおり、高齢者にはほとんど肝斑は発症しません。
後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)
このシミは通称ADMと言って、額の両端や胸骨部、尾翼部などに直径1ミリから3ミリの色素班がまとまって出現するシミです。他のシミとは異なり、皮膚の深い部分の真皮層にできるのが特徴です。本来真皮層にはメラニンを作る 細胞メラノサイトは存在しないはずですが、何らかの原因でメラニンを作り始めADMは起きてしまうと考えられています。やや暗めの黒色や茶色に見え、まとまって出現するためアザのように見えます。
脂漏性角化症
このシミは老人性色素班を長期間放置したことによってできるイボのようなシミです。別名老人イボと呼ばれていて肌色や黒色で、大きさはバラバラです。シミのあたりにわずかな盛り上がりができるため、他のシミとの違いは一目瞭然です。ホクロと勘違いしそうですが、このシミはほくろよりも硬く、ボコボコしているのが特徴です。
血管新生がシミの原因
悩みが多い老人性色素班を筆頭に、これまで紫外線が原因だと思われてきたシミですが、実は他の要因も大きく関係していることが明らかになっています。その一つが血管の異常な増殖です。
実は、あるシミ改善の施術を受けた人に対するアンケートで、施術を受けても元に戻った、元に戻ったことがどちらかといえばあると答えた人は、なんと7割を超えていました。なぜシミが再発したのかは、レーザー治療やスキンケア製品の間違った使い方などで肌が物理的な刺激を受け、肌内部で血管の新生が促進され、その結果シミが作られたことが挙げられます。
実は肌は摩擦や活性酸素などの刺激によってダメージを受けると、真皮にある毛細血管を構成する細胞から、ウロキナーゼという酵素が分泌されます。この酵素が原因となり血管の新生を促進します。そして活性が高まるとシミの原因となるメラニン生成の引き金、チロシナーゼの活性も高まり、メラニンを増やしてシミが一気に現れます。
そもそも血管には、血液を通じて酸素や栄養を細胞に届ける大切な役割がありますが、血管は、肌が刺激を受けたところや栄養が不足している所をめがけて伸びるという習性があります。つまり摩擦や活性酸素などの刺激で弱った肌の部分に血管が伸びて増えた分だけ、ウロキナーゼの分泌量が増えてメラニンも増えます。その結果シミができてしまいます。
シミ対策としては、十分な睡眠、規則正しい生活、ストレスを溜めないことは当然ですが、特に異常な血管の増殖を防いでくれる注目の成分があります。それがオトギリ草抽出液です。オトギリ草抽出液は、オトギリ草の花または全草から抽出して得られるエキスで、抗菌や利尿作用、育毛作用、火傷や口腔炎にも効果があるとされています。そして研究によって血管の異常増殖を抑制する効果が新たに分かっています。市販のシミケア商品の中にも使用されているものがあります。
温度差ストレスがシミの原因
シミの原因になるストレスには、室内外の温度差が招くストレスもあります。肌の温度が一定な場合と異なる温度に晒された場合を比較した研究によると、夏に室内外を行き来したり、マスク着脱を繰り返すなどして異なる温度に晒した肌は、圧倒的にメラノサイトを刺激してメラニンの産生が増えることが分かっています。
さらに温度差ストレスを受けた表皮細胞は、ストレスを受けていないものに比べ、炎症性因子の一種であるインターロイキン6という遺伝子が約160%も増加していることが判明しています。つまり温度差ストレスによって皮膚の炎症が起こりやすくなり、シミの発生につながることになります。
夏に冷房が効いた室内では、顔の皮膚温度は 25度前後になり、屋外では皮膚温度は38度に達するなど10度以上もの温度差になることもあります。シミを予防するためにも、温度差ストレスが肌にかからないように意識してすることが大事です。
ブルーライトや赤外線の熱がシミを悪化
ブルーライトは目に悪いというのはご存知だと思いますが、ここ言うブルーライトは、太陽光の青色光のことです。太陽光には7色の光が混ざっており、波長が380から500ナノメートルを青色光がブルーライトと呼ばれています。これは人の目で見ることのできる光の中で、波長が短く強いエネルギーを持っている光です。
この太陽光のブルーライトは電子機器のブルーライトに比べて数百倍の強度があり、浴び続けるだけで肌にストレスが加わり、肌トラブルの原因となる成分、過酸化脂質を増加させます。また紫外線よりも肌の奥に入り込むため、通常のUVカットでは防ぎきれず、シミを作り出してしまいます。
もう一つの赤外線も厄介で、赤外線は人の目には見えない波長の長い光で、熱を伝える性質があるため熱線とも呼ばれている光です。赤外線は物に当たると吸収されて温まるため、この性質を利用した暖房器具や健康器具があります。
この太陽光の赤外線によって生じる熱によって血管内皮膚増殖因子を増加させることが研究によって明らかになっています。血管内皮膚増殖因子の過剰な増加は、肌へ悪影響を及ぼしシミや赤み、シワなど肌トラブルを引き起こします。
シミと神経の関係
なぜシミができやすいのは頬なのかは、もちろん紫外線だけがシミの原因ではなく、血管の異常な増殖によるもの、そしてもう一つにシミは神経と関係があるということ挙げられます。
ある研究で皮膚の真皮の上層部を詳しく見てみると、シミの出来やすい頬には神経が多いのに対して、シミができにくい額や顎には神経が少ないことが分かっています。さらにシミと神経の関係を調べていくと、シミの部位ではメラニンを作るメラノサイトと神経の接触が増加していることも分かっています。つまり神経が多い頬は、神経がメラノサイトに接触しやすく、それによってシミになりやすく、神経が少ない額や顎などは神経が少ない分、メラノサイトに接触しにくくシミになりにくいと考えられています。
神経は、肌への刺激やダメージが引き金になって伸びてくると言われているため、このシミが発生するメカニズムを作動させないためには、やはり刺激を極力抑えることが大切です。血管の異常な増殖を抑えるためにはオトギリソウ抽出液が有効でしたが、ヒメフウロという植物から抽出したエキスには、神経からの影響を抑制してメラノサイトの活性を抑える効果があります。また肌の奥からシミの原因を効果的に抑制できるため、シミ予防だけでなく、既に出来てしまったシミを抑えることも期待できます。ヒメフウロエキスが配合された美容液や化粧水、それに保湿クリームは市販されていますので、ぜひ成分表示をチェックして購入をご検討してください。
シミと筋肉の関係
筋肉が多いとシミが出来にくくなります。体重あたりの体幹と下半身の筋肉量が多い人ほど顔のシミが少なかったことが分かっています。その理由は筋肉量が多いほど、多く作られるマイオネクチンという物質が、血液によって皮膚に運ばれるとシミの元であるメラニンの生成を抑えるからです。つまり筋トレはシミに効果的になります。
肌にシミができるステップは大きく3つあり、マイオネクチンはその全部に効果を発揮してくれます。まずシミは、紫外線などが肌に当たった時に炎症が起こり、それがメラノサイトというシミを作る工場に指令を送るところから始まります。そのため、まず炎症を抑えることがすごく大事になります。
数多くの研究で、マイオネクチンは炎症因子の産生を抑える事が分かっています。さらにマイオネクチンは、シミの黒色色素であるメラニンを作るメラノサイト自体の動きを抑え、メラニンの生成まで抑制してくれます。つまりマイオネクチンはシミの原因になる炎症を抑え、万が一炎症が起こった場合でも、炎症から指令が送られてくるメラノサイトをストップする強力なダブルブロックの役割を担います。
また、メラニンは一つだけでできるのではなく、塊になってしまう性質があり、この塊になったものが浮き上がることで肌にシミとして現れます。このメラニンの塊のことをメラニンキャップと言い、シミ対策にはこのメラニンキャップを作らせないようにすることが大事です。さらにマイオネクチンは、このメラニンキャップを分解する効果があり、メラニンは固まりにならず細ければ目立たなくなります。
全身を鍛えるのが健康のためには理想的ですが、シミには特に体幹と下半身の筋肉を鍛えると良いです。屋外で行われる競技のアスリートが、多くの紫外線を浴びているのに肌が綺麗な人が多いのは、それは筋肉に関係しているからです。
このマイオネクチンは運動して筋肉が動いた時に分泌されます。1日最低15分程度のウォーキングや10回3セットのスクワットなど、毎日続けられる範囲で継続することが大事です。
肌を擦らない
実はスキンケアのやり過ぎがシミの原因になります。若々しい肌を長年キープしたいなら、肌に刺激を与えないことが大事なポイントです。特に顔の肌は非常に繊細で、刺激にとても敏感です。
例えば顔を洗いすぎたり、タオルでゴシゴを擦ったり、肌のシワを伸ばそうとして美顔器や顔マッサージをするなど、顔を擦るという行為自体が強い刺激を生み出し、それを繰り返すと肌が過剰に刺激され、肌のバリア機能を低下させたり、炎症や色素沈着が起こりシミの原因になります。さらに顔を引っ張ったり、伸ばしたりすることによって肌にストレスがかかり、肌の中にある大切な成分のコラーゲンやエラスチン繊維が破壊されることにもなりかねません。
また細菌やウイルスが付着した手で顔をベタベタ触ることで、顔の肌に移って肌トラブルの原因にもなります。そのため顔をむやみに触る、擦る行為は是非やめるべき習慣です。
肘や膝などの体の突き出た部分の皮膚は他と比べて黒ずむは、他の部分よりも刺激や摩擦を受けやすいため、色素沈着を起こしているからです。同じように顔を擦れば擦るほど、肘や膝と同じように顔の肌は黒ずみます。
そのため、例えばタオルで顔を拭くときは擦るのではなく、肌に刺激を与えないようにポンポンと当てるようにして水分を拭き取ったり、洗顔をする時も泡立てた泡に汚れを吸収させるイメージで当てるだけで十分に汚れは落ちます。また美容液やクリームは、いくら塗っても肌に吸収される量は決まっているので、1種類もしくは多くても2種類くらいにすることがおすすめです。
シミない人の特徴
シミない人の特徴は年間を通して紫外線対策を徹底している人です。シミができる原因の紫外線は、一年中降り注いでいるため、日差しが強い季節だけの対策では不十分です。また紫外線は窓ガラスも通過するため、UVカットできるシートを窓ガラスに貼ったり、カーテンも紫外線対策してあるものがベターです。
もう一つは、美白成分配合の美容液を使用していることも特徴として挙げられます。特に老人性色素班には美白成分配合の美容液による対策が効果的です。特にビタミンC誘導体やアルブミン、そしてトラネキサム酸やプラセンタエキス、ハイドロキノンなどの美容成分が効果的です。また抗酸化作用の高い栄養素をしっかり摂っている人もシミができにくくなります。
コーヒーのシミ抑制効果
ポリフェノールは、ほとんどの植物に存在する植物の苦味や色の元になる成分で様々な種類があります。例えば赤ワインやブルーベリーに含まれるのがアントシアニン、緑茶に含まれるのがカテキン、他にも1000種類くらいあると言われています。そしてコーヒーに含まれているのがクロロゲン酸です。
クロロゲン酸を含むポリフェノールには、抗酸化作用があり、活性酸素を取り除いたり抑えたりする働きがあります。活性酸素は、細胞伝達物質や免疫機能として働くものですが、増えすぎてしまうと細胞を傷つけたり、免疫機能の低下やがん、皮膚のシミやシワの原因になると言われています。この活性酸素を取り除いてくれるのがポリフェノールです。一応実験でもコーヒーを1日に1杯以上飲む女性は、紫外線によるシミが少ないと言う結果もあります。
抗酸化作用以外の効果もクロロゲン酸にはあり、その一つが糖尿病の予防効果です。クロロゲン酸はインスリンを分泌する細胞を守る働き他にも、体の中で糖の合成を抑える働きがあります。
そして、クロロゲン酸には脂肪燃焼を促す作用もあると言われています。その中でも内臓脂肪の減少が期待されています。研究では、クロロゲン酸を摂取した人としてない人で比較し、クロロゲン酸を摂取した人はお腹周りの脂肪面積や体重が減少したことが確認されています。
他に動物実験も報告されており、コレステロール値や高脂血症の症状が軽減する可能性が示唆されています。またクロロゲン酸は肝臓で脂肪燃焼を促進するため、脂肪肝の予防にもつながると考えられています。その他にも肝臓での炎症を抑える働きや肝臓がんの予防につながる実験報告も出ています。
一方で、コーヒーはうつ病予防にも効果があると言われています。この理由とし、神経伝達物質のセロトニンの分泌をコーヒーの成分が助け、抗酸化作用が作用するためだと考えられています。実際に1日4杯飲んでいる人は、飲んでいない人に比べてうつ病発生率が1割低くなる研究結果もあります。
因みに、カナダの保険省では、健康な人に限り400mgまでのカフェインは良いと発表しています。コンビニのコーヒーで言うと1日5杯くらいです。
美肌になる温泉たまご
たまごは食物繊維とビタミンCを除く全ての栄養素を含んだ完全栄養食と言われています。特におすすめなのが温泉たまごで、温泉たまごはあらゆるたまご料理の中で最も消化吸収に優れた料理であると考えられています。玉子焼きやゆで玉子は タンパク質が変性して硬くなっているため、確かに消化しづらいイメージがあります。実は温泉たまごは生たまごよりも消化に良いと考えられています。その理由は温泉たまごのトロトロした状態が、私たちの消化酵素にとって最も理想的な形態だからとされています。
また、温泉たまごは美容効果や若返りにも最適な食材です。たまごにはビタミンHとも呼ばれている水溶性ビタミン、ビオチンが豊富に含まれています。ビオチンは皮膚の粘膜や爪髪など、私たちの美容に関わる部位に非常に深く関わっています。ビオチンを摂取することで皮膚の粘膜の状態が安定し、お肌の健康を促進します。
ただし、このビオチンと一緒に食べてはいけないものがあります。それが卵白です。卵白にはアビジンという物質が含まれており、このアビジンがビオチンと結合することでビオチンの働きを無力化してしまう働きがあります。このアビジンは過熱することで不活性化することが分かっています。当然ながら温泉たまごは、アビジンはすでに不活性化しており、ビオチンの効能を最大化することできます。
肌トラブルには発酵食品
お腹の健康のために乳酸菌を摂取すると良いというのを聞いたことがあるでしょう。乳酸菌には動物性乳酸菌と植物性乳酸菌の2種類がありますが、動物性乳酸菌は経口摂取ではあまり腸の健康に効果がないと言われるようになってきました。ヨーグルトをはじめとする動物性の発酵食品に含まれている動物性乳酸菌は、腸に届くまでに胃酸などによって分解されて死んでしまうことが明らかになっています(死骸でも腸内細菌の餌になります)。
一方で、漬物をはじめとする植物性の発酵食品が持つ乳酸菌を植物性乳酸菌と言います。植物性乳酸菌は胃酸などで分解されることなく生きたまま腸に届かせることができると言われており、生きたまま腸に届いた植物性の乳酸菌は善玉菌の格好の餌となります。
そして、私たちの心身の健康を語る上で無視することができないのが脳腸相関です。脳が正常に働くかどうかはまさしく腸内環境の良し悪しにかかっています。最近ではお肌の健康と腸管の密接な関係についても明らかになってきています。
腸内で悪玉菌が優位になると悪玉菌が放出する毒素やガスが血液中に溢れ出します。血中に漏れ出した毒素が体中の様々な細胞に蓄積し、やがて皮膚の表面にも表れ、その毒素がシミやそばかすといったお肌のトラブルの原因になっていると考えられています。
「みそ汁」が最強
日本独自の発酵食品の「みそ」は、日本人の食生活を支えてきた伝統食品です。みそは、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、有益な食物性化合物が豊富に含まれ、特にナトリウム、マンガン、ビタミンK、銅、亜鉛などが豊富で栄養価が高い食品です。この「みそ」の材料は大豆、塩、麹だけで、これらを混ぜ合わせて酵母や細菌などの微生物の力によって発酵・熟成させたものです。
最も有名な発酵食品の健康効果は、味噌や納豆のように善玉菌が多く含まれているものが多く、腸内環境を整える効果が期待できます。また大豆を発酵させた味噌は、必須アミノ酸を豊富に含んでいるため、素晴らしいタンパク質の供給源になります。また体が食べ物を消化吸収する能力を向上させてくれ、研究によれば味噌に含まれる微生物が、炎症性腸疾患などの消化器系の問題に関連する症状を軽減するのに役立つ可能性が示唆されています。
さらに味噌には免疫システムが最適に機能するのを助けてくれる栄養素が含まれています。研究によれば、味噌に含まれる有益な微生物は腸内細菌層を強化し、免疫力を高め、有害な細菌の増殖を抑えるのに役立つことが分かっています。
味噌の選び方は、食品添加物が添加された味噌でなく、なるべく原材料がシンプルなものを選ぶこと。そして減塩や塩分控えめと書かれたものは選ばないことです。塩分を減らすと腐りやすくなるため、防腐剤を添加したり、味が低下するのを防ぐためにpH調整剤や化学調味料などを使用されているからです。いずれにせよ、自然発酵や天然醸造と書かれたものを選ぶのがベストです。ゆっくりと手間をかけてつくられることで、味噌本来の風味や発酵食品ならではの豊富な栄養素がたっぷりと詰まった味噌となるからです。
【本コラムの監修】

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。