あなたの平熱は何度ですか?体温の重要性については、風邪を引いた時に気になるぐらいで、ほとんどの方があまり意識していないでしょう。私たちが健康的に過ごすためには、体温を高く保つことが非常に重要になります。
特に現代人は、低体温(35℃台)の方が多く、病気にかかりやすかったり、太りやすくなるということが分かっています。逆に体温が上がれば、免疫力が高まりあらゆる病気を遠ざける体づくりや、同じものを食べても太りにくくなります。なぜなら私たちの体は36.5℃から37℃の体温で最もよく働くようにできているからです。
例えば、36.5℃から体温が1℃上がると、免疫力は5倍から6倍アップし、36.5℃から体温が1℃低くなるうと免疫力が30%下がります。体温が低くなると肺炎、風邪などの感染症喘息、アトピーなどのアレルギー疾患、癌などありとあらゆる病気にかかりやすくなります。風邪などで体温が上がるのは免疫力を活性化させてウィルスと戦う力を上げようとしているのです。
また、体温が1℃下がると代謝が12%落ちることも分かっており、ダイエットで効果がでない方は、体温の低下が原因である可能性が高くなります。
低体温の3つの原因
低体温を引き起こす原因は、冷房の中で長時間過ごしたり、シャワーで済ますなどが挙げられます。実は湯船にしっかり毎日浸かるだけでも体温は確実に上がっていきます。そして根本的に低体温になってしまう原因が以下の3つです。
- 筋肉労働や運動の不足
- 体を冷やす食べ物の摂り過ぎ
- 水分の摂り過ぎ
筋肉労働や運動の不足
体温の40%以上は筋肉からつくり出されています。しかし、過去に比べて筋肉を使う運動や労働が激減しています。50年前と比べると体温は1℃下がっているとの報告もあります。その大きな原因が、筋肉量が低下してしまったからです。
筋肉は体の中で熱をつくり出す最大の器官で、筋肉が少なくなると体温は下がり、基礎代謝も低下します。特に女性は筋肉が少ないため、冷え性の大きな原因になります。
体を冷やす食べ物の摂り過ぎ
食べ物には大きく分けると、体を冷やす作用のある食べ物と体を温める作用のある食べ物があります。当たり前ですが、体を冷やす食べ物は冷たい食べ物です。体を急激に冷やすと自律神経にも影響します。それを踏まえて、体を温める食べ物を積極的に摂るために簡単な見分け方が色で見分ける方法です。
例えば、青、白、緑は体を冷やす食べ物、赤、黒、橙色は温める食べ物です。前者は代表例は、牛乳、白ワイン、ビール、白砂糖、緑茶、洋菓子、白ごま、南方産フルーツ、脂身の多い肉など、後者はチーズ、赤ワイン、日本酒、黒砂糖、玄米、黒豆、海藻、北方産フルーツ、味噌、赤身の肉などです。
水分の摂り過ぎ
水分はしっかり摂りましょうと世間的にはよく言われることですが、水分を摂りすぎることは体を冷やす大きな原因になります。特に筋肉労働や運動を十分にしていない人が水分を摂りすぎると体を冷やしてしまいます。
また、水はカロリーがないからいくら飲んでも良いということも言われています。体重の60%が水分であり、体重に一番影響を与えるのは水です。つまり低体温で水分過剰の状態になれば、体に余分な水分が溜まり「水毒」になります。水毒は東洋医学の用語で、体内に溜まった水分がうまく排出されない状態で、様々な不調の原因になります。
水毒になれば、代謝や血行不良となり体温が下がります。その結果、免疫力が低下し、様々な病気にかかりやすくなります。よって体の中に溜まった余分な水分を排出していく必要があります。
今日は何となく調子が悪いな、何となく体が重くてすっきりしない、なぜ私たちは病気でもないのに何となく体調が悪い日があるのでしょうか。その原因の1つとして考えられているのが免疫力の低下です。免疫とは、体を健康に維持していくためのシステムの1つで、細菌やウイルスを始めとする外敵を排除するために働いてくれるシステムです。また私たちの体内で生まれた細胞も排除する重要な働きがあります。
このように非常に頼もしい免疫システムですが、毎日同じように能力を発揮できるわけではありません。免疫とは非常に繊細なものであり、少しでも栄養バランスが、十分な睡眠が取れなかったりすると途端にその力が低下してしまいます。免疫力が低下すると私たちの体に様々な不調が現れるようになります。免疫力が低下してしまうことで起こる様々な体の不調の中から、特に注意していただきたい意外な症状があります。
免疫力が低下して起こる不調
メンタルへの影響
免疫力が低下してしまうことによって起こる意外な症状がやる気が起きないことです。やらなきゃいけないことがあるのに朝から無気力な日は、うつ病などのメンタルが原因ではなく、免疫力の低下が原因であることが指摘されています。
私たちのメンタルは多少嫌なことがあってストレスがかかっても潰れないようになっています。そのストレスからメンタルを守ってくれるものが、体内で分泌されているストレスホルモンのコルチゾールです。このコルチゾールが高い ことはストレスが多めにかかっていることを意味し、悪者として扱われることが一般的に多いですが、そもそも私たちのメンタルをストレスから守ってくれるために分泌されています。
コルチゾールが低い方が良いと言われるのは、コルチゾールそのものが悪さをしているわけではなく、コルチゾールが高い≒ストレスが沢山かかっていることを意味しているからです。つまりコルチゾールが高いということは本来ストレスに対してきちんと体の防衛機構が働いているということを意味しています。
一方でコルチゾールにも大きな副作用があります。それはコルチゾールが免疫力を低下させてしまう作用です。心が繊細な人ほどストレスによって、コルチゾールが分泌されやすく、免疫力が低下しやすい傾向があります。またストレスによって免疫力が低下していると当然体力も低下します。体に鞭を打って頑張ろうとすれば当然いつか無理が出てしまいます。こうして無理を続けることによって、やる気の低下や落ち着かなさといったマイナスの症状につがってしまいます。このような無気力がさらに続くと、燃えつき症候軍のようになってしまう恐れもあります。
スキンケアでボロボロになる肌
毎日スキンケアをしているにも関わらず、お肌が綺麗にならないという方は免疫力の低下が原因かもしれません。そもそも肌は体内に侵入してくる病原体の最初の壁であり、肌は体内と外の境界線であり常にウイルスや細菌、埃などの異物にさらされています。それらの侵入を阻止しようとするのが、皮膚のバリア機能です。そして皮膚のバリア機能を維持するものこそが免疫力です。
そのため免疫力が低下して、バリア機能が弱まってしまうと簡単にバリアが突破され、異物が体内に侵入してきてしまいます。これこそがお肌のトラブルの原因となります。
このようにお肌のトラブルの原因が免疫力の低下だとすれば、いくら外側から高級な化粧水を塗っても決して改善はしません。あくまで内側から免疫力を高めない限り、1度崩壊してしまったお肌の状態は良くなりません。このような内側からのケアを無視して、外側からスキンケアをしたところで皮膚にダメージ が蓄積し、どれほどお金をかけても肌が良くならないと諦めて、ついには後戻りできないような肌の老化につがってしまうケースもあります。
お肌の状態が悪い時にやるべきは、これ以上異物を侵入させないために適切なスキンケアを続けるということは重要ですが、それと同時に内側から免疫力を 改善するということも重要なことです。免疫力が正常に回復して、それを維持することができれば、お肌のトラブルは自然と良くなっていきます。
しつこい肩こり
肩こりと言うと筋肉とか関節に問題があるようなイメージを抱かれることでしょう。確かに肩こりの直接的な原因は、超時間同じ姿勢でいたり、緊張してこったりすることで首から背中にかけての筋肉が硬くなって血行が悪くなってしまうことです。筋肉への血流が悪くなれば当然、筋肉へ酸素や栄養素が運べなくなり、それと同時に乳酸を始めとした疲労物質が筋肉に蓄積していきます。このような老廃物が肩や首の痛みに繋がり、肩こりに発展することになります。
このような単純なこりであれば、姿勢を良くしたり、ストレッチをすることで 血流が改善し、簡単にこりを取ることができるはずです。しかし肩をほぐしたり、ストレッチをしてもこりが取れない場合は免疫力の低下を疑う必要があります。
痛みというのは炎症の一種であり、肩の痛みが続くということは炎症が長く続いているということを意味しています。炎症は免疫のバランスが崩れることで起こることが知られており、長く続く肩こりの背景には免疫力の低下が隠されていると考えることができます。さらに、このような痛みが続くと、それ自体が肉体的なストレスとなってコルチゾールが持続的に分泌されるようになります。こうしてされたコルチゾールによって免疫力が低下すると、さらに体中の炎症がひどくなりストレスが増化するという悪循環に陥ってしまいます。このような悪循環を止めるためには免疫力のバランスを調節して、体内の炎症を止めるしかありません。
また免疫力が低下し、バランスが崩れると本当は必要ではない異常な炎症を起こしてしまうことがあります。このように必要ないところに炎症が起きてしまうことを慢性炎症と言います。慢性炎症が生活習慣病を始めとする様々な病気の原因になります。さらに免疫バランスが悪くなると肩こりのような慢性炎症のみならず、他にも様々な症状が出てしまいます。
例えば、日本で急増している花粉症を始めとするアレルギー疾患も、また免疫バランスの乱れが原因にあると考えられています。花粉というのは体にとっては確かに異物ですが、体内に吸収されたところでそこまで害はありません。しかし本来無害な異物に対して免疫が過剰に反応し、それを排除しようとする反応が、辛いくしゃみや鼻水、そして目の痒みになります。また喘息などの命を脅かしてしまうような病気もまたアレルギーが関わっていると言われています。
免疫力が大事な理由
免疫力を高めることで、風邪やインフルエンザなどの感染症だけではなく、糖尿病や高血圧、ガンなんどの生活習慣病の予防にも役立ちます。免疫力とは、外部からの細菌やウイルス、日々体内で発生しているがん細胞の監視と撃退する感染防御機構の中心システムです。この免疫力が低下すると、ウイルス・感染症、肌荒れ、アレルギー、疲れなどが生じます。
免疫力を構成する3つの要素は、皮膚・粘膜の物理的バリアー、好中球・マクロファージなどからなる自然免疫系、リンパ球からな獲得免疫系に分けられます。それでは自分の免疫力を知り、どうすれば免疫力を高めることができるのかを考えてみましょう。
免疫とはウィルスや病原菌などの外敵から体を守ってくれる防備システムのことです。この防御システムがあるからこそ、私たちは健康的な生活することができます。この免疫には、自然免疫と獲得免疫の2段構えで、外敵の侵入を防いでいます。
私たちが生まれつき持つ自然免疫は、物理的に侵入を防ぐ皮膚、殺菌作用で異物を退治する粘液、それらを突破してくるウィルスを退治するのが白血球です。自然免疫で防ぐことができないウィルスについては、免疫細胞が抗体をつくって病原体を退治する獲得免疫のシステムが働きます。
これらの中で最も重要な役割を担う白血球(顆粒球、探球、リンパ球)で、それぞれが連携を取りながら外敵を排除してくれます。
しかしながら、加齢、ストレス、不規則な生活習慣などでシステムが機能しなくなると、免疫力の低下した状態になります。そのため風邪や病気に罹りやすくなり、かつ治りにくくなるのです。さらに白血球のパトロール機能も弱くなるため、ウィルスなどの侵入を簡単に許してしまうのです。
免疫力とは、外部からの細菌やウイルス、日々体内で発生しているがん細胞の監視と撃退する感染防御機構の中心システムです。この免疫力が低下すると、ウイルス・感染症、肌荒れ、アレルギー、疲れなどが生じます。
免疫力を構成する3つの要素は、皮膚・粘膜の物理的バリアー、好中球・マクロファージなどからなる自然免疫系、リンパ球からな獲得免疫系に分けられます。
それでは自分の免疫力を知り、どうすれば免疫力をアップすることができるのかを考えてみましょう。
3つの免疫の砦
体全体を包み外部からの病原体の侵入を防ぐ第一の砦が、皮膚・粘膜の物理的バリアーです。例えば唾液には殺菌作用があり、その量は1日1.5リットルもの唾液を随時分泌しています。その関所がよく知られている扁桃腺です。
二つめの砦が好中球・マクロファージなどからなる自然免疫系です。細胞が細菌に刺激されると、細胞は白血球を呼ぶためのシグナルを出します。好中球などが集まり、被害を最小限します。
そして、第三の砦である獲得免疫系にその情報が伝えられ、再度同じ病原体が侵入してきたときに攻撃できるように準備します。獲得免疫系リンパ球にはT細胞、B細胞、NK細胞があり、それぞれ異なる役割を持っています。ただし、指令系統が乱れるとアレルギーや自己免疫病を引き起こす原因となります。
効果の高い免疫力を高める方法
在宅勤務などのも広がり、椅子に座ったままになることも多いと思います。しかし座ったままの状態では、下半身の血流が停滞し、それが全身に広がることで筋肉の代謝も低下してしまいます。さらに心筋梗塞、脳血管疾患、糖尿病なども引き起こす可能性があります。30分から1時間程度には1回は立ち上がり、軽いストレッチをしましょう。また姿勢を良くするだけでも免疫力を高めることが分かっています。
そして最も大事なのが、空腹状態を維持することです。お腹が空いていないのに食事をとることは決して体に良いことではありません。なぜなら免疫細胞の白血球は満腹状態で血糖値が上がっていると、その能力は通常の半分以下になり、効率よく働くことができません。結果として免疫力が低下してしまうのです。そのため決めた時間に食べるのではなく、空腹を感じるまで食べないということが重要なのです。
空腹によって自然治癒力をつくりだし、免疫力を上げることが大切なので、例えば風邪を引いて、しっかり栄養を摂るのではなく、何も食べずに空腹状態でいる方が、免疫力が高まり治りやすくなります。
最後に、免疫力を効果的に高めるためにオススメなのが、毎日40度のお湯に10分浸かることです。入浴は疲労回復効果、血行改善効果、免疫力アップの効果などがあります。体を温めることで、筋肉をほぐし、適度な水圧と毛細血管お拡張効果で滞りがちな血流を改善していくことができます。特に夏場でも湯船に浸かることが大切です。さらに炭酸ガス入り入浴剤で血管を広げて血行を促進することでも効果が高まります。
免疫力アップの新常識
3つの必須アミノ酸
私たちの免疫細胞の主な材料となるのはタンパク質です。良質なタンパク質をたくさん取ることによって免疫細胞が強くなり、逆にタンパク質が不足してしまうと免疫細胞が減少して、体に様々な不調が現れてしまいます。
食事から摂取したタンパク質は体に入ると20種類のアミノ酸に分解されます。この内の9 種類は、私たちの体内で作るものができないもので必須アミノ酸と言い、食事でしか摂ることができません。そしてこの必須アミノ酸の内、バリン、ロイシン、イソロイシンの3つのアミノ酸は、分子鎖アミノ酸とも呼ばれます。この分子鎖アミノ酸は筋肉の強化や肝機能の向上に働くと共に、私たちの免疫細胞の1つである好中球の働きを改善してくれる作用があります。
好中球は、体内の白血球全体のおよそ半数以上を締め、主に細菌感染から体を守ってくれる重要な免疫細胞です。さらに分子鎖アミノ酸は主にウイルス感染 から体を守ってくれるナチュラルキラー細胞も活性化するということが知られています。
もちろん必須アミノ酸だけでなく、非必須アミノ酸の中にも私たちの免疫細胞の働きをサポートしてくれるものがあります。例えばアルギニンという非必須アミノ酸は、体内で異物を飲み込んでくれるマクロファージという免疫細胞を活性化してくれることが分かっています。また同じく非必須アミノ酸のグルタミンは、様々な免疫細胞の増殖を促すという作用があります。
良質なアミノ酸を効率よく摂取するためには、やはり良質なタンパク質を食事から取るのが1番でしょう。免疫力アップのために1日に推奨されているタパ質の摂取量は、体重1kg あたり1gで、体重が60kgの人であれば1日60g以上のタンパク質を摂ることが推奨されています。
ビタミンD
免疫力アップのために各種ビタミンが大切であるということは何となくイメージ出来ていると思います。例えば風邪を引くビタミンCをたくさん摂れば良いと言われています。昨今免疫細胞が、その能力を十分に発揮するために効果の高いビタミンDが注目されています。
ビタミンDと言うと骨を丈夫にする栄養素というイメージをお持ちではないでしょうか。確かにそのイメージは正しいですが、ビタミンDには骨代謝に働く以外にも免疫機能を調節するという大切な役割があるということが分かっています。
ビタミンDは、体内に最近やウイルスが侵入してきた際に免疫細胞を活性化し、 攻撃の指令を出すとともに、過剰な免疫の暴走を抑制して炎症を防いでくれる役割を担っていることが分かりました。つまりビタミンDは、私たちの免疫バランスを整えてくれる司令等の役割があります。
しかしながら、日本人の約8割がビタミンD不足に陥っているという統計があります。日本人の食事摂取基準によれば、ビタミンDの摂取量の目安は成人で1日8.5gとなっています。ですが日本人のビタミンDの平均摂取量はわずか6.6gしかありません。ただし、ビタミンDは脂溶性ビタミンのため、沢山摂ると尿として排泄することができません。そのためサプリメントなどによって大量に摂取するということはお勧めできません。やはりビタミンもアミノ酸も含む全ての他の栄養素と同じように、天然の良質な食材から摂取することが大事です。ビタミンDは特に鮭やイワシなどの魚介類や干椎茸といったキノコ類に豊富に含まれています。
プロテイン
プロテインは、アミノ酸と呼ばれる小さな基本要素から構成されており、アミノ酸は免疫 システムを構成する様々なタイプの細胞を生成するために必要なものです。適切な量と質のプロテインを摂取することで、免疫細胞の生成と機能が最適化されます。
特に重要な役割のあるB細胞は、アミノ酸の適切な供給がなければすぐに弱ってしまいます。B細胞は感染症や病気の原因となる病原体を特定し、無力化もしくは除去する作用があります。B細胞が活発化していない状態で病原体が体に侵入すると、その影響をダイレクトに受けてしまうことになります。
またT細胞やマクロファージなどの免疫細胞もタンパク質が不足すると弱ってしまいます。T細胞やマクロファージなどの免疫細胞は、病原体が体内に侵入した際に他の免疫細胞に警告し、その場所に誘導する役割があります。
さらに免疫細胞に移動、分化、増殖などを指示することもあります。タンパク質不足でT細胞やマクロファージが機能しなくなると免疫細胞のリーダー的存在がいなくなるため、その結果病原体が侵入しても免疫細胞たちが戦わなかったり、効率よく動けなかったりします。
これらの免疫細胞の全体的な強化を目指すなら、良質なタンパク質を多く摂取する必要があり、この良質なタンパク質が体内で生成できない必須アミノ酸を全て含んでいる食品のことです。
一般的な成人女性の場合1日に46から56g程度のタンパク質摂取が推奨されていますが、50gのタンパク質をたまごだけで摂ろうとしたら9個も食べる必要があります。複数の食材からタンパク質を摂るにしても、毎日46から56gの量を摂取できるとは限らないため、食べるタンパク質より飲むタンパク質の方が手っ取り早くて楽な側面があります。
プロテインで免疫力アップさせるタイミング
まず、免疫力をアップさせること目的とするなら、タンパク質の割合が70%以上のものを 選びましょう。プロテイン摂取量は体重1kgあたり1.2から1.6gが推奨されているので、例えば70kgの人であれば1日に84gから112gのプロテインを摂るようにしましょう。
運動習慣のある人は、体重1kg あたり1.6gで計算し、筋肉の修復や成長のためにもタンパク質が多く必要になってきます。また妊娠、授乳、成長期、高齢など特別な状況では、プロテインの必要量が大きく変わる可能性があるので、これらの状況の場合は専門家と相談してからプロテイン量を決めることが大事です。
体は 1度に大量のプロテインを吸収できないため、数回に分けて摂取する必要があり、少なくても3回、多くて6回に分けて摂取すると吸収率が上がります。また食後にプロテインを摂取するのも良いですが、高タンパクな食事の後にプロテインを摂取すると、プロテインの吸収率が下がる可能性があります。
また目的に応じた摂取の仕方が大事で、例えば筋肉を強化したい場合は筋トレごすぐに摂った方が良いでしょう。筋トレは筋肉に微細なダメージを与えることで筋肉成長を促すため、トレーニング後すぐにプロテインを摂ることでアミノ酸が血流に供給され、筋肉修復が早くなります。
そしてダイエットを目的にプロテインを飲むのなら、食事の代わりに一食分として摂るのも良いでしょう。その場合は食事からビタミン、ミネラル、食物繊維などもバランスよく摂るよう心がけましょう。免疫力のアップを1番の目的とするなら、吸収率を高めるために小分けにして摂取することが大事です。
特に免疫力の衰えを感じていたりする場合は、食事前の空腹時にプロテインを飲み、腸が空っぽに近い状態のため、プロテインは比較的早く吸収されるので、エネルギーを素早く補充し、免疫力を上げたい時には有効な手段です。空腹時に大量のプロテインを取ると胃に不快感を感じたり、腎臓に負担 をかけたりする可能性がありますが、少量のプロテインであれば基本的には問題ないとされています。ただし砂糖や人工甘味料の入っているプロテインは、血糖値を上げ、体に負担をかけるので注意しましょう。
その他の免疫力を高める方法
バナナのレジスタントスターチ
免疫力を上げる意外な食材がバナナです。バナナが免疫力を上げるのは、含まれるレジスタントスターチという物質にあります。レジスタントスターチは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の働きを兼ね備えた食物繊維です。
カラオケで免疫力アップ
カラオケが免疫力アップに効果があることは、科学的にも立証されつつあります。鶴見大学の研究によると、好きな歌を歌った後は唾液に含まれるコルチゾールレベルが優位に減少するということが分かりました。
免疫力と感謝の気持ち
感謝という行為は、私たちの脳内でセロトニンなどの幸せホルモンを分泌して くれるということが分かっています。セロトニンがストレスレベルを下げて、免疫を低下させてしまうコルチゾールの値を改善してくれます。
最近では、日々感謝の気持ちを持っている人は、いつも不平不満ばかり言う人に比べ、慢性炎症の原因となるインターロイキン6という物質の値が低いということも分かっています。
呼吸と睡眠
免疫系をコントロールする方法は、呼吸です。呼吸を意識的に調整することにより、自律神経をある程度コントロールできます。特に有効な方法は、5秒息を吸う、2秒止める、そして10秒で息を吐くだけです。これは太極拳やヨガなどにも通じる方法です。
また、睡眠はストレスに対して最も効果的な治療法で、免疫力を維持するための有効な手段です。ただし寝だめは免疫力の回復にはあまり効果がないので、通常の睡眠に比べて良質だと考えられている、昼寝や仮眠を積極的にしましょう。
鍼灸や漢方
明治以前は、鍼灸や漢方などの伝統的な東洋医学が用いられていましたが、以後西洋医学による医薬が用いられるようになりました。
西洋医学は、症状に対して対処的に処置するのに対して、東洋医学は病気への抵抗力を補強することによる治療を行います。例えば、西洋医学では、感染症に対しては、抗菌薬によって感染源を断とうしますが、東洋医学では、感染源に対して体の抵抗力を補強して感染症に対応します。つまり免疫力を向上させることで対応する姿勢です。
これらから、東洋医学を含めた伝承、あるいは伝統的な医療に関心が集まりつつあります。こららを代替医療(オルタナティブ・メディシン)と呼びます。特に米国での治療効果(科学的な手段で研究されており、多数の報告がある)が認められ、代替医療への見直しが各国で行われています。ただし、免疫力の回復法の効き目にも個人差があります。盲信しないように注意する必要があります。
サウナやお風呂
体の細胞は、間を置いて、繰り返し刺激を体に与えることで活性化します。サウナに入り、刺激を受けることで、血流が改善し、エネルギーを作り出そうと細胞が活発に動き出します。また41度のお湯に10分間浸かることで、全身の毛細血管が広がる「血流改善効果」を期待できます。
インディバなどのラジオ波
免疫力が正常に保たれる体温は36.5度と言われています。免疫力は体温が1度下がると代謝は12%、免疫は30%低下します。獲得免疫系リンパ球(免疫細胞)は血液の中にいるため、体温の低下、血行不良になると体内に異物を発見しても素早く攻撃ができなくなってしまいます。基礎体温を上げることが免疫力にとって大切な要素となります。
インディバは身体の内側からの深部加温ができるため、血流改善、細胞の活性化が可能です。またサウナやお風呂と違い、体の内部からの温熱効果によって深部体温を3~5℃上げることで冷えや代謝の悪さを改善し、免疫を上げる効果が期待できます。
免疫力を高める統合美容鍼灸コース
当院では、免疫力を上げて、病気に罹りにくい身体づくりのお手伝いとして、高周波温熱治療器(インディバ、ラジオスティム)を美容鍼灸コースに導入しております。高周波(ラジオ波)は、体内から発生するジュール熱によって、効率よく体を芯から温めることができます。
サウナや入浴などで外側から温めるのではなく、内部から温めることで体温は通常より3~5度、部位によっては7度まで上昇させることができ、芯から体を温めて免疫力と自然治癒力をアップさせます。
さらにその温熱効果は、免疫機能を回復させ、あらゆる症状を和らげる「体質改善」と、代謝が良くなることで、脂肪が燃焼されやすくなる「痩身効果」、そして体に必要な酸素や栄養素の供給、老廃物や活性酸素の排除など、健康や美容面で広範囲に効果を期待することができます。
【本コラムの監修】
・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。