シワ・たるみ・くすみを促進する「酸化」と「糖化」

    シワ・たるみ・くすみを促進する「酸化」と「糖化」

    老化の原因には、細胞寿命説、酸化・糖化、慢性炎症、DNA損傷、腸内環境の悪化など、これらのいくつかが一緒に進むことが考えられています。

    細胞寿命説は、細胞分裂には終わりがあり、それが老化や寿命に関係しているというものです。この細胞分裂の限界(ヘイフリックの限界)は、約50回の細胞分裂で限界を迎えると言われています。この回数以上に細胞分裂ができないのは、テロメアの短縮があるからです。細胞分裂でDNAが複製されるたびにテロメアは徐々に短くなり、染色体の構造が不安定になります。実際に赤ちゃんのテロメアは長く、高齢者のテロメアは短くなります。このテロメアの短縮を予防することで細胞分裂の限界を延長することがアンチエンジグ研究で注目されています。

    体のサビ「酸化」

    テロメアの短縮は、酸化などが原因で早まると考えられおり、酸化防止が大切な理由となっています。しかし、私たちの体には酸素が必要であり、取り込まれた酸素は、ミトコンドリアでエネルギー代謝しATPを生成します。その利用された酸素の3%程度が活性酸素となることが分かっています。

    この活性酸素による酸化ダメージによって細胞が傷つき、老化が促進されてしまいます。細胞を包む細胞膜が酸化すると、サビである過酸化脂質が生じて硬くなり、細胞の機能が落ちます。その結果、シワ、シミだけでなく、脂質異常症、動脈硬化などの生活習慣病のリスクにつながります。サビの原因であるストレス、タバコ、アルコール、睡眠不足などの活性酸素増大リスクを減らしていくことが大切なのです。また活性酸素は加齢とともに体内で発生する量が増えていきます。

    皮脂酸化でたるむ

    酸化による肌トラブルの1つに皮脂の酸化が挙げられます。例えば皮脂が紫外線にあたると、皮脂の中の不飽和脂肪酸やスクワレンなどが酸化して、過酸化脂肪酸や過酸化スクワレンに変化し、表皮の細胞障害を引き起こします。その結果シワ、たるみ、くすみ(STK)などの肌トラブルにもつながります。その他にも紫外線によって、日焼けして肌が黒くなるものチロシンというアミノ酸が酸化することで起こります。

    一方で間違った洗顔(過度な洗顔など)によって肌が乾燥して、必要以上の皮脂を発生させてしまう場合もあります。ぬるま湯、泡を立てて優しく洗う、すすぎをしっかりという洗顔の基本を守り、洗顔後のスキンケア(化粧水、保湿剤)で肌の乾燥を招かないようにすることが大切です。

    抗酸化にはバランスが大事

    抗酸化物質には、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンAがあり、特にCとEを併用することが大切です。なぜならビタミンCを大量摂取すると、ビタミンC自体が酸化してしまう突出という現象が起きてしまうため、これを防いでくれるのがビタミンEです。つまり単純にビタミンを摂るのではなく、お互いの影響を考えてバランス良く摂取することが大切です。

    その他にも、ポリフェノール(フラボノイド)、カロテロイドなども抗酸化物質として有名です。フラボノイドの中でも玉ねぎにケルセチンは、ビタミンPが含まれ、主にビタミンCの働きを助けてくれます。血管をしなやかにし、活性酸素によるダメージを防ぐ抗酸化作用、抗炎症作用が認められています。またカロテロイドの中で、鮭、蟹、えび、卵の卵黄に含まれているアスタキサンチンは、活性酸素の中でも毒性の強い一重項酸素を除去する力や、過酸化脂質を抑制する力に優れているため積極的に摂るべき物質でしょう。

    一方で、体内でも合成される強力な抗酸化酵素があり、鉄分から作られるカタラーゼ、亜鉛、マンガンからつくられるスーパーオキサイドディスムターゼ、セレン、N-アセチルシステインからつくられるグルタチオンぺルオキシダーゼがあり、これらを摂取することで体内で合成される抗酸化酵素を働ける環境をつくることも大切です。

    体の焦げ「糖化」

    糖化は、余分な糖質がタンパク質と結びつき、細胞を劣化させるAGEsを作り出します。糖化は体内で進行しますが、それが見える形で表れると肌のシミ、シワ、くすみであり、肌のコラーゲンが糖化すれば、肌全体が褐色を帯びてきます。また糖化は肌表面だけでなく、血管や内臓にも影響を与えてしまいます。

    この糖化を阻止する最も確実な方法は、精製された糖質を控えることです。特にジュースに含まれる異性化糖はブドウ糖の10倍以上の糖化リスクがあると言われています。

    肌の老化はコラーゲンの劣化によるシワ、糖化と酸化によるシミの2つが原因です。糖化でAGEsが蓄積し、酸化で過酸化脂質(リポフスチン)というシミの元が蓄積します。肌にシミが多いということは体の中のもシミが多くあり、体内にダメージが多く蓄積していることになります。つまり健康と美容は分かれているのではなく、健康と美容は端的に表れることになります。

    シワの原因

    まずシワの原因として挙げられるのは肌の乾燥です。肌の水分が足りなくなって乾燥状態になると肌のキメが乱れることで細かいシワ(小じわ)が目立つようになります。この小ジワに、表情のクセが加わることでシワは深くなります。また肌の乾燥を引き起こすのが紫外線です。UVAは肌の奥まで浸透して、潤い成分を奪い、肌をパサパサにします。

    次のシワの原因2つ目はフリー ラジカルです。私たちは年を取るに連れて、偏った食事や不摂生な習慣、心理的要因などによって肌を傷つけてしまうフリーラジカルが体内で発生し、肌は徐々にダメージを受けていき、皮膚の弾力性が失われシワができると言われています。

    またシワの原因には、加齢とともに肌のコラーゲンとエラスチンが減少することが挙げられます。実はコラーゲンは1000以上のタンパク質で組織や細胞をつなぎ合わせる接着剤のような役割を果たしている不可欠な成分です。肌は表皮と真皮の層で構成されており、表皮には水分の保持や体温の維持など外側から体を守ってくれる役割があり、一方真皮は、表皮の内側で肌の張りや弾力を保ち維持する役割があります。

    この真皮の約70%を構成している成分がコラーゲンです。一方のエラスチンは、肌の弾力において重要な役割を果たします。体内のエラスチンのレベルが高いと、赤ちゃんのようなプルプルした弾力のあるお肌になります。

    どうしても加齢とともにエストロゲンというホルモンが減っていくと、肌の美肌成分であるコラーゲンやエラスチンも減少します。肌に弾力がなくなり、肌はたるんで、それがシワになってしまいます。

    老化と見た目の関係

    「外見が老けて見える人は、体の中も老けている」という研究が、世界5大医学雑誌のブリディッシュメディカルジャーナルに2009年に掲載されました。その研究は、2001年時点で生存していた70歳以上の双子1826人のうち、37%の方がその7年後には無くなっていましたが、2001年時点で老けて見えた方が、若く見えた双子の片方よりも有意に亡くなっていたことから、上記のような結論が発表されました。

    その他、40歳以上の10885人を対象し、35年間追跡調査を行なった研究(コペンハーゲンシティハートスタディ)でも、見た目の老化サインと心筋梗塞発症の関係が上昇することが報告されています。

    ここで指摘されるのが、見た目と寿命の関係の中で、老化はシワやたるみ、抜け毛などで総合的に判断され、その老化兆候に、AGEsの集積が関与していることです。実際、肌の真皮の70%はコラーゲンやエラスチンなどの細胞外基質がAGEs化すると、ハリ・ツヤ、弾力が失われて、シワ、たるみの原因になります。そして当たり前ですが、肌だけが老化することはあり得ず、体の中のAGEsの蓄積によっても老化していると考えれば、老化と見た目の関係は明らかでしょう。

    超加工食品で老化する

    加工食品の中でも「超加工食品」は、極めて危険であることが様々な研究で指摘されています。超加工食品は、加工の度合いで分類した場合に最も加工度が高い食べ物で、インスタント食品、スナック菓子や菓子パン、加工肉食品、高カロリーの清涼飲料水などです。超加工食品は栄養価のバランスが著しく欠いているだけでなく、砂糖、質の悪い脂肪、塩分、そして化学物質(添加物)がたっぷりと添加され、高カロリーであるにも関わらず、ビタミン、ミネラル、食物繊維があまり含まれていません。さらに超加工食品を食べると食欲増進ホルモンのグレリンが増えてしまいます。つまり超加工食品を食べ続けると、カロリーを余分に摂りやすくなり、体重が増え、不健康になるおそれがあります。

    ナバラ大学の研究によると、砂糖、油、脂肪、でんぷんを多く含む超加工食品を多く含む食事はより早く老化させる可能性が明らかになっています。研究では57から91歳までの886人のスペイン人の食事を約20年間追跡調査しました。研究者は高度に加工された食品の消費量に合わせて4つのグループに分けて、その参加者のテロメアの長さの変化を測定しました。テロメアは染色体の末端に位置するDNAの保護構造のことで細胞分裂ごとに短くなります。そのため細胞の老化を評価する指標として用いられます。つまりテロメアが短いほど老化が進んでいるということです。その結果、最も加工食品を消費するグループ(3サービング以上/日)は、最も消費量が少ないグループ(2サービング未満/日)に比べてテロメアが短くなる可能性が2倍になっていました。このように加工食品は体に悪いだけでなく、老化を加速させることも明らかになっています。

    また、テロメアは短いほどがんや2型糖尿病などの加齢に伴う病気リスクも高くなることが分かっています。例えば、超加工食品とがんにかかるリスクの関係を調べた研究があります。その研究では、フランスの成人約10万人を平均5年間追跡調査したところ、食事に占める超加工食品の摂取量とがん全体、そして乳がんのリスクの上昇との間に関連が認められています。

    他にもナバラ大学では、約2万人を対象に超加工食品の消費と全死亡率との関連を調査しています。1日1から2食程度以上(1日4サービング以上)の超加工食品を食べることは、全ての原因による死亡率のリスクが62%増加することが分かっています。

    さらに超加工食品は脳への影響も研究で明らかになっています。米国神経学会は、約7万人を対象に超加工食品を多く食べる人は、認知症を発症するリスクが高いことを明らかにしています。具体的には超加工食品を毎日10%増えるごとに認知症リスクは25%高くなります。

    血糖値スパイクが万病の元

    血糖値は通常は緩やかに上下していますが、血糖値が急激に上がり、その後急激に下がる血糖値スパイク(落差が60mg/d以上)が問題になっています。血糖値スパイクは、不調や病気、そして老化を作り出しますが、体内で起こる「糖化」と「酸化」の作用が影響しています。

    「糖化」は、体を構成しているタンパク質が体温と血糖値の変化によって変性してしまうことで、体のタンパク質が焦げた状態になることです。血糖値スパイクによって糖の代謝に異常が起こると、その一部がアルデヒドになり、体内のタンパク質を焦げさせてしまいます。これを「糖化ストレス」と言い、血管の壁を傷つけたり、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞を起こしやすくなります。また糖化には、赤血球が変形したり、重なったり塊になったりします。その結果、ミトコンドリアに必要な酸素が赤血球によって運ばれてこなくなり、身体の免疫力や自然治癒力が衰えて様々な部位に不調を来すことになります。

    一方で「酸化」は、体内に取り入れた酸素が代謝の過程で活性酸素に変わり、細胞やDNAを錆びさせることです。活性酸素が増えると老化が促進されて生活習慣病の原因となり、痛みを生む物質や疲労物質、そしてがん細胞のもとが発生してしまいます。この活性酸素の過剰が酸化を引き起こす要因になることを「酸化ストレス」と言います。

    血糖値スパイクが起きると糖化により、糖化ストレスやドロドロ血液になって様々な弊害が招かれ、そこに酸化が加わると老化や身体の不調など、あらゆる弊害を引き起こすリスクが高くなります。つまりアンチエイジングや健康のためには、血糖値スパイクによる糖化を防ぎ、酸化ストレスと抗酸化力のバランスをとることが大事なのです。

    食後の軽い運動で老化ストップ

    食後の運動は良くないと言われていましたが、今では食後すぐの運動によって血糖値を上げないことが分かっています。実際に国立国際医療研究センターの糖尿病情報センターでは、食後1時間の間に運動することが推奨されています。

    研究では、食後わずか2分のウォーキングで消化が促進され、血糖値が低下し2型糖尿病を発症するリスクを減らすことが分かっています。体を動かすことで胃や腸の刺激が促進され、食物がより速く移動するようになるため消化が促進されると考えられています。

    また2016年の2型糖尿病対象の研究では、血糖値を適切にコントロールするために効果的なのは、1度に30分歩くよりも毎食後に10分間軽く歩く方が効果的であることが分かっています。

    このように食後の軽い運動が血糖値の上昇、血糖値の下降を緩やかにします。血糖値が上昇した後に急激に下降することを血糖値スパイクと言いますが、この血糖値スパイクによってあらゆる病気が引き起こされることが分かっています。さらには病気だけでなく老化も加速させます。特に精製された炭水化物(白米、パン、麺など)を食べた後は、血糖値が急激に上昇し、血糖値が急激に下降する血糖値スパイクが非常に起こりやすくなるため注意が必要です。

    ウォーキングは最高の薬と考えられており、ウォーキングは寿命を伸ばし、長生きするシンプルな方法です。以前は1日1万歩が基準になると考えられていましたが、今では1日4,500歩が最もコスパの良いことが16,732人の年配の女性対象とした大規模な研究で明らかになっています。1日あたり少なくとも4,500歩歩くことが、すべての原因による死亡率を減らすための転換点であることが示唆されています。

    よくある誤解として運動は身体に良いから、やればやるだけその効果が得られると考えることです。運動のやりすぎでもなく、やらなすぎでもない中間のほどよい量をするべきだと考えられています。

    バナナの抗酸化力

    慢性的なストレスを感じているのであれば、体内で活性酸素が増え過ぎているかも知れません。活性酸素によって細胞や組織が酸化されてサビ付いてしまうと、シミやシワの原因になります。そのため抗酸化力を持つポリフェノールが豊富に含まれているバナナを食べることはアンチエイジング対策には有効です。またバナナには、お肌のトラブル予防や美肌効果を保ち、美容ビタミンと言われるビタミンB群が豊富に含まれています。肌の炎症を防ぐビタミンB3、肌荒れを防ぐビタミンB6、肌の新陳代謝を促進するビタミンB2などが豊富に含まれている天然の美容サプリです。

    そして最も重要なメリットが腸を整えてくれる効果です。腸の調子が乱れると全身の臓器が乱れてしまうことが分かっており、心と体の健康はすべて腸から始まると言われる所以です。腸内環境が乱れると、腸内で有害物質がつくられ、血液に乗って全身に行き渡って肌に溜まり、肌が新しく生まれ変わるのを妨げてしまいます。その結果、肌荒れや吹き出物などお肌の調子が悪くなるのです。

    バナナが腸を整えてくれるのは、ハイパー食物繊維と言われるレジスタントスターチが豊富に含まれているからです。一般的には食物繊維は善玉菌のエサになり、その食物繊維を摂取することで腸内環境が良くなると言われています。その食物繊維には水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けない「不溶性食物繊維」があり、この両者をバンラス良く摂ることが腸内環境を整える上で大切なことです。バナナに含まれるレジスタントスターチは、この2つの機能を兼ね備えているハイパー食物繊維です。また含まれるフラクトオリゴ糖は、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を改善してくれます。さらにバナナは簡単に食べられるだけでなく、低カロリーで血糖値を上げにくいという優れた食材でもあります。

    善玉菌が増えることで、脂肪の取り込みを抑え、GLP-1というホルモン分泌を促すことによって満腹感を持続させて、食べ過ぎを防いでくれる「短鎖脂肪酸」を沢山分泌させることができます。さらに善玉菌が生み出す短鎖脂肪酸によって、体温や心拍が上がることで基礎代謝が上がりダイエット効果も期待できます。

    ただし、黄色いバナナではなく緑色のバナナを選びましょう。なぜなら黄色くバナナが熟してしまうとレジスタントスターチは糖質に変換されて、糖質が増えレジスタントスターチが減ってしまうからです。このグリーンバナナには、レジスタントスターチに加えて、セロトニン、トリプトファンなどの特別な栄養素が豊富に含まれています。しかし美味しさも微妙かも知れないので、茎の部分に緑色が残っているグリーンチップのバナナをなるべく選びましょう。

    赤ピーマンの抗酸化力

    私たちの体は、エネルギーを産生するためにミトコンドリアが活動しており、ミトコンドリアは酸素や栄養素を原料としてATPを生み出しています。このエネルギーを生み出す過程で「活性酸素」が生まれ、この活性酸素が細胞を錆びさせる原因になります。この錆びから体を守ってくれるのが抗酸化作用です。「カプサンチン」は赤い色の植物に含まれている色素のことです。この「カプサンチン」は強力な抗酸化作用を持っており、有害な活性酸素を除去して、細胞の老化を食い止める働きがあります。

    一方で、コレステロールにも善玉と悪玉があり、善玉コレステロールは私たちの体を健康に維持するために欠かせない栄養です。コレステロールが過剰になりすぎると「血管の粥状硬化」を招き、血管を油のヘドロで詰まらせることになります。そのため血中ではなく、コレステロールは肝臓などに蓄えることが大切になります。そこで血中のコレステロールを肝臓に運ぶ物質であるHDLとコレステロールを結びつけた複合体である、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が重要な役割を担います。

    「カプサンチン」は、善玉コレステロールを上昇させ、血中の余分なコレステロールを除去する効果があります。なぜ「カプサンチン」が善玉コレステロールを増やすのかは未解明な部分が多くありますが、水に溶けづらく血中でコレステロールと一緒に運ばれることが一因でないかと考えられています。

    この「カプサンチン」を多く含む食材が赤ピーマンです。また赤ピーマンは熟すにつれてカプサンチンやビタミンの量が増えます。また赤いトマトに含まれるリコピンも抗酸化作用として知られていますが、カプサンチンの赤い色素であるキサントフィルはリコピンの100倍以上の抗酸化作用をあると言われています。さらに「カプサンチン」は紫外線刺激から肌を守る機能もあります。

    少食のすすめ

    世界中で老化防止やアンチエイジングの研究が行われ、これらの分野に莫大な投資が集まっています。例えば、日本の順天堂大学では「老化細胞」を除去するワクチンが開発されたりしています。このワクチンを投与したマウスは、関節炎や動脈硬化などと関連のある老化細胞が減少したことが分かっています。また糖尿病の処方薬のメトホルミンは、老化に効果があるのではないかと考えられています。

    メトホルミンを服用している患者は、そうでない人より際立って健康状態が良いことから、マウスに投与したところ寿命が6%延びた結果となりました。これは人であれば5年分の健康な寿命にあたります。このようにさらなる研究が必要であり、今後の研究成果に期待したいところです。しかし、誰でもできる方法が少食にすることです。

    食べる量や食べる回数を減らすことが、今すぐ誰でもできる老化を止める方法です。なぜならカロリー制限をすることによってあらゆる生物の長寿につながることが研究され、体を一時的な飢餓状態を保つことで長寿遺伝子が発現することが分かっています。

    必要以上に食べ物を摂るのではなく、必要最低限の質の良い食べ物を食べて、一時的な飢餓状態をつくることで、長寿遺伝子が働くと若返り酵素がつくられます。そのスイッチを入れることが、結果として免疫機能が高まり、病気や体の劣化を防ぎ、老化を遅らせることができます。

    ただし、当たり前ですが食べる量を減らすのであれば、より質の高い、栄養価の高い食べ物を意識して食べることが必要です。

    【本コラムの監修】

    恵比寿院長

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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