目元が窪んでクマになっているから、ここにヒアルロン酸注入や脂肪注入をしたいという方が多くいます。しかし目の下の皮膚は薄いため、変に膨らんだり、ボコボコになったりすることがあります。それらのリスクを知り、自分にあったケア方法を選びましょう。
目元の脂肪注入
目元が窪んでクマになっているから、ここに脂肪注入をしたいという方が多くいます。しかし目の下の皮膚は薄く、脂肪注入した場合に変に膨らんだり、ボコボコになったりすることがあります。また、おでこをぽっこり出すために脂肪注入をすることが流行っており、綺麗に膨らんで喜んでいる方もいますが、その人が10年後、20年後ボコボコになるかどうかは予想できません。老化すれば、必ず皮膚は薄くなるため、若い時に皮膚の薄いところに脂肪注入して綺麗になっていても、今後注入した脂肪がボコボコになる可能性もあります。
また、脂肪注入すると瘢痕で硬くなったり、癒着するため簡単に取ることができなくなります。取るためには、切開して裏側から切ることしかできず、必ずどこかに傷は残ってしまい、また癒着してしまった周りの正常な組織まで影響することになります。そのため修正するリスクを考えると医師が断るケースが多いです。
一方でヒアルロン酸であれば、仮に失敗してボコボコになって膨らんでいても、溶かすことができ、リカバーすることができます。
目元のヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸のメリットは、麻酔クリームだけを塗って、座った状態で細い針で注入するため、自然な状態かつ、腫れてない状態で綺麗に仕上げることができます。当たり前ですが、ほうれい線と目の下の窪みは、寝た状態と起きた状態で全然違い、基本的に起きた状態が最も自然に見えます。
また、脂肪注入の脂肪は粒子が大きいためボコボコになりやすいですが、ヒアルロン酸は粒子の細かく、柔らかいため、皮膚の薄い目の周りには適しています。また脂肪注入は、粒子が大きい分、太い針で刺さないといけないため、腫れによって、どこに注入すれば良いかの判断が難しくなります。ヒアルロン酸は粒子が細かいため、細い針で腫れないように打つことができます。
一方で注入した脂肪が全部残るわけではなく、一部が吸収されて無くなります。その定着率に個人差があり、注入した脂肪の2割か3割ぐらいしか定着しない人もいれば、ほとんど無くなってしまう人、あるいは8割、9割定着する人がいます。このように定着率には、個人差があって予想しづらいため、思ったより定着してボコボコになってしまうことがあります。
ヒアルロン酸、脂肪注入は永久!?
ヒアルロン酸注射は、基本的に注入して膨らまして形を作るという美容整形の治療の一つで非常にポピュラーな治療です。以前は、ヒアルロン酸注射は、代謝・吸収されて、尿として排泄されて無くなると言われていましたが、もちろんある程度の量は吸収されて無くなりますが、注入の仕方や注入するヒアルロン酸の製剤の種類によってはある程度残るということが分かってきています。
通常であれば6ヶ月ぐらいで無くなるものや長いものだと1年とか2年ぐらいかけて無くなるものなど、ヒアルロン酸の製剤にも様々な種類があり、例えば粒子が細かくて柔らかくて馴染むものや粒子が大きくて、あるいは密度が高く、硬くて立体感が出せるものなど、さらに注入する部位によっても変わってきます。その中で持続的に残るものは、ある程度の密度の高いものです。逆に薄まったものあるいは意図的にその量を増やすために薄めたものを使うのであれば、当然ヒアルロン酸の密度が低く、シャブシャブになるため吸収されるスピードが速くなります。
何れにせよ、ヒアルロン酸は使う製剤とか 注入の仕方によっては永久的に残る、ある程度の量が残るものがあるということを知っておく必要があります。中にはコスパ重視だけで、例えばアクリルアミドを希望されたりする方もいます。また単に永久的に残るものだとコスパが良いと考えて、脂肪注入を希望される方も多くいます。例えば、脂肪は自分の組織自分の体にあるものだから安全で安心と思うのは短絡的な発想です。
脂肪注入はリスクが高い治療であることは知られており、注入した脂肪が血管に入り込んで、そこに定着してしまえば周りの組織と癒着して、そこに脂肪が永久に残ることになります。例えば目の下の皮膚の薄いところに脂肪注入してボコボコになってしまうと返って形が悪くなってしまったとなっても、そこに癒着して固まってしまうため、皮膚を切開して取らざる得なくなります。そのため傷は残るし、綺麗にその脂肪だけ切り取るって事はできず、周りの組織に癒着しているため、ある程度取り残したり、あるいは周りの元々あった組織や筋肉、脂肪組織、真皮まで切り取り、返って凸凹になったり、窪んだりということになってしまいます。このように脂肪注入は永久に残るからと言う理由で安易に手を出すものではないことが分かると思います。
一方で脂肪注入のリスクとしては血管に塞栓し、動脈を詰めてしまうことによって皮膚が壊死すると言うリスクがあります。これはヒアルロン酸注射でも起こる可能性がありますが、ヒアルロン酸の粒子よりも脂肪注入する粒子の方が大きくて塞栓しやすい傾向があります。ヒアルロン酸で動脈塞栓を起こした場合はヒアルロニダーゼを大量に投与して、ヒアルロン酸を溶かす処置をしますが、脂肪を溶かす治療はありません。
また、ヒアルロン酸にしろ、脂肪注入にしろ、永久に残るということは、加齢とともに皮膚が薄くなっていくと注入した脂肪はそのまま残るため、若い時は皮膚のハリや皮膚の厚みがあって目立たなかったものが、加齢で皮膚が薄くなると注入した脂肪がボホッと浮き出て不自然になるって事があります。さらに脂肪は太ももやお尻、脇腹から吸引して注入しますが、注入した後にオーバーカロリーになると、注入した脂肪も比例して太るため、太ってボコボコになったりすることもあります。
これらのため、特に皮膚の薄いところはなるべく避けた方が良いという医師も多く、目の下と上瞼のくぼみ、おでこなどは脂肪注入をやらないようにしている先生もいます。こういった医師は、どんな治療でも必ず一定のリスクがあることを理解し、高いリスクが考えられる治療は若い時は良くても、何十年経った後にトラブルが起こることを考えて推奨はしていません。
一方で、ヒアルロン酸がどれぐらいで吸収されるかは、何度も打っているとコラーゲンの皮膜ができ、そこから吸収されなくなって永久に残ることがあります。よくあるのは鼻とか 顎とか涙袋などは、比較的一か所にまとめて膨らまして入れるため、最初は徐々に吸収されますが、完全に吸収される前に同じところにヒアルロン酸入れて膨らませると皮膜が出来き、吸収されにくくなることがあります。そのため、ヒアルロン酸がまだ残ってるのに無くなったと勘違いして定期的に追加していくことになってしまいます。
目の下の脂肪取り(脱脂)
目の下には脂肪が溜まりやすく、それがたるみやクマの原因になることもあります。この手術では、その余分脂肪を取り除くことで目の下をすっきりとさせることができます。
目元の脱脂に関しては、基本的にはハムラ法がクマやたるみの根治術と言われています。一方の脱脂については、不完全な施術であると言われています。その理由に、目元の脂肪を脱脂する量の調整が難しいからです。施術中の麻酔による腫れや脂肪が日内変動するため、脂肪を抜き過ぎると眼窩の中が窪んでしまうため、控えめに脂肪を取ることが多く、膨らみが残る傾向があります。その膨らみを隠すために、元々ある目の下の窪みにヒアルロン酸や脂肪を入れて埋めることもあります。この場合は不自然な膨らみになることがあります。
ハムラ法は、目元の膨らみを目の下に移動させてフラットな状態にすることができますが、ただ抜くだけの脱脂と違い、施術の難易度が全然違うものになります。施術の方法も表ハムラ、裏ハムラがあり、前者は余った皮膚を除去するため表面に傷がつきます。後者は余った皮膚は除去できませんが、表面に傷はつきませんが若干シワっぽくなることがあります。
術後のダウンタイムは人によって違いますが、大体12 週間ほどで腫れや痛みが引くことが多いでしょう。完全に回復するまでには数週間かかることもあります。加齢とともに表れる症状としては、手術後の経過年数や個人の体質によりますが何点か考えられます。
まず目の下の脂肪が取り除かれた後、時間が経つとその部分の皮膚が少し萎縮することがあります。つまり皮膚が薄くなって血管が透けて見えることがあります。また脂肪取りすぎると目の下が凹んで見えることもあります。これは年を取ると特に目立ちやすく症状です。
インディバ 術後ケア
『術後ケア』とは、美容整形により傷ついた組織を修復するために、インディバの効果を利用したリハビリ的ケアです。
- 美容整形・脂肪吸引直後のダウンタイムにお悩みの方は、一刻も早くその状況から解放されたいと思います。そこでお勧めが『インディバ術後ケア』です。
- インディバは術後の体の修復をアシストしてくれる強い味方と言われ、術後の痛みやむくみ、内出血の早期回復をサポートします。
【コラムの監修】
・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。