
年齢を重ねると白髪や抜け毛、パサきや広がりなど目に見える変化があり、このような髪の老化が気になってくる世代にこそ、日々のケア次第でツヤもボリュームも大きく変わってきます。逆に日頃のケアを怠ってしまうと途端に老けた印象になってしまうのが髪の毛です。
薄毛の3つの原因
私たちの髪の毛が生えなくなってしまう原因は、大きく分けて3つに分けることができます。それが頭皮の表面のトラブル、髪の毛を生み出す毛包周辺のトラブル、さらにその奥にある頭皮の真皮や毛細血管といった組織のトラブルです。
科学的に薄毛や脱毛は、複数のタイプが重なった複合タイプを含めるとその組み合わせは500通り以上もあると言われています。ですがこの500通り以上の薄毛の組み合わせのほとんどは、これら3つのどれかの原因に当てはめることができます。
例えば、男性型の脱毛として有名なAGAは、このうち毛包、毛乳頭の問題です。還元酵素5αリダクターゼにより、強力に変用した男性ホルモンジヒドロテストステロンの影響で、ヘアサイクルが乱れることによってAGAが起きてしまいます。また最近は女性でもFAGAという女性型の脱毛症が増えています。
このようなFAGAの多くは、加齢により血流やホルモンバランスが変化し、毛乳頭がテストステロンによるダメージを受けることが一因と考えられています。つまり、これも先ほどの3つの原因のうち2つ目の毛包の問題であると言えるでしょう。逆に言うとこれらの要因を整えることで髪の健康維持や薄毛の進行予防が可能です。
つまり、頭皮の外側のコンディションと毛包のコンディション、そして頭皮の内側のコンディション、これら全てを整えることができれば、薄毛の人でも問題は解消できます。
頭皮の清潔さを保つ
中でもこのうち最も多くの人が忘れがちなのが、頭皮の表面のコンディションです。薄毛の人の多くは市販薬を使ったり、あるいは食事に気を使って頭皮の内側の健康を保とうとしています。しかし、そもそもきちんと頭皮の表面のケアをできているでしょうか?
実は、頭皮の清潔さを保つことが髪の健康維持に役立つことが報告されています。2018年に海外で行われた頭皮環境に関する研究によれば、頭皮の表面のフケや皮脂炎症などの環境によって、髪の健康が大きく左右されることが分かっています。この研究では、正しいシャンプーや頭皮が毛包の環境を改善し、結果的に発毛にプラスに作用することが分かっています。そして髪の毛の育成や維持には、毛穴そのもの以上に頭皮全体の環境改善が何より重要であると結論 付けられています。
私たちの頭皮の表面には、様々なものが付着しています。代表的なものとしては、過酸化脂質やマラセチア菌を挙げることができます。過酸化脂質は、私たちの頭皮から漏れ出した皮脂と老廃物や疲労物質が酸化してしまい、ギトギトな油汚れのようになった状態です。またマラセチア菌は頭皮の常在菌ですが、これが異常増殖を起こすと炎症を引き起こすことが報告されているので、清潔な状態を保つことが大切です。
このようなことから薄毛対策には何より、まず頭皮の表面をケアすることが大事です。そして、その上で毛包を適切なトニック剤などで刺激し、さらに頭皮の内側にある毛細血管や真皮をケアする順番が大事です。おすすめの方法は、やはり良質なシャンプー剤できちんと洗髪をすることです。
頭皮年齢を若えらせる方法
頭皮マッサージ
加齢による白髪や抜け毛の原因の多くは、頭皮の動脈硬化です。私たちの頭皮には無数の毛細血管が走っていて、この毛細血管が髪の毛を作る毛包の細胞に栄養を補給して います。しかし、この毛細血管が動脈効果によって詰まってしまうと毛包や髪の毛に十分な栄養や酸素が行き渡らなくなってしまいます。
毛包の細胞にとって栄養は、髪の毛を作る材料で酸素というのは髪の毛を作る エネルギーです。動脈効果によって毛細血管が詰まってしまうと、これら材料や エネルギーが枯渇してしまい髪の毛が作れなくなってしまいます。このようなことからできる限り頭皮の毛細血管を広げてあげる習慣が大事であると言えるでしょう。
そこでお勧めしたいのが頭皮マッサージです。頭皮を指の腹で圧迫することによって、頭皮の毛細血管が拡張し、毛包への栄養や酸素の供給が増えます。実際、大学の研究では4分間の頭皮マッサージを行うだけで頭皮の血流が上昇することが確かめられています。
さらにそれだけでなく、マッサージで頭皮を柔らかくすると髪の毛の出口のスペースが確保され、髪の毛が太く伸びやすくなるとも言われています。これは臨床観察のレベルですが、薄毛の患者の頭皮というのは硬くて毛包のスペースが狭いことが報告されています。
髪の毛の出口が硬くて細くなっていれば、そこから出てくる髪の毛も細くなるのは当たり前です。逆に髪の毛の出口が柔らかくて広ければ、それだけコシの強いハリのある強い髪の毛が生えてくるのは想像しやすいでしょう。
このようなことから毛包の出口を広げて、頭皮を柔らかくする頭皮マッサージは、ただ脱毛を防ぐだけでなく、健康的で太い髪の毛を生やすという点で非常に効果的です。さらに頭皮マッサージには、私たちのホルモン分泌を整えることで薄毛を予防するという効果もあります。
頭皮に限らずマッサージは、私たちの自律神経のうち交感神経を優位にしてくれます。副交感神経は、リラックスする時に優位になる神経です。それによってストレスホルモンであるコルチゾールの値が下がることが分かっています。
実際、頭皮マッサージ後にコルチゾール値が低下したことが大学の研究によって明らかになっています。コルチゾールはストレスホルモンとも呼ばれ、私たちのストレスレベルを上げてしまい、頭皮に悪影響を及ぼします。
ストレスフルな現代社会において仕事や家事、人間関係などあらゆるストレスを全て除去するというのは簡単ではありません。このようなことから日頃から頭皮マッサージをすることで、溜まったストレスを癒してあげるのが大事です。
このように頭皮マッサージには、血流改善からホルモン分泌の調整に至るまで様々な健康効果があります。やり方は簡単で、指の腹で頭皮を包み込み、優しく円を描くように回してあげるだけです。あまり強くやりすぎると頭皮が擦すれて炎症をきたし、逆に薄気になってしまうこともあるので注意しましょう。
ブラッシング
1日に何回ブラッシングをしていますか?ブラッシングは、ヘアケアの基本であり、ツヤのある健康的な髪に導くためのファーストステップでもあると言えます。髪のトラブルには、頭皮の血行不良が深く関わっています。頭皮が硬くなって血行が滞ると髪の毛を作る毛母細胞にしっかりと栄養が運ばれません。
その結果、健康的な髪が育ちにくくなります。ブラッシングは、頭皮に刺激を与えて血行を促すため、髪のトラブル改善に大きく役立ちます。またブラッシングによってキューティクルが整えば、髪の艶が増し、それだけでなく頭皮の皮脂が髪をコーティングすることでツヤも出てきます。
抜け毛を気にするあまりブラッシングを避ける人もいますが、それは大きな間違いです。私たちの髪の毛にはヘアサイクルがあり、髪の毛はずっと伸び続けるわけではなく、一定時間成長したら自然に抜け落ち、しばらくすると同じ毛根から新しい毛が生えてきます。
一般的には、髪が伸び続ける成長期、髪の毛がだんだん対していく退行期、完全に成長が止まり抜け落ちる休止期の3つが何度も繰り返されています。洗髪やブラッシングで髪が抜けるのは休止期の毛のため、いずれは自然に抜ける毛です。このようなことからブラッシングで髪の毛が抜けても、そこまで悲しむ必要はありません。むしろブラッシングで血行を促して、頭皮環境を整えてヘアサイクルを正常に働かせることの方がよっぽど大切です。
加齢とともに若い頃とは髪の太さや質が変わっていきます。個人差はありますが、女性の場合、髪の太さのピークは30歳頃で、それ以降は徐々に細くなります。さらに60歳を超えると10歳の頃と同じぐらいの細さになってしまいます。キューティクルの並び方も乱れ、水分が蒸発しやすくなり、うねりやパサつきも目立ってしまいます。
このようなことは、遅かれ早かれ誰もが同じ道を辿ります。しかし、そのスピードは、日々のヘアケア次第で早くも遅くもなります。周りを見渡してみるとご年配の方でもツヤのある瑞々しい髪の人もいらっしゃいます。このようなことからヘアケアは何歳から始めても遅いことではないという意識が大切です。
ブラッシングは、頭皮をマッサージする側面もあるため、頭皮マッサージ用の機能を備えたブラシが良いでしょう。ピンの先が丸く、台座がクッションになっているものは頭皮を傷つけずにブラッシングできます。また豚やイノシシなど天然の毛を使ったブラシは、髪のツヤのアップに役立ちます。
このブラッシングの回数は1日に3回、起床、シャンプー前、就寝前の3 回ブラッシングをしてみてください。就寝前は主に頭皮マッサージが目的で、シャンプー前のブラッシングは、汚れを浮かせて効率的に洗うために行われます。 またブラッシングのコツとしては力を入れすぎず、気持ち良いと感じる程度の力で行うことがポイントです。
最初に毛先の絡まりを取ってから、髪の生え際から後方へとブラシを入れていきます。そして最後に襟足から前方に向かってブラシを通していきましょう。ただしブラッシングをする時は乾いた髪に行うことに注意してください。濡れた髪にブラッシングをするとキューディクルを傷つけてしまいます。とはいえあまりに髪が乾燥していると摩擦や静電気が生じてしまいますので、あらかじめヘアオイルを少量つけてからブラッシングするのがおすすめです。
シャンプーの回数を減らす
多くの人が見落としがちですが、私たちの髪の毛というのは全身の皮膚と繋がっています。つまり髪の毛のケアのポイントは、肌ケアとほぼ同じです。正しく洗うこと、乾燥させないようにしっかり保湿をすることが何よりも大切です。毎日のようにシャンプーをしている人が多いかもしれませんが、お肌と同じように髪の洗いすぎには注意が必要です。
頭皮は汗や皮脂、埃などの汚れがつきやすいですが、特に女性は男性ほど皮脂が多くありません。また若い頃は汗でべたつきやすかった人でも、ある程度の年齢になると発汗量も少なくなります。このようなことから男女ともに過剰な洗髪は頭皮の乾燥に繋がり、その結果かゆみが生じたり、角質の脱落量が増えてフケが目立つようになることまであります。
もちろん、夏場など汗をかいた日や整髪料をつけた日は、シャンプーでしっかりと汚れを落とす必要があります。しかし、それ以外の場合は2日に1回ぐらいの頻度で大丈夫です。とはいえ、シャンプーは毎日しないと違和感がある方も多いでしょう。ですが医学的には2日に1回を超えるシャンプーは、ちょっとやりすぎと言われています。
ただし、比較的若い男性に多い油性のフケは、皮脂の分泌が多いため起こるため、この場合は小まめなシャンプーが必要になります。このようなことから自分自身の頭皮の状態をしっかりと把握して、シャンプーの頻度を調節することが大事です。
また、このようなシャンプーの頻度の他にもう1つ気をつけて欲しいのがシャンプー剤の選び方です。私たちの髪の毛は酸性に強く、アルカリ性に弱い性質があります。そのため石鹸などアルカリ性の剤で洗うと髪のキューティクルが傷んでざらつきを感じることがあります。
そのためおすすめなのは、お肌と同じ弱酸性のシャンプーです。特にアミノ酸系のシャンプーは、ある程度の洗浄力を保ちながらも髪と頭皮に優しいのが特徴です。成分表示にココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルメチルタウリン、ラウロイルメチルアラニンナトリウムなどの成分が書いてあれば、アミノ系という目安になります。
ただし、このようなアミノ酸系の成分であっても成分表示の終わりの方に書いてあるのであれば含有率が低いことになります。成分は含有量の多い順に表示されているので、あくまでシャンプーボトルの成分表示の上位に、これらの成分名があるかどうかを確認するようにしましょう。
また、シャンプーをする時は髪の毛だけでなく、頭皮も洗う意識で行ってください。あらかじめを丁寧に濯ぎを行ってシャンプー剤やトリートメント剤を残さないようにしましょう。
そして、シャンプーの流れとしては、まずブラッシングで汚れを落とします。ブラシで髪をすいて埃や汚れを落とすことによって、頭皮の余分な皮脂などを浮かび上がらせることができます。続いてお湯を使って1分ほどかけて髪と頭皮をしっかりと洗い流します。あらかじめお湯で洗い流しておくことによってシャンプーの泡立ちが格段に良くなります。ただし熱過ぎるお湯は、頭皮の乾燥を招くのでNGです。38℃程度のぬるま湯で行うようにしましょう。
次に本格的なシャンプーによる洗髪に入ります。シャンプーを手の平でよく泡立てた後、髪と頭皮全体に馴染ませ、指の腹で優しくマッサージするように洗いましょう。この時、必ずまず手の平で泡立ててから洗うようにします。頭皮の上でシャンプーを直接泡立てないようにしましょう。
また、前頭部と頭頂部は皮脂が多い部分のため、特に丁寧に洗ってください。シャンプーの残留物は頭皮にダメージを与えますので、時間をかけて髪の根元までしっかり濯いで洗い流しましょう。その後、タオルで髪の水分を軽く取った後、毛先にコンディショナーやトリートメントを塗っていきます。それができたらコームで髪をすかし、全体に行き渡らせてから水でしっかりと洗い流します。頭皮のベタ付きや髪のボリュームダウンを避けるために、根元にはコンディショナーを塗布しないように気をつけてください。
ちなみにトリートメントとコンディショナーは別物です。トリートメントの役割は、髪の内部に栄養を届けて保湿することになります。 一方、コンディショナーの役割は、髪の表面をコーティングして滑らかにすることです。それぞれ働き方に違いがありますので、髪の状態や目的に合わせて選ぶようにしましょう。
タオルは拭くのではなく水気を取る
洗髪の際に意識していただきたいのが髪の毛の乾かし方です。髪の毛の洗い方については十分注意している人も多いかもしれませんが、乾かし方まではあまり注意していない人も多いと思います。そのため多くの人が、髪の乾かし方を間違ってしまい、髪の老化を早めてしまっています。
正しい髪の毛の乾かし方のは、頭皮や髪への刺激や摩擦を避けるためタオルでゴシゴシ拭き取るというのはNGです。タオルは、キューティクルを痛めないように髪を押さえたり挟んだりしながら水分を取るのがコツです。シャワーから上がった後は、まず根元の水気をタオルで取っていきます。
タオルで頭を包み、頭皮と髪の根元を優しく揉むようにして水分を吸収させていきます。この時は必ず清潔なタオルを使うように意識しましょう。続いて髪をタオルで挟み、軽く押さえて水分を取っていきます。挟んだら次、さらに次とタオルを移動させていきましょう。
そして最後にブラシやコームで髪をすきます。これは髪を整えてドライヤーをかけやすい状態にするための準備です。髪が長い場合は絡まないように毛先から優しくすいていきましょう。次のステップはドライヤーです。タオルドライの後はできるだけ早く乾かすようにしてください。自然乾燥は髪の毛が臭くなったり、雑菌が繁殖して炎症が起きてしまうため絶対にNGです。またドライヤーをかける前にヘアオイルやヘアミルクをつけることでドライヤーの熱から髪を守りやすくなります。
ドライヤーは、まず根元を乾かすことから始めます。頭皮からドライヤーを20cmほど離して、髪を持ち上げて根元から乾かしていきます。このように根元を乾かすことで髪がボリュームアップしやすくなります。熱が1点に集中しないようドライヤーを振りながら乾かしましょう。
根元と中間層の髪が乾いたら、続いてドライヤーを上から下に向けて表面を乾かして全体を仕上げていきます。最後に冷風を全体に当てると髪のキューティクルが閉じてツヤが出てきます。
特に頭頂部にボリュームが欲しい人は、仕上げにブローブラシを使って立ち上げるのが良いでしょう。ちなみにキューティクルは、髪の毛の1番外側にある組織のことで外部からの刺激から髪を守る働きをする髪の毛のバリアです。キューティクルは、ケラチンというタンパク質でできていて、根元から毛先に向かって鱗状に重なっています。濡れた髪は、このキューティクルが開いた状態で傷つきやすくなっています。
ドライヤーの温風を当てている時は開いていますが、冷風を当ててしっかり冷ますことでキューティクルが閉じて髪が整います。これがドライヤーの最後に冷風を当てるべき理由です。またシャンプー後に髪を濡れたまま放置するとキューティクルが開いた状態のままどんどん水分が抜けていきます。それがパサつきやうねりの原因になってしまいます。
添加剤の多いシャンプーを使わない
薬局などに行くと実に様々なシャンプーが売られています。AGAでお悩みの男性の方などは、皮脂を落とすスカルプシャンプーなどを使っている方も多いのではないでしょうか。しかしそのような市販のスカルプシャンプーが、むしろ頭皮に悪影響を与えてしまうことがあります。私たちの頭皮には、生まれつき備わっているバリア機能があります。実は皮脂は適度に分泌されることで、このバリア機能を強化してくれています。
しかし、強力なスカルプシャンプーなどに含まれる石油合成系の海面活性剤によって、必要な皮脂まで洗い流されてしまうと頭皮は乾燥してしまいます。乾燥した頭皮は、炎症を起こしやすくなり、その炎症を抑えるためにさらに多くの皮脂が分泌されます。これによって皮脂分泌の悪循環に陥り、どれだけ洗っても皮脂が落ちない状況になってしまいます。
実際、研究でも過剰な頭皮の洗浄が炎症や乾燥を招いてしまうことが報告されています。またそれだけでなく頭皮にはマラセチア菌などの常在菌が生息しています。これは私たちの腸内に腸内細菌が存在しているのと同じです。しかし強いシャンプーは、この常在菌のバランスを崩してしまうことがあります。強いシャンプーを使うことで頭皮の常在菌が減少し、それがフケや炎症の増加につながり、結果的に頭皮環境が悪化してしまいます。また激安のシャンプー剤に含まれる様々な添加物も大きな問題です。
シャンプーには強い香りのものや長期間放置しても腐らないものがあります。 一部の防腐剤や香料が刺激となる場合もあるため、敏感肌の人は注意が必要です。実際、アメリカの皮膚化学会の臨床データでも、このようなシャンプー剤に含まれる添加物が頭皮の湿疹やかゆみの原因となることが報告されています。このようなことから、強いシャンプー剤を自己判断で使うのは危険だと言えるでしょう。
適切な睡眠
髪の毛の健康のためには、ストレス管理や睡眠、さらには禁酒、禁煙が欠かせません。慢性的なストレスは、私たちの髪の毛のターンオーバーである毛周期を乱出すことが分かっています。毛周期はヘアサイクルとも呼ばれ、古い髪の毛が抜けて、新しい髪の毛が生え替わるというサイクルのことです。
多くの人は抜け毛が悪いというイメージがあるかもしれませんが、適度な抜け毛も髪の毛の健康には大事です。これは皮膚をイメージすると分かりやすいでしょう。皮膚は常にターンオーバーを繰り返しており、古い皮膚が角質となって剥がれ落ち、中から新しい皮膚が生まれてくることで常に弾力のある新しい皮膚を保っています。
もしこのようなターンオーバーがなかったら、皮膚は古い角層ばかりになってしまい、ガサガサになってしまいます。髪の毛もそれと同じで、ターンオーバーによって古い髪の毛が抜け落ち、傷ついた枝毛が整理されることで新たに強くて美しい新鮮な髪の毛が生えてきます。
本当に問題なのは、抜けた分の髪の毛が生えてこないということです。若い内は、抜け毛と同じだけ新しい髪がきちんと生いてくるため、プラスマイナスの収支が保たれて薄毛にはなりません。加齢と共に、この収支がマイナスに傾いてしまうのです。つまり抜ける髪の毛ばかりが増え、生えのペースが追いつかなくなってしまうことです。
そして、この毛周期の乱れを悪化させるのが慢性的なストレスです。実際、研究では慢性的なストレスによって、発毛量が脱毛量に追いつかなくなることが 分かっています。このようなことからストレス管理は、髪の毛にとって欠かせません。
さらに頭皮にとって大きな害となるのが喫煙とアルコールです。喫煙は、体内で大量の活性酸素を生み出し、それが大きなストレスになります。それだけでなく、抹消の血管を収縮させ、頭皮の血流を阻害してしまいます。実際、喫煙と脱毛のリスクの関連は、様々な研究で明らかになっています。
また、アルコールも注意が必要です。アルコールは解毒の過程で亜鉛やビタミンB群といった髪の毛の成長に欠かせない栄養素を大量に消費してしまいます。そのため飲みすぎることで髪の毛に栄養が回りにくくなり、毛周期がどんどん悪くなってしまいます。
そして、発毛のために何より大事なのが睡眠です。睡眠というのは食事や運動と並んで重要な健康の要素の1つです。実際、アメリカの大学研究では、不眠症の患者は、髪の毛の成長速度が遅いことが報告されています。これは、髪の毛が夜間寝ている間に分泌される成長ホルモンによって成長するためです。成長ホルモンがしっかり分泌されると、それが頭皮に伝わり髪の毛を成長させます。しかし睡眠不足になると成長ホルモンが十分に分泌されず、それだけ髪の毛の成長が遅れます。
頭皮用UVカットで白髪を減らす
多くの人は、お肌に日焼け止めを塗るなどして紫外線対策をしていることでしょう。しかし髪の毛の紫外線対策については忘れてしまっている人も多いのではないでしょうか。紫外線の悪影響は肌だけでなく頭皮にも及びます。
長年、紫外線を浴びた頭皮は光による老化である光老化が進んでしまい、シミや脂漏性角化症を発症することもあります。脂漏性角化症は、ほくろのように茶色く盛り上がったイボのことです。つまり私たちの頭皮は顔の皮膚とひと続きになっており、また夏に浴びた紫外線は頭皮や髪にダメージを蓄積させ、その影響が秋頃に出てくることも知られています。このようなことから外出時は必ず帽子や日傘で紫外線をブロックするようにしましょう。
ちなみに、紫外線対策を怠ると抜け毛よりも白髪の方が進行しやすいことが知られています。私たちの髪が黒いのは紫外線から髪を守るためです。髪を黒く色付けているのはメラニンという色素ですが、紫外線を浴び続けるとこの髪の防御機能が崩壊し、白髪になってしまうと考えられています。
メラニンは、頭皮にあるメラノサイトという色素細胞によって作られていますが、強い紫外線やストレスによって、メラノサイトが消滅してしまうとメラニンが作れず、白髪になるわけです。
髪の毛と食習慣
髪の毛のケアで大事なのは、直接髪を触る洗髪や頭皮のマッサージだけではありません。実は抜け毛というのは食習慣でも改善することができます。健康的な日本人女性の1日の抜け毛の数は50から80本です。加齢と共にその数は増えていき、50歳から60歳では1日150本前後抜けるとも言われています。
特に更年期の女性のヘアサイクルは休止期が長くなり、脱毛後の毛髪の再生に時間がかかります。髪の毛の成長期と休止期の割合が変化してバランスが崩れることで結果的に頭皮から抜け落ちてしまう髪の毛が多くなります。
また、女性の多くは30代半中頃から髪のボリュームが少なくなって、髪そのものも細くなっていきます。それによってハリやコシがなくなる傾向にあります。さらには年齢に関係なく、髪の毛が完全に成長する前に抜けてしまって薄毛になることもあります。これらは栄養不足や血行不良、ホルモンバランスの乱れなどが原因となっています。
男性の場合は、薄毛が頭頂部や生際から始まることが多いですが、女性の場合は全体的にボリュームが少なくなっていきます。頭頂部の分け目が目立ってきたり、自肌が透けて見えたところで気づくケースが多いです。そのため髪のボリュームがなくなってきたと感じたら早めに対策が必要であると言えます。
まずは何よりも生活習慣を整えることが大事です。髪の毛は皮下組織の毛細血管から栄養を取り入れて成長しています。ですが血行不良になると栄養が運ばれたくても運ばれません。頭皮の血行を妨げるものにはストレスや運動不足、睡眠不足など様々な要因があります。生活習慣を整え、これらの原因を改善するとともに正しいヘアケアで頭皮環境を整えていきましょう。
また、薄毛の予防対策として、何より重要なのが食生活です。体は命の維持に重要なところを優先して栄養を運びます。そのためダイエットなどで栄養不足になると髪や爪などの部分は後回しにされてしまいます。このようなことからまずは、体が隅々みまで栄養を運べるように日々の食事に気を配り、十分な栄養摂取を心がけましょう。
特に大事なのは髪の毛の材料となる栄養素です。髪の毛の主成分は、ケラチンというタンパク質であり、そのため良質なタンパク質を始め、ビタミンやミネラルを含む食材がおすすめです。具体的には、肉類や緑黄色野菜、卵などを積極的に食べましょう。また逆に髪の毛に良くないものを減らすことも重要です。
加工食品や砂糖類、揚げ物などは薄毛の原因になってしまいます。これらの食事は、腸内環境の悪化を招いたり、血液をドロドロ にしてしまい体全体に悪影響を与えることで抜け毛や白髪につながってしまいます。
また、皆さんはストレスが抜け毛の原因になるのを聞いたことあるでしょう。ストレスがかかると血管が収縮し、全身の血流低下を招きます。その結果頭皮に血流が行き渡らなくなって髪のトラブルが起きてしまいます。特に現代人はストレスが過多の状態の人が多いく、自分なりのストレス発散法を見つけ毎日1 分でも2分でも良いのでやっておきましょう。
カツオ節と冷奴
私たちの全身の細胞と同じように髪の毛というのも、私たちが食べたものから作られています。このようなことから髪の毛の成長のためには、髪の毛の栄養となるような健康的な食品を積極的に摂取することが何より大事です。そして髪の毛の健康のために絶対に欠かせない栄養素がタンパク質です。それもただのタンパク質ではいけません。硫黄を含んだ含硫アミノ酸が豊富で、良質なタンパク質を摂る必要があります。
このような含硫アミノ酸をたっぷり含むタンパク質として、摂取していただきたいのがカツオと大豆です。カツオと大豆は、どちらもタンパク質量が多い食材として知られています。実は、私たちの体内のタンパク質は、20種類のアミノ酸が様々な組み合わせで構成されています。つまり一口にタンパク質と言っても、そのアミノ酸のバランスは全く異なります。
中でも、特に髪の毛の材料となる含硫アミノ酸を多く含むタンパク質が、カツオと大豆です。私たちの髪の毛の90%はケラチンというタンパク質からできています。そしてこのケラチンが含硫アミノ酸を多く含んでいます。つまり含硫アミノ酸が不足すると髪の毛の主成分の90%に影響を与えるということです。
当然、そんな状態では健康的な髪の毛は生えてきません。このようなことから髪の健康を支える栄養素として、カツオや大豆を含むタンパク質は役に立ちます。そこでお勧めしたいのが、カツオ節たっぷりの冷奴です。豊富にカツオ節をかけて食べる冷奴であれば、大豆とカツオの両方を1度に摂取できます。
さらに、カツオ節たっぷりの冷奴にもう1つ加えていただきたいのが、かぼちゃの種です。意外かもしれませんが、かぼちゃの種には、亜鉛がたっぷりと含まれています。髪の毛にとって亜鉛は重要な役割を果たしています。どれだけ材料の含硫アミノ酸があっても亜鉛がなければ髪の毛は作れません。このように含硫アミノ酸と亜鉛は必ずセットで摂取することが大事です。
実際、大学の研究ではEGA 患者の血液中の亜鉛濃度が優位に低いことが確認されています。亜鉛が多い食材といえば牡蠣などを思い浮かべる方も多いでしょうが、毎日牡蠣を食べるのは難しいです。その点、冷奴にカツオ節とかぼちゃの種を振りかけて食べる方法であれば毎日続けることができます。
さらに加えて摂取していただきたいのが、黒い食材、青魚、アボカド、卵の4つです。古から言われている通り、黒い食材は、ツヤのある黒髪を作り出すのに効果的だとされています。黒ごまや黒豆といった黒い食材には、アントシアニンなどの抗酸化物質が豊富に含まれています。
この抗酸化物質がメラノサイトという色素細胞を活性化してくれることで白髪を減らし、黒髪の維持に役立つとされています。次に青魚です。青魚には EPAやDHAといった良質なオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。
EPAや DHAは、頭皮の毛細血管の炎症を抑えて、血流を改善することが知られています。実際、研究によってもオメガ3脂肪酸は、血流改善などの健康効果が報告されており、髪の健康にも良い影響を与えることが分かっています。さらに青魚には、タンパク質もたっぷりと含まれており、髪の主成分であるケラチンを合成するという点でもおすすめです。
そして、最後に重要なのがアボカドと卵です。この2つを一緒に食べることでビタミンB12、ビタミンE、そして葉酸の髪の育成に欠かせない3つのビタミンを同時に摂取することができます。ビタミンB12と葉酸は、赤血球の形成に不可欠です。一方ビタミンEは、血流を改善してくれます。つまりオメガ3脂肪酸と同じように、これら3つのビタミンは血流維持や栄養補給に役立つ栄養素です。ただし、あくまでも1番大事なのは栄養バランスですので、バランスの良い健康的な食事を心がけましょう。
加工食品
現代社会には添加物の加工食品が溢れています。実は、このような加工食品が私たちの髪の毛の健康に大きなダメージを与えることが知られています。加工 食品は、添加物がたっぷり含まれています。そして添加物は、私たちの毛穴を詰まらせてしまったり、髪の毛を作る毛包の細胞の働きを阻害することが 分かっています。
実際、大学の研究では、加工食品の摂取が脱毛リスクにつながることが示されています。加工食品は大量の添加物を含んでおり、それが活性酸素を増やしてしまいます。そしてこの活性酸素が毛包の細胞を直接傷つけることが知られています。さらに過剰な保存量は、血管の内側にある血管内皮細胞を傷つけることが分かっています。これによって頭皮の毛細血管の血流低下を招いてしまいます。
さらには加工食品は、糖分や塩分が過剰なことが多く、当然糖分を摂りすぎれば血糖値が上がり血管が傷つき、塩分が過剰であれば血圧が上がりすぎて、これも動脈硬化の原因となってしまいます。そして最近ではAGEsという老化物質の害も問題になっています。
AGEsは、糖とタンパク質が高温で加熱されることによって発生する焦げのようなものです。これがコラーゲンを劣化させてしまうことが分かっています。私たちの頭皮というのは薄い皮ですが、少しプニプニしており、これがコラーゲン繊維にあたります。コラーゲンが頭皮の内側を満たすことで頭皮がたるんんでしまうことを防いでいます。
頭皮の中には、毛細血管や髪の毛を作る毛母細胞など大事な器官がたくさん存在しています。しかしコラーゲンが失われて頭皮がたるんでしまえば、それらの組織が存在するためのスペースが圧迫されてしまいます。そうなれば髪の毛の健康も阻害されるのは当然です。コラーゲンと言うとお肌のハリをイメージする方が多いかもしれませんが、実は頭皮の健康にとっても大事です。
そして、加工食品を摂取することによって廊下物質であるAGEsが大量発生し、この頭皮のコラーゲまで失われてしまうことが分かっています。さらに最近では、腸内環境も頭皮と非常に密接な関係があることが分かってきました。
実際、腸内フローラの研究では、腸内に生息する善玉菌が不足すると栄養吸収が不良になり、頭皮にきちんと栄養が行き届かなくなることが示されています。特に腸内環境の悪化は、ビタミンB群、亜鉛といった髪の毛を作るために欠かせない栄要素の吸収効率を悪くしてしまいます。
加工食品は、私たちの善玉菌を抑制するだけでなく、毒性物質を作り出す悪玉菌の餌となることで腸内環境をどんどん悪化させてしまいます。このように加工食品は、腸からも髪の毛の健康にダメージを与えるという最悪な状況を引き起こしてしまいます。
頭皮の臭い
加齢臭は男性のものだというイメージがあるのではないでしょうか。ですが40歳を超えた頃から女性でも加齢臭が出てきます。若い頃は、女性ホルモンが皮脂の過剰分泌を抑える働きをしていましたが、加齢によって女性ホルモンが減ってくると男性ホルモンが優位になります。そうなると男性と同じで皮脂の分泌が多くなり、加齢臭を引き起こしてしまいます。
加齢臭は、汗の匂いとは違い油臭いとか枯れ草のようだと形容される独特な臭いです。その正体は皮脂の中に含まれるノネナールという物質です。皮脂成分の1つであるパルミトレイン酸が酸化したり、皮膚の常在菌によって分解されることでこのノネナールが発生します。
主に皮脂の分泌が多い頭皮や胸、脇や耳の後ろ、背中などに発生しますが、特に大量の皮脂がある頭皮は他の部に比べてノネナールの発生量が2倍になるとも言われています。
私たちは自分自身の頭の臭いを嗅ぐことができないため、このような頭皮から発生するのは気づきにくいです。自分は女性だから大丈夫だと思っていると、意外にも頭から自分では気づかない大量の加齢臭を発している可能性があります。
加齢臭が気になる時、まず1番大事なのは食べ物です。油の多いバターや乳脂肪を使った洋菓子など、動物性の脂質をできるだけ控えるようにしましょう。一方でビタミンCやEを多く含む野菜や果物、魚介類などの抗酸化作用のある食品をたくさん食べるようにしましょう。梅干やわさび、生姜などの薬味を積極的にトッピングするのも良い方法です。また食べ物以外にも加齢臭の原因物質を取り除くことが大事です。
まず、朝のシャワーや夜の入浴で皮脂をしっかり洗い流すようにしましょう。この時、皮膚をゴシゴシ擦すらず泡立てて優しく洗うのがポイントです。なぜならば強く擦すりすぎると体がもっと皮脂を作らなきゃと反応して皮脂の分泌が増えて、むしろ加齢臭が強まってしまうからです。また外出中に汗をかいた時は小まめに拭き取るようにしましょう。さらに加齢臭対策用のボディソープやデオドランドスプレーを活用するのも1つの方法です。
ちなみにノネナールは、衣服や寝具にも移るため洗濯やクリーニングを小まめに行うことも大事です。どれだけ体を清潔にしていても衣類から加齢臭が出てしまったら本末転倒です。皮脂の汚れは、時間が経つと落ちにくくなりますので、その日のうちに洗濯するのが何より重要です。また加齢臭や体臭を抑えるため汗をかない方が良いと思っている人もいるかもしれませんが、それは大きな勘違いです。
汗をかく習慣がないと汗腺の機能が衰えてしまって老廃物や汚れがどんどん体に溜まっていきます。その結果、常在菌が増えて臭いが発生しやすくなってしまいます。このようなことから有酸素運動や入浴、サウナなどでしっかりと汗をかくようにしましょう。そうすることで汗腺に溜まった老廃物が排出されやすくなります。
【本コラムの監修】

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。


















