寝る前に摂るべき栄養素

    寝る前に摂るべき栄養素

    寝る前に摂るとよく眠れる栄養素にグリシン、GABA、トリプトファンなどがありますが、そのような栄養素ではなく、毎日の習慣とすることで心と体の健康を組み立て直すことができる栄養素としてマグネシウム、カルシウム、亜鉛、そして蜂蜜の健康効果を確認しましょう。

    寝る前にマグネシウムを摂る

    ミトコンドリアが若える

    マグネシウムは、私たちの健康作りに欠かせない重要なミネラルの1つです。加齢とともに疲れやすい、日中のスタミナが続かないといった悩みが増えてきます。実はその背景には、体の中でエネルギーを生み出す工場であるミトコンドリアの働きが低下することが関係しています。寝る前にマグネシウムを摂取すると、ミトコンドリア機能を改善できることが分かってきています。

    ミトコンドリアは、ATPと呼ばれるエネルギーを作り出す場所です。ATPを合成する工場は、その反応にマグネシウムを必須としています。マグネシウムが不足してしまうとATPの合成効率が落ちて、細胞全体の活力も下がってしまいます。実際、研究ではマグネシウムが不足している状態の人にマグネシウムを補給してもらったところ、筋肉内のATP濃度が回復して、自給力が改善したことが報告されています。

    また加齢と共にミトコンドリアは、エネルギーを生み出す副産物として活性酸素を多く発生させやすくなります。そして自分が発生させた活性酸素によってミドコンドリア自体が傷ついて働きが弱ってしまいます。しかし酸化ストレスを受けた細胞にマグネシウムを与えてみた実験では、ミトコンドリアの損傷が軽減されて、細胞死が減少することが確認されています。

    さらにミトコンドリアは、独自のDNAを持っています。このDNAは母親から受け継いだもので、私たち自身の細胞の遺伝子とは少し違う特徴を持っています。しかし年齢と共に、このミドコンドリアDNAのダメージが増えるとミドコンドリアの機能低下が起こることが分かっています。

    実は、マグネシウムにはミトコンドリアDNAを修復してくれる作用があり、老化に関わる可能性が指摘されています。実際、細胞内のマグネシウム濃度が低下すると、ミトコンドリアDNAの損傷の蓄積が加速することが分かっています。

    このようなことから、夜寝る前にマグネシウムを摂取することで細胞のDNAレベルの老化を緩めてくれることが期待できます。

    ただしマグネシウムは、夜寝る前にサプリメントで摂取すると腸内環境に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。このようなことから安全のためには、マグネシウムは食品から摂取するのが無難です。キノコやきな粉、アーモンドなどにはマグネシウムがたっぷりと含まれています。また意外なことにワカメなどの海藻類にも豊富です。

    腎臓の汚れを落とす

    腎臓は、血液を濾過して余分な塩分や老廃物を取り除いて、尿として排泄する、まさに体の浄水場のような場所です。しかし加齢とともに腎臓の働きが少しずつ低下していくことが知られています。

    実際、日本人の8人に1人が慢性腎臓病を抱えているとされ、生活習慣病とも深く関わっています。しかしマグネシウムを寝る前に摂取することによって腎臓を、労わりながら骨や血管の健康にもつながるということが近年の研究で分かってきています。

    骨の健康と言うと多くの人がまず思い浮かべるのはカルシウムです。マグネシウムは、このカルシウムをきちんと骨の正しい場所に沈着させ、運び出すという働きをしています。体内でカルシウムが正しく骨に取り込まれるためには、マグネシウムがビタミンDと協力して骨代謝を調節する必要があります。

    マグネシウムが不足してしまえば、余分なカルシウムが骨から出て血液中に残ってしまいます。そしてカルシウムが含んだ血液が腎臓で濾過される過程で、腎臓の毛細血管にカルシウムが沈着してしまいます。その結果、腎臓の毛細血管の石灰化が起こってしまいます。実際マグネシウムの摂取量が多い人は、骨密度が優位に高いだけでなく、腎臓や血管の石灰化リスクが低い傾向があることが報告されています。

    このようにマグネシウムを摂取することで、血管や腎臓に詰まってしまったカルシウム汚れが取り除かれ、きちんと骨に運ばれることが分かります。またマグネシウムには、腎結石のリスクを下げるという効果もあります。腎結石は、カルシウムやシュウ酸といった成分が、腎臓で決晶化して固まってしまう病気のことです。

    夜寝ている間は腎臓から膀胱に尿が流れにくくなるため、この尿路に結石が集まりやすくなってしまいます。そこで夜寝る前に、マグネシウムを摂取することがおすすめです。マグネシウムは、腸管でシュウ酸と結びついて便して排泄してくれます。そのため腎臓まで届いてしまうシュウ酸の量を、直接的に減らす働きがあります。またカルシウムと結合して決晶化を抑制するため結石ができにくなるメリットがあります。

    実際、食事からのマグネシウム摂取量が多い人ほど、腎結石の発症リスクが優位に低いことが示されています。さらに近年の研究では、マグネシウムが腎機能そのものを守る可能性も指摘されています。実際、腎臓病の患者では、血中のマグネシウム濃度が低下していることが多く、それが病状の悪化につながると考えられています。

    慢性腎臓病の患者を対象にマグネシウムの補給を行ったところ、腎臓での濾過能力の低下速度が穏やかになる傾向が観察されています。このようなことからマグネシウムは、腎臓の老化を送らせる要素として、医学的にも注目を集めています。

    体力が上がる

    若い頃には何でもなかった日常運動によって、年齢を重ねると翌日に疲れを残すことがあります。その背景には、筋肉や神経、血管の回復力が衰えていることが関係しています。

    日常生活で筋肉に負担がかかると、筋繊維に細かな損傷が生じてしまいます。若い頃なら、すぐに修復されますが、加齢とともに修復スピードが遅くなって疲労感が残りやすくなってしまいます。ここでマグネシウムが役立ちます。

    マグネシウムは疲労物質とされる乳酸をエネルギーに変える、解糖系やクエン酸回路の材料としても不可欠です。つまりマグネシウムが十分にあることによって筋肉は速やかに修復され、乳酸が効率よく処理されることになります。実際、研究では血中マグネシウム濃度が高い人ほど筋肉量が保たれ、体力や筋力も維持されていたことが示されています。

    また、疲労が長引いてしまうもう1つの要因が微細な炎症です。階段の上り下りや長時間の立ち仕事でも筋肉や関節には細かな炎症が生じます。これを保持するとだるさや痛みが慢性化してしまいます。マグネシウムは、炎症性サイトカインの働きを抑えることによって、こうした炎症反応を沈めてくれます。

    さらにマグネシウムは血管を拡張させる一酸化窒素の生成を助ける働きまであります。そのため血流を改善し、酸素や栄養が疲労した細胞に届きやすくなります。実際、マグネシウムを補給することによって血液中の炎症マーカーが優位に低下し、抹消血流の改善が報告されたことが2022年の研究で明らかになっています。

    また日常の疲労は筋肉だけでなく、神経系にも蓄積されることが分かっています。脳や脊髄からの信号を伝える神経は、繰り返し刺激を受けると誤作動を起こしやすくなってしまいます。これが体が重いとか、だるいという感覚の一因になると考えられています。

    マグネシウムには、こうした神経性の疲労を取る効果もあるため、体の疲れを神経の面からも取り戻すことができます。実際、疲労感を訴える中高年を対象としてマグネシウムを投用したところ、疲労スコアが優位に改善した結果が出ています。つまりマグネシウムは、筋肉と神経、そして炎症というあらゆる面から体力を守ってくれる効果があると言えるでしょう。

    不整脈を予防する

    50代や60代になると多くの人が避けて通れないのが血圧や動脈硬化、心筋梗塞といった心血管系の病気です。血管の健康は、振動の拍動のリズムに直結します。不正脈や強心症などにつながるケースも少なくありません。

    血圧が高くなる最大の原因の1つは、血管が硬く縮んでしまうことです。血管の壁にある平滑筋という筋肉は、マグネシウムによって緩むことが分かっています。つまりマグネシウムは血管をリラックスさせ、広げて血流をアップさせてくれる効果があると言えます。血管が開けば、それだけ中を通る血液の圧も自然に和らぐため、穏やかな降圧効果を得ることができます。実際、研究では マグネシウムを投用した結果、血圧が低下したことが分かっています。

    年を取ると高血圧が注目されますが、その反対の低血圧も危険です。立ち上がった時の低血圧で立ちくらみを起こして、そのまま転倒して頭をぶつけ、脳出血を起こしてしまう人が多いです。マグネシウムは緩やかに血圧を下げることによって、転倒リスクを高めることなく、優しく血圧を守ってくれます。

    またマグネシウムの効果として、忘れてはいけないのが不整脈を防いでくれることです。心臓は電気信号で拍動を続けていますが、このリズムの安定に欠かせないのがカルシウムとマグネシウムのバランスです。マグネシウムが不足するとカルシウムが過剰に心臓の筋肉に流入し、心筋細胞が過敏に反応してしまいます。その結果、不整脈や動悸が起こりやすくなります。

    実際、心房細動というタイプの不整脈の患者にマグネシウムを点滴した試験では、不整脈の発生頻度が減少したことが報告されています。不整脈によって心臓の中で作られた血栓が脳に飛んで脳梗塞を起こしてしまうケースが増えています。このようにマグネシウムは、不整脈を予防してくれるという点でも、健康寿命を守る大切な栄養素です。

    メンタルを安定させる

    年齢を重ねるにつれて、体だけではなく心の不調も増えていきます。なんとなく気分が落ち込みやすい、些細なことでイライラしてしまう。こうした心の揺らぎは、加齢にともに多くが経験するものです。その背景には、ホルモンバランスの変化や仕事や家庭でのストレス、将来の不安など様々な要因があります。

    そして、体内のマグネシウム不足も関与していることが、最近の研究によって分かってきました。私たちの体はストレスを感じると、副腎からコルチゾールというホルモンを分泌します。これは適度な量であれば役立ち、体の健康に役立ちますが、慢性的に高い状態が続くと不安や不眠、うつの症状を引き起こす要因になります。マグネシウムは、このようなコルチゾールの分泌を調節するブレーキ役として働いてくれることが分かっています。

    脳の視床下部、下垂体、副腎というホルモン分泌の中枢を安定させることで、ストレス反応を過剰にしないようにしてくれます。実際研究では、慢性的なストレスを抱える成人を対象としてマグネシウムを投与したところ、ストレススコアと不安症状が優位に減ったとことが分かっています。

    夜寝る前は、1日のストレスが溜まり、嫌なことが頭でぐるぐる回って眠れないという方も多いんじゃないでしょうか。そんな時にマグネシウムは、不安を和らげるために役立ちます。また私たちの脳の中では、興奮と抑性のバランスが保たれています。この均衡が崩れると気分の不安定さや不安感が強まってしまいます。

    そこで重要なのが抑制系の神経伝達物質であるGABAという物質です。これがしっかり働いていると人は安心感や落ち着きを得られることが分かっています。マグネシウムは、このGABA需要体の働きを高める役割を持っています。GABAは、加齢によって減っていきますが、需要体の働きを活性化することで、少ない量であっても高い効果を発揮できるようになります。そうすることで限られたギャバがきちんと神経に結合し、脳の過剰な興奮を沈めて心を安定させてくれます。

    また、マグネシウム不足が認知機能の低下と関連していることも分かっています。マグネシウムは、脳神経の栄養因子BDNFの働きを高め、神経細胞同士の繋がりを強めます。これが十分に働くと記憶力や判断力も安定しやすくなります。

    寝る前にカルシウムを摂る

    骨が強くなる

    加齢とともにお顔の骨密度が小さくなり、余った皮膚がたるみの原因となります。そのため若い頃からしっかりと骨を丈夫にしておくことが大事です。 そして骨を丈夫にするために欠かせないのが、骨の材料であるカルシウムです。しかし、カルシウムはどれだけ摂るかだけでなく、飲む時間帯が重要となる栄養素です。

    カルシウムは、骨に使われる時間帯にきちんと摂取しなければ、逆に体に悪影響を及ぼすことが知られています。骨が合成される時間帯にカルシウムが十分に供給されれば、それだけ骨が丈夫になるのは当然ですが、逆に骨に使われない時間帯にカルシウムを摂取すると、余ったカルシウムが血管の内側に付着してしまったり、腎臓に負担をかけてしまう原因となります。

    カルシウムが血管内に付着することは石灰化と呼ばれ、血管を硬くしてしまうことが知られています。これが動脈硬化の原因になることも分かっています。さらに腎臓に蓄積したカルシウムは、腎臓のフィルターを目詰まりさせてしまって腎機能を低下させます。さらに腎臓の中で結石を作って、それが尿路結石の原因になることもあります。

    そして、カルシウムを摂る時間帯が夜寝る前です。骨は、私たちが寝ている間に壊されて同時に作り直される組織です。私たちの骨は壊す働きと作る働きを繰り返している組織です。これは私たちの皮膚が古い細胞が剥がれ落ちて、新しい細胞が内側から生まれてくるターンオーバーを繰り返していることによく似ています。このような骨の破壊と再生の繰り返しは、骨のリモデリングと呼ばれています。

    もし、この骨のリモデリングがうまく行われず、骨を壊す働きばかりが優位になれば、それだけ骨がスカスカになってしまいます。一方で骨を作る働きばかりに偏ってしまえば、古い骨の周囲に新しい骨だけが沈着し、結果として骨がも脆ろくなってしまいます。そして、この骨のリモデリングは、特に夜間睡眠中に活発になることが知られています。

    夜間のリモデリングのためには、当然ながらカルシウムという材料が必要になります。夜寝る前にカルシウムを摂取することによって、骨の再構築のタイミングに材料を供給することができ、骨密度の低下を防ぐことにつながります。

    また、夜間は長い時間食事しないため、血液中のカルシウム濃度は下がりやすくなります。私たちの体には、血液中の様々な成分の濃度を一定に保とうとする仕組みがあります。このため血液中のカルシウム濃度が下がってしまえば、体はそれを元に戻そうとします。つまりカルシウムを摂取していない状態で、血中のカルシウム濃度を上げるのが、骨からカルシウムを削り取るという方法です。

    体は骨を溶かしてカルシウムを取り出し、それを血液中に補充することによってカルシウム濃度を維持しようします。この状態が続けば骨はどんどん削られ、スカスカになってしまいます。こうした事態を防ぐためにも、夜間の血中カルシウム濃度を安定させる目的で、寝る前にカルシウムを摂取しておくことが重要です。

    体のギクシャクを軽減する

    朝起きた時に、関節がこわばったり、体がギクシャクする方は、夜間の細胞の修復が不十分であることが原因とされています。睡眠中は、骨の再構築や筋肉の修復、神経系の調整などが一斉に進む時間帯です。カルシウムは、これら全てのメンテナンスに関与しているミネラルです。

    カルシウムが不足すると、これらの臓器の修復が途中で止まってしまいます。カルシウムが不足した状態のまま寝て朝を迎えるというのは、このようなメンテナンスが済んでいない状態です。しかし寝る前にしっかりとカルシウムを補給しておくことによって、夜間の体のメンテナンスがきちんと進んで、翌朝の目覚めが良くなることは間違いありません。

    また体を動かすためには、神経から筋肉への信号伝達が正確である必要があります。私たちの体は、脳から送られる電気信号によって精密にコントロールされています。カルシウムは、神経と筋肉の間で行われる信号伝達において重要な役割を担っています。

    カルシウムが不足してしまえば、脳は体を動かそうとしているのに、その指令が筋肉にうまく伝わらず、体が思うように動かない状態になってしまいます。その結果、朝起きた時に体が重く動きにくいと感じてしまいます。しかし夜間にカルシウムが十分にあれば、神経細胞から筋肉への伝達信号がスムーズになります。その結果、朝起きた時も体がギクシャクせず、しっかり動くという感覚を実感できるようになります。

    筋肉や神経の緊張を和らげる

    カルシウムと言うと骨を強くするというイメージがありますが、カルシウムとは、私たちの筋肉の健康にも重要であることが分かっています。筋肉は、カルシウムが放出されることで収縮します。筋肉の収縮と弛緩は、カルシウムによって精密にコントロールされています。

    カルシウムが不足すると、この筋肉の調整がうまくいかなくなって無意識のうちに筋肉が緊張しやすくなってしまいます。その結果、肩こりや筋肉の痙攣などが起こりやすくなります。

    また、カルシウムは筋肉だけではなく、私たちの神経にも大きく関わっています。カルシウムが不足すると、ちょっとした刺激でも神経が過敏に反応しやすくなり、寝ている間でも体が緊張状態になってしまいます。このような状態では、交感神経が優位になりやすく、逆に副交換神経が抑えられてしまいます。その結果、リラックスできずに睡眠の質が低下します。

    不整脈を予防する

    カルシウムと言うと骨や歯のイメージが強く、心臓とカルシウムが関係していると言われると少し意外に感じるかもしれません。私たちの心臓は、筋肉によって収縮を繰り返している臓器です。心臓の筋肉は、医学的には心筋と呼ばれています。この心筋の収縮をコントロールしている電気信号は、カルシウムによって精密に制御されています。

    心臓は、この電気信号によって規則正しく拍動しており、その信号の発生や伝達にはカルシウムイオンが深く関わっています。心筋の細胞では、カルシウムが細胞の中に出入りすることによって、収縮と弛緩が正確に調整されています。

    しかし、血液中のカルシウムが不足すると、このような心臓の精密な電気制御が乱れやすくなってしまいます。その結果、心拍が速くなったり不規則になったりすることがあります。このように心臓の拍動が乱れた状態が不整脈です。

    実は不整脈は、夜間に起こりやすいことが知られています。夜間は脱水になりやすく、カルシウムなどのミネラルが不足しやすい時間帯です。このようにミネラルバランスが崩れることによって心臓の電気信号が乱れ、心拍が不安定になってしまいます。そのため夜寝る前にカルシウムを補給しておくことは、夜間に起こりやすい電界質のバランスの乱れを整え、心拍を安定させるという点で重要な意味があります。

    また、夜は交感神経から副交換神経へと自律神経が切り替わる時間帯です。この切り替えがうまくいかないと動悸や脈の乱れを自覚する人もいらっしゃいます。カルシウムには神経の過剰な興奮を抑える働きがあり、自律神経の切り替えをスムーズにし、心臓に余計な負担をかけずに眠りに入ることを助けてくれます。

    さらに重要なのが、カルシウムと一緒に水分をしっかりと補給しておくことです。水分が不足すると体内の電解質バランスが崩れやすくなり、不整脈が起こりやすくなってしまいます。私たちは寝ている間にも汗や呼気を通して、多くの水分が失われています。そのため睡眠中は知らないうちに脱水になりやすいです。

    体内が脱水状態になると、血液中の水分量が減って血液がドロドロになってしまいます。このような状態では不整脈だけでなく、心筋梗塞などのリスクも高まることが知られています。こうした理由から夜寝る前には、カルシウムと水分をしっかりと補給しておくことが心臓の健康を守る上で重要であると言えます。

    夜寝る前の牛乳はNG

    ただし、夜寝る前に牛乳を飲むことは止めてください。そもそも牛乳は一般的に思われているほどカルシウムが豊富な飲み物ではありません。さらに問題なのは、牛乳は糖質や脂質が意外と多い点です。夜間に牛乳を摂取すると、余分なエネルギー摂取につながって、肥満や高血糖の原因になりやすくなります。その結果、夜間の睡眠の質が損われてしまうことも少なくありません。

    また牛乳に含まれているカルシウムは、吸収率に大きな個人差があります。そのためせっかく飲んでも、実際には効果がないケースもあります。さらに牛乳には、カルシウム以上にリンが多く含まれている点です。リン自体は骨を作るために必要なミネラルですが、カルシウムとリンのバランスがリンに偏れば、逆に骨を溶かし出してしまう方向に働くことが分かっています。

    そして牛乳を夜に飲んだ場合は、この影響はより顕著になります。夜間は副甲状腺ホルモンが優位になりやすい時間帯です。副甲状腺ホルモンは、骨からカルシウムを溶かして、血液中のカルシウム濃度を保つ働きを持っています。リンは、この副甲状腺ホルモンの分泌を促してしまうため、夜に牛乳を飲むことでホルモンの働きが強まり、骨が削られてしまうリスクが高まります。

    また、夜寝る前に牛乳を飲むことで胃腸をはじめとした消化器に大きな負担がかかることが知られています。実は日本人の多くが乳糖不耐症であり、消化できなかった乳糖が腸に到達することで、腸内に炎症を起こしてしまうことが分かっています。腸の炎症が起こると様々な栄養素の吸収効率が低下してしまいます。

    その結果、牛乳に含まれているカルシウムも体内にうまく吸収されず、最終的には便して排出されてしまいます。また寝る前に牛乳を飲むことは、胃に対しても様々な悪影響を与えてしまいます。実はカルシウムの吸収には、胃酸が重要な役割を果たしています。胃酸はカルシウムを体に吸収されやすい形に変えてくれます。しかし牛乳は、一時的に胃酸を中和してしまう性質があります。その結果、カルシウムの吸収効率が下がってしまうことが分かっています。

    寝る前に亜鉛を摂る

    活力の低下を抑える

    冬は、寒くて活動量が低下してしまうものです。そして共に下がりやすいのが活力です。冬場は、日常不足や運動量の低下によってホルモンの分泌全体が落ち込みやすい季節です。特に落ち込んでしまうのが男性ホルモンであるテストステロンの分泌です。

    テストステロンは、活力をアップするために絶対に必要な重要なホルモンです。この男性ホルモンをアップさせてくれるのが亜鉛です。複数の研究によって亜鉛が不足した状態では、血液中のテストステロン値が低下してしまうことが分かっています。さらに亜鉛を補給することによって、血液中のテストステロン濃度が回復する傾向も確認されています。

    また冬場に活動量が低下してしまうのは、テストステロンだけではありません。冬は寒さと日不足によってドーパミンなどの神経伝達物質の放出も減少します。冬はやる気が出づらく、欲求が落ちると感じやすくなりますが、これは神経伝達の効率が低下してしまうことが一因になっています。亜鉛が不足すると神経の細胞間の情報伝達が鈍くなることが研究によっても示されています。

    さらに冬場の活力低下の背景には、代謝の要である甲上線ホルモンの働きの低下も関係しています。亜鉛は甲状腺ホルモンを不活性型から活性型に変換させる重要なスイッチになっています。甲状腺ホルモンは、汗をかきやすくしたり、基礎代謝を上げて体温をアップしてくれるホルモンです。冷えやだるさを感じやすい冬だからこそ亜鉛をしっかりと摂り、甲状腺ホルモンをアップすることが重要であると言えるでしょう。

    頭皮の乾燥による抜け毛を抑える

    冬場とは抜け毛が進行しやすい時期であることが知られています。髪の毛は、頭皮にある毛母細胞が分裂することによって成長します。この細胞分裂には十分な栄養と血流が不可欠になります。

    しかし、冬場は寒さによって血管が縮こまりやすくなってしまいます。その結果、頭皮の毛細血管の血流が低下してしまいます。すると毛母細胞にきちんと栄養が生き届かずに、毛の成長が滞りがちになってしまいます。

    私たちの体は栄養素、生活維持のために不可欠な部分へ優先的に送り込もうとする性質があります。このようなことから血流が低下しやすい冬場は、亜鉛が他のより重要な臓器に優先的に使われてしまうことになります。そして頭皮に届く亜鉛はどうしても不足してしまうでしょう。その結果、薄毛が進行してしまいます。

    実際、亜鉛不足では脱毛が典型的な症状として知られています。逆に亜鉛をしっかりと補給してあげることによって脱毛が改善した例も報告されています。また亜鉛は、頭皮の皮脂分泌を調整し、炎症を抑える作用も持っています。冬は乾燥しやすい季節であり、頭皮が乾燥すると逆に皮脂が過剰に分泌されてしまいます。その皮脂がかゆみの原因となって炎症を引き起こしてしまいます。

    頭皮の炎症は、言わば頭皮で火事が起きているようなもので、そのような環境の中では、毛母細胞が正常に髪の毛を合成することはできません。その結果、頭皮の環境が悪化し、抜け毛が進行してしまいます。

    見た目年齢が若える

    私たちの皮膚は、常に新しい細胞に入れ替わるターンオーバーを繰り返してい ます。古い細胞が垢として剥がれ落ち、皮膚の内側から新しい細胞が生まれ変わることで、常に新しい皮膚を保つことができます。このような肌の ターンオーバーには、亜鉛が不可欠になっています。

    亜鉛が不足すると皮膚炎や肌荒れが起こりやすくなることが確認されています。冬は、そもそも乾燥によって皮膚のダメージが増えやすい季節です。そのため冬場こそ、皮膚のターンオーバーを正常に保つことが重要になります。ですが亜鉛が不足すると、このターンオーバーが維持できなくなり、肌荒れがどんどん進行します。

    また、亜鉛は皮膚だけではなく、私たちの爪の健康にとっても重要なミネラルです。爪は皮膚とよく似た組織からできおり、その成長には亜鉛が欠かせません。亜鉛が不足すれば、ひび割れや二枚爪などが起こりやすくなります。

    体の熱産生をアップする

    冬場の体にとって大敵になるのが冷えです。冷えは基礎体温が下がることによって内臓の動きが悪くなり、血流が低下してしまうなど良いことは1つもありません。このような冷えを予防し、体を内側から温めるためにも亜鉛が役立つ ことが知られています。

    体内で最も多くの熱を生み出す組織は筋肉ですが、冬はどうしても活動量が減りやすく、筋肉量も低下しがちです。亜鉛は、筋肉のタンパク質に関与する重要なミネラルです。そのためしっかりと摂取することによって、筋肉がつきやすい体になり、熱を生み出す能力もアップすると考えられます。

    逆に亜鉛が不足すると、筋肉の修復や再生が追いつかなくなってしまいます。その結果、冬の間に筋肉量がどんどん減少してしまいます。そうなると熱を生み出す力が落ち、寒さに弱い体になってしまいます。このようなことから亜鉛をしっかりと摂取することによって、熱を生み出しやすい体をつくることが大事であると言えます。

    また、冷えの一員としては抹消血管の血流低下があります。冬場になると体温を逃さないように血管が収縮しやすくなります。この血管が閉じすぎてしまうことで、逆に血流が低下してさらに冷えが進行する悪循環に陥ってしまいます。さらに最近では、このような抹消の血流低下に軽度の慢性炎症が関与していることが分かってきました。

    亜鉛は、炎症性サイトカインの過剰な産生を抑える作用を持っています。そのため体内の炎症バランスを整える方向に働いてくれます。血管周囲の炎症が軽減されることで、抹消の血流が悪化しにくくなります。その結果として冷えの 改善にもつながると考えられています。

    また、私たちの体の体温調節は、自律神経によってコントロールされています。亜鉛は、神経細胞内の情報伝達にも関与しており、不足すると自律神経を含めた神経系の反応が鈍くなってしまうことが知られています。冬場は、寒暖差の影響で自律神経がどうしても乱れやすくなり、体温調節もうまくいかなくなり ます。亜鉛を補給することによって、このような自律神経の働きを整えて、寒さに対してきちんと対応できる体を作ることができるでしょう。

    日光浴の不足を補う

    冬場に日照時間が短くなると、どうし ても日光を浴びる時間が減ってしまいます。日光を浴びると日焼けなどの問題が出てしまうため、できるだけ日光を避けている方もいらっしゃるかもしれません。しかし私たちの健康には日光を浴びることが不可欠です。例えば日光を浴びることによって、ビタミンDが活性化して骨が強くなります。逆に冬の日照不足は、ホルモンのバランスをはじめとして様々な健康障害のリスクにつながってしまいます。

    特に問題となるのが体内リズムの乱れや免疫機能の低下です。実は亜鉛は、T細胞やナチュラルキラー細胞といった免疫細胞の活性化に不可欠なミネラルになっています。亜鉛が欠乏するとこれらの免疫細胞の働きが低下し、感染に対する防御力が落ちることが知られています。実際、研究では亜鉛不足の人ほど風邪などの感染症にかかりやすい傾向が確認されています。

    また日照時間の短縮は、自律神経やホルモン分泌のリズムを乱出しやすくなります。その結果、冬特有のだるさや意欲低下を引き起こしてしまいます。亜鉛は、このような自律神経やホルモン分泌を整える作用もあります。そのため日光を十分に浴びられない日でも、体内時計を整えて体のリズムを正常に保つ助けになります。

    さらに冬場に、特に問題になるのが食欲や味覚の低下です。冬は日照不足と寒さの影響によって食欲がどうしても落ちやすく、味覚も鈍りがちになることが知られています。亜鉛は、舌の味覚を感知する細胞である味蕾細胞の再生に必須のミネラルになっています。そのため亜鉛が欠乏してしまうと味が薄く感じるといった状態になってしまいます。

    筋肉がアップする

    夜寝る前に亜鉛を摂ることには、様々な健康上のメリットがあります。夜寝る前に亜鉛を飲むメリットは、寝ているだけで筋肉がアップするメリットです。加齢とともに、筋肉の合成スピードよりも筋肉の分解や代謝のスピードの方が上回ってしまい、結果として筋肉が痩せ細ってしまいます。

    このような背景から筋トレをしたり、肉類を摂って積極的にタンパク質を摂取している人も多いんじゃないでしょうか。しかし中高年以降になれば、いくらタンパク質を摂っても吸収効率が低下し、筋肉の合成に使われにくくなることが分かっています。

    亜鉛は、タンパク質に関わる様々な酵素を活性化させる役割を持っています。特に重要なのが夜の亜鉛摂取です。睡眠中は、筋肉でタンパク質の合成が進む重要な時間帯です。しかし亜鉛が不足すると、この合成効率が大きく落ちてしまいます。寝る前にしっかりと亜鉛を摂取することで、筋肉の合成が最も活発になる時間帯に材料不足を補ってあげることができます。

    また、夜間は筋肉だけではなく、内臓の修復も同時に行われています。実は私たちの内臓の多くは、意外にも筋肉でできています。例えば腸というのは内容物を前へと送りながら、消化吸収を進めるために蠕動運動を行っています。これは腸が筋肉で構成されているからこそ可能なことです。

    亜鉛が不足すると、体内では優先順位の高い部位に栄養が集中し、内臓の修復が後回しになる可能性があります。そのため全身の内臓にも、しっかりとタンパク質を行き渡らせるためにも、夜寝る前の亜鉛摂取は重要であると言えます。

    疲労を持ち越さない

    日中の活動によって、私たちは体内に様々なストレスを溜め込んでいます。酸化ストレスの最も大きな要因が活性酸素ですが、亜鉛はこの活性酸素を除去するためのスーパーオキシドディスムターゼという酵素を活性化してくれることが知られています。

    日中に生じた活性酸素は、主に夜間に処理されます。ですが亜鉛が不足していると、このスーパーオキシドディスムターゼが十分に活性化されず、活性酸素の処理が滞ってしまいます。その結果、寝ている間に細胞が酸化して、言わば細胞が錆びついてしまう状態になってしまいます。このようなことから、夜寝る前に亜鉛を摂ることは、睡眠中に細胞の錆を取り除き、細胞を若々かしく保つための重要な習慣であると言えます。

    また、亜鉛は酸化を抑えるだけではなく、私たちの体内の炎症を沈めるために も欠かせないミネラルになっています。夜寝ている間に体内で炎症がくすぶった状態が続けば、それが毎日積み重なって細胞が傷つきやすくなります。その結果、がん化のリスクが高まってしまう側面まであります。

    40代以降になると胃癌や大腸癌など様々な癌が気になり始め、特に女性の場合は子宮体がんや子宮頸がんといった女性特有のがんも加わってきます。このような癌のリスクを抑えるためにも、夜間にしっかりと炎症を沈めておくことが重要です。

    また夜間に炎症が残ったままだと、それが朝のだるさや体の重さにつながってしまいます。このようなことから翌朝の目覚めを良くして、体力をしっかりと回復させるためにも亜鉛を補給することが大切です。炎症や酸化ストレスが強い状態では、睡眠の質も低下してしまいます。寝る前に亜鉛を摂取するのは、睡眠の質を高め、その結果として健康全体を底上げするための習慣です。

    細胞の修復材料が供給される

    睡眠中は、日中に受けたストレスなどによって生まれてしまったDNAの損傷を修復する大切な時間帯です。この修復を担う様々な酵素の多くは、亜鉛を必要としています。亜鉛が不足すると、こうしたDNA修復酵素が十分に活性化しません。その結果、夜間の細胞修復が材料不足を起こしやすくなり、私たちの細胞は寝ている間にも老化してしまいます。

    逆に、夜寝る前に亜鉛をきちんと摂取することができれば、細胞修復が最も活発に行われるタイミングで、必要な材料がきちんと供給されることになります。そのため寝ている間に自動的に細胞修復が進み、朝起きた頃には体がリフレッシュされた状態に近づいている効果が期待できます。

    特に、皮膚や免疫細胞といった細胞は、夜間に細胞分裂や再生が活発になります。亜鉛が不足すると、このような細胞の再生スピードが落ちてしまいます。冬、はどうしても皮膚が乾燥しがちになって、食生活が乱れやすく、お酒を飲む機会も増えやすい季節です。このようなことから夜寝る前に亜鉛を摂取して、皮膚、粘膜、免疫細胞の3つにしっかりと亜鉛を届けてあげることが重要です。

    そして夜間に分泌されるホルモンの中で、特に重要なのが成長ホルモンです。成長ホルモンは、私たちの体を若かわかしく保つ働きをしています。成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されますが、細胞側がそれに正常に反応できなければ十分な効果は得られません。亜鉛は成長ホルモンの需要体や酵素反応にも関与する可能性があり、不足するとホルモンは分泌されているのに効果が弱いという状態になってしまいます。

    このようなことから成長ホルモンの働きを引き出すためにも、夜寝る前に亜鉛を摂るのが重要です。ただし亜鉛は冬の活力や若々かしさを支えてくれる重要なミネラルですが、過剰摂取は銅不足といった別の問題を招いてしまう可能性もあります。目安を守りつつ、食事の質を整え、睡眠時間を確保し、適度に日光を浴びる、この土台があってこそ夜の亜鉛は本量を発揮します。

    寝る前に蜂蜜を摂る

    朝の目覚めが良くなる

    副腎は、その名の通り腎臓の上に乗っかっている小さな臓器のことです。この腹人は、コルチゾールをはじめとする、様々なホルモンを分泌する重要な臓器です。

    最近、朝起きてなんだかだるかったり、寝ても寝ても疲れが取れない人は、それは夜中に副腎が疲労していることが原因かもしれません。しかし夜に蜂蜜をひと舐めするだけで、このような副腎疲労を回復して、朝の目覚めを良くできることが分かっています。

    副腎は、コルチゾールというホルモンを分泌する臓器で、このホルモンはストレスホルモンとして有名です。血糖値を一定に保ったり、朝の目覚めをブーストしてくれるといった様々な働きを持っています。しかし夜中寝ている間に低血糖になった場合、コルチゾールが大量に分泌されて副腎が疲れてしまいます。

    このように夜寝ている間に副腎が疲れると、朝の副腎によるコルチゾールのブーストが起きなくなります。それによって朝目覚められなくなる事態になってしまいます。

    しかし蜂蜜には、グルコースとフルクトースという2種類の糖分がバランスよく含まれています。これらが穏やかに肝臓に貯蔵されることによって、夜寝ている分のエネルギーを丁度よく補充することができます。肝臓に糖があると夜間血糖値が下がり始めると、ちょっとずつ肝臓から必要な糖を取り出すことができます。これによってコルチゾールが夜間寝ている間に過剰分泌してしまうのを防げることができます。

    その結果、副腎が寝ている間のストレスから解放され、寝ている間も一緒にゆっくりと休むことができます。こう聞くと寝る前に甘いものを食べれば良いと考える方もいらっしゃると思います。それは逆効果です。

    なぜなら、夜寝る前に血糖値を急激に上げるような甘いものを食べると、その反動でインスリンが大量に分泌されて、夜寝ている間に血糖値が下がってしまうからです。こうなれば、コルチゾールをたくさん分泌しなければいけなくなり、結局は副腎疲労につながってしまうことになります。

    また寝ている間に血糖値が下がると、夜に目覚めやすくなってしまいます。夜、何回も何回も目が覚めた夜の日に、寝る前に甘いものや血糖値を上げるものを食べてしまっていなかったか思い出してみて欲しいです。そして蜂蜜は、寝る前に舐めてもそこまで大きく血糖値を上げません。血糖値を上げることなく、肝臓に程良いエネルギーが蓄えられ、結果として丁度良い具合に、寝ている間の血糖値を安定させてくれる効果があります。

    筋肉の分解を抑制する

    年を取ると骨密度が減るため、筋肉をつけてその分を補ってあげる必要があります。しかし寝ている間に筋肉が削られてしまっているかもしれません。私たちの体は、寝ている間もエネルギーを使い続けています。特に脳は、寝ている間でも1日分のエネルギーの約20%を消費するほど活発に動いています。そのエネルギー源となるのがグルコースです。

    しかし、寝ている間に血液中のグルコースが枯渇すると、体は糖新生という非常手段を発動してしまいます。糖新生は簡単に言うと、筋肉などのタンパク質を分解し、そこから糖を作るメカニズムのことです。つまり寝ているだけでどんどん筋肉が減ってしまうことが起きます。このような夜間の筋肉の分解を防ぐ鍵が、寝る前に舐める蜂蜜です。

    蜂蜜には、グルコースと加糖が理想的な比率で含まれており、これによって肝臓のグリコーゲンを効率よく補給できる特徴があります。つまり血糖値が下がっても、肝臓からグリコーゲンが素早く供給されることで血糖値が下がりすぎないように保たれます。それによって副腎から出るコルチゾールが節約されるだけでなく、筋肉の分解による糖新生も抑えることができます。

    実際、アスリートやボディビルダーの間でも、就寝前の糖の補給は常識になっており、夜間の筋肉の分解を防ぐ手段として活用されています。特に蜂蜜のように急激な血糖の上昇を起こさず、長時間にわって安定的にエネルギーを供給してくれる食品は、夜間の安定した血糖管理に役立ってくれると言えます。

    脳の神経細胞が回復する

    脳は、寝ている間も大量のエネルギーを消費しています。実際、私たち人間の脳は、寝ている間に日中に受けたストレスやたくさんの情報を整理しています。さらに情報の整理をするだけでなく、傷ついた脳神経を修復するのも寝ている間に起こる脳のメンテナンス機能です。そしてこのような脳の修復作業をスムーズに進めるためには材料が必要です。

    蜂蜜には、このような脳細胞の修復に不可欠な栄養素がたくさん含まれています。脳神経を寝ている間に修復するための材料には、主に3つあります。1つ目はビタミンB群です。特にビタミンB2やビタミンB6は、私たちの脳神系の修復には絶対に欠かせない栄養素になっています。これらのビタミンBは、脳内の神経伝達物質の合成や細胞の修復に深く関わっているビタミンです。

    ビタミンB2は、細胞の再生とエネルギーの産生に関与しています。一方でビタミンB6は、脳内のセロトニンやギャバといった神経伝達物質のバランスを整える助けをしています 。そしてもう1つ重要なのが、ポリフェノールです。特に蜂蜜に含まれるフラボノイド系のポリフェノールは、脳内の炎症や酸化ストレスを抑えてくれる作用があります。これによって神経細胞の老化を防ぎつつ、夜間の脳の修復を促進してくれることが研究によっても示されています。

    さらに、私たちの脳を寝ている間に修復する大事な栄養素の3つ目がマグネシウムと亜鉛といった微量のミネラルです。マグネシウムは、私たちの神経の興奮を沈めてくれるミネラルです。 寝ている間も脳は活発に働いていますが、 これではいつまで立っても脳は休まりません。このような活発の脳を沈めてくれる働きをするのがマグネシウムです。

    一方で、亜鉛は脳内の細胞の再生や修復に使われています。そして蜂蜜は、これらのビタミンB群、ポリフェノール、微量ミネラルの全てを含んでいます。ここで大事なのは蜂蜜の栄養の吸収効率が非常に良いことです。ビタミンBとかミネラルが重要ならば、寝る前にマルチビタミンミネラルのサプリを飲めば良いと思われるかも知れません。しかしサプリメントに含まれる、こういった栄養素はほとんどが腸管で吸収されずに排泄されて体外に出てしまうからです。

    一方で、蜂蜜に含まれるこれらの栄養素は吸収効率が良く、僅かの量であっても吸収され、私たちの脳に届いてくれるメリットがあります。さらに蜂蜜に含まれるこれらの成分が、夜間の脳のメンテナンスに丁度のタイミングで吸収されていくことです。これこそが蜂蜜を夜寝る前に摂取すると、脳にとても良いと言われている所以です。

    記憶の定着率を上げる

    加齢とともに昔のことを忘れるようになったり、勉強したことを覚えていないことが多くなってきます。このように年を取って忘れっぽくなってしまうのは、記憶の定着率が下がってしまうことが原因と言われています。記憶は、覚えた直後に定着するわけではありません。記憶の大半は、寝ている間に脳の中で再 処理されることで、初めて脳の深いところにきちんと保存されます。

    このように寝ている間に、きちんと脳内に定着させられるかどうかが記憶において大事なポイントです。そしてこのように日中に一時的に記憶したものを脳に定着させるためにも、寝る前の蜂蜜は非常に効果があると言われています。なぜなら蜂蜜は、夜間の記憶の定着を妨げる神経の炎症を抑えてくれるからです。

    そして、この蜂蜜による脳の炎症コントロールの鍵となるのが、アセチルコリンという物質です。アセチルコリンは、アルツハイマー型認知症で減少してしまうことで有名です。アルツハイマー型認知症で、有名な治療薬であるドネピジルは、このアセチルコリンを減らさないようにする薬です。

    しかし、このドネペジルという薬は、アセチルコリンを減らさないようにすることはできても、アセチルコリンの量を増やすことはできません。しかし夜に蜂蜜を舐めるだけで、このアセチルコリンの働きをアップさせることができ、記憶の整理が寝ている間に進むことが分かっています。

    さらに近年の研究では、蜂蜜に含まれる高炎症のフラボノイドが、私たちの脳の炎症を抑えることによって記憶回路をクリアにしてくれることが分かっています。夜寝る前に蜂蜜を食べることで、脳の炎症が取れてスムーズに脳に記憶が定着していくようになります。

    目のトラブルを解消する

    加齢とともに眼精疲労や老眼など、様々な目のトラブルに悩まされるようになります。特に夕方以降になると目が重くなったり、夜になると目が霞んでスマホの画面が見えないといった症状を訴える方も多いと思います。こうした眼性疲労は、単なる目の使いすぎだけではなく、実は目に必要な栄養が不足しているサインです。特に私たち現代人はスマホやテレビによって、夜になっても強いブルーライトに晒され続けています。それによって目の細胞には、大量のストレスがかってしまいます。

    寝る前の蜂蜜は、3つのメカニズムによって私たちの目の疲れを取ってくれる ことが分かっています。1つ目は目の毛細血管をピカピカにしてくれるという作用です。私たちの目には、たくさんの毛細血管が張り巡らされています。目が疲れて充血してきた時に、近くで見ると細い筋が何本も白目のところに走っているのが分かると思います。これこそが目に通っている毛細血管です。

    実は、目が充血しているのは、目が疲れてたくさんの酸素や栄養素を必要としている証拠です。つまり目の血管が広がることによって、たくさんの 酸素や栄養素を目に供給しようとしているわけです。このような目に張り巡らされた毛細血管をパワーアップさせてくれる栄養素が、蜂蜜にはたっぷりと含まれています。

    特に百花蜜のような様々な花を混合した蜂蜜には、ルチンやケルセチンといった植物性ポリフェノールが豊富に含まれています。これらが私たちの目の毛細血管を強化し、ドライアイや充血などの症状を和らげてくれることが研究によって報告されています。

    また蜂蜜に含まれるビタミンEの一種であるトコフェロールが、私たちの目の酸化ストレスを除去してくれることも分かっています。このトコフェロールは、私たちの網膜の細胞の酸化を抑制してくれることが研究によっても示されています。網膜は目におけるフィルムの役割を果たしています。

    カメラを例えると、私たち人間の目においてはレンズの部分が水晶体でフィルムの部分が網膜になります。レンズの部分がダメになってしまう代表的な病気が白内症です。一方で年を取るとフィルムの方である盲膜も、どんどん劣化していきます。

    特に問題となるのがブルーライトなどに含まれる紫外線です。私たちの網膜の細胞は、紫外線に非常に弱く、スマホの視聴などによって大きなダメージを受けてしまいます。それによって加齢黄斑変性症などの網膜の病気になりやすくなります。

    しかし、夜蜂蜜を摂ると蜂蜜に含まれているトコフェロールが紫外線による網膜のダメージを抑えてくれることが分かっています。それによって目のフィルムの機能を寝ている間に回復してくれることになります。そして私たちの目に蜂蜜が良い理由の最後の3つ目は、蜂蜜が眼球周りの血流も促進してくれることです。

    眼球の中だけでなく、実は目の周りにもたくさんの血管が張り巡らされています。疲れた時にホットアイマスクをすると良いというお話を聞いたことがあるでしょう。これはホットアイマスクが目の周りの血管を温めて血流をアップし、眼精疲労を軽減してくれるからに他なりません。

    同様に夜寝る前に、蜂蜜をひと舐めするだけでこのようなホットマスクとほとんど同じような効果が得られます。蜂蜜を摂取することで副交感神経が優位となって、私たちの目の周りの血流が促進されることが分かっています。目の血流が回復すれば、目の周りだけでなく、私たちの顔全体に血流が行き渡って翌朝目覚めた時の顔色も良くなっていることでしょう。

    副鼻腔炎を和らげる

    蜂蜜には、私たちの体の粘液をサラサラにしてくれる効果があります。私たちの鼻を詰まらせる粘液といえば鼻水です。夜寝る前に蜂蜜を摂取することによって、喉や鼻の中の粘膜がコーティングされます。それによって粘液がサラサラになってくれます。これによって副鼻腔炎などの老廃物の排出がスムーズになり、鼻詰まりが軽減することが期待できます。

    そして、蜂蜜には副鼻腔炎の炎症を抑えてくれる効果もあります。私たち日本人がなりやすい副鼻腔炎には大きく2種類があります。1つは細菌性の副鼻腔炎で、もう1つはアレルギー性の副鼻腔炎です。そして夜の蜂蜜は、このどちらにも効果があることが知られています。

    蜂蜜には、天然の抗菌成分が含まれています。この抗菌成分は粘膜の炎症や細菌の増殖を抑える力が強いことが分かっています。中でもマヌカハニーは、この作用が高く、細菌性の副鼻腔炎の人が食べることによって抗菌薬に匹敵するほどの効果があることが分かっています。病院で処放される抗菌薬には、福副鼻腔炎の細菌だけでなく、私たちの大事な腸内の善玉菌までも壊滅させてしまう一面があります。そのような副作用のある抗菌薬に比べて、マヌカハニーには副作用がありません。

    一方で、蜂蜜には高い抗炎症作用もあります。この高炎症作用によってアレルギー性の副鼻腔炎も改善することが分かっています。さらに蜂蜜には、呼吸のリズムを整える効果もあります。鼻が通らないとどうしても口呼吸になりがちですよ。口呼吸は正直なところ良いことは1 つもありません。

    口呼吸になると口が乾いて、喉に細菌やウィイルスがつきやすくなって風邪を引きやすくなってしまいます。さらに口の中が乾くことで雑菌が増殖し、朝起きた時の口臭の原因にもなってしまいます。おまけに口呼吸は、舌が下がってしまい、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因にもなってしまいます。

    しかし、蜂蜜にはリラックスを促すトリプトファンや有機酸といったアミノ酸が含まれています。このようなアミノ酸や有機酸が副交感神経を優位にすることで鼻呼吸を自然にサポートする作用があることが分かっています。

    肌の常在菌バランスを改善

    朝起きた時、布団やパジャマがびっしょり濡れてしまっている方はいらっしゃいませんか?実はそれはただの寝汗ではないかもしれません。特に50代以降の男女ともに、自律神経やホルモンバランスの乱れによって深夜から明け方にかけて突然の発汗が起こることがあります。

    実は、この汗はただの汗ではなく、皮脂やアンモニア、老廃物が混ざった臭いの元になっていることが多いです。そしてこのような臭いが体中の皮膚に染みつくことによって、シャワーをしても臭いが取れず、加齢臭や体臭の原因になってしまうことが分かっています。

    そのような体臭の原因を抑えてくれるのが、夜寝る前の蜂蜜です。蜂蜜の抗菌作用が、臭いの元となる菌の増殖をブロックしてくれることが分かっています。そもそも臭いの強い汗の原因は、皮膚表面の細菌が皮脂を分解することです。つまりどれだけ皮脂が分泌されていても、皮膚表面に雑菌がついていなければ、臭いは発生しません。蜂蜜には天然の抗菌成分が含まれており、研究によっても皮膚からのアンモニア臭の発生を抑制することが分かっています。

    さらに蜂蜜には、腸内フローラを改善してくれる効果もあります。私たちが口にした油物や加工食品は、それが腸に到達した時に腸から吸収され血液に入っていきます。そして悪玉菌の餌になり、有毒ガスを発生させます。このガスが血液中に漏れて、全身にばらまかれてしまいます。こうして全身に回ったガスが汗として出ることで体臭の原因になってしまいます。

    しかし、蜂蜜には善玉菌の餌となるプレバイオティクスがたくさん含まれてい ます。それによって腸内環境を整えることで悪玉菌が減少し、体内の有毒ガスが体中に漏れ出すことを防ぐことができます。

    さらに蜂蜜は、私たちの皮膚の常在菌のバランスにも良い影響を与えることが分かっています。私たちの皮膚の表面には、腸と同じように善玉菌がたくさん生息しています。ですが食生活や生活習慣が乱れると、この皮膚の常在菌までもが悪玉菌の優位となってしまい、それが臭いの元になってしまいます。しかし蜂蜜を夜に食べることで、私たちは自然と皮膚の善玉菌を増やして、お肌を若返ることができます。

    そして注目すべきは、体臭の酸化を抑えるポリフェノールの効果です。加齢臭の最大の原因は、皮脂の酸化です。蜂蜜に含まれるフラボノイド成分によって、皮膚や汗に含まれる様々な物質が酸化してしまうのを防ぐことができます。それによって臭いを際立たせないようにすることができます。

    そもそも、睡眠中の体は体温調節や老廃物の排出のために自然に発汗しています。このような汗自体を止めるのは、体にはよくありません。大事なのは、汗を止めるのではなく、汗が匂いを発しないようにすることです。そのため夜間の蜂蜜は非常に効果的です。

    【本コラムの監修】

    恵比寿院長

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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