マイオカインで老化防止

    マイオカインで老化防止

    老化は仕方がないと思っていませんか。世界的名著であるライフスパンでは老化は病気であると述べられています。老化は自然現象であり、コントロール不可能なものと捉えられていましたが、老化は諦める必要はなくなりつつあります。老化を遅らせる科学的に認められている方法が数々発見されています。

    その1つとして、年齢を重ねれば重ねるほど筋トレの重要性は増し、筋肉を維持することで病気を予防し、健康で若々しくいられることが分かっています。年齢より老けて見られるのは筋肉が減少しているからかも知れません。女性の方は筋トレしても男性ホルモンが少ないためムキムキになることはないのでオススメです。

    筋トレの健康効果

    筋トレによって私たちはいつまでも若々しくいられるということが近年の研究で明らかになりつつあります。筋肉から若返り物質が分泌されていることが明らかになっており、その若返りホルモンが「マイオカイン」です。このホルモンは、筋肉量に比例することが分かっています。また運動量にも比例することが分かっています。そのため筋肉を育て、保つことが大切なのです。

    筋肉が多い人ほど若々しいという医学的な理由は、2005年デンマークで発見された「筋肉ホルモン(マイオカイン)」に発します。このホルモンは、骨格筋から分泌される種々の生理活性物質の総称で、若返りホルモンや夢の万能物質と言われています。実はこの発見までは、運動がなぜ健康に良いのかというメカニズムは医学的にはハッキリ分かっていませんでした。これまでは単に筋肉はエネルギーを消費している組織であると考えられていましたが、この研究では、運動することで筋肉が生理活性物質を分泌・放出していることが発見されたのです。

    今では数十種類のマイオカインが存在するとことが分かっています。数十種類ものマイオカインが筋肉から分泌されることによって、筋肉だけでなく全身の臓器や組織とコミュニケーションを取り、様々な機能を調節していることが分かっています。また近年の研究では、日常的にしっかりと動いている人は健康や若さを保つマイオカインが分泌される一方で、動かない状態でいると善玉マイオカインは減少し、 筋肉の萎縮を進める悪玉のマイオカインが増えることも分かっています。

    これまでに発見されたマイオカインの健康効果として、老化防止、代謝の活性化、認知の改善、病気予防、体内の代謝や分泌の調整、血糖調整、脂質低下、萎縮予防、精力増強、脂肪分解が挙げられます。また慢性病や生活習慣病への効果も認められており、筋トレすることで防止・改善することができます。

    美容面では、マイオカインは、お肌をプルプルに保つために必要なコラーゲンの生成にも関係しています。さらに筋トレによって分泌されるバイオメクチンという物質には美肌効果があります。また体の筋肉量が多いほど、肌の毛穴の目立ち、色ムラが少ないということも分かっています。

    マイオカインの作り方

    筋肉は30代を過ぎると毎年1%のペースで減少していくと言われており、その分マイオカインも減少してしまいます。つまり筋肉量が少ない人はマイオカインの分泌量が少ないため、老化や多くの病気に悩まされる可能性があります。

    そのため筋トレが大切になりますが、マイオカインは新しい筋肉から分泌されることが分かっています。筋肉は通常の負荷以上の力を加えると、筋繊維の破壊が起こります。そのあと超回復という修復を経て、新しく太く増強されます。つまり増強された後の新しい筋肉からマイオカインは分泌されます。さらに近年の研究では、1回の運動で分泌されるマイオカインの量には限界があることが分かっています。つまり思いつきでハードな筋トレをして一回のマイオカインの分泌量には限界があるため、毎日ソフトな筋トレと休憩の繰り返しがとても重要になります。

    アンチエイジングには筋トレ

    筋トレの健康効果は若返り効果です。筋トレをすることによって分泌されるのが成長ホルモンです。成長ホルモンは別名「若返りホルモン」と呼ばれており、成長ホルモンがしっかりと分泌されることによって骨や筋肉が強くなり、脂肪が分解され、毛髪の発育の促進、組織の新陳代謝が活性化によって肌ツヤが良くなるなどが挙げられます。

    さらには老化し、傷ついた細胞を修復再生してくれたり、疲労を取ってくれるという効果もあります。私たちが眠っている間に成長ホルモンが分泌され、成長ホルモンによって疲労が取れることから、成長ホルモンは別名「疲労回復ホルモン」とも呼ばれています。その他にも成長ホルモンには心臓の健康に良い影響を与えてくれたり、血中の脂肪レベルを下げてくれたり、免疫システムを調節する働きがあります。

    この成長ホルモンは思春期を過ぎるとその分泌量が減少をし始め、30代40代ではピーク時の3分の1程度にまで減少し、60歳ではピーク時のなんと7分の1程度にまで減少します。このように成長ホルモンが減少することによって、次第 に疲労からの回復が遅くなり、筋肉量、骨量の低下、肌の衰えなどの老化現象が目立つようになります。また成長ホルモンのレベルが低いと生活の質が低下し、病気のリスクが高まり、脂肪が増え、肌ツヤなどがなくなり見た目が老けて見えたりします。

    また、成長ホルモンの量は生活スタイルによってもかなりの影響を受けるということが分かっています。例えばどのような食事を摂るのかといった、ライフスタイルの選択によって成長ホルモンの量は大きく変わるということが分かっています。

    特に筋トレを代表とした無酸素運動は、成長ホルモンのレベルを大幅に上げる最も効果的な方法の一つです。運動には、ランニングなどの有酸素運動もありますが、成長ホルモンという観点から言うと無酸素運動がおすすめになります。もちろん有酸素運動でも成長ホルモンは分泌されますが、その分泌量は少なく、さらに分泌時間もさほど長くないとされています。

    一方で無酸素運動では、成長ホルモンの分泌が盛んになると考えられています。その理由に、無酸素運動で作り出される乳酸が脳の下垂体を刺激して、成長ホルモンの分泌を促すことが指摘されています。無酸素運動を行うと体内の糖分がエネルギーとして使われて乳酸という物質が生成されます。そしてこの乳酸が成長ホルモンの分泌を促すスイッチのように働くことになります。

    アイソメトリックス(静的筋肉トレーニング)

    筋肉を収縮させる腕立て伏せやダンベルトレーニングなどは動的筋肉トレーニングと言われ、一方で筋肉を収縮させず、筋肉に負荷をかけるだけのトレーニングをアイソメトリックス(静的筋肉トレーニング)と言います。例えば両腕で壁を押す、両手で合掌して押し込むなどは筋肉が収縮せず、単に負荷が掛かっている状態です。

    このような静止したまま筋肉に負荷を与えるアイソメトリックスが良いのかというと、筋肉は最低5秒間、最大負荷の80%以上の力を加えると、筋肉増強遺伝子にスイッチが入り、急激に筋肉細胞が増殖することが運動生理学よって分かっています。このように5秒間に強い負荷をかけると、筋肉組織の一部が破壊され、休憩期間に破壊された筋組織は修復・再生・増大(超回復)することになります。

    アイソメトリックス理論は、このメカニズムを最も効率的に活用するものになります。このアイソメトリックスには基本4つのポーズがあり、メリットとしてはいつでもどこでも簡単にマイペースに実行できることでしょう。いずれのポーズも最大負荷80%以上の力を加えることを意識して5秒程度行なってください。

    勝者のポーズ上腕二頭筋に力を込めて力こぶをつくります。両腕、腹筋、背筋、お尻を引き締め脚の筋肉にまで一気に思い切り力を込めます。
    重ねのポーズ右手のひらを上向きに、左手のひらを下向きに重ねて、上下に思いっきり力を加えます。その後左右の手を変えて行います。
    合掌のポーズ両手のひらを胸の前で合わせて両側から強く押します。上腕筋、大胸筋などがプルプルと震え、鍛えられていることが実感できます。
    鍵のポーズ体の前で左右両手の指を鍵のように引っ掛けて、両側に引っ張ります。上腕筋の他、肩筋、背筋などが鍛えられているのが実感できます。

    この中で「勝者のポーズ」が一番幅広く全身の筋肉を鍛えることができるのでオススメです。

    運動でストレス解消と疲労回復

    現代人は様々なストレスに晒されていますが、実は休む過ごし方によっては、どんどん疲れが溜まる場合があります。特に休日に疲れを取るためにゴロゴロしています方も多いと思いますが、座りっぱなしや横になりっぱなしでほとんど動かない状態では、逆にストレスを溜め込んでしまうことになります。

    多くの方が、疲れを取るためにこのように過ごしてきたと思いますが、科学の世界にはホルミシス効果という言葉があります。例えば食事を抜くファスティングなどが代表例です。一般的に過酷な状況に陥ることによって、人体がより強くより良い状態に生まれ変わる効果のことです。他にもサウナもその代表例で、サウナに入ると体は一時的に危機的状況に置かれることになりますが、なんとか対応しようと体は強くなります。そして運動によるストレスも同じです。 適度な運動によるストレスは、むしろ体の機能を高めてくれたり、疲れを取ってくる上でとても重要なことです。

    このように適度な運動ストレスを与えず家でゴロゴロ休んでいるような生活は、コルチゾールの産生に影響を及ぼしたり、筋肉や血管に悪影響を与えたりします。ストレスを回復させる方法の鍵となるのがコルチゾールという疲労回復ホルモンです。

    このホルモンが疲労の原因となるストレスを緩和し、ストレスによるダメージを修復したりすることで疲労を回復させてくれます。一方でコルチゾールの分泌機能が弱まったり、過剰なストレスによってコルチゾールだけでは補いきれなくなると疲労がどんどん蓄積していきます。つまりコルチゾールを消耗させるストレスとなる行動を減らし、コルチゾールの貯蔵量が増えるような行動によってストレス緩和力を高めることが大事になります。

    また家にいて全然動かないと血流が滞ってしまい、疲れやすくなります。さらに動かない生活では運動不足によって筋肉が衰え、筋力が低下すると当然 疲れやすくなります。また運動をしないと心臓や血管の機能が低下し、酸素や栄養素が体内に十分に運ばれなくなり、その結果疲れやすくなってしまいます。適度な運動には、ストレス解消効果が認められており、運動不足によってストレスがたまり、精神的な疲れが蓄積され、これが疲れやすさにつながってしまいます。また運動不足が続くと睡眠の質が低下し、疲れが取れにくくなります。

    アクティブレスト

    アクティブは積極的、レストは休憩という意味で、アクティブレスとは積極的な休憩です。つまり積極的に体を動かすことによって休憩しようという考え方です。運動にはストレス解消効果、疲労回復効果など様々な効能が認められています。つまり疲れた時こそアクティブレストを行うべきです。

    例えば、体を動かしていないと気づくたびに3秒かけてしゃがみ、5秒間維持して3秒かけて立つスロースクワットを行う、あるいはストレッチする、ウォーキングに出かけるなど、積極的に体を動かして、疲れた時こそ運動しましょう。

    満腹or空腹で寝る

    満腹or空腹で寝ることは、実は睡眠の深さ、体の若返りのスピード、翌日の目覚めの軽さ、さらには将来的な病気予防にまで密接に関わっている重要なテーマです。そしてその鍵を握っているのが寝る前の食事の状態です。結論を先に 言うと満腹で寝るのも逆にお腹が鳴るほどの極端な空腹で寝るのも、どちらも良くないということが分かっています。最も理想的なのはちょうど良い、軽い空腹状態で眠りにつくことです。

    この理由の1つが成長ホルモンと睡眠の関係にあります。人の体は眠っている間に全身の修復と再生という作業を行っており、その主役とも言える存在が成長ホルモンです。成長ホルモンは大人になってから、そして60代を超えてからも分泌され、大切な役割があります。その役割は古くなった細胞を入れ替え、筋肉や骨を修復し、脳や肌を若えらせることです。

    また成長ホルモンは、寝ている間に日中に溜まった疲労を回復させてくれる疲労回復ホルモンです。疲れを取るためには、この成長ホルモンが絶対に欠かせません。さらに免疫機能の調整や代謝の促進にも大きく関与しているので、健康寿命の延長にも欠かせません。そして、この成長ホルモンは特に深いノンレム睡眠の開始直後に最も分泌されることが分かっています。従ってどれだけ深い眠りに入れるのかが、翌朝の回復力や若々かしさを左右していると言っても過言ではありません。

    そして、満腹が成長ホルモンの分泌を妨げてしまうことが分かっています。食事をすると血糖値が上がり、それに応じてインスリンが分泌されます。インスリンは血糖を細胞に取り込んでエネルギーとして利用させる重要なホルモンですが、同時に脂肪の分解を抑制する作用も持っています。つまり体はエネルギーを燃やすモードではなく、エネルギーを蓄えるモードに切り替わってしまいます。

    臨床試験でもぶどう糖を摂取した場合は、成長ホルモンの分泌が優位に抑制されることが報告されています。これは大人でも同様で、寝る直前にしっかりと食べてしまうと本来睡眠中に得られるはずの回復効果が損われやすいということが分かっています。寝ても疲れが取れない、起きた瞬間からなぜか疲れている人は、寝る前にたくさん食べてしまっていないか、夕食が遅くなっていないかをもう1度しっかりと見直してみましょう。

    また、遅い夕食は代謝を狂わせてしまうのも大問題になります。近年の研究では、夕食を遅く摂ることが睡眠中の代謝に悪影響を及ぼすということが分かっています。ランダム化試験の結果、22時に夕食を摂る場合と18時に摂る場合を比較すると、遅い夕食では睡眠中の脂肪酸動員や脂肪酸酸化が低下し、さらに夜間の血糖が高止まりしてしまうことが明らかになっています。これは睡眠の段階そのものには大きな違いが出なかった一方で、代謝の質が下がってしまうという結果を示しています。つまり遅い夕食は、眠っている間の燃焼・修復作業にブレーキをかけてしまうということ、そして日本人の多くが夜遅くに食事を取ってしまっていることも明らかになっています。

    厚生労働省の調査では、日本人の15歳以上で21時以降に夕食を摂ると回答した人が約12%に上ると報告されています。働き盛りの40代から50代ではその割合がさらに高くなっており、仕事や会食などで夜遅く食事を取ることが日常になっている方も少なくありません。ですがそれは良くない習慣です。

    また、日本のコホート研究においても夜遅い食事や就寝直前の食事というのは、肥満やメタボリックシンドロームの発症リスクと関連していることが示されています。つまり多くの日本人が無意識のうちに睡眠の質を落とし、代謝を悪化させるような生活習慣を行っているのです。

    一方で、軽い空腹状態で寝ると素晴らしい健康効果がもたらされ、この状態こそが睡眠の質を高め、細胞を若えらせ、体全体の代謝を整えるための最適な条件であることが分かってきています。その健康効果が肌の若返りと成長ホルモンの分泌、そして圧倒的な疲労回復効果です。

    軽い空腹状態であれば、インスリンが安定しており、成長ホルモンがよりスムーズに分泌されるようになります。このホルモンは皮膚のコラーゲン生成を促してシワやたるみの予防に直結します。またこれまで夜遅くに食べ物を食べていた人が軽い空腹状態に切り替えることによってしっかりと疲れが取れるようになります。

    老化を遅らせる方法

    食べる量や回数を減らす

    余談ですが上記の本の中で、長く健康を保ち、寿命を最大限に延ばす確実な方法として、食べる量や食べる回数を減らすことが挙げられています。食べ過ぎは老化を大きく加速させ、様々な病気を引き起こすことが明らかになっています。

    例えばアメリカの医学会では、断食することが体重や脂肪の減少につながるだけでなく、糖尿病、悪性腫瘍、心血管疾患などの予防に効果的であるということが述べられています。また空腹を感じることでオートファージーが活性化して体の内側から若返ったり、長寿遺伝子がオンになるおとで健康で長生きできる可能性が高まることが分かっています。

    紫外線対策は必須

    肌の老化の8割は紫外線です。怖いのは紫外線の影響はすぐに分からないため、徹底的に紫外線対策をしようとはならず、後から老化して始めて後悔します。また紫外線の悪影響は蓄積され、トータル量が私たちの肌の老化状態を決めています。紫外線による老化は私たち皮膚の老化プロセスを大きく加速させてしまします。

    オーストラリアで900人以上を対象に行われた研究では、日焼け止めを毎日塗り、かつ適切に塗り直したグループでは、肌の老化の兆候を示す可能性が24%も低いということが分かっています。その他の研究でも、日焼け止めを12週間使用するだけで、紫外線によっておこる肌のトラブルや色素沈着などが大きく改善することが示されています。

    野菜や果物を食べる

    野菜や果物には老化を防ぐ抗酸化物質やビタミンなどが豊富に含まれています。実際にも肌の老化を早める原因となるダメージを防ぐことが複数の研究によって示唆されています。特に抗生物質は老化の原因となる活性酸素を除去する働きがあります。一方で活性酸素が増えてしまうと血流が悪くなり、細胞に適切な栄養や酸素が届かなくなることや、体内の老廃物が排出されなくなり、代謝機能もダウンしてしまいます。

    抗酸化物質の一種であるビタミンEは、色素沈着を防いでくれたり、炎症を軽減するのに役立つことが分かっています。またビタミンA,Cなどは肌ハリの元になるコラーゲンの分解を防いでくれたり、テロメアが長くなることで乳がんのリスクが低くなるという研究もあります。

    睡眠をしっかり取る

    いくら健康に良いものを食べていても、紫外線対策をしっかりしても、睡眠時間が足りなければ全て台無しになると言っても大げさではありません。睡眠不足は、全ての病気や不調の入り口といっても過言ではありません。睡眠不足を起点として様々な問題が発生します。

    例えば高血圧などの生活習慣病がある人1,600人の睡眠時間を調査した研究では、睡眠時間が6時間未満の人はがんや心筋梗塞の死亡リスクが上がったというデータがあったり、高血圧や糖尿病リスクが上がったという研究結果もありあます。さらに10万人の日本人の睡眠時間の統計をとった論文でも「睡眠時間が7時間より短ければ短いほど寿命が縮まる」というデータもあります。

    天然の万能薬「酒粕」

    近年の研究によって酒粕は酒作りの副産物ではなく、素晴らしい健康効果が凝縮されていることが分かってきました。

    ナチュラルキラー細胞の活性化

    健康な人の体の中でもがん細胞が毎日無数に生まれていることが分かっています。ですが、実際にがんとして発症しないのは、体内の免疫細胞によって、そのような細胞が駆除されており、このようながんを予防するために重要なのがナチュラルキラー細胞と呼ばれる免疫細胞です。

    ナチュラルキラー細胞は、がん細胞のような異常な細胞を自動で見つけ出して破壊する存在です。実は酒粕には、このナチュラルキラー細胞も強力に活性化するペプチドが含まれていることが研究によって分かってきています。実際ある研究では、酒粕から抽出した発酵ペプチドを投与したところ、ナチュラルキラー細胞の活性が上昇したことが分かっています。さらに、それによってがん細胞の増殖が優位に抑制されたことも分かっています。

    また、2021年に報告された研究では、酒粕には免疫グロブリンという免疫物質の分泌を促進する作用があることも分かっています。ナチュラルキラー細胞が異常細胞を直接駆逐する細胞であるのに対し、免疫グロブリンはミサイル攻撃のように異物を駆除する細胞です。このようなことから毎日、酒粕を食べることによってがんに対してだけでなく、ウイルスや細菌など様々な異物に対しても免疫力が上がります。

    さらに酒粕は、他にも様々な複合的な作用によってがんを予防できることが分かっています。それは発酵ペプチドによるナチュラルキラー細胞の活性化だけでなく、食物繊維やレジスタントプロテインによる効果、ポリフェノールによってDNAのエラーを防ぎ、発がんのリスクを抑える効果、さらには良質なアミノ酸によって肝臓の解毒能力を高めて、発がん物質を無毒化する効果などが実証されています。酒粕はこのような様々な働きによって複合的にがんを予防してくれます。

    レジスタントプロテイン

    酒粕には、レジスタントプロテインという物質が豊富に含まれています。よく知られているレジスタントスターチは炭水化物でありながら、私たちの血液中に吸収されない特別な炭水化物で、血液中に吸収されないため血糖値を上げず、そのまま大腸に届いて腸内細菌の餌となることで腸内環境を改善してくれる効果があります。

    同じく、レジスタントプロテインもそれに似た働きをすることが分かっています。レジスタントプロテインは、レジスタントスターチのタンパク質であると言えます。つまりレジスタントスターチが難消化性デンプンであるのに対し、レジスタントプロテインは、大腸まで届いてくれる難消化性のタンパク質のことです。そしてこのレジスタントプロテインは、私たちが食べた食物の中に含まれている油をギュっと吸着して、それを便と共に体の外へ排出する働きがあります。

    実際、レジスタントプロテインは食物繊維のような物理的性質を持っており、表面構造がスポンジのようになっています。そのため食事中の中性脂肪やコレステロールを物理的に吸着してくれる効果があります。そして吸着された脂質は小腸から吸収されず、そのまま便として排泄されます。

    さらに小腸での吸収が減った分、肝臓でのコレステロールの消費が促されます。これによって血液中の悪玉コレステロールが低下することが明らかになっています。このようなレジスタントプロテインを含む酒粕は食事と一緒に摂ることで、余分な油を濾過する天然のフィルターのような効果があることが分かるでしょう。

    実際、高脂肪食と共に酒粕由来のレジスタントプロテインを被験者に投与した実験では、血液中の中性脂肪や総コレステロール値が優位に減少したことが分かっています。さらに便の中への脂質の排出量が顕著に増加したことも分かりました。この研究では、血液中の悪玉コレステロールが最大で30%も減少したことが分かっています。

    もちろん、油物が多い食事は普段からなるべく控えるに越したことはありません。いくら酒粕が油を吸着してくれるとは言え、その量には限りがあります。そのためできるだけ日頃から油物の摂取は控えて、どうしても付き合いなどで摂取しなければいけない時にだけ酒粕によって調整する習慣をつけると良いでしょう。

    【本コラムの監修】

    恵比寿院長

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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