
緑茶は世の中に数ある飲み物の中で最も健康的な飲み物の 1つであり、スーパーフードと呼ばれているほどに様々な有効成分が凝縮された飲み物です。例えば40歳から79歳の日本人の成人約4万人を対象にして11 年間に渡って行われた長期的な調査があり、この調査では緑茶を飲むことによって全ての原因による死亡率が一体どうなるか、あるいは心臓病による死亡などの特定の原因による死亡率がどのように変わるのかを調べました。
その結果、1日5杯以上という最も多くの緑茶を飲んだ人は、調査期間中に死亡する可能性が大幅に低くなったことが明らかになりました。具体的には、全ての原因による死亡率が女性では23%低下、男性では12%低くなりました。また1日1から2杯程度であっても全ての原因による死亡率が低下することが分かっています。具体的には、女性では2%、男性では7%低下、1日3から4杯の場合は、全ての原因による死亡率が女性では18%、男性では5%低下という結果になりました。
また、原因別の死亡リスクは、1日5杯以上飲んだ人たちは心臓病による死亡率は女性で31%低下、男性で22%低下しました。そして脳卒中による脂肪率は女性で42%、男性で35%低下しました。
さらに緑茶を飲むことによって死亡率の変化を調べてくれた研究は他にもあり、約9万人の日本人を対象にした別の研究においても先ほどと同じように緑茶を 飲めば飲むほど死亡率が低下する結果が得られています。
昔から緑茶をよく飲んでいる地域の人たちは健康的と言われていたわけですが、そのことが研究によっても実際に確かめられたのです。
お茶の歴史
お茶は、紀元前2700年頃には飲まれており、中国は神農時代の紀元前1000年頃、漢の時代の医学書にもお茶のことが書かれています。一方で、日本でお茶が飲まれるようになるのはもう少し後で、奈良時代から平安時代にかけて飲まれていたと考えられています。平安初期の815年に書かれた日本行記という書物の中で嵯峨天皇に僧侶がお茶を煎じてお出ししたという記述があります。
そして庶民がきちんとした手法で作ったお茶を飲み始めるのは、1738年永谷宗円が編み出した良質な煎茶の製茶方法によるものでした。この製法によって、これまで茶色だったお茶は緑色になり、この方法(宇治製法)が全国に広まって徐々に一般の人たちが本格的なお茶を楽しめるようになっていきました。
日本茶独自の発酵
そしてお茶の木の種類は2種類あり、茶の木はツバキ科の常緑樹になります。原産地はインド、ベトナム、中国北西部と諸説あります。日本でも伊豆半島や九州に野生のお茶の木が生息しています。そして2種類のうちの1つが中国原産といわれるのがチャノキ、もう一つインドのアッサム地方に自生するのがアッサムチャです。
実は緑茶、紅茶、中国茶もみんな同じチャノキから作られています。そして日本で飲んでいるいわゆる日本茶は、不発酵茶になります。この発酵させないことが緑茶の独特の栄養効果を高めています。ちなみに緑茶の発酵度を0とした場合、最大まで発酵した状態を10とすると、発酵度10が紅茶になります。
実は、発酵していない緑茶のポリフェノールはカテキンという成分になり、カテキンは数種類あるポリフェノール成分の中でも、エピガロカテキンガレート(EGCG)という成分が特に豊富です。
これは数あるポリフェノールの中でも最強の抗酸化力を誇り、しかもカテキンはDNAが傷つくのを防ぎ、さらに傷の修復する力があります。また緑茶のカテキンは消毒消臭効果もあり、虫歯予防にもなります。また緑茶に含まれるエピガロカテキンは、粘膜免疫系の働きを良くして、病原体の侵入も防ぎます。
お茶の種類
お茶は収穫時期によって一番茶、二番茶、三番、茶秋冬番茶と呼び分けられていて、それぞれの時期で味わいや栄養価まで変わってきます。一番茶は、お茶の中では、一番品質が高いものとされており、お茶の旨味成分となっているテアニンが二番茶の3倍含まれています。このテアニンは日光に当たる時間が長くなるとカテキンに代わり、苦味の強いお茶になっていきます。
そのため二番茶は苦みが強くなり、一番茶の収穫は冬を越えじっくり成長した4月5月頃の新芽に対して、二番茶は暖かくなりだした6月ごろに収穫されます。このため成長も早く、テアニンの量は少なくなってしまいます。
三番茶は、二番茶を摘んだ1ヶ月ほど後の7月から8月に収穫されます。成長速度は、さらに速くなるため苦くなってしまいます。この三番茶はペットボトルの飲料としても活用されています。
そして最後の秋冬番茶は、三番茶を収穫せずに9月から10月まで育てて収穫されるお茶で、一番茶に含まれるテアニンは少ないものの、カフェインが少なく、カテキンやビタミンが豊富で栄養価の高いお茶になっています。このように一番茶が良いと言うよりは、好みや効能を考えてお茶買う一つの目安にもなります。
そして緑茶は日本茶の総称で、加工前の茶葉のことを指しています。つまり緑茶を原料として様々な種類のお茶が出来上がります。まず煎茶は、日光を遮らずにお茶を栽培し、色が変わらないように蒸気によって茶葉が茶色くならないように酵素止めて色止めをします。その後、熱風を当てながら揉み方を何度か変えながらお茶の葉を揉んで、その後乾燥を経て煎茶となります。
玉露は、摘んだ後の工程は基本的に煎茶と同じで、違うのは摘む前の栽培方法で煎茶が日光を遮らないのに対して玉露は、新芽が2から3枚開き始めた頃から20日間程度かけて茶畑全体を覆ってしまいます。つまり日光があたることでテアニンがカテキンになってしまうのを防ぐことで渋みが薄くなります。玉露は年1回しが作られず、収穫も葉がデリケートなため手摘みで行われます。そのため玉露は、その手間と希少性から普通のお茶より高い価格で取引されています。
番茶は、お茶になるまでの行程は変わりませんが、新芽を摘むのではなく、夏以降に収穫したお茶の葉だったり、煎茶や玉露を作る際にはねられた大きな茶葉を使って作られます。味わいは渋めで、カフェイン少なめのお茶になります。特徴は秋冬番茶に似ており、栄養も豊富、そして番茶はほうじ茶として飲まれることが多いです。ほうじ茶もほぼ工程は同じですが、途中の加工温度が高いうえに仕上げに約200度で焙煎します。ほうじ茶に使われる葉は、育ってしまったお茶の葉が多く、豊富なタンニンとカフェインが含まれており、焙煎することによってどちらも消失して飲みやすくしています。
抹茶の栽培方法は玉露に似ており、4月から5月にかけて茶畑の日光を遮り、テアニンの量が多くなるようにコントロールします。そして炉で乾燥させ、葉を切断して枝と葉脈が取り除かれます。
老化を防止する緑茶
緑茶には、カテキンが含まれていると言うことを1度は聞いたことあるかと思います。緑茶を飲むとちょっと苦く、渋い味がしますが、これはカテキンによるものです。緑茶には約4種類のカテキンが含まれており、このカテキンはポリフェノールの一種であり様々な健康への効果が報告されています。このカテキンは天然の抗酸化物質であり、老化や病気の原因となる活性酸素を無毒化してくれる効果があります。
私たちの細胞や組織は、この活性酸素によってダメージを受けて老化しますが、カテキンは活性酸素を無毒化してくれることによって、老化や病気の原因を防いでくれます。またいくつかの研究では、このカテキンは脳を老化から守ってくれるということも報告されています。例えば認知症のリスクを低下させ、私たちの脳にも良い影響を与えてくれることが分かっています。
また、緑茶に含まれるカテキンは老化の原因につながる活性酸素を効率的に除去してくれるため、美容にも効果を発揮します。例えば肌のシミやシワにも緑茶は効果的で、実際に30歳から60歳の健康な日本人女性244人を対象に行われた調査によると、コーヒーと緑茶両方の摂取量が多いほど紫外線シミスコアが優位に低かったことが分かっています。
糖の吸収を抑制する
また、老化を引き起こす原因の1つである糖化を予防するのにも緑茶は効果的です。糖化とは、タンパク質や脂質がぶどう糖と結合して劣化する反応のことで、そして体内で糖化が起こるとAGEという厄介な物質ができます。このAGEは老化を早める元凶とされており、例えばAGEが肌の土台であるコラーゲンに蓄積してしまうとお肌の弾力や柔軟性が失われてしまい、肌がたるむといった老化現象が現れます。
しかし、緑茶を摂取することによってAGEが発生する原因である糖化を防ぐことができることが分かっています。
カテキンの中で最も多く含まれているエピガロカテキンガレートという物質 が、口の中の唾液などに含まれるα-アミラーゼという酵素を阻害し、加えて小腸粘膜上皮細胞に存在するα-グリコシダーゼも阻害し、その結果小腸での糖の吸収を抑制する効果が分かっています。
実際に、2型糖尿病の患者に対して研究が行われ、これまでと何も環境を変えずに高濃度茶カテキン飲料や普通の緑茶飲料を飲んだグループとお茶を飲まないグループに分け、4週間毎のデータを取り、合計12週間研究が行われました。その結果は、お茶を飲んだグループでは血糖値が平均で8下がり、ウエストは 3.3減少、総コレステロール値は10減少という結果になりました。
このように緑茶を飲むことによって、活性酸素と糖化を抑え、老化を防止してくれます。
睡眠を安定させる「L-テアニン」
緑茶を飲むことによって集中力が高まったり、注意力が高まったり、脳のパフォーマンスが高まります。その理由は、緑茶には2つの有効成分が含まれているからです。それはカフェインとL-テアニンです。コーヒーを飲むとパフォーマンスがアップするのも、このカフェインのおかげです。そして緑茶には、コーヒーにないもう1つの成分のL-テアニンが含まれています。
L-テアニンには、ギャバの活性を高め、不安感を減らす、また脳内のα波の生成を促進してくれる働きがあります。α波とは脳波の1つで、心身共にリラックスした状態の時に出るものなので、心身の健康に良い影響を及ぼすとされています。L-テアニンによってα波の生成が促進されるということは、L-テアニンは私たちをリラックス状態へと導いてくれていると考えられます。
そしてL-テアニンは、精神的なストレスやリラックス効果に着目されていた成分でしたが、この成分を不眠症などに応用することはできないかという研究がなされ、その結果、L-テアニンには睡眠安定作用があり、夜間に熟睡し、起床時に眠気を感じずにリフレッシュして起床できる作用が期待できることが分かっています。具体的には、L-テアニンは途中で目が覚めてしまう回数を減らしてくれることに加えて、交換神経の活動を抑えることで寝付きが良くなり、さらに睡眠が浅くなってしまうのを抑えてくれるため、その結果として睡眠を安定させる作用があることが分かっています。
実はL-テアニン単体でも素晴らしい効果をもたらしてくれますが、カフェインと一緒に摂取すると相場効果が生まれ、それぞれを単体で摂取した場合に比べて、より脳のパフォーマンスがアップすることが分かっています。そのためコーヒーよりも緑茶を飲んだ方が、よりエネルギーが安定し、生産性が高まると感じている人は多いのは、この相場効果を生み出すからだと考えられています。実際に研究によってもカフェインを単体で摂取するよりも、L-テアニンとカフェインを同時に摂取した場合の方が、集中力が高まることが分かっています。
ちなみに緑茶は、メンタルにも良い影響を与えてくれることが分かっています。緑茶に含まれているカフェインとL-テアニンの相乗効果によって脅迫性障害などの不安関連障害の症状を軽減できる可能性が指摘されています。
血液をサラサラにするカテキン
緑茶に豊富に含まれているカテキンによって血液がサラサラになると言われています。また玉ねぎを食べると血液サラサラになるという話を聞いたことあるでしょう。それは玉ねぎには、ケルセチン配糖体という血液をサラサラにしてくれるポリフェノールが含まれているからです。このポリフェノールは、緑茶にも含まれており、緑茶も玉ねぎ同様に血液をサラサラにする効果があるとされています。
また、緑茶は血液を綺麗にする上で重要な役割りを果たしている肝臓に良いことが分かっています。緑茶を飲むことで肝臓が健康になり、肝臓癌の予防効果をもたらす可能性が指摘されています。肝臓が健康になってくれれば、しっかりと血液浄化システムが作動するようになり、血液が綺麗になります。
このことは、緑茶の消費と肝臓癌のリスクを調査したメタ分析でも確認されており、緑茶を飲むと肝臓の健康が改善され、肝臓の脂肪が減少したことが分かっています。さらにこの研究では、緑茶を飲むことと肝臓癌のリスクとの間に優位な関係が発見されており、具体的には緑茶の消費量が1日あたり4カップまで増加した時に肝臓癌のリスクが最も低下することが分かっています。
抗酸化物質ポリフェノール
日本は高齢化社会を迎えていて認知症患者の数が増えており、2025年には認知症の患者は約700万人に達し、65歳以上の高齢者の約20%が認知症になってしまうと見込まれています。しかし緑茶を飲むことによって認知症や糖尿病、がんなどと言った私たちの健康を脅かす大きな病気すらも遠ざけることができます。
実際に日本で行われた研究によって日常的に緑茶を飲まない人に比べ、緑茶を飲んでいる人の方が認知症や認知症の全段階である軽度認知障害のリスクが低いことが明らかになっています。例えば緑茶を週に1から6日飲んでいる人は、全く飲まない人に比べ、認知機能低下のリスクが約半分にまで低下したことが分かっています。
また緑茶を毎日1杯以上飲んでいる人は、認知症になるリスクが約13%まで減少したことも分かっています。そして緑茶に、このような効果があるのかと言えば、おそらく緑茶に含まれているポリフェノールによる可能性が高いと研究者は推測しています。
さらに緑茶が予防してくれるのは認知症だけではなく、糖尿病も緑茶は予防してくれることが分かっています。糖尿病の患者数は、年々増加傾向にあり、予備群も含めると実に成人の1/6が患っているとされています。このような糖尿病にも緑茶は効果的であることが明らかになっています。
緑茶が糖尿病予防に効果的であるというデータは多数あり、例えば約2万人の日本を対象とした研究では、緑茶を最も多く飲んでいる人は、2型糖尿病のリスクが約42%も低いことが分かっています。それは緑茶がインスリン感受性を改善して血糖値を下げてくれるからと考えられています。
また認知症や糖尿病だけでなく緑茶は、特定のがんを遠ざけてくれることまで分かっています。例えば乳がんは、緑茶を最も多く飲んでいる女性は、乳がんの発症リスクが約20%から30%も低いことが分かりました。さらに前立線がんの予防にも緑茶は効果を発揮します。
緑茶を飲んでいる男性は進行性前立癌のリスクが低いことが確認されています。さらに緑茶を飲んでいる人は、大腸癌になる確率が約42%も低いこともメタ分析によって明らかになっています。
このようながんを予防することができるのは、緑茶に含まれている抗酸化物質のおかげであると考えられています。なぜなら活性酸素などによる酸化的なダメージによって私たちの体の中で慢性的な炎症が起こり、それががんを含む慢性疾患につながることが明らかになっているからです。抗酸化物質は、炎症を引き起こす酸化的ダメージから私たちを守ってくくれるため、その結果がんのリスクが低下するのではないかと考えられています。
生活習慣病を防ぐ
緑茶を飲むことで長寿につながるという研究結果は、国立がん研究センターからも発表されています。国立がん研究センターの研究で最初の段階では、がんや循環器疾患にかかっていなかった40から69歳の男女約9万人を19年間に渡って追跡しました。
その結果、緑茶を1日1杯未満の人を基準にして比較した場合、緑茶を飲む量が多くなるほど死亡率が下がることが分かっています。さらに心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患で緑茶の摂取量が多いほど危険度が低下する結果となりました。これらはカテキン、カフェイン、ティアニンの複合的な働きによるものと考えられています。
ダイエット効果
複数の研究によって、緑茶を飲むことによって体重を減らすことができる可能性が示唆されています。特に緑茶を飲むことによってお腹回りの脂肪を減らすのに効果的であることが分かっています。例えば240人の肥満の人を対象に行われた研究では、緑茶を飲んだグループは飲まなかったグループに比べて体脂肪率、体重、ウエスト周りの大きさ、腹部の脂肪が優位な減少を示したことが分かっています。
このような効果がもたらされた理由は様々考えられますが、例えば緑茶に豊富に含まれているカテキンは食後、腸からの糖の吸収を抑えてくれる働きがあります。例えば緑茶を食前に飲むことによって血糖値の上昇を緩やかにすることができます。その結果、ダイエット効果が期待できます。また一定量のカテキンを摂取し続けると肝臓での脂質代謝が高まり、エネルギー消費が高まるために体脂肪が減少するとされています。
抹茶のアンチエイジングの効果
緑茶と抹茶は味はもちろん、アンチエイジング効果は全く違います。それぞれ原材料の茶葉の種類にほとんど差がありませんが、栽培方法や製造工程の違いが大きな差を生むポイントです。その違いによって抹茶は煎茶などの一般的な緑茶よりも様々な健康効果が高く、アンチエイジングに不可欠な栄養素が凝縮しています。
特に抹茶には、アンチエイジングに絶大な効果を発揮する抗酸化物質が豊富に含まれているのが特徴です。抗酸化物質は、私たちの体を錆びさせる活性酸素やフリーラジカルといった有害な物質を排除し、細胞や組織の損傷を守ってくれる働きがあります。それがポリフェノールの一種であるカテキンです。
特に抹茶に含まれるカテキンの一種には最も強力なエピガロカテキンガレート と呼ばれる成分が含まれています。このエピガロカテキンガレートについては、数多くの研究が行われており、その中で体の老化を促進する炎症を抑え、健全な血流の維持や細胞の修復まで促す働きがあることが分かっています。また抹茶には高品質の緑茶と比べても3倍の抗酸化物質が含まれていることも分かっています。
その他にも圧倒的な美肌効果をもたらす理由があります。シミやくすみなどの肌トラブルには、ビタミンCが良いのはご存知と思いますが、抹茶にはビタミンCも豊富に含まれています。このビタミンCは通常熱に弱い性質がありますが、抹茶に含まれるビタミンCは熱に強く、80℃でも壊れません。
このように抹茶を飲むだけで、この2つが一緒に摂れるため肌トラブルの原因のメラニンなどを抑制し、美肌効果をもたらしてくれます。その他にも抹茶には肌荒れやニキビなどのトラブルを防いでくれるビタミンB群も含まれています。
抹茶のダイエット効果
さらに抹茶を飲むと得られるメリットに、代謝が上がり痩せる効果や脳機能が改善する効果もあります。研究では、抹茶のダイエット効果は主に3つあり、脂肪の吸収を抑える、体脂肪を燃焼させる、腸の動きを活発にすることが挙げられます。
脂肪の吸収を抑える働きは、抹茶に含まれるカテキンが食事で摂取した油の吸収を抑制する働きがあるからです。また体脂肪の燃焼を促す成分にはカテキンとカフェインがあり、抹茶にはその両方が含まれており、特に抹茶を飲んだ後に運動すれば高い脂肪燃焼効果があることが分かっています。そして腸の動きが活発になると痩せるのは、腸のバランスを整えられると便秘解消はもちろん、代謝を活発にして痩せやすい体になるからです。腸内環境を整える成分である食物繊維も豊富に含まれているため、ダイエットには効果的な飲み物になります。
抹茶で脳機能が改善
その他にも抹茶は脳機能を高てくれる効果まであることがいくつもの研究で報告されています。研究では2つのグループに分けて、1つのグループには抹茶を摂取してもらい、別のグループにはプラセボを摂取してもらい、脳のパフォーマンスがどうなったかを調べた結果、抹茶を摂取したグループが明らかに注意力や反応時間、そして記憶力に改善が見られました。また別の研究でも継続的に抹茶を摂取した高齢者の脳機能が改善されたという報告もあります。
これらの効果は、抹茶に含まれるテアニンが年齢と共に低下する認知機能のうち、注意力や判断力の精度を高める機能があることが1つの要因だとされています。また抹茶には緑茶よりも濃縮されたカフェインが含まれており、複数の研究がカフェインと脳機能の改善に関連性を認めてられており、カフェインにも反応時間の短縮や注意力の向上、それに記憶力の向上があるとされています。
お茶うがいでインフルエンザ予防
インフルエンザウイルスは、足のような突起が人の細胞にくっついて感染し広がっていきますが、カテキンはウイルスの足にくっついてウイルスが細胞の中に入っていく邪魔をします。
静岡県立大学薬学部が行ったインフルエンザの発症とお茶の飲用習慣の関連の研究があります。静岡県内の9校の小学校の小学生2663人を対象とし、お茶を飲む習慣が1週間に6日以上の小学生は、インフルエンザになる隔離が少なかったことが確認されています。具体的には1日1杯未満の小学生に比べると1日1から2杯飲む小学生は38%インフルエンザの発症が低い結果となりました。また3から5杯飲む小学生は46%も発症率が低いことが確認されています。
また、お茶で有名な伊藤園の中央研究所との共同研究では、カテキンとテアニンのサプリメント摂取した人とそうではない人のインフルエンザの発症率を比較したところ、摂取している人の中でインフルエンザを発症したのは97名中4名で全体の4.1%だったのに対し、サプリメントを摂取しなかった人の発症率は99名中13名、13.1%でした。また水道水でのうがいと緑茶でのうがい場合でも、緑茶でうがいした方がインフルエンザの発症率が低いという結果も報告されています。
麦茶の健康効果
ミネラルバランスにより夏バテを予防する
夏の暑さのせいで体が重くだるさが抜けない、このような夏バテの最大の原因は、皮膚からの汗による水分とミネラルの喪失、そして熱による血流の悪化と酸化ストレスです。
実は、麦茶を飲むことによって体は驚くほど元気を取り戻します。夏の炎天下や冷房の効いていない部屋で過ごしていると、私たちは想像以上に水分を失っています。この時にただ水を飲むだけでは体のだるさや疲労感は中々取れません。その理由は汗と一緒にミネラルも体外に流れてしまっているからです。
しかし、麦茶にはたっぷりのミネラルが含まれており、体内の水分バランスを 調整し、むくみや筋肉の痙攣を防いでくれるカリウム、エネルギーの源であるATPの合成を助け、疲労感を軽減してくれるマグネシウム、細胞の代謝や骨の健康を支え、体力回復を助けてくれるマンガンといったミネラルが豊富に含まれています。また麦茶はカフェインゼロで利尿作用がなく、体内にしっかりと水分を保持してくれます。
実際、様々な研究によってもカフェインを含まない水分補給は、夏バテの回復に最も有効であることが示されています。そのためカフェインがゼロであり、かつたっぷりのミネラルが含まれている麦茶は、水とミネラルの同時補給ができる理想的な疲労回復ドリンクと言えます。
さらに麦茶は、血流を改善し、疲労物質の排出を促してくれます。夏の疲労感の正体は、体に溜まった乳酸などの老廃物です。運動後や炎天下での活動中、体は酸素不足や熱にさらされ、疲労物質が血液中に蓄積します。そして血流が悪くなると、こうした老廃物がうまく回収されず、全身のだるさや頭痛、肩こりとして現れてしまいます。
麦茶の香ばしさの元であるアルキルピラジン類には、こうした血流の悪化を改善してくれる作用があります。実験では麦茶を摂取することによって血液の粘度が低下し、疲労回復が促進されることが分かっています。つまり血液がサラサラになることによって、全身の細胞に酸素と栄養が届きやすくなります。
それと同時に筋肉や脳で発生した老廃物が静脈に乗って早く回収されることが明らかになっています。特に夏場は、冷房による末端の冷えで血流が滞りやすくなります。麦茶を定期的に飲むことで疲労物質の排出が促され、夕方まで体が軽い状態を維持することができます。
一方で、麦茶には高い抗酸化作用があります。炎天下での生活や軽度の脱水は、体内で活性酸素を大量に発生させてしまいます。それによって酸化ストレスが進行することで内臓の細胞が傷ついて、疲労や免疫力の低下、さらには老化の原因になってしまいます。しかし麦茶には強力な抗酸化作用を持つ成分が含まれています。活性酸素を中和し、細胞のダメージを予防するポリフェノール類や脂質の過酸化を抑制し、夏バテや老化の進行を防ぐ抗酸化ペプチドが挙げられます。
研究では麦茶の抽出に、脂質の酸化を抑制する作用があることが確認されています。私たちの体内には脳をはじめとして、沢山の脂肪成分が存在しています。これらの脂肪成分がストレスによって酸化すれば、様々な生活習慣病の引き金になってしまうことが分かっています。そのような危険な酸化ストレスから体を守ってくれるのが麦茶です。このように古くから日本人が、特に夏に麦茶を飲んできたのは単なる習慣ではなく、体を守るための合理的な生活の知恵です。
熱中症を予防する
昨年の夏に起きた熱中症による救急搬送は全国で9万7000件に登り、過去最多となっています。そしてこのうち65歳以上の高齢者の方は、全体の半数以上を占めていました。中でも屋内、特に住宅での搬送が多く、高齢者による家庭内熱中症が増加傾向になっています。さらに日本国内では、年間に約1000人が熱中症で亡くなっており、そのうち80%以上が65歳以上とされています。このようなことから夏場は、65歳以上は生死を分けるような危険な季節になっています。
そんな熱中症から命と健康を守ってくれるのも麦茶です。60代以上になれば自律神経や喉の乾きの感覚が鈍くなってしまいます。そのため気づかない内に体が脱水症状に陥ってしまいます。これこそが熱中症の最大の原因です。
麦茶は細胞内にしっかりと水分を保持してくれる飲み物です。特に夜間から早朝にかけては水分摂取がどうしても減りがちで、一方で夜寝る前に水分を取りすぎてしまえば夜間尿の原因にもなってしまい、結果として睡眠不足を引き起こして夏バテが悪化してしまうこともあります。このようなことからも例え喉が乾いていなくても、こまめに麦茶を摂取するということを意識しましょう。日中から細胞を水分でしっかりと満たしておくことによって、夜に麦茶をガブ飲みしなくても寝ている間に体の中に十分な水分が保持される状態を作ることができます。こうすれば夜間に貧尿で起きてしまうことも避けられます。
胃腸の働きが安定し、食欲がアップする
夏場になるとなんだか食欲がない、冷たいものしか喉を通らないという人が増えてきます。しかしこのように食べないでいるとむしろ体はどんどん弱っていってしまいます。食べないことによって消化の動きが鈍り、消化の分泌が減り、栄養の吸収も落ちて、さらに代謝が低下します。これが夏バテの典型的な悪循環の1つです。
焙煎麦の香り成分であるアルキルピラジンは、私たちの嗅覚を通じて消化系の働きを活性化してくれます。香りの刺激が鼻を通じて脳の視床下部という場所に届くと自律神経が整って、胃酸や消化酵素の分泌が促進されることが分かっています。それによって胃の血流が増えて食べ物を受け入れる準備が整います。
実際、香り刺激による消化器の分泌増加は、食欲不振の改善に有効であることが研究によっても報告されています。つまり食事の前に麦茶を1杯飲むだけで食べられなくなっていた夏の胃腸を優しく起こしてくれます。
また、夏場は冷たい飲み物やアイス、冷麺などで胃腸が冷え切ってしまいます。その結果、消化管の血流が落ちて消化酵素が十分に働かず、さらに食欲が低下してしまいます。麦茶には、体の新部体温を回復させる働きがあり、それによって胃もたれや胃の痛みを改善してくれることが分かっています。
さらに、麦茶は弱アルカリ性であるのも見逃せないポイントです。弱アルカリ性の飲み物を摂ることで体に負担をかけずに水分補給ができます。そして胃の不調と並ぶ、夏に食欲が落ちてしまうもう1つの理由は、腸内環境の乱れにあります。冷たい食事、睡眠不足、夏場のストレスによって腸内細菌のバランスが崩れると消化吸収が低下し、栄養がうまく取り込めなくなってしまいます。それによって益々体が弱っていき、異常の働きも落ちて食べられなくなるという悪循環に陥ってしまいます。
麦茶は、ただ水分を補うだけでなく、腸にも優しい飲み物として知られています。穀物由来の良質な水溶性食物繊維が腸内の善玉菌のサポートをしてくれます。また麦茶には、穏やかな整腸作用があるため、便通や消化吸収のリズムを整えてくれます。その結果、栄養がきちんと吸収されて、夏バテからの回復も早まります。
きな粉を麦茶に入れる
実は、麦茶にきな粉をひとさじ加えるだけでラテ風の飲み物になることをご存知でしょうか?香ばしい麦茶の風味と大豆の甘味が合わさって、砂糖なしでも十分に満足感が得られる美味しい飲み物に変化します。そしてきな粉に含まれている大豆タンパク質には、コラーゲンの合成をサポートしてくれる働きがあります。
また、コラーゲンは肌のハリ成分として知られていますが、関節の軟骨や靭帯の健康にも欠かせない存在です。年齢と共にコラーゲンの生成は低下し、関節のクッション機能が衰えることで膝の痛みやこわばりの原因となってしまいます。大豆タンパク質は、このようなコラーゲンの低下を補って軟骨や靭帯の弾力をサポートしてくれます。
さらに、きな粉に含まれるイソフラボンの抗炎症作用も見逃せません。炎症は関節痛の大きな原因であり、慢性化すると変形性関節症などのリスクが高まってしまいます。実際、研究では大豆由来のイソフラボンが炎症性サイトカインの産生を抑制することが確認されています。ここに麦茶が加わることで、さらなる相場効果が期待できます。麦茶には抗炎症作用を示すアルキルフェノール類やポリフェノールが豊富に含まれていて、これらが体の中で発生する慢性炎症を和らげるという作用を持っています。
一方で、きな粉に含まれる大豆タンパク質も見逃せません。きな粉は食欲をコントロールするホルモンであるGLP-1の分泌を促すことが報告されています。実際、大豆タンパク質を摂取したグループでは、食後の満腹感が高まったという研究報告もあります。ここに麦茶を合わせることで糖や脂質の代謝効率がさらに良くなり、体重増加を防ぎながら筋肉量を守ることができるでしょう。
【本コラムの監修】

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

















