
白髪が生えていると、ついついそれを抜いている人いると思いますが、そのように白髪を抜くことによってむしろ白髪が増えてしまったり、最悪の場合は2度とそこから髪の毛が生えてこなくなる恐れがあります。
白髪を抜くと髪が生えてこなくなる
そもそも、私たちの頭皮には色素細胞が存在しています。出来たての髪の毛というのは白いですが、この白い髪の毛に色素細胞が黒い色を塗ることによって、正常な黒髪が生えてくるというメカニズムになっています。
しかし、年を取ると色素細胞がだんだん減ります。色素細胞は、色素幹細胞と呼ばれる親細胞から分裂をすることで発生しています。しかし年を取るとこの色素幹細胞の分裂速度が落ちるため、子供である色素細胞の数が減って髪を黒く染めるスピードが追いつかなくなります。その結果、年を取るにつれて白髪が進行してしまうと考えられています。つまり白髪を予防して黒髪を維持するためには、色素細胞そのものよりもその大元である色素幹細胞を健康に保つということが、何よりも重要なことになります。
この色素幹細胞の健康を保つには、亜鉛などのミネラルをしっかりと摂取したり、アミノ酸といった黒髪の材料になる栄養を普段からしっかりと補給することが大切です。一方で絶対にやってはいけないのが、この色素幹細胞を傷つけるような行為です。その最たるものこそが白髪を抜くという行為です。
髪の毛は、毛包と呼ばれる穴の中にしっかりと収まっています。そして、この毛包の周囲に色素幹細胞が存在しています。しかし髪を無理やり引き抜くと毛包が破壊され、その周囲にある色素幹細胞までも死滅してしまいます。そもそも1度白髪になった白髪が、再び黒髪に戻る確率は数%とも言われていて、 非常に低い確率です。そんな中、白髪を抜いて毛包を破壊してしまえば、黒髪が生えてくる可能性は完全にゼロになってしまいます。
さらに問題なのは、白髪を無理やり引き抜くことで黒髪が生えてこないだけでなく、その毛包がもはや髪自体を生み出せなくなってしまうことです。髪の毛を繰り返し抜くと毛包に炎症が起こります。この炎症によって毛包が繊維化してしまうと瘢痕性脱毛症と呼ばれる状態に進行してしまいます。瘢痕性脱毛症は、頭皮に限らず体は傷ついた部分を修復しようとして硬い組織を作ります。これが繊維化です。本来していた皮膚が壊れて強化されて硬い組織に変わります。頭皮の場合は、この繊維化が毛包を塞いでしまい、そこから髪の毛が生えなくなってしまいます。
つまり白髪を何度も抜くことによって、瘢痕性脱毛症のような現象が、ミクロレベルで起こる可能性があるということです。また髪の毛には、ヘアサイクルと呼ばれる生変わりのリズムがあります。髪は成長期、退行期、休止期を繰り返しながら生まれ変わっています。皮膚がターンオーバーをするように、髪も古い髪が抜けて、新しい毛が生えてくるのが自然なサイクルです。
白髪を無理やり抜く行為は、この自然なサイクルを乱出し、脱毛を促進してしまいます。無理に髪を抜くことを繰り返すと、休止期が異常に長くなってしまって、次の成長期に移れなくなります。これが休止期脱毛症と呼ばれる状態で、やがて発毛能力がどんどん低下し、最終的には髪が永久的に生えない状態、いわゆるハゲに進行してしまいます。
もし、白髪ができてしまった場合は、抜くのではなく切るのが正解です。白髪染という選択肢もありますが、白髪染に使われる薬剤は非常に強力で、頭皮への刺激が大き、返って白髪や脱毛を進行させる可能性があります。
白髪を抜くと白髪が広がる
腸にたくさんの腸内細菌が住んでいるのと同じように、私たちの皮膚も常在菌という菌がたくさん生息しています。代表的なのが黄色ブドウ球菌です。こうした菌は、私たちの皮膚が健康な状態の時には悪さをしません。
むしろ、これらの菌がいることで外からやってくる有害な菌の侵入を防いで、バリアのような役割を果たしてくれています。しかし白髪を無理やり抜くことによって、黄色ブドウ球菌を始めとする常在菌が悪さをし始めてしまうことが分かっています。
髪の毛を抜くと毛穴には微小な傷が生じ、その傷口から皮膚の常在菌である黄色ブドウ球菌が侵入し、毛嚢炎という感染症を引き起こすことが確認されています。実際、アメリカの皮膚感染症ガイドラインでも、髪を抜くなどの行為が頭皮の感染リスクの要因として挙げられています。このような炎症が頭皮に起きてしまえば、組織が破壊されて2度と髪の毛が生えてこなくなるばかりか、強いかゆみを引き起こすこともあります。
これは怪我をした場所が化膿で痒くなるのと同じで、髪の毛を抜いた場所で免疫細胞が過剰に反応し、膿ができてかゆみが生じてしまいます。さらにそれだけではありません。髪を抜くと毛穴は、一時的に開いた状態となります。そこに皮脂や角質などの汚れが入り込みやすくなり、毛包が詰まってしまいます。
これはまさにニキビと同じ仕組みです。詰まった毛穴は雑菌の温床となり、さらに感染が進行してしまいます。また毛穴は髪の毛の出口で、そこが詰まってしまえば当然髪の毛は生えてこなくなります。
このような理由からも紙を無理やり引き抜いて炎症を引き起こすのは、頭皮にとって最悪の行為です。こうした行為を繰り返していると、さらに炎症が他の毛包にまで広がっていきます。
白髪を抜いた場所だけで炎症が治まれば良いですが、周囲の毛包にまでそれが波及することで、本来黒髪であった部分の毛までもが生えなくなってしまう恐れがあります。さらに炎症を繰り返すと炎症後色素沈着と呼ばれるシミのような跡が頭皮に残ってしまいます。その結果、頭皮がまるで地図のように見えてしまうことがあります。
チロシンやビタミンB群が不足
白髪の最大の原因の1つが、アミノ酸であるチロシンの不足です。チロシンは、メラニンの最も重要な材料であり、これが不足すると色素の生成が物理的に不可能になります。材料がないわけなので、どれだけ作ろうとしても作れないのは当然です。
年を取って中高年以上になると胃酸や消化酵素の分泌が低下し、タンパク質の吸収効率も落ちていきます。そのためチロシン不足が起こりやすくなってしまいます。下半身の毛は再生が早く、材料の消費量も多いため不足の影響が最も速く出てしまいます。このようなことから中高年になったら、チロシンが含まれる食材をしっかり食べることを意識してください。
また、チロシだけでなく、ビタミンB群も非常に重要です。特にビタミンB6、ビタミンB12、葉酸の3つは、メラニン生成を助ける補酵素として欠かせません。補酵素は、酵素の働きを補助してくれる物質であり、これがないと酵素が十分に働かず、メラニンの生成がスムーズに進みません。ビタミンB12不足は、特に中高年の女性に多く、これが女性の薄毛の原因の1つとも言われています。
こういった理由から白髪や薄毛予防のために、ビタミンB群を積極的に摂ることが大事です。そして、チロシンやビタミンB群と並んで髪の健康に欠かせないのが鉄と亜鉛です。鉄は、メラノサイの働きを支えるミネラルで、色素生成には不可欠なものになります。鉄不足では酸素の運搬能力が低下し、毛根が常に酸欠状態になってしまいます。一方で亜鉛不足では、細胞の分裂や修復が阻害されるため、メラノサイトの数そのものが減ってしまいます。
メラナイトは、加齢によってどんどん死滅しますが、亜鉛が十分にあれば細胞が分裂して蘇えることができます。このようなことから鉄や亜鉛といったミネラルをしっかりと供給することも、中年期以降の白髪対策で非常に重要であると言えます。
ちなみに、これらの栄養素をしっかり摂ったところで、体に吸収されなければ何の意味もありません。そこで重要になってくるのが腸内環境です。腸内環境が乱れると、ビタミンB群やミネラル、アミノ酸など色素生成に必要な栄養素が適切に吸収されません。特に中年期以降では、腸の老化で吸収力が下がるため、食べているつもりでも毛根が栄養不足になりやすいのが特徴です。
このようなことから、ただ栄養を摂るだけではなく、日頃から発酵食品を取ったり、野菜を食べたりして腸の健康を整えてあげることも重要です。
白髪が減する食べ物
メラニンの原料は、チロシンというアミノ酸です。このようなことから黒髪を維持するためには、チロシンは重要な栄養素です。これをしっかり摂取できる食べ物としては、肉類や魚などのタンパク質が豊富な食材が挙げられます。しかし、ただタンパク質と言っても、タンパク質の種類によってアミノ酸の構成とは変わります。中でもチロシンがたっぷり含まれているタンパク質は、鶏胸肉やカツオなどが挙げられます。
また、納豆のような植物性タンパク質にも、チロシンはたくさん含まれています。納豆であれば発酵食品の一種のため、腸内環境を整えてチロシンの吸収効率を高める効果も期待できます。
そして鉄と亜鉛は、共にメラノサイトを活性化させる役割を持ちますので、どちらが欠けてもメラニン生成は止まってしまいます。特に中高年女性では、鉄不足による鉄欠乏性貧血が非常に多いため、積極的に鉄を摂取することを心がける必要があるでしょう。
鉄や亜鉛がたっぷり含まれている食材は、赤身肉や卵、牡蠣などが良いと言えます。また忘れてはいけないのがビタミンB群です。ビタミンB群は、メラニン生成を補助している補酵素であり、中高年では胃酸の低下や腸の老化で、このビタミンB群の吸収率も落ちやすいため白髪のリスクが高まります。 ビタミンB群がたっぷりの食べ物としては、サバやのりなどがあります。またこれらの食べ物を食べることでビタミンB群を補強すると、基礎代謝が高まって健康的に痩せやすくなる効果まで期待できます。
そして、是非食べていただきたいのが抗酸化食品になります。いくら黒髪の原料になる栄養素を摂ったとしても、メラノサイトが元気でなければ意味がありません。そこでビタミンCやビタミンE、ポリフェノールなどの抗酸化参加成分を補うことによってメラノサイトを酸化予防し、白髪の進行スピードを緩めることができるでしょう。具体的には、ブロッコリーや緑茶、オリーブオイルといったものがおすすめです。
東洋医学で診る「白髪の場所と体のつながり」
東洋医学では、どの場所に白髪が多く表れているかを体のサインと捉え、疲れている臓腑(内蔵)や、生活習慣の乱れを確認します。そして白髪が多い人は、その白髪の原因を、五臓六腑のうち「肝と腎の弱り」から生じると考えることが多いです。
例えば「肝(かん)」は、血の貯蔵庫とも言われ、この「肝」の血が不足すると白髪や薄毛、抜け毛といった老化につながると考えます。なぜなら「肝」は、血を蓄え、全身に巡らせる役目があり、気血の巡りが悪いと髪に栄養が届きにくくなるからです。
また東洋医学において髪は「血余(けつよ)」と呼ばれています。これは髪の毛は血の余りで作られると考えられており、西洋医学と同じように栄養は、生命維持に優先的に供給され、その余りが髪へ供給されるのと同じで原理です。また生活習慣の中では、睡眠不足の人、目や頭を常に酷使している人、生理が重く出血が多い人などが、「肝」の血が不足しやすくなります。
一方で、東洋医学では「腎の華は髪にあり」という言葉があります。これは「腎(じん)」が元気かどうかは髪を見れば分かるということです。この「腎」は、生命エネルギーの貯蔵庫であり、発育・生殖・老化と直結すると考えられています。
そのため「腎」の力が弱ると、抜け毛、白髪だけでなく冷え、慢性疲労などにつながりやすくなります。特に過度な疲労やストレスなどによって、「腎」がダメージを受けやすいと考えられており、その結果、生命エネルギーが減退し、白髪が増えると考えます。
最後に、髪の健康に関わるのが「脾(ひ)」です。「脾」は、食べたものを消化吸収し、気血を生み出す源であり、脾が弱ると、必要な栄養が髪まで周らなくなります。
このように東洋医学で白髪の原因は、血の状態、腎精(じんせい)、消化吸収と深く関わると考えられています。髪がツヤやかで黒くあれば、それは血と腎精が充実しているサインであり、逆に白髪や抜け毛が多くなれば、それらのバランスが弱ってきているサインになります。つまり髪は体の栄養状態やエネルギー状態をそのまま映す鏡であり、白髪を増やさないためには、「肝」「腎」「脾」を労わり、内側から体を整えていくことが大事です。
白髪の場所でわかる体のサイン
| 白髪の場所 | 関連 | 体のサイン | 対応する食材 |
| 前頭部(おでこ・前髪まわり) | 脾・胃(消化器) | 胃腸の疲れ、食べ過ぎ、ストレスによる消化不良 | 山芋・かぼちゃ・もち米(消化をサポート) |
| 頭頂部(頭のてっぺん付近) | 心血不足 | 睡眠不足、考え過ぎ、精神的な疲労 | なつめ・クコの実・ほうれん草・レバー(血不足、肝を助ける) |
| 側頭部(こめかみ周辺) | 肝血不足 | 目の疲れ、我慢、怒り、ストレス、自律神経の乱れ | |
| 後頭部(うなじ・後ろ側) | 腎虚(じんきょ) | 冷え、ホルモンバランスの乱れ、慢性疲労 | 黒ごま・黒豆・ひじき・わかめ・黒きくらげ(腎を養う) |
白髪対策に効果的なツボ
三陰交(さんいんこう):内くるぶしの頂点から指幅4本分上の場所
三陰交のツボは、「腎」「肝」「脾」の3つの経絡が交わるツボです。白髪対策には、三陰交のある足首周辺を冷やさないようにしながら、ツボ押しやお灸で刺激するのがおすすめです。

下半身の白髪の原因
下半身に白髪があるということは、それは全身の老化が進んでしまっているサインかもしれません。白髪の直接的な原因は、メラノサイトの機能低下です。メラノサイトは、毛根に存在する色素細胞で、メラニン色素という黒い色素を作ってくれる細胞です。このメラノサイトが減少し、機能が低下するとそれだけ毛を黒くする機能が衰えるので白髪が増えてしまいます。
そしてメラノサイトは、老化や酸化ストレスに非常に弱いことが知られています。特に下半身の毛は、上半身に比べて再生スピードが速い特徴があります。再生スピードが速いのは、それだけメラノサイトの消耗も速い傾向があります。メラノサイトは不老不死ではありませんので、使えば使うほどどんどん衰えていってしまいます。このようなことから、再生スピードが速い下半身の毛ほどメラノサイトの消耗も速い、白髪になりやすいことになります。
そもそも、このように下半身の毛の再生スピードが速いのは成長サイクルが上半身とは異なるからです。上半身と比べてデリケートゾーンや足、下腹部などの毛は、毛の成長サイクルであるヘアサイクルが短いことが知られています。
私たちの毛には、成長期、休止期 、脱毛期という一連のヘアサイクルがありますが、これが早ければ早いほど抜け落ちるのも速いです。休止期が短いということは再生の回転が速いため、加齢やストレスなどの変化が真っ先に毛に反映されることになります。このようなことから上半身は、白髪がじゃないけど下半身が白髪になり始めている場合は、老化や酸化ストレスなどが既に始まっているサインであると言えます。
長時間の座りすぎや運動不足
私たち現代人が健康を損ねてしまう原因の1つが座りすぎです。座りすぎでは、下半身の血流が極端に悪化してしまいます。そのため下半身の血流が滞って、心臓に血液が戻りにくくなってしまいます。このように血液の循環が滞ることで足のむみだけでなく、がんや認知症まで全身のありとあらゆる病気のリスクが高まることが知られています。
それだけでなく長時間座っていると、実は下半身の白髪が増えてしまうことも知られています。長時間座ったままだと太ももやお尻が圧迫され、血流が極端に悪化します。この状態が続くと毛根の細胞が酸欠状態となって、メラノサイトがダメージを受け続けてしまいます。それによって白髪の発生が加速してしまいます。
さらに長時間の座りっぱなしは、必然的に運動不足になります。加齢と運動不足が重なると毛細血管が減少します。毛細血管が減少するのは、毛根に栄養を届ける道が細くなってしまうことに他なりません。毛細血管の減少は、栄養が届いていないタイプの白髪の典型的な原因であり、足やVIOなどの下半身に特に出やすい現象であると言われています。
まだ中高年以降では、下半身の冷えが強くなって、それが毛根への酸素供給の不足につながってしまうことがあります。実は酸素が少ないとメラニンの生成が一著しく低下してしまうことが知られています。メラニンは、主に紫外線から皮膚を守る効果がありますが、生存に必須であるわけではありません。
全身が酸素不足になると、生存に必要な心臓などの臓器に優先的に酸素が回されるようになります。そうすると生存には直接必要のないメラノサイトなどには、酸素が回りにくくなって白髪が進んでしまうことになります。
また血流が悪いと、メラノサイトが黒髪を作るために必要な栄養素がきちんと運ばれません。チロシンやビタミンB、鉄や亜鉛などメラニン生成に必要な材料が沢山ありますが、これらが血流の悪化によって滞ってしまうと材料不足となり、当然色素が作れず白髪になりやすい状況になってしまうことが分かります。
下着の締め付けや摩擦
体に合わない下着は、摩擦などの物理的な刺激によってメラノサイトを傷つけてしまいます。中でも最も良くないのは、締め付けの強い下着です。強い締め付けは、下半身の血管を圧迫することで毛根への栄養供給を妨げてしまいます。これが長期間続くと、メラノサイトが死滅し、メラニンの生成が低下します。これが下半身の白髪の原因になってしまいます。
また、締め付けた時の摩擦は、皮膚に微小な炎症を招いてしまいます。このような炎症はメラノサイトの働きを鈍らせてしまいます。炎症は細胞や組織で火事が起こっているようなもので、そんな時に黒い毛なんて作っていられないということです。このようなことから炎症は、色素を阻害してしまいますので黒い毛が作られなくなってしまいます。
また下半身のデリケートゾーンは、湿度が高くて活性酸素が発生しやすいという環境になっています。活性酸素はメラノサイトを破壊して、白髪の進行を速めてしまいます。このようなことから締め付けが強くても弱くても蒸れや湿気が溜まりやすい状態は、白髪になりやすいと言えるでしょう。
また、このような下着の刺激や蒸れによって皮膚のバリアが弱くなると、毛根が外部刺激に過敏になってしまいます。それによってメラニン再生が乱れてしまって白髪が増えることも知られています。こういったことから下半身の白髪が気になるという人は、普段着ている下着を見直すことも重要であると言えます。
ホルモンバランスの乱れ
中高年の時期は、男女と共にホルモンバランスが乱れやすい時期になっています。特に問題となるのが更年期です。女性の場合は、閉経によってエストロゲンが激減することによって、逆に男性ホルモンが相対的に高まるのが更年期の特徴です。一方で男性の更年期は男性ホルモンであるテストステロンが減少することによって、やる気や活力がなくなっていきます。
実は男女どちらの場合も、このようなホルモンバランスの乱れによって、下半身の白髪が進行してしまうことが知られています。特にVIOの毛は、男性ホルモンに強く反応します。そのため更年期のホルモンの変動が直接的に白髪を引き起こしてしまうことが知られています。
急激なホルモン変動は、色素の働きを鈍らせ、男性は更年期の時期に下半身の白髪が増えやすいと言えます。またホルモンサイクルの乱れは、ヘアサイクルを不安定にするため、色素生成と毛の成長が同期しなくなります。これによって、まだ色がついていないにも関わらず、毛が伸びてしまうということが起きます。そしてやっと色をつけようと思った頃には、すでに毛が抜け落ちる時期に入ってしまって、色がつかないまま生え替わってしまうという風に白髪が進んでしまいます。
さらに、男性ホルモンなどの性ホルモンだけでなく、ストレスホルモンとの関係もあります。ストレスホルモンは、メラノサイトを抑制します。更年期は、ストレスが溜まりやすい時期である上に、更年期障害特有の様々な不快症状が相まって、ストレスは一段と増えやすくなります。このようにホルモンとストレスの副作用で、下半身の白髪が一気に増えてしまうことがあります。
また、ストレスを受けると交感神経が優位になることで、下半身の血流を減らしてしまいます。さらに最近では、ストレスが直接メラノサイトを傷つける可能性も指摘されています。慢性的なストレスが増えることで分泌されるコルチゾールは、メラノサイトを破壊してしまいます。それによって色素の生成力を弱めてしまいます。
また、ストレスは睡眠を悪化させることによって、メラトニンバランスを崩します。これによって色素不足に陥ってしまうことも知られています。体調が悪い時や不調が続く時ほど、白髪が増えるのはこのためです。
このようなことから更年期ように不調が出やすい時こそ、睡眠や運動、食事と いった普段の健康習慣に気を使って、白髪を予防していくことが何より大事です。
【本コラムの監修】

・経歴
大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

















