頭の鍼でストレス解消

    ストレスが脳に与える影響

    職場、家庭、人間関係、経済的な不安、仕事に関することなど、日常生活の中で、私たちがストレスを感じることがよくあります。さらに新型コロナウイルスに対する不安から、より多くのストレスを感じている人もいます。

    ストレスと聞くと、嫌なことや辛いことを連想される方が多いかもしれません。しかし、実はうれしいことも楽しいこともストレスの原因になります。毎日を快適に過ごすために、まずはストレスを正しく理解しましょう。

    ストレスとは

    一般的には、ストレスは嫌なことに対して我慢するなど気持ちを抑圧することにより、処理されない感情が心の中に蓄積している状態のことです。

    ストレスの経過にはイライラしたり、異様に肩こりなどで体から危険信号(交換神経が緊張状態)が発せられる「警告期」、疲労感が興奮に繋がったり、逆に脱力感に陥る「抵抗期」、疲れきり、長期に渡るストレスに耐えきれなくなり消耗し、本当の病気に移行する「疲弊期」の3段階で進行します。

    心理的症状(抵抗期)身体的症状(警告期)主な病気(疲弊期)
    イライラ、感情的になる、精神的に不安定、漠然とした不安感、気分が落ち込む、憂鬱、注意力や集中力の低下、無気力、新しいことに消極的偏頭痛、腹痛、胃もたれ、便秘、下痢、肩こり、腰痛、動悸、めまい、手が震える、生理不順、倦怠感、疲れやすい、疲れがとれない、寝つきが悪い、目覚めが悪い、夜中に目を覚ます、朝起きることができない、食欲不振胃潰瘍、胃がん、十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群(腹痛、吐き気、慢性的な下痢、けいれん性便秘など)、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など) 自律神経失調症(めまい、動悸、のぼせ、肩こりなど)、心身症、神経症、うつ病、がんのリスク

    一方で良いストレスというのは、何かを達成させる原動力になったり、何かを頑張るための適度な刺激になります。目の前の課題や試練(ストレス)をクリアすることで人間的に成長できたり、充実感や達成感、満足感を得られるのは良いストレスになります。

    ストレスが体に及ぼす影響

    ストレスの大きな分類は3つあり、その一つが暑い、寒いなど気温に関係することや排気ガスが空気中を漂うなど物理的・科学的なストレスです。次に食料不足で飢える、眠れない環境にあるなど生理的なストレスがあります。そして3つ目が、職場や家庭内での緊張や不安、恐怖の社会的、心理的なストレスです。

    アメリカの精神医学会では、社会的、心理的なストレスを急性であるか、持続性があるかの2つに分類しています。例えば急性の中にも程度に差があり、失恋などは軽いとされるが、配偶者の死は重い分類になります。次に持続性があるストレスは、身近な人との揉め事や職場での不満など持続的なものです。ストレスがかかると体は防衛しようという体制に入り、心身にとって 1つの危機だから解消しようします。

    そこで状況に適応することも解消法の1 つですが、簡単に適応できない環境があり、ずっとストレスがかかり続けたり、ドッ押し寄せると次の3つの変化が心に起こります。1つ目はキャンブルをするなどの行動の変化で、暴飲暴食もここに含まれます。ストレスが人に及ぼす変化の2つ目は体の変化です。偏頭痛持ちの人や更年期障害がひどい人もこれに当たります。そしてストレスが人に及ぼす変化の3つ目は心の変化です。うつ病や不安症、心的外傷後ストレス障害などがあります。また体の反応は心身症とも呼ばれ、様々な不調が生じます。

    胃腸の不調

    ストレスは胃にくると言いますが、病気にまで至らなくとも緊張や不安でお腹の具合が悪くなった人は多くいるはずです。また胃酸が食道に逆流してしまって炎症を起こし、逆流性食道炎を引き起こす場合もあります。これは成人の約2割はかかっていると言われ、特に中高年から増えていく傾向にあります。

    更年期障害

    4、50代なら嫌でも付き合わないといけませんが、実は更年期障害はストレスによって引き起こされるとも言われています。そもそも更年期障害は、女性ホルモンや自律神経が関係しており、ノンストレスなら影響も少ないと言われています。

    頭痛

    まず頭痛は片頭痛と緊張型頭痛の2種類に分けられ、変頭痛は急激な痛みに襲われるタイプの頭痛で、緊張型頭痛は頭が重く感じられ痛みが長引く頭痛です。緊張型頭痛はその名の通り、首肩の緊張が主な原因です。温めて緊張を緩めたりすると解消することが多いです。

    めまい

    めまいは2 種類あり、「ぐるぐるする」か「ふわふわする」かです。体がふわふわするめまいは浮動性めまいと呼ばれています。これは特にストレスの影響を受けていると言われています。

    アレルギー

    アレルギーもストレスによる体の変化の1つです。ストレスによって免疫系統にも異常が起こり、アレルギー性皮膚炎や喘息の症状が悪化します。

    血圧の異常

    まずストレスの状態によって交感神経が刺激され、そこで血管が収縮し、高血圧になってしまいます。

    心に及ぼす影響

    反応性精神障害と呼ばれ、不安や脈打つ、錯乱状態が挙げられます。また PTSD と言われる急性ストレス反応もあり、突然の事件や事故、災害によるストレス反応が含まれます。この他、うつや不安症は社会的、心理的ストレスが要因となることが多いです。

    眠れない

    強いストレスによって交感神経が優位に働き、体が緊張状態に陥り、夜になっても副交感神経に切り替えることができません。このようなストレス状態が続くと自律神経のリズムが崩れ、不眠が続くようになります。

    ストレスが脳に与える影響

    私たちはストレスを受けると、思考や行動をコントロールしている脳の大脳皮質前頭前野に影響し、その隣にあり本能や感情と関係の深いと呼ばれ大脳辺縁系がそのストレスに対して不快と感じ、間脳を通じて自律神経を緊張させます。

    そして、脳全体に突起を伸ばしている神経からドーパミンなどの神経伝達物質が放出されます。これらの濃度が前頭前野で高まると、神経細胞間ネットワークの活動が弱まり行動を調節する能力も低下します。

    さらに視床下部から下垂体に指令が届き、副腎がストレスホルモンであるコルチゾールを血液中に放出され、同時にアドレナリンなどが分泌されます。このコルチゾールとアドレナリンは、血糖値や血圧の上昇、免疫抑制、胃酸の分泌促進などを引き起こす作用があります。この働きによって交感神経が優位になり、副交感神経とのバランスが崩れていきます。

    また私たち現代人は日々様々なストレスに晒され、多くの人がストレス過剰の状態になっています。過剰なストレスは脳血流の低下を招き、それによって脳細胞が劣化してしまうと考えられています。全身の細胞と同じく私たちの脳細胞もまた血液によって栄養されており、脳細胞は他の細胞よりも特に多くの酸素や栄養が必要ですが、ストレスによって血流が滞ると酸素や栄養不足となった脳細胞がどんどん死滅してしまいます。

    この脳細胞は1度死んでしまえばもう2度と再生しないことが知られており、脳血流の悪化によって脳細胞が死滅することで脳が萎縮して認知症の発症に つがってしまうと言われています。さらに過剰なストレスは血液をドロドロに したり、血圧を上げることで脳卒中を招いてしまうリスクもあります。

    強いストレスを感じると心臓がドキドキしますが、これはストレスの刺激によって大量のアドレナリンが分泌されるためです。アドレナリンは血圧を上昇させるとともに血中の血球成分の働きを活性化することで血液をドロドロにします。

    つまり私たちはストレスを感じることでアドレナリンが分泌されますが、それをまた無理やり抑え込むことでさらなるストレスを感じます。このようなストレスの負のループに陥ることで血圧が上がり、ついには頭の血管が高血圧に耐えられなくなり、脳卒中で病院に担ぎ込まれる可能性があります。

    実際、75歳以下の男女14万人を調査したフィンランドの研究では、ストレスの多い仕事についている人は、そうでない人に比べ脳卒中を発症するリスクが最大58%も高くなってしまうことが分かっています。統計によると日本人の4人に1人が生涯で脳卒中を経験することが分かっていますが、このフィンランドの研究と合わせればストレスの多い仕事についている人の場合、脳卒中のリスクが2から3人に1人に上がってしまうことが分かります。

    ストレスとの付き合い方

    心の疲れというのは、体の疲れや病気とは違い目で見て分かりづらいものです。骨折すれば歩けないから一時的に休む必要がありますが、心の疲れは気づかずに見逃されてしまうケースが多くあります。そのため、以下のような休んだ方が良い限界サインを見逃さないでください。

    1. 眠れない、朝早く目覚める
    2. ドカ食いするまたは食欲がない
    3. やる気がでない

    このような限界サインが現れたら、正しく休むために嫌な感情にラベリングして心の中に目をむけるという「感情ラベリング」という方法があります。心の疲れを取るためのファーストステップが、自分の中にどんな感情が出てきているかを正しく知ることです。そのために自分の心の中を客観的に見つめることが必要です。

    自分の感情を言葉にできないと自分の気持ちを整理できず心の疲れが取りづらくなってしまいます。例えば自分はイライラしていると言葉にできないと、なぜ自分はイライラしているのかという原因に目を向けることができず、当然イライラを取り除くことも難しくなります。自分の中にどんな感情が生まれているのかを気づくために、自分の心の中を観察することが重要になります。

    そのために自分の感情に名前をつけるのが「感情ラベリング」です。例えば気持ちがもやっとしているのであれば「モヤモヤ」、何かにムカついているのなら「ムカムカ」という風に言語化して下さい。これによって自分の感情に変化が起きた時に気づきやすくなります。

    その次にできるストレス解消法が「ネガティブ・ダストビン」です。自分のネガティブな考えを書いて、それを破ってゴミ箱に捨てるだけです。実際に研究では、これだけでネガティブ思考からくるストレスが和らいだという結果が出ています。

    なぜなら人は考えや感情を紙に書き出すとそれが実体のあるものになったかのように思い込むからです。そして考えを書いた紙を破り捨てることで実際にその考えがゴミとして捨てられたかのように脳が捉えてくれます。また頭の中にあった感情を全て吐き出すことができるため、頭の中の悩み事を外に吐き出すことでストレスを発散することができます。

    最後に、人間関係の悩みも心を疲れさせる大きな悩みのため、話せば分かり合えるという幻想を消すことが大事です。世の中には、普通の感覚ではちょっと理解しがたいようなものの考え方や捉え方をする人がいます。優しい人ほど分かり合おうとしますが、いくら話し合っても分かり合えないことが多いです。世の中には分かり合えない人もいるから仕方がないと割り切ることが大事です。

    また、愚痴や悪口を言う人と極力関わらないようにし、自分自身も愚痴や悪口を言わないようにすることが大切です。愚痴を聞くと疲れてしまうのは、脳の中にミラーニューロンという神経細胞があるからです。ミラーニューロンには、一緒にいると相手の感情を読み取って自分も相手と似た感情になるという性質があります。

    そのため愚痴が多い人と一緒にいると、ミラーニューロンが相手のネガティブな感情を読み取ってしまい、自分にもネガティブな感情が出てくるため不快な思いをしやすくなります。実際に研究でも、人は怒っていたり不安な気持ちになっていることを言葉や態度で表している人を見ると自分もその人と同じ気持ちになりやすいことが分かっています。

    意志力に頼らない

    一般的に、自分自身を律して自己コントロール能力を発揮することが重要であると言われています。もちろん努力をすることが大事であるのは間違いありませんが、努力や自己コントロール力に頼るのは危険であることは研究が示しています。例えば意志力を振り絞って努力をすると 寿命が縮んだり、老化してしまうことが研究によって示されています。

    その理由として、意志力を振り絞って懸命に努力することによって多大なストレスが掛かるからです。過度なストレス環境では、副腎からコルチゾールというストレスホルモンが分泌されます。このコルチゾールは短期的には集中力を高める良い作用がありますが、長期的には老化を加速させてしまいます。さらに長い間ストレスに晒されることによって体内でフリー ラジカルと呼ばれる 活性酸素が増加します。このフリーラジカルは細胞の構造や機能に悪影響を与え、病気のリスクを高めたり、老化を促進するとされています。

    また、長期的なストレスは細胞のDNAにダメージを与えるということも分かっています。これによって細胞の修復能力が低下し、老化が加速します。さらに意志力を振り絞って懸命に努力をすることによって心身の疲労が蓄積し、睡眠の質が低下します。睡眠は体の修復や回復に重要な役割を果たしており、睡眠の質の悪化や睡眠不足は老化を大きく加速させてしまいます。

    一方で、長期的なストレスは免疫機能にも悪影響を及ぼすということが分かっています。免疫機能が低下してしまうと感染症にかかりやすくなり、細胞の老化が進んでしまいます。

    意志力を振り絞れば不可能も可能になる。努力さえすれば何でも叶うという夢物語を信じすぎている傾向にあります。現実的にはそんなことはなく、私たちの多くは遺伝的な要因、環境的な要因によって規定されているということが明らかになっています。どんなに頑張っても、すべての混乱を乗り越えるのは不可能ですし、例え困難を乗り越えて成功したとしてもストレスによって病気になったり、老化が速まってしまうということです。

    この残酷な真実の前にできる、おそらく最も良い解決策は意志力を振り絞らなくても出来ること、意志力を振り絞らなくても継続できることを見つけるということでしょう。自分のことをよく分析し、自分はどんなことならば苦労なく続けることができるのか、どんなことならばストレスなく頑張れるのかということをよく考えることが大事です。

    粘り強く努力を続けられる力が、スポーツ選手やビジネスの世界、学業などあらゆる分野で成功するための鍵であると言われています。しかし自分の向いていないもの自分の嫌いなものに対して、粘り強く努力することを発揮してしまうと、あらゆる健康上のリスクになってしまうことに注意しましょう。

    長期的なストレスを放っておく

    長期的なストレスは細胞の寿命を図るマーカーであるテロメアの短縮を促進するということが示されています。テロメアは染色体の端にあるDNA領域のことで細胞分裂の度に短くなります。テロメアが短くなると細胞は老化し、機能不全になり、最終的には死に至ります。そしてストレスによる酸化ストレスと炎症がテロメアを修復する酵素の活性を低下させ、テロメアの短縮を促進するということが分かっています。このようにストレスはDNAレベルで老化させてしまいます。

    長期的な慢性的なストレスによって、体内ではコルチゾールやアドレナリンなどのストレスホルモンが分泌され続けます。こういったホルモンは、短期的にはエネルギーを出し集中力を高めてくれますが、長期間分泌されていると酸化ストレスや炎症を引き起こし、細胞の損傷や老化を引き起こしてしまいます。またストレスホルモンを分泌する副腎がずっと働き続けることになり、副腎疲労に陥ってしまう可能性もあります。また長期的なストレスは自律神経を大きく乱し、交感神経が活発に働き続け、血圧が上昇して心血管疾患のリスクが増加します。さらに炎症反応が高まり、老化や慢性疾患の発症につながります。

    毎日が退屈で老化

    退屈というのは非常に健康に悪いことが研究によって示されています。例えば 退屈はストレス反応を引き起こすということが指摘されています。このストレスによって病気のリスクが高まったり、老化が促進されてしまいますが、退屈だと私たちはついつい不健康な行動をとってしまう可能性が高まります。また退屈で刺激のない状態だと脳が老化してしまいます。

    退屈な状態は脳が新しい情報や新しい刺激を受ける機会が減少しているということに他なりません。研究では脳の刺激が認知機能を維持し神経細胞の新陳代謝を促進するということが示されています。従って長期的な退屈が脳の刺激不足を引き起こすことで脳の老化が進行する可能性が指摘されています。さらに退屈が死亡率を上げてしまうという研究があります。

    例えば2010年に行われた研究が注目されており、この研究の結論だけ述べると退屈が心血管疾患や他の健康問題を引き起こし死亡率が上昇してしまうということが示唆されました。退屈を感じることが死亡率に影響を与える可能性のある理由として、退屈がストレスや不安、抑うつなどのネガティブな心理的症状を引き起こすということが挙げられています。

    こういった症状は心血管疾患のリスクを高めるということが一般的に知られています。また退屈を感じている人々は興奮や刺激を求めて喫煙、過度の飲酒、暴飲暴食、薬物の摂取などの健康に悪影響を与える行動をとる可能性があります。こういった行動が死亡率を上昇させる要因となると考えられています。

    一方で、ハーバード大学の研究では、慢性的な孤独感は1年あたりの死亡率を26%も高めてしまうことが分かっており、さらに孤独感は肥満の2倍も健康に悪いと言われています。また別の研究では社会的に孤独であると死亡率が最大で2.8倍高まるという統計結果も出ており、これはタバコに置き換える1日 15本吸うリスクに匹敵します。さらに孤独感は認知症のリスクを高めてしまうことも分かっています。

    さらにアメリカボストン大学の研究によると、常に孤独を感じている中高年は、そうでない人に比べ、アルツハイマー型認知症の発症リスクがおよそ2倍になることが分かっています。このように孤独と認知症に関係があるの、孤独のため人とのコミュニケーションを取る機会がないこと、仲間がいないため出かける機会が少ないこと、孤独から立ち直れる人は心理的に高いレジリエンスを備えていることなど、こういった理由で孤独と認知症の間に関係があることが分かっています。

    ストレスを解消する食べ物

    ポリフェノールが豊富なダークチョコレート、ブルーベリー、トリプトファンとカリウムが豊富なバナナ、ビタミンCが豊富な緑黄色野菜や果物などの抗ストレス食品がまずはストレスを解消する食べ物として挙げられます。

    また、スウィンバーン大学で成人を対象に行われた研究によると、ビタミンB群がストレスレベルを低下させ、メンタル減退をブロックすることが分かっています。そのためビタミンBが豊富なレバーや貝類等もおすすめです。

    一方でウォーキングもストレスを解消します。

    ストレスと睡眠

    健康的とされている睡眠時間は1日7時間から8時間と言われています。睡眠の質が悪くなると私たちの体は、ストレスやうつなどの精神的な悩みにつながります。特に眠りたいのに眠れない場合は、イライラしてストレスが溜まり、そのストレスでまた眠れなくなるという悪循環に陥ります。

    リラックス効果のあるアロマオイル

    眠りを妨げるイライラを抑えるためには、リラックス効果があるアロマオイルを利用することをお勧めします。ハーブから抽出されるエッセンシャルオイルを使用したアロマセラピーは、脳と体へのリラックス作用やストレス軽減作用があると言われています。

    例えば、お風呂に入る時にお湯にアロマオイルを数滴垂らしたり、寝室でアロマを焚いたり、水とアロマオイルを混ぜて枕やシーツにスプレーするといった手軽な方法でリラックス効果を実感できます。

    睡眠導入の効果やリラックス効果があるとされている代表的なアロマはラベンダー、ジャスミン、ゼラニウム、シダーウッド、イランイランなどがあります。特にラベンダーは様々な研究で心を落ち着かせて眠りを誘う効果があることが 証明されています。研究によると、ラベンダーオイルの香りを嗅ぐことで血圧と心拍数が低下することが分かっています。またサウサンプトン大学(イングランド)の研究では、ラベンダーオイルの香りがする部屋にいた人は、睡眠の質が平均で20%も高くなるという結果が出ています。

    寝る前のハーブティー

    ハーブティーには、睡眠導入効果やリラックス効果が期待できます。代表的なのはカモミールティーです。カモミールティーには気分を沈める作用があることが知られています。

    例えば、イランで行われた研究では睡眠障害のある高齢者施設の人たちに1日2回カモミールエキス200mg、もしくはカモミールエキスが入っていない物を投与したところ、カモミールエキスを服用した人は睡眠改善効果が見られました。また台湾で行われた研究では、睡眠障害がある産後の女性がカモミールティーを2週間飲んだところよく眠れるようになりうつ状態も回復したという結果が出ています。

    これらの効果は、カモミールの花に含まれているポリフェノールの一種であるアピゲニンが脳内のベンゾジアゼピン受容体に働きかけるため鎮静効果があると考えられています。つまり脳の活動が抑制されて眠気や鎮静効果が現れます。

    睡眠時間を削るデメリット

    睡眠は食事や運動と並んで健康にとって重要な要素の1つであり、私たちは食事や運動をしなくてもすぐに死にはしませんが、睡眠を取らなければ僅か2晩の徹夜で精神的にかなり危険な状態に陥ると言われているにも関わらず現代人が睡眠を削ってしまう原因の1つが時間がないという理由でしょう。

    しかし、睡眠を削ることで様々な病気のリスクが上昇することは数多くの研究によって明らかになっています。5万6953人を対象とした研究では、睡眠時間が5時間以下になると睡眠時間が8時間程度の人に比べ、肺炎になるリスクが1.39倍も高くなることが分かっています。

    また睡眠時間が6時間以下では、肥満や糖尿病、心臓病といった病気の有病率が高くなり、さらには事故で死亡 する確率も高くなることが分かっています。また4419人を対象とした日本の研究でも睡眠時間が6時間以下の人は、死亡率が2.4倍も高くなることが 分かっています。さらに別の研究では日本人のおよそ4割の人が睡眠時間が6時間未満であることが報告されています。

    そして最近では睡眠不足によって脳が老化するスピードが早まってしまうことも分かってきています。睡眠不足によって前頭葉の血流が悪くなり、前頭葉は意思力、理性を司る脳の部位のため睡眠不足によってここが障害されることで私たちは簡単に理性的に物事を考えることができなくなってしまいます。これよってやる気が損なわれてしまったり、普段はしないような非理性的な行動に出てしまったりします。

    そして一晩だけの徹夜であればこのような脳機能の低下というのは、一時的で進みその後きちんと睡眠を取ることで脳を正常な状態に戻すことも可能ですが連日のように睡眠不足が続くことによって、このような脳機能の低下が回復不可能となり2度と元に戻らなくなることが分かってきました。

    イタリアの研究によると何日も睡眠不足が続くとグリア細胞という免疫細胞によって脳細胞が食べられてしまうという恐ろしい事実が明らかになっています。私たちの脳にはグリア細胞という免疫細胞が存在しており、普段は脳から出たゴミを食べるお掃除屋さんの役割をしています。

    一方で私たちの脳細胞には互いにシナプスというネットワークを形成することでコンピューターのように複雑な処理能力を発揮しています。しかし睡眠不足が続くとシナプスがグリア細胞によって食べられてしまう現象が起きることが確認されています。シナプスがグリア細胞に食べられてしまうと当然、脳神経同士のネットワークが絶たれて脳は機能を失います。

    これこそが認知症の症状であり、認知症では記憶にアクセスすることができなくなることで物忘れが出てきて、同時にうまく人に自分の意思を伝えることができなくなってしまい、コミュニケーション障害を来します。このようなことから睡眠不足は、免疫の暴走によって自分自身の脳神経を破壊することで認知症の進行を早めてしまうことが分かっています。

    さらに別の研究では、睡眠不足になると脳内のアミロイドベータが脳の外に排出されなくなり、アルツハイマー型認知症の発症リスクが高まってしまうことが指摘されています。アミロイドベータは脳から出るゴミの一種で、これが脳内に蓄積することでアルツハイマー型認知症が発症すると考えられています。

    私たちの脳では深い眠りであるノンレム睡眠の時にアミロイドベータが排泄されますが、睡眠不足になるとノンレム睡眠が不十分になり、アミロイドベータが排泄しきれずに残ってしまいます。その結果、アルツハイマー型認知症を発症してしまいます。

    実際2812人の高齢者を対象としたアメリカの研究では、睡眠時間が5時間未満 の高齢者は、睡眠時間が7から8時間の高齢者に比べて認知症の発症リスクがおよそ2 倍になることが分かっています。またこの研究では入眠困難のデメリットについても検証されており、ベッドに横になってから眠るまでの時間が30分を超える高齢者は、30分の高齢者に比べて認知症の発症リスクが45%増加することも分かっています。入眠がスムーズかどうかは眠りの質に関わる問題でもあるため、これらの研究から認知症予防のためには睡眠の質と時間の両方が大切であることが分かるでしょう。

    浅い鍼のリラックス効果

    鍼灸師と被施術者の脳波を同時に測定し、鍼灸技法の違いや共鳴現象の有無を調べた論文があります。その結果では、鍼灸によって鍼灸師と被施術者の脳波に違いが観察され、特に鍼灸師の前頭葉に特徴的な脳波が現れたことが分かりました。

    また鍼灸師と被施術者の脳波に同期現象のようなものが4例で観察され、鍼灸のような気が重要視される施術においては、施術者の意識状態までもがその施術に影響を及ぼすことが示唆されました。

    補法では、鍼灸師は鍼を浅く侵入し、ゆっくりと回転させることで気を補うことを意図します。この時、鍼灸師は鍼侵入時の微妙な侵入抵抗や押手感覚の変化に注意を向け、鍼とツボの間の気の流れを感じます。このような鍼灸操作によって鍼灸師の脳波は、リラックスした状態を示す脳波が現れます。

    非施術者は鍼を浅く侵入され、ゆっくりと回転されることで鍼侵入時の響き感覚や刺激の強さを感じます。このような鍼侵入によって被施術者の脳波は、リラックスした状態を示す脳波が現れます。このように補法では鍼灸師と被施術者の脳波は同じような波形を示します。

    このように鍼灸師と被施術者の脳波に同期現象が観察された理由は、鍼灸師は気の流れを調整することで鍼灸師と被施術者の間にエネルギーの交流が生じるからと考えられます。このエネルギーの交流は鍼灸師と被施術者の意識や感覚に影響を与え、脳波にも反映されます。このように鍼灸は、鍼灸師と被施術者の間に共鳴現象を引き起こす可能性があります。

    一方で瀉法(しゃほう)では、鍼灸師は鍼を深く侵入し、素早く回転させることで気を瀉すことを意図します。この時、鍼灸師は鍼侵入時の微妙な侵入抵抗 や押手感覚の変化に注意を向け、鍼とツボの間の気の流れを感じます。このような鍼灸操作によって鍼灸師の脳波は集中した状態を示す脳波が現れます。

    被施術者は鍼を深く侵入され、素早く回転されることで鍼侵入時の響き感覚や刺激の強さを感じます。このような鍼侵入によって被施術者の脳は緊張した状態を示す脳波が現れます。瀉法では鍼灸師と被施術者の脳波は異なる波形を示しました。

    この論文では、鍼灸師と被施術者の脳波を同時に測定する実験を行いましたが、実験に使用した鍼は中国鍼を使用しました。また実験に参加した鍼灸師は中国人男性39歳、被施術者は40歳日本人男性でした。

    頭の鍼でストレス解消

    感情(七情)の乱れが身体のどの部位にどう作用するかを診るのが東洋医学の特徴です。東洋医学では、過度な感情の動きが気の動きに変化をもたらし、関連する五臓や身体に影響を与えることが見いだされていました。

    いずれにせよ心と身体を分けて考えるのではなく、むしろ身体の一部が心である、あるいは身体の一つの部分が心であると考えることができます。心と身体は分けることができない、身体が疲れれば、心も疲れますし、身体が休まれば、心も休まります。

    身体を大事にすることで心が健康になる。身体に無理をさせることは心に無理をさせることになります。心を健やかに保つことが万病さえ起こさせない可能性があることが分かってきています。

    そして臓腑(五臓六腑)に繋がる経脈上のツボを刺激し、経絡上の気の流れを調え、臓腑(五臓六腑)を整えることは、結果として精神面の調整にも繋がるのです。また生理機能として、人は、ストレスを感じると脳の血流が低下します。このストレスがストレス疲れになり「疲労感」を生み出します。

    近年の研究では、鍼が身体の正しい箇所に施されるとストレスホルモンの伝達を抑えることが分かっています。つまりストレスに対処する薬の多くと同じく、鍼もストレスホルモンに対して薬と同じように作用します。特にストレスによる諸症状(不眠症、自律神経失調など)に対して頭の鍼はよい効果が認められています。

    頭の鍼治療を受けた多くは、様々な症状の軽減とともに、独自の爽快感を体感し、ストレスの緩和に最も適した治療法の一つになります。

    【本コラムの監修】

    恵比寿院長

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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