美容鍼で表情筋を緩める

    美容鍼で表情筋を緩める

    運動前だけでなく、首や肩こりの緩和のためにストレッチは効果的です。なぜストレッチするかというと、ケガの防止だけでなく、筋肉や腱を伸ばすことで関節の負担を減らして、痛みが改善するからです。また固くなった筋肉は、神経を圧迫し血流阻害を起こします。ストレッチで筋肉を柔らかくしてあげると、圧迫されていた血流が良くなり、酸素や栄養分が滞りなく行き届き、基礎代謝が上がります。

    基礎代謝が上がると、血流が良くなるため、身体に溜まった老廃物や疲労物質などが、血液に乗って運ばれて、分解するスピードが速くなるため疲労回復に効果があります。

    このような理由で、ストレッチで筋肉をゆるめて柔らかくしたい!と思うわけですが、どうして “お顔” はかたくなってもゆるめて柔らかくしないのでしょうか?

    かたくなった表情筋を緩める

    体幹や体肢の姿勢や運動に使う筋肉と、お顔の筋肉は、骨格筋と皮筋といって種類が違います。しかしどんな筋肉であってもかたくなったらゆるめてあげることが大切です。

    お顔の筋肉であっても、筋肉がかたまると、

    • とにかく疲れる
    • 動きが悪くなる
    • 血流が悪くなる
    • 代謝が悪くなる

    つまり、お顔の筋肉もゆるめてあげないと見た目が悪くなります。

    しかし、身体の筋肉とは違って、お顔のどこに筋肉があるのか、意識しにくいです。そのため、多くの人が表情筋をうまく使えずに「お顔の運動不足」に陥っています。

    身体が運動不足になると、ウエストのくびれがなくなったりお尻がたれたりして、ボディラインが崩れます。同じように、お顔の運動不足は「たるみ」「シワ」「フェイスラインの崩れ」など、老け見えの原因になります。

    美容鍼で表情筋を柔らかくする

    美容鍼のお顔(表情筋)への効果は、大きく分けて3つあります。

    1つ目は、筋肉の緊張を緩めることです。

    お顔のコリは、交感神経が優位になりすぎて、筋肉の中にある血管が収縮し、血流が悪くなり、筋肉が過度に緊張することから起こります。美容鍼によって副交感神経を優位にすれば、血流を改善でき筋肉も緩みます。

    また、表情筋のクセによる筋肉のコリでお顔がたるむこともあります。本来、筋肉は伸び縮みをすることで正常な働きをします。しかし筋肉のコリによって伸び縮みできずにかたまれば、普段からお顔を引き上げている筋肉がうまく使えずにたるんできてしまうことがあります。

    そういった筋肉に対して美容鍼は、コリを緩和し、リフトアップ効果に繋がります。

    2つ目は、筋肉の老化を防ぐ効果です。

    お顔の筋肉も、体の筋肉と同じく加齢によって筋肉量が低下します。この筋肉量が低下することで、筋肉が皮下脂肪と皮膚を支えることができなくなり、それが顔のたるみにつながります。

    美容鍼によって、筋肉を刺激し、血流を改善することで老化を防ぐ効果もあります。

    3つ目は、お肌の弾力性の低下を防ぐ効果です。

    お肌のターンオーバーが乱れると、コラーゲンやエラスチンといった美肌成分の分泌が悪くなります。これらの美肌成分は皮膚の中の真皮層というところから分泌されますが、その真皮層に対して、美容鍼で刺激を与え、微細な傷を作ることで、創傷治癒の過程においてコラーゲンやエラスチンの分泌が促進されます。そのため、お肌にハリが出てきてシワ、たるみなどの予防・解消することができます。

    最後にお顔のむくみが気になる方は、実はお顔の筋肉の緊張が関わっていることがあります。筋肉が伸び縮みし、血管を押し出す働きによって、体の余分な水分を流すポンプの役割を担ってくれます。しかし、筋肉が緊張している状態だと、その役割が果たせません。美容鍼によって、筋肉のコリをほぐし、血流を良くしていくことでむくみの解消に繋がります。

    美しさと健康に役立つお顔のツボ

    美しさと健康に効くツボをご紹介します!マッサージの際にツボ押しを取り入れて頂くとより効果が出やすく、また、吹き出物やニキビがたくさんある方や敏感肌の方への場合は、マッサージは控えめにしてツボ押しを取り入れてください。

    美しさと健康に役立つお顔のツボ
    1. おでこの中心: 頭をスッキリ
    2. 眉頭の下側にあるくぼみ: 目の疲れ
    3. こめかみ:目の周りのしわ・たるみ、目の疲れ、頭痛
    4. 目を支えている骨の輪郭のやや下側: むくみ・クマ・シミ・しわ
    5. 小鼻の横: 鼻詰まり、ほうれい線、ニキビ、たるみ
    6. 口角の両サイド: ほうれい線、トーンアップ
    7. 唇下のやや盛り上がっているところ: 顔・首のむくみ、歯痛
    8. 顎の骨の付け根: 顔のむくみ

    やり方は人差し指を使って、各ツボともに3秒プッシュを3回ずつ。

    表情筋トレーニング

    人と一緒いるときにできるだけ笑顔になるだけで若く見えますが、歳を重ねるとともに、徐々に表情筋が衰えていき、上手く感情を表現できなくなっていきます。例えばいつもムスっとしているように見られる、怖そうに見られるなど自分では気づかない表情をしているのは、加齢とともに表情筋が下がってマイナス表情に見えてしまうからです。つまり感情を表すトレーニングを行なって、表情筋の衰えを防いであげることが大切です。

    オススメが感情と呼吸を結びつけた6つの表情筋トレーニングです。

    ①喜びの表情すべての表情筋を引き上げ、両手を上げ、息を吸う
    ②悲しみの表情すべての表情筋を引き下げ、両手を下げ、息を吐く
    ③驚きの表情すべての表情筋を開き、体を開き、息を吸う
    ④恐れの表情すべての表情筋を閉じ、体を丸めて、息を吐く
    ⑤怒りの表情すべての表情筋に力を入れ、体に力を入れて、息をこらえる
    ⑥安らぎの表情すべての表情筋の力を抜き、体の力を抜いて、息を吐く

    このように呼吸とともに表情筋を動かす方法を朝1回やるだけで効果的です。このトレーニングによって心の中にある感情を自由に表現できるようになり、その表情が豊かになることでいつまでも若々しくいられます。

    たるみが加速!?顔マッサージや表情筋を鍛える

    実は顔マッサージや表情筋を鍛えることには、医学的にたるみ改善の根拠がありません。特にセルフケアの顔マッサージは肌を擦り、摩擦を起こすため肌にダメージを与える可能性があります。同じく器具などを使って表情筋を鍛えるのも、繰り返し表情筋を過度に伸縮させることになり筋肉を傷つけてしまう可能性があります。

    そのためセルフケアで表情筋を鍛えるのは、毎日の会話や食事で動かす程度で良いでしょう。また食べ物をよく噛むと表情筋を鍛えることができ、たるみ予防に効果的です。意図的によく噛まないと食べられないものを食べると良いでしょう。

    一方で姿勢も大切です。スマホやデスクワークなど下を向いている姿勢が続くと肌は重力の影響を受け、たるみやすくなります。特に猫背は背中が丸まって 顎が突き出た状態になるため、首の後ろ側の筋肉が縮んでしまいます。すると引っ張られて自然と口角が下がり、たるみになる可能性があります。

    美容鍼とインディバでおでこのシワを消す

    おでこに深いシワができてしまう原因は、「前頭筋(ぜんとうきん)」という筋肉を使い過ぎてコリ固まっているからです。例えば無意識の表情癖などで表情を作る時に前頭筋が過剰に働き、コリ固まることで表情癖によるシワとして定着してしまいます(癖ジワ)。

    一方で、前頭筋は目の筋肉と繋がっており、パソコンなどで目の筋肉を酷使することも前頭筋のコリに繋がります(眼精疲労によるシワ)。

    また、おでこのシワの原因に、頭皮のゆるみがあると言われています。なぜなら頭皮と顔の皮膚は一枚で繋がってるため、頭皮がたるむと肌もたるむからです(頭皮のコリ)。このたるみの原因に頭の「後頭筋」がコリ固まっていることが挙げられます(後頭筋のコリ)。

    この前頭筋と後頭筋は、頭の上を通っている帽状腱膜でつながっており、お互いに協働しています。後頭筋がコリ固まっていると前頭筋との動きが連動せずシワの原因になるため、この二つの筋肉をしっかり緩めることが大切です。さらに前頭筋には帽状腱膜を前に引き寄せる働きがあります。つまり前頭筋の上と下(停止・起始部)を緩ませることで、帽状腱膜が元の位置に戻るため、おでこのシワが消えやすくなります。

    美容鍼とインディバでおでこのシワを消す

    アプローチとしては、おでこのシワの原因である前頭筋と後頭筋を美容鍼(頭の鍼)で緩めた後に、できてしまったおでこのシワに対しては、インディバで直接アプローチすることで、よりシワを薄くしていくことが可能です。一方で帽状腱膜のコリは、お顔全体のたるみにつながるため、帽状腱膜の緊張を頭の鍼やヘッドマッサージで解くと、お顔全体のフェイスアップにつながります。

    【本コラムの監修】

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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