インディバで疲れやだるさ解消(だる消し)

    インディバで疲れやだるさ解消(だる消し)

    歳を取るとともに、体が重い、だるくて何もする気がない、疲れが取れないなど、疲れやだるさは病気じゃないから、なんとなく毎日を疲れたまま過ごされている方が多くいらっしゃいます。

    しかし、体が重だるいのが当たり前になってしまうと、疲れやだるさが慢性化してしまいます。その疲れやだるさの根深い原因を解消しなければ、どんどん疲れやすい体質になってしまいます。疲れやだるさをほっておくと、様々な症状が同時に現れるようになります。

    例えば、疲れやだるさによって自律神経が乱れ、肩や首コリ、血流が悪くなって高血圧になる、心不全や不整脈、花粉症やアレルギー悪化、さらには鬱や将来の認知症の原因になります。こんな状態ではどんな治療しても改善に時間が掛かり、どんどん状況は悪化するばかりです。実は疲れたからといってゴロゴロするのは逆効果で、疲労感が増して抱えている疲れが慢性的なものになってしまいます。

    なぜ人は疲れを感じるのか

    日本疲労学会によれば、疲労とは過度の肉体的を呼び精神的活動または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態であると定義されています。

    簡単には、心や体を働かせすぎたり、病気になったりした時の辛さと休みたいって言う状態の気持ちで、この状態が続くと思考力や反応 注意力が低下して行動量は少なくなり、目のかすみ、頭痛、肩こり、腰痛などを引き起こすことになります。ちなみに疲労と疲労感とは別物であり、実際には疲れているのに実感がなかったり、逆に疲労感はあるけれど健康だって場合があります。

    疲労感は体が発する危険信号であり、身体に疲労が溜まりそのまま放置されるとダメージを受けます。これを回復するために体は疲労感を発進し、それを合図にして人は休息を取って体を元の健康な状態に戻しています。痛みや発熱も体の異常を訴えるサインであり、疲労感も同じ重要な生体システムです。

    疲労の原因としてよく取り沙汰されるのが「乳酸」ですが、乳酸は身体の中でエネルギーを生み出す過程で作り出される物質です。このエネルギーの元となるのは食事などから摂取した糖や脂肪です。

    糖は激しい運動をする場合のエネルギー源として利用されるために、筋グリコーゲンという形で筋肉に蓄えられます。この筋グリコーゲンが分解されて ATP(アデノシン酸リン酸)に変わることでエネルギーが生まれます。乳酸は筋グリコーゲンがATPに変わる過程で生じ、つまり筋グリコーゲンの元となる糖を分解すればするほど乳酸菌も大量に生成され、激しい運動をした後は体内に乳酸がたくさん溜まります。

    乳酸は、最近の研究では疲労物質ではないと言われています。運動で体に乳酸が溜まったとしてもミトコンドリアを通してエネルギーとして再利用されるため、30分も経てば乳酸は元のレベルに下がります。

    それどころか乳酸は、疲労を防ぐ物質だと言われています。筋肉からカリウムが漏れ出すと筋収縮を阻害するので、乳酸はこの筋収縮を防いでくれます。他にも運動時の脳のエネルギー源になったり、血管新生や傷の修復にも役に立っています。

    自律神経の乱れによる疲労感

    最近の研究によると疲労の原因は自律神経の乱れであると考えられています。自律神経は、自分の意志とは関わりなく体の機能を24 時間コントロールする神経のことであり、例えば体温調節のために汗をかいたり、食べ物を消化するために胃腸を働かせたりして、私たちの体を支えてくれています。そして自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、交感神経は体の活動性を生み出す神経系で昼間や活発に動く時間帯に優位になります。一方副交感神経は体を休ませる神経系で夜間やリラックス中に優位になります。

    かつては自立神経の働きを計測することが難しく、本格的な研究もなされていませんでしたが、近年誰もが目に見える数値として計測できる機械が開発され、自律神経に関する研究は飛躍的に進みました。その結果、疲労感と自律神経の乱れには深い関係があることが分かってきました。

    ビジネスパーソンを中心に計測したデータでは、1週間のうち自立神経の働きが一番下がるのが木曜日で、それが翌日の金曜日になると具体的な対策を講じたわけでもないのに自律神経は回復するようになります。この理由は、単純に金曜日の次の日は休みになるため、明日は休みだと思うだけで心は浮き立ち、自立神経の働きは良くなるのです。

    そして自律神経の働きを生み出す大きな原因となっているのがストレスです。仕事が忙しい、生活のリズムが崩れた、眠りが浅い、季節の変わり目はしんどくなる、こういう疲労感の理由には共通点があり、それは自分でコントロールできない出来事に対してストレスを感じているがあります。特に日本人は責任感が強く、人間関係や仕事のプレッシャー精神的な疲労が溜まりやすく、気疲れを肉体の疲れのように感じてしまう傾向があります。

    さらに私たち日本人について言えば、その疲れのほとんどが精神的なものだとも考えられています。その証拠として日本疲労学会が行った日本の疲労状況の年代別結果では、疲れを 感じやすいのは高齢者より若い方が疲れている人が多くなっています。

    このデータを見れば一目瞭然ですが、男女ともに年代が上がるほど元気な人が増え、疲れている人の割合が減少しています。また60代と70代では元気な人が慢性的に疲れている人を大幅に上回り、50代を境にして現役世代で二極化が見られます。年を取れば取るほど肉体的な機能は衰えて疲れを感じやすくなるはずなのに、実際には若い人ほど疲れている人の割合が高くなります。

    つまり肉体的な疲労が日本人の感じている疲労感とはかけ離れている証拠になり、特に日本人の場合は肉体的な疲労よりも精神的な理由で疲労感を感じている事になります。

    紫外線よる疲労感

    冬と比べて夏の方が疲れが溜まりやすい原因に、夏の暑さによるものと思っている方が多いでしょう。実は、その原因に紫外線が関わっているということが分かってきています。紫外線は、シミ、シワなどの肌の老化に関わるだけでなく、研究では疲労感にも紫外線が関わっていることが分かっています。

    資生堂の研究データによると、沖縄でされた実験で60分間外で、全速力で走って、ゆっくり歩いて、休憩を15分ワンセットにして、それを4回運動してもらいました。その1つのグループは日焼け止めを塗り、一方のグループは日焼け止めを塗らずに運動してもらいました。それぞれ運動が終わった直後、6時間後、そして24時間の体の中の疲労物質を測りました。

    もちろん、運動直後が1番疲労物質が上がり、そこから徐々に落ちていきますが、日焼け止めを塗ったグループは、直後に上がるべき疲労物質があまり上がりづらく、疲れを感じにくいことが分かっています。疲労物質である乳酸は、激しい運動した時にエネルギーの元として血中に放出され、これが多いと疲労が多いことになります。また日焼け止めを塗ったグループでは、塗ってないグループに比べて体感的も疲労感が少ないというデータが出ています。これらから紫外線を浴びることが、体に何らかの疲労感を感じさせる要因になっていることが推測されています。

    食後に身体がだるくなる理由

    ある研究では高炭水化物・高脂肪の食事は食後の眠気につながり、食事を終えてから 1時間から1時間半後に倦怠感がピークになるということが分かっています。なぜ高炭水化物・高脂肪の食事を摂ると倦怠感を感じるのか、その理由は血糖値が急激に上がるからです。例えば昼ご飯に糖質が多い白飯、うどん、パスタなどを食べてしまえば血糖値が当然急激に上昇します。すると膵臓から急激にインスリンを分泌します。その影響で今度は血糖値が下がり低血糖状態に陥ってしまうことで眠たくなってしまいます。

    一方で高脂肪の食事については、アデレード大学の研究によって脂肪の多い食事を摂取する男性は、日中は眠気を感じ、夜は睡眠障害、睡眠時無呼吸症候群に苦しむ可能性が高いことが分かっています。この研究は 1800人以上を対象に、12ヶ月に渡って行われ、参加者の食事の内容と睡眠状態を記録し分析しています。

    その結果、脂肪摂取量が最も多かった人は、日中の過度の眠気を経験する可能性が高いということが分かっています。脂肪の多い食事をすることによって睡眠をコントロールしているオレキシンという脳内物質のバランスが崩れ、その結果昼間に眠たくなってしまうのではないかと推測されています。オレキシンは起きている状態を保ち、覚醒を維持する脳内物質のことで、このオレキシンに悪影響が及ぶため覚醒状態を維持できなくなり眠たくなるのではないかと言われています。

    また、小腸から分泌されるホルモンのコレシストキニンも眠たくなる原因の1つだと言われています。高脂肪で高カロリーの食品であるピザなどを食べると小腸からコレシストキニンが分泌され、タンパク質や脂肪を分解するのを助けます。しかしいくつかの研究では脂肪の食事を食べた後のコレシストキニンの増加と数時間後の眠気との間に関係があることが示されています。

    疲れたら動く

    横になってゴロゴロしたり、仮眠を取ったりするのは肉体的な疲労を解消するのには有効ですが、しかし疲労が精神的なものだと返って逆効果です。むしろ運動不足の人が多いため、少しでも休もうとゴロゴロしたり、仮眠したりすると根本的な問題解決にはならずストレスは溜まったままになり、活動のパフォーマンスが落ち、さらにストレスが溜まっていくという負のスパイラルに陥ってしまいます。

    このような悪循環を打破するためにおすすめなのがアクティブレスト、積極的休養です。例えば休み時間に職場から離れて体を動かしたり、休日にも平日と同じ時間に寝起きして運動したりするのが良いでしょう。

    疲れの原因は糖質

    老化のメカニズムである糖化は、タンパク質や脂質がブドウ糖で結合することで劣化する反応です。体内で糖化が起こった結果、AGEと呼ばれる物質がつくられます。AGEは糖が過剰にこびりつき、本来の機能を失ったタンパク質のことであり、この物質こそが老化させてしまう大きな原因の一つです。このAGEは、砂糖とか糖質を食べれば食べるほど体内で増え、肌のコラーゲンと結びつくことでシワ、シミ、にきびといった肌トラブルの原因にもなります。また老化を促進するだけでなく、あらゆる病気を引き起こしてしまうことも分かっています。

    例えば、動脈を詰まらせる血栓の原因は炎症ですが、AGEによって傷つけられた血管の内壁に血液中を流れるコレステロールが染み込み炎症が起きます。それを防ぐために免疫細胞や血小板が集まり塊(血栓)をつくります。これが脳梗塞や心筋梗塞などの命を脅かす重篤な病気につながる可能性があります。他にも糖尿病の人は普通の人より血管が10年早く老いると言われています。なぜならAGEによって体内に炎症が起こり、血管壁が劣化してしまうからと言われています。

    また、AGEは血管だけでなく、細胞や組織を攻撃し、細胞や組織に炎症を引き起こしてしまいます。炎症は様々な病気の原因とも言われ、また謎の体調不良を抱えている人ほど、体内の炎症レベルが高いことが分かっています。さらに現代人の多くは慢性的な疲労を抱えている方が多く、いつも疲れている、疲れが抜けないなどの原因が甘いものです。

    これらから抜け出すためには、糖質をエネルギーとして使う脂肪燃焼型から脂質をエネルギー源として使う脂肪燃焼型の状態が理想です。脂肪を燃やしてエネルギーを取り出すエンジンは、体の中に糖質がたっぷりあると働きません。よく食べ物を食べないと体の中の脂肪が分解されると言われるのは、食べ物がないこと、つまり糖質がなくなったことで体に蓄えられていた脂肪を燃やしてエネルギーを取り出しているからです。

    実は私たちの体は本来、糖質を燃やしてエネルギーを取り出すことに適した状態につくられていません。もともと脂質を燃やしてエネルギーを取り出すように設計されており、精製された炭水化物や砂糖が手に入るようになったのは、人類の歴史からすれば極めて最近の話です。結果として糖質をエネルギーとして使う脂肪燃焼型になり、様々な病気の原因、炎症、疲れなどの不調が起こっています。

    疲れやだるさの原因

    人によって疲れやだるさの原因は人によって異なりますが、

    • 血糖値の乱れ
    • 自律神経の乱れ
    • コレステロール不足
    • コルチゾール(気の源)というホルモン分泌の乱れ

    が大きく影響しています。

    また、これらの原因とは別に、ほとんどの人に共通するのが、ミトコンドリアの量や働きの低下が慢性的な疲れやだるさの原因となっています。つまりミトコンドリアを改善すれば疲れやだるさをはじめとした様々な不調の解消につながります。

    ミトコンドリアは私たちの体内の全ての細胞に存在しており、生命活動を維持するために欠かせないATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーの元になる物質をつくり出します。ミトコンドリアは、年齢とともに、その質や量が低下していきます。研究ではミトコンドリアの数は40代ごろから緩やかに減少し、80代では2/3まで減少します。

    ミトコンドリアの質や量が減少すれば、ATPの数が減少し、体を動かすエネルギーの量が減少することになります。その結果、すぐに疲れるなどの体力低下につながります。

    一方で、質や量の減少によって、体内では酸化ストレスが増加し、様々な不調、病気、老化が引き起こされると言われています。その理由は、ミトコンドリアはエネルギーをつくり出すだけでなく、活性酸素を除去してくれる働きも担っているからです。

    以上のように様々な不調、病気、老化を予防するためには、ミトコンドリアを活性化することが重要になります。同じ年齢にも関わらず老けて見える人は、個人の生活習慣が大きく影響していますが、それはミトコンドリアの質や量に大きく影響した結果なのです。だからこそ食事や生活習慣の改善によって、ミトコンドリアの急激な減少を防ぎ、意識的に活性化することが大切なのです。

    ミトコンドリアを増やす食事

    ミトコンドリアを増やすことや、機能を改善することがアンチエイジングにつながります。なぜならミトコンドリアは細胞のアポトーシスを誘導する働きがあるからです。アポトーシスとは、細胞が老化してしまったり、機能不全になった時に、細胞自体が死ぬという機能ですが、これを指示しているのがミトコンドリアではないか言われています。つまりミトコンドリアの数が足らなければ、古い細胞が体に残り続けて、老化につながります。またミトコンドリアの機能不全によって、本来死ぬべきでない細胞が死んでしまうということもあります。つまりオートファジーに似たような働きがミトコンドリアにもあるのです。

    このミトコンドリアに最も影響が大きいのが食事です。ミトコンドリアにとって悪影響を及ぼすのが、過剰な精製糖や炭水化物です。なぜ悪影響を及ぼすのかと言うと、これらがフリーラジカルやその他の中間毒素の産生を増加させるからです。例えば果糖たっぷりの食事をラットに8週間与えると、果糖を処理する肝臓に存在しているミトコンドリアのDNAに重大な損傷があることが分かっています。さらに果糖たっぷりな食事は、DNAの損傷を修復して新しいミトコンドリアを作る能力を大幅に低下させることも分かっています。

    また、減らした糖を補うためにも脂質を十分に摂る必要があります。ただし脂質を大量に摂る場合は、摂る脂質の質が重要です。アボガド、オリーブオイル、マカデミアンナッツ、グラスフェッドバターなど、健康的な脂質を選んでください。またグラスフェッドビーフ、天然の青魚、有期鶏卵などの健康的なタンパク質、野菜を食べることも大切です。いずれにせよ糖質制限したのであれば、質の高い食べ物を食べることを心がけてください。

    鶏の胸肉(イミダペプチド)

    目の疲れ、身体の疲れなど様々な疲労を感じるのは、元を辿れば疲労は、自律神経が疲れてしまっているサインです。自律神経の疲れの原因は、神経細胞が酸素を大量に消費する際に生じる活性酸素にあります。そのためこの活性酸素を除去することが、自律神経の疲れを取り、疲れにくい身体となります。

    そこで、自律神経を活性酸素によるダメージから守ってくれるのが、疲労を軽減する「イミダペプチド」です。イミダペプチドは強力な抗酸化物質で、1日200mgのイミダペプチドを2週間摂り続けると、抗疲労効果が現れることが明らかになっています。このイミダペプチドが豊富に含まれている食材が鳥の胸肉です。胸肉100gで、200mgのイミダペプチドが補給できるため、疲れが強い人は積極的に食べましょう。

    疲れにくくなる習慣、ミトコンドリア

    体には約37兆個の細胞があり、ミトコンドリアは、その一つ一つの細胞の中に数百〜数千個含まれています。体が活動するために必要なエネルギーの大部分が、ミトコンドリアから供給されています。細胞内のミトコンドリアの量や質が高まると、細胞全体の機能が上がるため、ミトコンドリアが元気な人は、疲れにくく、健康であるための大変重要な要素です。

    例えば、始めは運動すると、息を切らすのはミトコンドリアがエネルギーを生み出すのに必要な酸素を無駄するからです。しかしミトコンドリアが増えることで、呼吸で取り込む酸素量が同じでも、次第に効率的に酸素を使えるようになるため、エネルギー代謝がよくなり、息を切らさずに運動できるようになり、疲れにくくなります。

    ミトコンドリアが活性化して、疲れにくくなる習慣は以下です。

    • 体に蓄積した毒を出すこと
    • ファスティング
    • 筋肉量をキープする
    • サウナ(水風呂)

    体に蓄積した毒を出す

    年齢を重ねるにつれて、体内には長年蓄積した毒素(化学薬品、重金属、食品添加物、カビ毒など)が、ミトコンドリアがエネルギーをつくるのを邪魔する働きがあると言われています。これらを避けることは難しいですが、食事ですぐにできることの一つがよく噛むことです。よく噛むことで唾液にある様々な毒を排出してくれる物質によって毒消し作用は、一番手軽な毒出し方法です。

    ファスティング

    食べ過ぎない生活が大切で、ファスティングによって古くなったミトコンドリアを除去することが可能です。細胞には自身の細胞内の一部を分解する作用を持っています。それがオートファジーです。

    外部からの栄養が不足し、飢餓状態になると細胞内にある古いタンパク質やミトコンドリアを食べてリサイクルします。特にミトコンドリアに起こるオートファジーは、マイトファジーと呼ばれ、古くなったり、傷ついたミトコンドリアはマイトファジーに分解、除去されます。このスイッチを入れるのがファスティングになります。食事の量を少し控える日を時々つくるだけでも効果があります。

    カロリー制限すると、ミトコンドリアの産生が促され、古いミトコンドリアの分解が促進、長寿遺伝子にも影響して寿命が伸び、あらゆる病気に罹患しにくくなります。この根拠となる実験で有名なのが人の組織とよく似ているアカゲザルによる実験です。

    この実験では、長期に渡って、カロリーを70%に制限したサルは、圧倒的に見た目が若々しく、生活習慣病や老年病で亡くなる数が1/3まで減少し、平均寿命もカロリー制限した方が圧倒的に長くなりました。この結果、人でも同じような効果があるのではないかと言われています。

    筋肉量をキープする

    ミトコンドリアは、赤血球を除く全ての細胞に存在していますが、特に筋肉や神経細胞に集中して存在しています。筋肉を動かさなければ誰でも筋肉量は減っていきます。つまりミトコンドリアも同時に減っていきます。

    ただし、効率的に増やすためには有酸素運動が必要です。ミトコンドリアはウォーキングやジョギングに使われる遅筋(赤い筋肉)に多く含まれるため、筋トレよりも効果が高くなります。

    一般的には、体が脂肪燃焼を始める有酸素状態になるまでに、運動してから30分程度必要と言われていましたが、短時間で有酸素運動状態に入る方法もあります。それが、初めに、30秒ほど小走りで走り、次に、脈が整うまで1分ほど歩き、そして30秒ほど小走りする、これを繰り返すと汗が出てくるタイミングあるので、その状態になると有酸素運動に入ることができます。

    サウナ(水風呂)

    ミトコンドリアは間を置いて繰り返し刺激を与えることで活性化します。サウナに入った後に水風呂に入り刺激を与えると、エネルギーをつくり出すため活性化します。なぜなら寒さの刺激によって体は「エネルギーが必要」と判断して、ミトコンドリアを増やそうとするからです。ただし水風呂は、高血圧や心臓に異常がある方は避ける、などの注意が必要です。

    またサウナなどの寒冷療法は、長寿遺伝子が活性化することが最新の研究によって判明しています。特に寒冷療法によりテストステロンと成長ホルモンが増えことが分かっています。

    例えば、冷水シャワーを浴びたり、アイスパックを使ったりして体温を下げると、体温を生み出す必要に迫られます。これを熱発生と言います。この熱発生は、脂肪を燃やし、タンパク質を放出させる刺激を与えるプロセスであり、寒さが刺激となって放出されるタンパク質によって、筋肉に蓄えられたグリコーゲンが燃やされることになります。筋肉のグリコーゲンが使い果たされると、体はテストステロンと成長ホルモンの生成を増加させるようにシグナルを受け取ります。

    この一連の好循環が、体内の炎症を減らし、インスリンの感受性を高め、自食作用を促して、弱くて損傷された細胞を死なせ、新しい健康な細胞の入る余地を作ります。テストステロンは、加齢と共に減少し、中高年の体調不良はテストステロンの低下にあると指摘している本や論文も数多くあります。

    一方で、寒冷療法は成長ホルモンの分泌も促進します。成長ホルモンは疲労回復ホルモンとも呼ばれ、寝ているときに多く分泌されるホルモンです。成長ホルモンは美容にも大きな効果をもたらすアンチエイジングホルモンです。

    高血圧の方はNG

    ただし、高血圧の方は注意する必要があります。怖いのがサウナの後に入る水風呂です。サウナと水風呂を何度も往復するような入り方はいわゆるヒートショックを招いてしまいます。体が急激な温度の変化を感じ取ると交感神経が強く刺激されて血圧が一気に上がり、脳や心臓の障害を引き起こす可能性があります。また入浴後に扇風機の風に当たったり、冷房の前で体を冷やしたりする行為も同じです。さらに体温が高い状態で冷たい飲み物を一気にたくさん飲むのもNGです。体を内部から急激に冷やすことも神経を刺激して血圧が上昇する危険性があります。

    また、入浴すると汗をかいて体の水分が少なくなり、血圧が濃くなって血管が詰まりやすくなる恐れがあります。これがサウナなどで脳梗塞を起こす大きな原因の一つです。入浴に伴う心筋梗塞や脳梗塞を防ぐためにも、入浴の前後に必ずコップ1杯の水を飲むようにしましょう。

    ただし、正しい方法でお風呂に入れば、むしろ血圧を下げる効果が期待できます。例えば体に負担がかからない39度から40度のぬるま湯であれば心身ともにリラックスして、副交感神経が刺激されます。

    夏バテの原因

    冷房による冷えすぎ

    夏バテの原因は暑さだけではなく、水分不足など以外にも様々あります。その一つが、エアコンの温度が低すぎることです。室内外の温度差が大きすぎると自律神経が乱れ、体温調節機能が鈍り、冷房による冷えすぎで血流が悪化し、疲労感や倦怠感を引き起こします。

    甘い飲み物の飲み過ぎ

    これだけ暑いとどうしても甘い飲み物が飲みたくなってしまう。しかし糖分過多により血糖値が急激に上昇し、その後の急降下で疲労感が増してしまいます。また甘い飲み物は中毒性があるため、飲みすぎてしまうと糖質代謝にビタミン B群が大量に消費され、エネルギー不足に陥ります。

    睡眠不足と栄養不足

    夏の暑さで眠りが浅くなり、成長ホルモンの分泌が減少し、そして体の修復機能が低下し、疲労回復ができず夏バテ症状が長引きます。

    一方で、食欲不振により必要な栄養素が不足し、エネルギー代謝が滞ります。特にビタミンやミネラルの欠乏は、体力低下と免疫力の減少を招きます。

    運動不足

    実は、夏は動くと疲れるので運動を控えすぎることが逆に夏バテを悪化させる大きな要因になっています。運動をしないと筋肉が動かず、全身の血流やリパの流れが悪化し、その結果乳酸などの疲労物質や老物が体内に留まり、だるさ、重さ、頭痛などを引き起こしてしまいます。

    暑くても軽い運動は、交感神経と副交感神経のスイッチを整える効果があります。運動不足になると気温差や湿度に自律神経が対応しきれず、だるさ、めまい、不眠などの夏バテ症状に陥ってしまうってことになります。

    夏バテに効く食べ物

    スイカ

    スイカの約90から92%は水分で、夏に不足しがちな体内の水分を素早く補うことができます。加えてカリウムが豊富なため、ナトリウムとのバランスを調整してむくみ解消や疲労軽減にもなります。またスイカには、シトルリンというアミノ酸が含まれており、血管拡張作用があり血流改善に役立ちます。

    他にも疲労物質アンモニアの代謝もサポートし、その結果筋肉疲労の回復や冷えの解消にも良いでしょう。さらに赤いスイカにはトマトと同じリコピンがたっぷり含まれており、紫外線から肌の酸化を防ぎ、内側から日焼け対策も期待できます。

    枝豆

    枝豆は疲労回復、食欲増進、体温調節、水分や栄養補給の点でとても優秀な食べ物です。夏の弱った体を支える天然の総合栄養食であり、良質なタンパク質が体力を維持し、筋肉、内臓、免疫細胞の材料になります。

    さらに汗で失いやすいカリウムが枝豆にはたっぷり含まれており、水分バランスを整え、体温調節や筋肉の痙攣予防にも効果的です。他にも鉄分と葉酸でめまいや貧血対策、特に女性に多い夏の隠れ貧血に有効で、鉄分と葉酸で酸素の運搬力がアップし、疲れにくい体にしてくれます。

    梅干し

    梅干しの豊富なクエン酸が乳酸などの疲労物質を分解し、同時にエネルギー対謝クエン酸回路を活性化して、だるさや重さを軽減してくれます。そして酸味による刺激で唾液や胃酸の分泌が活発になり、消化力が上がり栄養が吸収しやすくなります。また汗を描いて失われるナトリウム、塩分の補給にちょうど良く、水分だけでなくミネラルも一緒に摂ることで脱水症状を予防してくれます。

    また梅干しは抗菌作用が強いため食中毒や腸内トラブル予防にもなります。

    バナナ

    バナナはトリプトファン、ビタミンB6、カリウム、マグネシウムをまとめて摂れ、神経系の安定剤とも言えます。バナナはトリプトファン、セロトニン、メラトニンと交換され、自律神経と睡眠リズムを整えてくれるため、夏バテの栄養素として優秀です。またバナナもカリウムが豊富で体内の水分バランスを整え、そのカリウムが1本に約360mgと豊富です。汗で失われたナトリウムとのバランスを整えて筋肉の痙攣、脱水、倦怠感の予防になります。

    そして天然の糖質で素早くエネルギー補給、加糖、ブドウ糖、ショ糖など吸収ピードが異なる糖質をバランスよく含んでいるため、暑さでぼっとした時や朝の疲労時にも素早く脳と体を元気にしてくれます。

    他にもマグネシウムで神経、筋肉の働きをサポートし、体温調整や筋肉の痙攣防止に重要なミネラルも豊富で、汗やストレスで失われやすいミネラルを補給することで熱中症の初期症状を予防できます。またバナナは約75%水分をしっかり含んでいるため体に優しく潤い補給ができます。さらにビタミンB群でエネルギー対謝を助ける働きをして、特にビタミンB1、B6などが糖やタンパク質の代謝をサポートし、疲労回復やだるさ予防にも役立ちます。

    疲れない体になる習慣

    軽く動く習慣

    実は、寝転がって動かない時間が長くなればなるほど筋肉はどんどん分解されます。これは廃用性萎縮と呼ばれ、使わない筋肉は萎縮していくという現象で、NASAの無重力実験によってベッドの上で安静に過ごした場合の研究では、僅か48時間から72時間で足の筋力が一著しく低下することが確認されています。特に人体最大の筋肉である大腿四頭筋やふくろはぎの腓腹筋など歩行や階段の登り下りに関わる筋肉が短時間で急激に衰えることが知られています。

    さらに高齢者では筋肉の合成よりも分解が進みやすく、1日数時間の寝転がり が脚力の衰えを招いてしまいます。実際、日本老年医学会のガイドラインでも身体活動量の低下が筋肉量の減少を引き起こすことが明記されています。さらに横になることで生じるのは筋肉の低下だけではありません。血液やリンパ液の循環も大きく悪化してしまいます。

    私たち人間の血液は、心臓だけでなく筋肉がポンプのように収縮することによって循環しています。しかし寝ている状態では、ポンプ機能が停止し、老廃物の排泄が滞って疲労物質が体に蓄積しやすくなります。これがむくみやだるさ、冷えといった症状に直結し、慢性疲労体質を引き起こしてしまいます。逆に10分ごとに立ち上がるだけでも体内の血流やリンパの流れは改善することができます。

    研究では、1時間ごとに5分から10分立ち上がって軽く動くだけでも認知機能や心血管機能が大幅に改善されることが分かっています。また座りすぎや横になりすぎによる死亡リスクは、喫煙と同等である報告もあります。

    昼寝をする習慣

    昼寝は、特に脳と体の回復スイッチになります。特に中高年になると、午後にだるくなる、集中力が落ちて何も手につかないと感じる方が増えます。これは単なる加齢ではなく、午前中に蓄積した疲労をそのまま放置してしまっている からです。そんな時には昼寝こそが最もコスパの良い疲労回復になります。たった10分から20分で脳がフル充電状態に戻り、午後の活動量と集中力が倍増します。

    実際、アメリカで行われた研究では、わずか20分の昼寝によって注意力が34% アップし、業務効率が16%アップした結果が出ています。昼寝によって記憶力や集中力、やる気が全てリセットされ、体の動きまでスムーズになります。また軽い睡眠で緊張を解くことによって自律神経のバランスが整います。このリセットによって、午後の血圧の上昇や心臓への負担が軽減され、倦怠感や集中力の低下を予防することができます。

    そして昼寝のコツは、何よりも長すぎないことにつきます。30分以上の昼寝は、かえって眠気が残り、夜の睡眠に悪影響を与えることがあります。そのため10分から20分程度の軽い昼寝にとめておきましょう。また午後15時までに行うことを意識し、深く眠らないように椅子に座るか枕を使わないのがベストです。

    ふくろはぎのマッサージ

    なんだか下半身が重かったり、足が鉛のようにだるい、そんな症状の原因は脳でも内臓でもなく、足の血流とリンパの滞りが原因かもしれません。特に中高年以降は、足先から心臓に血液を押し戻すポンプ力が衰えやすくなります。

    そのため重力によって血液と老廃物が足に溜まりやすくなり、そうなると足の細胞に酸素が行き届かず、筋肉が疲れやすくなってしまいます。さらに静脈やリンパ管が詰まってしまうと冷え症が悪化します。それによって足から来る不調が全身の回復力まで低下させてしまいます。

    下半身のマッサージは、足のポンプ力を再起動する重要な習慣です。足のふくろはぎの筋肉は、血液とリンパを押し上げる第2の心臓と呼ばれています。しかし座りっぱなしや立ちっぱなしの生活によって、この機能が弱ってくると血流が滞って酸素も栄養も行き渡らなくなってしまいます。

    そこでふくろはぎや太ももを意識的にマッサージすると足の毛細血管が拡がって酸素と栄養が細胞にしっかりと届くようになります。筋肉のポンプ作用も補助されて静脈やリンパの流れも戻ります。また適度なマッサージ刺激によって副交感神経が優位になり、深いリラックスモードに入ることもできます。

    さらに年を取ると私たちの筋肉だけでなく筋膜、つまり筋肉を包んでいる膜の部分が水分を失いやすくなります。その結果、癒着や拘縮、つまり筋肉が硬くなってしまうわけです。これによって可動域が低下し、動かさなくなることでさらに硬くなるという悪循環感が起きてしまいます。そのため下半身のマッサージは、このような硬くなった筋肉を柔らかく保ち、守ってくれます。

    高周波でATPの産生増加

    インディバやラジオスティムなどの高周波温熱治療器は、高周波を体内に電通させてジュール熱を発生させます。この深部加温により、体表面からの熱伝達とは違い体内に熱源を作ります。血液、リンパ液の循環が促進され、組織の代謝を活発にするので免疫機能も亢進します。

    高周波で細胞を活性化させるというメカニズムは、温熱効果で促進された血流により大量の酸素が細胞(ミトコンドリア)に運ばれます。その細胞はATPと酸素を使って活性化し、大量のATPが生産されます。

    また、温熱によりヒートションクプロテイン(HSP)も再生されます。HSPは、傷んだ細胞を修復する働きを持つタンパク質です。熱ストレスにより体内で作られる量が増加します。このHSPが私たちの持つ自己治癒力や自己回復力を手助けしてくれるのです。

    【本コラムの監修】

    HARRNY 院長/鍼灸師 菊地明子

    ・経歴
    大学卒業後、美容の世界に入り、セラピストへ。豊富な美容知識や実務経験を活かし、その後、10年間は大手企業内講師として美容部員やエステシャンの育成、サロン店舗運営のサポートを行う。現在は、セラピスト、エステティシャン、美容カウンセラー、鍼灸師の経歴を活かし、お肌とこころと身体のトータルビューティースタイルを提案。表面だけでなく根本からのケアとして、老けない生活についてのコーチングを行う。

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